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第7章   学校保健
第1節  学生生徒児童の健康の現状と教育への制約
5  学生生徒児童の疾病異常の罹患状況


健康上の理由で欠席その他直接的に教育に制約をうけている例についてはすでにのべたところであるが、このよ うな直接的な制約が数字の上にあらわれにくいにしても、間接的に教育上の制約をうけている例は意外に多いも のと考えられる。

学生生徒児童の健康状態は、このような点からみても意味の深いものである。

学徒b健康状態は、ます学校身体検査の統計によつてつかむことができる。

第165表  学生・生徒・児童の疾病異常該当者率

第166表  小学校児童病類別結核発病者調(昭和26年度)

昭和27年度の成績は、 第165表 の如くである。結核性疾患は、小学校・中学校・高等学校では約1%、大学では2%近くを示している。

罹患率の多い疾病は、う歯,近視,トラホーム等であり、寄生虫卵の保有者もまた多い、結核性疾患について精密 な検査を行つた成績は 第166表 の如くである。

う歯については、学童中最も罹病率の多い疾病であつて、昭和12年に文部省で、また、昭和25年には文部省が科 学Vf究費によるう蝕班と共同で行つた精密な調査の成績があり、罹患率の高いことと、大部分が未処置のまま放 置されていることが問題となつている。

また、わがくに学徒のう歯の罹患率は、 第45図 の如く、今次戦争による食生活 を中心とする社会環境の変化により著しく低下したが再び増加のf頃向を示している。

このような増減には人為的な努力の跡がほとんどみられないのであつて、少なくとも処置率の増加が今後期待さ れねばならない。

第45図 小学校児童のう歯罹寄者率の推移

第46図 児童生徒の眼-屈折状況


この調査は、昭和18年度に東大を始め9大学眼科教室に依嘱して、国民学校・旧制中学校}こついて行つた精密調 査の成績であつて、これにより、わがくに児童生徒の眼屈折状態が明らかにされた。

第47図  小学校・旧制中学校児童生徒近視罹患者率の推移

註 1)毎年4月に全国の学校で行われる学校身体検査の成績である。

2)旧制中学校は12〜16才の平均値で1913〜36年までは全国のしつ皆調査,1937〜46年はサンプル調査であり、戦後 は旧制中学校制度は廃止されたので、新制高等学校を画いておいたが、これは15〜17才である。

3)小学校では眼の検査は6〜7才は行わなくともよいことになつているので、8〜11才の平均値をあげた。

1922〜36年は全国のしつ皆調査である。

1937〜47年は全国調査でなく部分的なもののため省路した。

近視については、昭和12・16・18年に文部省で行つた精密調査の成績があるが、これによると、近視は小学校高 学年から、中学校の年齢層にかけて急増することがみられ、その大多数は偽近視であつて、学習や食生活の注意 によつて相に防ぎうる可能性を示している。

近視も 第47図 の如く今次戦争により著しく減少したことは、前述の理由を物語 つているが、最近再び増加の傾向を示している。

この近視の増減にも、う歯と同様に人為的の努力の跡がほとんどみられないが、近視の場合は個人の注意によつ ても相当に防ぎうる点に注意されねばならない。

トラホームは戦争による影響はあまり認められないが、精密検査を行うと郡部においては、いまだ高い罹患率を 示している。

寄生虫卵保有者は戦後増加し、とくに、都市では増加が著名であつた。


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