ここからサイトの主なメニューです
前(節)へ  次(節)へ
第5章   大 学
第5節  学生の厚生補導
1.  目標


大学の営む機能の中で、厚生補導ほど、その役割について現在もなお明確にされていないものはまれであろう。 学生の中に貧困と疾病がなくなり、いろいろなトラブルが起らなければ、学生の世話をするこのような仕事は、 本来不必要なものであると考える人も少なくない。厚生補導とは、このように学生生活にかざす影を排除し、「 好ましくないもの」を除去するだけの仕事であろうか。

しかしながら一方、教育をまじめに考える人々は、大学の生活を通じて、学生が「教育の目的を達成する」とい うことは、教室内の教授研究の場だけを通じて、その一切が成就されるものであるとは信じない。単に知的,専門 技術的な指導の中から、人間の全面的な成長と発達が生み出されるという考えは、客親的な事実の裏付けを持つ ているわけではない。

学生の立場から考えても明らかなように、学問の研修ということは、かれらがその年齢層は特有な傾向を持ち、 その生活を展開してゆくときの重要な要素ではあつても、その生活の内容のすべてではない。飲み・食い・住い ・そして喜び・悲しみ・あこがれ・悩むこと―切が、人間生活の内容を構成するかぎり、教育の目標として人間 的な成長を考える場合、学生についても、これらの全体の活動をひとりの学生として生きたとらえ方をするので なければ、教育はその本来の意味を失うであろう。

厚生補等とは、このように学生を生活し成長する主体としてとらえ、かれらが学園を中心とする生活の中で、そ の個性に応じて最高度の成長と発達を遂げ、将来民主的な社会人としてその技能を発揮するための資質を身に着 けうるように、大学が学生に対して与える科学的,組織的な指導と援助の活動をいうのであるつ


前(節)へ  次(節)へ

ページの先頭へ   文部科学省ホームページのトップへ