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1部   生涯学習の現状と課題
第2章  生涯学習と学校
第2節  生涯学習機関としての学校
4  学校の機能,施設の社会への開放


生涯学習における学校の役割を特に学校と社会との接点においてとらえると,一つは,これまで述べたように,若年層以外の学生を大学や高等学校に積極的に受け入れることであり,もう一つは,学校における教育研究の成果やその施設を開放し,地域における生涯学習のニーズにこたえることである。

学校の施設の開放や大学,高等専門学校,高等学校の公開講座は,こうした観点から学校と地域社会を直接結び付けるものであり,学校を単に青少年向けの教育機関としてとらえるだけでなく,成人も含めた人々の生涯学習のために,地域社会における最も身近な学習の場として積極的に活用するものである。


(1) 大学等の公開講座・大学教育開放センター

  大学等における公開講座は,大学等の学術研究・教育の成果を直接社会に開放し,地域住民,成人一般に高度な学習の機会を提供するものである。大学公開講座の現況を見ると,講座数では国公私立を合わせて2,511講座(昭和61年度)であり,52年度と比べると約387倍に増加している。また,公開講座への参加者は,昭和61年度には約33万人に上っている( 1-13 )。

講座の内容は,一般教養,語学のばか専門的な内容からスポーツまで様々である。この中で職業に関する講座は全体の1割程度であるが,近年,高岡短期大学などでは,職業人を対象としてその職業能力の向上を目的とする講座を開設する例が見られ,一般教養に限らず,職業能力の向上の面でもその役割を果たしている。

また,高等専門学校においては,国立の全校(54校)が実施しており,昭和62年度における開催講座数は158,受講者数は約3,900人となっている。

1-13  大学公開講座の実施状況

大学公開講座における版画教室

さらに,大学教育開放センター等は,近年,恒常的,継続的な公開講座を行う機関として,東北大学,香川大学などで設置されているが,生涯学習社会における人々の多様な学習ニーズにこたえるため,更に設置が促進されることが期待される。


(2) 高等学校開放講座

 高等学校は,小・中学校に次ぐ身近な教育機関である。近年,高等学校においても,地域における成人の学習ニーズに応じて開放講座を開設するところが次第に増加している。昭和55年には全国で351講座が開設されていたが,61年には895講座が開設され,その開設数で約2.5倍に増加し,約3万2,000人が受講するとともにその内容も多岐にわたっている( 1-14 )。

1-14  高等学校開放講座開設状況

高等学校開放講座は,開設数においてはまだ少ないものの,高等学校は民間の教育事業の展開が比較的少ない地域にも設置されており,その教育機能を地域に開放することの意義と役割は大きく,今後も積極的に推進していくことが必要である。


(3) 学校施設の開放

 学校施設の地域住民への開放は,従来から積極的に行われている。公立小,中・高等学校施設の開放状況を見ると,昭和59年度に屋外運動場を開放した学校は,小学校で約84%,中学校で約78%,高等学校では約45%に上っており,また,屋内運動場を開放した学校は,小学校で約86%,中学校で約81%,高等学校で約33%となっている( 1-15 )。また,大学についても,昭和59年度に校庭等の体育施設を開放した大学は358校(全体の約78%)に上り,利用者数も延べ約177万人に達している。

また,文化教養活動のための学校施設の利用は,体育・スポーツ活動のための利用に比べてまだ少ないものの,その希望は今後ますます増加する傾向にある。特に大学の図書館は,高度な学術・文化等に関する膨大な資料を所蔵しており,生涯学習社会における情報センターとしてその果たす役割は大きい。昭和61年度には,全大学の96%に当たる454大学が図書館を一般に開放し,その利用者数は約24万人であった。

1-15  学校体育施設の開放状況

施設開放に伴う課題としては,施設管理の責任,事故防止などが挙げられるが,これらの管理責任の在り方を明確にするとともに指導員の配置などを工夫し,開放事業を一層拡充するよう努めることが必要である。


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