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第1章
教育の普及度
5 高等教育


 第二次世界大戦後の学制改革によって,わが国の高等教育機関↑(注)↑、の性格にも大きな変革が加えられた。

 (注)高等教育機関には,わが国では,戦前の大学・大学予科・専門学校・高等学校・大学専門部・高等師範学校および師範学校第二部,戦後の大学・短期大学が該当する。

 おもな変革点は,専門学校の切り替えによる大学の増加,短期大学の創設,高等教育機関における一般教養の重視,女子に対する門戸の開放などで,いずれもアメリカ合衆国の高等教育に対する考え方の影響を受けたものといえるであろう。

第7表 高等教育機関学生数の推移

第5図 高等教育機関学生数の推移

 この結果,高等教育機関の学生数,特に女子学生の数は戦前に比べて著しく増加した。

 表に示すように,昭和34年度の高等教育機関学生数は,昭和9〜11年の平均学生数の3.6倍近くに増加し,これを男女別に見れば,女子学生の増加は7倍を越えている。特に戦前においては,女子の入学はほとんど専門学校だけに限られ,昭和10年度の国立大学に例をとると,28,200人の学生のうち女子の数は75人にすぎなかった。戦後,女子の4年制大学進学者は増大し,昭和33年度の国立大学学生数約189,700人のうち26,200人,すなわち約14%は女子学生によって占められている。

 主要国の高等教育機関学生数の,該当年齢人口に対する比率によって高等教育の普及度を比較してみると,わが国の普及度はアメリカ合衆国に次いでおり,イギリス・西ドイツ・フランスの各国の普及度をしのいでいる。

 女子についてみても,諸外国と比べてそれほど低くない。

第6図 主要国における高等教育機関学生数の該当年齢人口に対する比率

 高等教育機関に入学する者の数と義務教育最終学年の在学者の数との関係から高等教育の普及度をみても,該当年齢人口に対する比率についてみた場合とほぼ同様の結果が示されている。

 以上のように,高等教育の普及度においてヨーロッパとアメリカ合衆国とわが国との間にはそれぞれかなりのひらきがある。これは各国の社会的・経済的・文化的背景の違いにもよるが,高等教育機関の性格の相違によることも忘れてはならない。

第8表 主要国における高等教育機関入学者数の比率

 ヨーロッパ各国の高等教育機関進学者の比率が比較的低く,アメリカ合衆国の比率が高いのは,ヨーロッパにおける高等教育機関が,学術の研究を目的とし,主として少数の選ばれた者を養成する機関として発達してきたものであるのに対して,アメリカ月衆国における高等教育機関が「教育の機会均等化」の思想にささえられて,高い知性と専門知識をそなえた社会人を養成する機関として発達してきたところに原因があるということができる。

 わが国の高等教育機関はアメリカ合衆国の高等教育機関に近い性格をもつものと見ることができる。


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