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第11章 ICTの活用の推進

総論

 教育におけるICT(情報通信技術)の活用は,子供たちの学習への興味・関心を高め,分かりやすい授業や子供たちの主体的・協働的な学び(いわゆる「アクティブ・ラーニング」)を実現する上で効果的であり,確かな学力の育成に資するものです。ICTを活用することによって,一人一人の子供たちの能力や特性に応じた「個別学習」や,子供たちが教え合い学び合う「協働学習」の効果的な実施が可能になります。さらに,特別な支援が必要な子供たちに対して,障害の状態や特性等に応じて活用することは,各教科や自立活動等の指導においても極めて有用です。
 教育におけるICTの活用については,第2期教育振興基本計画や「日本再興戦略JAPAN is BACK2015(平成27年6月30日閣議決定)」や,「世界最先端IT国家創造宣言(27年6月30日一部改訂)」などにおいて位置付けられています。さらに,教育再生実行会議第1分科会においても議論を行い,27年5月に第七次提言を取りまとめました。また,文部科学省では28年2月からは,初等中等教育分野の教育の情報化の加速に向けた施策の検討を行うとともに,第3期教育振興基本計画も視野に入れた「2020年代に向けた教育の情報化に関する懇談会」を開催しています。

図表2‐11‐1 国家戦略における記述

第1節 教育の情報化

 子供たちの「確かな学力」を育成するためには,分かりやすい授業を実現することが必要であり,その指導方法の一つとして,教員がICTを効果的に活用した授業を展開することが重要となっています。特に,アクティブ・ラーニングの視点に立った学習におけるICTの活用や,遠隔地間の学校同士をICTで結び,遠隔地間の学校同士で意見交換を行う合同学習などが求められています。また,社会の情報化が急速に進展する中で,子供たちが情報や情報手段を主体的に選択し活用していくための基礎的な資質(情報活用能力)を身に付け,情報社会に主体的に対応していく力を備えることがますます重要となっています。さらに,教員の校務事務の多忙化により,子供たちと向き合う時間が不足していることが指摘されている中で,ICTを活用した校務の効率化が求められています。
 一方,近年,コミュニティサイト等に起因する事犯や,いわゆるリベンジポルノなどのインターネットによる犯罪被害,生活リズムの乱れなどが大きな問題となっており,情報社会の便利な側面のみならず,影の部分やその対処法などについて,子供たち自身や保護者などが正しく認識し,適切に行動していくことがますます重要となっています。
 このような状況を踏まえ,文部科学省では,第2期教育振興基本計画に基づき,ICTの活用により協働型・双方向型の授業革新を推進することや,教員のICT活用指導力向上のための必要な施策を講じること,教育用コンピュータや電子黒板等のICT環境を充実すること,青少年を有害情報から守るための取組を推進することなどに取り組んでいます。

図表2‐11‐2 ICTの活用例

Column No.16 2020年代に向けた教育の情報化に関する懇談会

 文部科学省では,平成28年2月から文部科学大臣政務官の下,今後の教育の情報化の推進のため「2020年代に向けた教育の情報化に関する懇談会」を開催しています。
 授業でのICT活用が着実に進展し,次期学習指導要領改訂において情報教育の充実やアクティブ・ラーニングへのICT活用が議論される一方,ICT機器等の整備や教員のICT指導力の点で課題も明らかになっています。
 また,IoT(※1)社会の到来に伴い,外部・地域人材や民間など多様な分野の知見も活用しながら,データを活用した学級・学校経営支援,政策立案支援の可能性も具体化しつつあります。
 そのため,本懇談会では,教育の情報化に向けた当面の施策の検討を行うとともに,第3期教育振興基本計画も視野に入れた検討を進めています。4月には,学校活動のあらゆる側面へICTの積極活用を図るための政策課題と対応方針を,中間取りまとめ(※2)として公表しました。夏までに最終取りまとめを行う予定です。

《懇談事項》

  • (1)「一人1台タブレット環境」と「堅牢(ろう)な校務支援システム環境」によるデータの効果的活用を通じて,個に応じた学習指導と学級・学校経営を支援する「スマートスクール」(仮称)構想に向けた方策
  • (2)地域間格差が顕著になっている授業・校務両面でのICT環境整備の全国的な加速化に向けた方策
  • (3)地域×学校×ICTによる地域・学校連携推進,貧困等による格差解消や地方創生への貢献に向けた方策
  • (4)その他

  • ※1 IoT(Internet of Things):モノのインターネット
  • ※2 「2020年代に向けた教育の情報化に関する懇談会」中間取りまとめ
    (参照:http://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/zyouhou/1369536.htm)

1 ICTの活用による授業革新に向けて

(1)教育の情報化に関する実証研究の実施

 平成26年度から総務省と連携して先導的な教育体制構築事業(図表2‐11‐3)を実施しています。実証地域・実証校は,福島県新地町,東京都荒川区,佐賀県(武雄市と連携)の小学校7校,中学校3校,高等学校1校,特別支援学校1校です。この事業では,クラウド・コンピューティングなど最先端のICTを活用した新たな学びを推進するための指導方法の開発や,教材・指導実践事例等の共有などの実証研究を行います。事業最終年度である28年度に実証研究の最終成果を取りまとめ,全国に普及させることとしています。

図表2‐11‐3 先導的な教育体制構築事業(イメージ図)

 また,平成27年度から3年間の予定で,「人口減少社会におけるICTの活用による教育の質の維持向上に係る実証事業」を実施します。実証地域として学校教育12地域,社会教育5地域を選定しました(図表2‐11‐4)。この事業では,人口過少地域において,ICTを活用して遠隔地間の児童生徒の学びを充実させたり,学校と社会教育施設間が連携した遠隔講座を実施するなど,学校教育及び社会教育における教育の質の維持向上を図るための実証研究を行います。

図表2‐11‐4 採択先一覧

(2)ICTを活用した教育の推進のための環境整備

 平成27年3月1日現在,学校において,教育用コンピュータの1台当たり児童生徒数は6.4人(前年度6.5人)となっています。都道府県別では,児童生徒数は8.4人/台から2.6人/台までとなっており,都道府県により地域差があります(図表2‐11‐5)。また,超高速インターネット接続率(30Mbps以上)は81.6%(前年度79.1%)となっています。都道府県別では,接続率は53.2%から98.5%までとなっており,こちらも都道府県により地域差があります(図表2‐11‐6)。特に,教育用コンピュータについては,佐賀県が都道府県レベルでは初めて第2期教育振興基本計画の目標値である3.6人に1台を大きく超えて,2.6人に1台という水準に達したことから,教育用コンピュータの整備状況の地域間格差はより大きくなっています。そのため,ICT環境の整備等について自治体の状況に応じた支援を行うことが求められています。

図表2‐11‐5 教育用コンピュータ1台当たりの児童生徒数及び超高速インターネット接続率

図表2‐11‐6 超高速インターネット接続率(30Mbps以上)

 そこで,文部科学省では,平成27年度から,ICT環境の整備を進めようとする地方公共団体の要請に応じて,適切な助言を行う「ICT活用教育アドバイザー派遣事業」を開始しました(図表2‐11‐7)。27年度は,アドバイザーによって抽出された地方公共団体それぞれの課題とその課題の解決に向けた助言や改善の内容をマニュアルとして取りまとめました。
 このほか,タブレット型コンピュータの整備台数は前年の約7万3,000台から平成27年3月1日時点で約15万6,000台と倍増しています。
 国は,学校におけるICT環境の整備に対して地方財政措置を講じています。平成27年度は,第2期教育振興基本計画の目標水準を達成するため,教育のIT化に向けた環境整備4か年計画(26年度から29年度)に沿って,単年度で約1,678億円を計上しています。文部科学省では,教育委員会に対し,学校のICT環境整備の狙いや効果,当該地方財政措置の内容について周知するなど学校におけるICT環境の整備の取組を促進しています。
 なお,民間企業においては,複数の教育委員会がICT機器を共同調達する際に,規模の経済性を生かして学校のICT環境の整備を促す新たなサービスを提供する動きが見られています。

図表2‐11‐7 ICT活用教育アドバイザー派遣事業

(3)教員のICT活用指導力向上に向けた取組

 教員のICT活用指導力については,子供たちの学習内容や学習形態に応じて,五つの大項目と18の小項目に分類した「教員のICT活用指導力の基準(チェックリスト)」を活用し,公立学校を対象として調査を行っています。調査では,このチェックリストに基づき,項目別に4段階(「わりにできる」「ややできる」「あまりできない」「ほとんどできない」)の自己評価を行い,「わりにできる」若しくは「ややできる」と回答した教員の割合により,5項目のICT活用指導力を把握しています(図表2‐11‐8)。平成27年3月においては,前年度と比べ,5項目全てのICT活用指導力が上昇しています。
 一方,ICTを活用した教育の実際については,地域間で差異が生じてきているため,それぞれの地方公共団体の状況に応じたサポートが必要になります。そこで文部科学省では,平成27年度から教員等のICT活用指導力の向上を図るため,教員養成課程を有する大学と連携して研修プログラム(研修のカリキュラムや教材など)の作成に取り組む自治体の(支援指導力パワーアップコース)やICTを活用した学びを日常的に実践するためのモデルカリキュラム(年間指導計画や単元指導計画など)の作成に取り組む地方公共団体の支援(ICT活用実践コース)に取り組んでいます(図表2‐11‐9)。 なお,事業最終年度である28年度末に最終成果を取りまとめ,全国に普及させることとしています。

図表2‐11‐8 教員のICT活用指導力の推移

図表2‐11‐9 ICTを活用した学びの推進プロジェクト

2 情報活用能力の育成

 子供たちの情報活用能力を育成する情報教育は,子供たちが「生きる力」を身に付ける上で重要であり,学校の教育活動全体を通じて横断的に実施する必要があります。各学校においては,現行の学習指導要領に基づき,小・中・高等学校の各学校段階を通して情報教育を体系的に実施することとしています。
 具体的には,小学校では,コンピュータなどの基本的な操作を身に付けることや,各教科の授業において情報手段を適切に活用すること,情報モラルを身に付けることとしています。中学校では,小学校の学習を通じて習得したことを基盤として,コンピュータなどを主体的に活用できるように学習活動を充実することとしています。高等学校では,情報手段を適切かつ実践的,主体的に活用することができるように学習活動を充実することとしています。また,共通教科「情報」において,生徒の興味・関心等に応じ,情報や情報科学に関する科学的な見方・考え方についてより広く,深く学べるよう,「社会と情報」,「情報の科学」の2科目のうちいずれか1科目を履修することとしています。
 文部科学省では,学習指導要領の下で教育の情報化が円滑かつ確実に実施されるよう,教員の指導をはじめ,学校・教育委員会の具体的な取組の参考となる「教育の情報化に関する手引」を作成し,周知を図っています(※3)。また,文部科学省が平成25年度に小・中学生を対象にコンピュータを用いた情報活用能力について調査した結果を見ると,小・中学生共に,整理された情報を読み取ることができる一方,複数のウェブサイトの情報を整理・解釈することや,受け手の状況に応じて情報発信することに課題があることなどが分かりました。加えて,キーボードでのローマ字入力に関しては,1分間当たりの文字入力数が小学生では5.9文字,中学生では,17.4文字であり,濁音・半濁音・促音の入力や,アルファベットやカタカナの入力切替えに時間を要している傾向も見られました。このような調査結果を踏まえ,これらの課題に対する指導の要点をまとめた指導事例集「情報活用能力育成のために」を作成し,都道府県及び市区町村教育委員会に配布しました。なお,27年度に高校生を対象に実施した調査については,28年度に結果の分析を行い,指導の改善,充実に向けた指導資料を作成・配布することとしています。
 また,小・中・高等学校において,大学やNPO法人等の協力を得ながら,プログラミングに関する授業を実践し,指導上のポイントや配慮事項を整理して教員が適切に指導するための手引書を作成しています。


  • ※3 参照:http://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/zyouhou/1259413.htm

3 障害のある子供たちの支援

 文部科学省では,各学校において障害のある子供たちの障害の状態や特性等を踏まえた教材を効果的に活用し,適切な指導を行うことができるよう,平成26年度から「学習上の支援機器等教材活用促進事業」を実施しています。企業・大学等が学校・教育委員会等と連携して行う,ICTを活用した教材など,児童生徒の障害の状態等に応じて使いやすい支援機器等教材の開発を支援しています。また,学校において,ICTなどに関する外部専門家の支援を受けつつ,支援機器等教材を活用した指導方法に関する実践的な研究を実施しています。
 国立特別支援教育総合研究所では,平成26年度から障害の状態や特性等に応じた教材や支援機器の活用に関する様々な情報を集約・管理し,発信するためのポータルサイトを開設しています(※4)。また,第2期教育振興基本計画で「ICTの活用等による新たな学びの推進」に記載されている内容に対する研究,各都道府県等の指導的立場にある教職員を対象とした「特別支援教育専門研修」における情報手段を活用した教育的支援に関する研修などを実施しています(※5)。


  • ※4 参照:http://kyozai.nise.go.jp/
  • ※5 参照:http://www.nise.go.jp

4 高等教育におけるICT人材の育成の推進

 近年,社会の様々な場面でICTの活用が急速に広がるとともに,政府機関や企業に対するサイバー攻撃などの社会的問題も多発しています。このような中で,今後の日本経済の発展や新たなイノベーションを創出するためには,ICTの高度な利活用が必須であり,社会的問題の本質まで掘り下げて解決策を描くことができる高度で実践的なICT人材の育成が求められています。
 文部科学省では,成長分野を支える情報技術人材の育成拠点の形成(enPiT)において,産学連携により企業等の実際の課題に基づく課題解決型学習(PBL:Project Based Learning)等の実践教育の取組を推進しています。平成28年3月末現在,大阪大学を中心として合計111校の大学と合計125社(延べ数)の企業が全国的な実践教育ネットワークを形成しています。これにより,全国の大学への実践教育の普及や,情報技術を高度に活用して社会の具体的な課題を解決できる人材の育成を目指しています。
 特にサイバーセキュリティに関する人材については,質的・量的な不足が指摘されています。文部科学省においては,上記の事業による学部・大学院レベルでの人材育成の取組に加え,高等専門学校においても教材開発や実践的な演習環境の整備などの取組を通じて人材育成に取り組んでいます。
 また,第2期教育振興基本計画において,ICTを活用した教育の推進が掲げられており,私立大学等が行うマルチメディア装置や学内LAN(学内ネットワーク)の整備などに対して支援しています。
 このほか,誰もがインターネットを通じて大学の講義を無料で受講することができる取組として,MOOC(Massive Open Online Course/大規模公開オンライン講座)が注目されています。MOOCの取組は平成24年以降世界中に広まり,我が国においても,日本オープンオンライン教育推進協議会(JMOOC)が設立され,26年4月に日本版MOOCによる講義の配信が始まりました。28年3月現在,大学や企業から提供された計123講座がJMOOCから配信され,社会人の学び直しなどに活用されています。

5 青少年を有害情報から守るための取組の推進

(1)学校における情報モラル教育の推進

 インターネットやスマートフォン,ソーシャルネットワークサービス(SNS)などの普及に伴って子供たちが違法情報・有害情報にさらされ,トラブルに巻き込まれる危険性が増えています。また,子供たち自身が加害者となるケースも見られ,適切に情報を取り扱う能力を育成する情報モラルに関する教育がますます重要となっています。
 小・中・高等学校の学習指導要領では,「総則」において,各教科等の指導に当たっては,児童生徒に情報モラルを身に付けさせることを明記するとともに,小・中学校の「道徳」において情報モラルに関する指導に留意すること,高等学校の共通教科「情報」において情報モラルに関する内容について学習することとしています。また,指導主事等を対象とした「学校教育の情報化指導者養成研修」を教員研修センターで年2回開催しています。この研修の中で情報モラルに関する指導の在り方や情報セキュリティ対策の在り方についても講座内容として取り上げています。
 文部科学省では,「教育の情報化に関する手引」において,情報モラル教育の必要性や情報モラル教育の指導の在り方,各教科等における指導例,教員が持つべき知識等について解説(※6)しています。また,「情報モラル教育実践ガイダンス(※7)」や教員用指導手引書を通じて,
小・中学校の教員が情報モラルを指導するための基本的な考え方や指導事例等を紹介しています。平成27年度は情報モラル教育推進事業において,教員用の教材の改訂及び保護者用の啓発資料の作成を行っています。さらに,通信関係団体や総務省などと連携し,保護者,教職員及び児童生徒を対象にした,インターネットの安全・安心な利用に関する講座(e‐ネットキャラバン)(※8)を実施しています。


  • ※6 参照:http://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/zyouhou/1259413.htm
  • ※7 参照:http://www.nier.go.jp/kaihatsu/jouhoumoral/index.html
  • ※8 参照:http://www.e‐netcaravan.jp/

(2)インターネットをめぐる問題に関する取組

 スマートフォン等をはじめとした様々なインターネット接続機器の普及に伴い,長時間利用による生活リズムの乱れや有害サイトを通じた犯罪等が深刻な問題となっています。
 平成27年度「青少年のインターネット利用環境実態調査」(内閣府)によると,小学生では約61%,中学生では約80%,高校生では約98%がスマートフォン等のいずれかのインターネット接続機器でインターネットを利用しているとされており,平日(月曜から金曜)の平均使用時間は約142分となっています。このような状況を踏まえ,情報化社会の危険性とその対処法などについて,子供たち自身と保護者などが正しく認識し,適切に行動していくことがますます重要となっています。
 文部科学省では,「青少年が安全に安心してインターネットを利用できる環境の整備等に関する法律」に基づく「青少年が安全に安心してインターネットを利用できるようにするための施策に関する基本的な計画(第3次)」などを踏まえ,関係府省庁等と連携しつつ,青少年をインターネット上の有害情報から守るための取組を推進しています。具体的には,

  • インターネットに関する児童生徒向けの普及啓発資料の作成・配布(図表2‐11‐10)
  • フィルタリングやインターネット利用のルールに関する学習・参加型のシンポジウム「ネットモラルキャラバン隊」の開催
  • メディアリテラシー指導員養成講座の実施やフィルタリング普及活動などの各地域における先進的な取組の支援として「ネット対策地域支援」の実施
  • スマートフォンなどの新たな情報通信機器への対応方法などについて青少年自身が研修で学んだ成果を発信する「青少年安心ネット・ワークショップ」の実施
  • いわゆるネット依存傾向の青少年を対象とした自然体験や宿泊体験プログラムの実施を通じたネット依存対策の実施

などに取り組んでいます。
 さらに,多くの青少年が初めてスマートフォンなどを手にする春の卒業・進学・入学の時期に合わせ,関係府省庁等が連携して,「春のあんしんネット・新学期一斉行動」を展開し,全国の教育委員会,学校,PTAなどに協力を依頼しています。

図表2‐11‐10 ちょっと待って!スマホ時代のキミたちへ

6 校務の情報化の取組

 校務の情報化は,学校における校務の負担軽減を図り,教員が子供たちと向き合う時間や教員同士が指導方法について検討し合う時間を増やすことにつながります。さらに,学籍・出欠・成績・保健・図書等の管理や,教員間の指導計画・指導案・デジタル教材・子供たちの学習履歴その他様々な情報の共有,学校ウェブサイトやメール等による家庭・地域との情報共有などに役立ちます。
 「平成26年度学校における教育の情報化の実態等に関する調査」によると,27年3月1日現在で,教員の校務用コンピュータ整備率は113.9%となっているものの,「校務支援システム」(校務文書に関する業務,教職員間の情報共有,家庭や地域への情報発信,服務管理上の事務,施設管理等を行うことを目的として教職員が一律に利用するシステム)の整備率は,81.9%にとどまっています(図表2‐11‐11)。このため,教育委員会等において,校務支援システムの整備を含めた校務の情報化をより積極的に進めることが期待されます。

図表2‐11‐11 校務支援システムのある学校の割合

第2節 映像作品やICTを活用した教材の普及・奨励

 文部科学省では,教育上価値が高く,学校教育又は社会教育に広く利用されることが適当と認められる映画その他の映像作品や紙芝居を「文部科学省選定」として選定し,そのうち特に優れたものは「文部科学省特別選定」として選定して,普及・奨励に努めています(図表2‐11‐12)。また,平成26年度から審査の対象に教育用デジタルコンテンツを加えて,ICTを活用した幅広い教材の普及・奨励に努めています。

図表2‐11‐12 平成27年度文部科学省特別選定作品一覧

第3節 ICTを活用した情報発信

(1)文部科学省の取組に関する情報発信

 文部科学省ホームページは,教育,文化,スポーツ,科学技術・学術の各分野における最新の動向や調査結果のほか,報道発表資料や文部科学大臣の記者会見の記録,文部科学省の施策に関する情報を随時更新しながら発信しています。また,定期的に行う文部科学大臣の記者会見の動画を,即日文部科学省ウェブサイト上に掲載しています。
 また,広報誌として発行する「文部科学広報」は,平成22年度から電子書籍としてウェブサイトで閲覧することができるようになりました(※9)。文部科学省の庁舎内に設けられた「情報ひろば」の情報もウェブサイトで見ることができます。また,ゲーム要素を取り入れながら,文部科学省の仕事を学べる子供向けのウェブサイトも充実させています。
 さらに,文部科学省ではソーシャルメディアも積極的に活用しています。公式Twitter「mextjapan」(※10),平成23年2月開設)では,毎日,文部科学省ウェブサイトの新着情報などを発信し,27年度はフォロワー数が25万人を超えました。公式Facebook(「文部科学省 MEXT」(※11),23年6月開設)においても,文部科学省ウェブサイトとの連携を図りつつ,写真や画像を掲載して分かりやすく情報発信し,27年度にはファン数が6万人に達しました。
 これらのほか,「YouTube」,「ニコニコ動画」,「USTREAM」などに専用チャンネルを設置し(※12),施策の紹介動画等を制作・公開しているほか,会議・イベント等のインターネットライブ配信を実施しています(YouTubeチャンネル開設(20年8月)後の全再生回数:約840万回)。
 このほか,民間企業等と協力した映画・ドラマ等とのタイアップ広報において,特設ウェブサイトやソーシャルメディア,インターネット動画等の広報媒体を相互に連携させた広報活動も実施しています。


  • ※9 参照:http://www.mext.go.jp/b_menu/kouhou/
  • ※10 参照:https://twitter.com/mextjapan
  • ※11 参照:https://www.facebook.com/mextjapan
  • ※12 参照:http://www.mext.go.jp/movie/index.htm

(2)我が国の文化発信の強化

 文化庁では,文化行政の情報化と情報発信を強化するため,文化庁ウェブサイトなどで,文化財や美術品,舞台芸術,メディア芸術,日本語教育,国語施策などの情報を幅広く提供しています。
 また,Web広報誌として「文化庁広報誌 ぶんかる」(※13)を配信し,文化庁の取組を紹介するコラム,文化庁や国立文化施設の催し物のお知らせなどを掲載しています。
 同時に,公式Twitter「文化庁広報誌 ぶんかる」(※14)において,ほぼ毎日,文化庁ウェブサイトの新着情報などを発信しています。
 この他のウェブサイトも開設しており,例えば,「文化遺産オンライン」(※15)では,全国の博物館・美術館や関係団体,各地方公共団体の協力を得て,有形・無形を問わず良質で多様な文化遺産に関する情報を収集し,公開しています。
 さらに,日本芸術文化振興会が運営する「文化デジタルライブラリー」(※16)では,インターネットを通じ,舞台芸術の魅力を紹介する教育用コンテンツや,国立劇場等の自主公演に関する上演記録や錦絵,番付などの収蔵資料に関するデータベースなどを公開しています。


  • ※13 参照:http://prmagazine.bunka.go.jp/index.html
  • ※14 参照:https://twitter.com/prmag_bunka
  • ※15 参照:http://bunka.nii.ac.jp/
  • ※16 参照:http://www2.ntj.jac.go.jp/dglib/

お問合せ先

生涯学習政策局政策課

-- 登録:平成28年10月 --