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 第2章
  教育内容の充実と能力の開発
6  教育方法
(2)  プログラム学習


いっせい授業のもとでは,学級の多くの生徒は教師の講義を真に理解していない場合が少なくない。プログラム学習とは,このようないつせい授業の効率の悪さに対する反省の上に立つて,ひとりひとりの生徒に学習を成立させることを目標として生み出された新しい教育方法である。

この方法は学習者に学習のプログラムを示し,それに従ってひとりひとりが,その能力差,個人差に応じてそれぞれの早さで,あるいはそれぞれ異なった過程をふみながら学習していくことをその特色としている。

プログラムは単純な問題(ステップ)に分析し,児童生徒の能力に応じてそのステップの解答,訂正を継続していくことによって学習事項を理解されるようにつくられているものである。このプログラムは,いわゆるティーチンダマシンによって提示される。したがつて,プログラム学習は,次にみる語学ラボラトリーとともに人と機械との一体化(機械による自己学習)ということが特徴である。

こういうプログラム学習の研究が始められたのはアメリカにおいてであるが,全米教育協会の調査によると,1956年当時には,授業の一部にこれを採用していた学校は,小学校,中等学校ともわずか5%にすぎなかつたのが,1961年には,小学校15%,中等学校13%に増加し,2〜3年後には約半分の初等・中等学校が,プログラム学習を採用するにいたるであろうと予想されている。

わが国では,1960年にプログラム学習とティーチングマシンが紹介され,それ以来,その研究が始まり指導方法や使用する機械についていろいろなくふうが試みられている。

このようにアメリカに始まったプログラム学習の研究は,ここ数年来学習指導のあり方に大きな変革をもたらすであろうとして,ヨーロッパ諸国,ソビエト連邦,またはアフリカやアラブ諸国などの低開発国における教員や教育行政にたずさわる人々の間に大きな関心と論議を呼んでいる。

しかしながら,プログラム学習は,まだ研究・実践が始められて日が浅く,よいプログラムの作成などさまざまの問題があるが,将来は能力に応ずる教育方法の一つとしての役割を果たしていくものとして注目されている。


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