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第2章 東日本大震災からの復旧・復興の進展

総論

 平成23年3月11日,東北地方太平洋沖地震が発生しました。この地震に続いて太平洋岸を中心に広範囲で津波が発生し,特に東北地方及び関東地方の太平洋岸では巨大津波によって甚大な被害を受けました。さらに,東京電力福島第一原子力発電所において事故が起こり,放射性物質が放出するという事態が発生しました。
 震災から5年が経過し,文部科学省では,被災地や被災者に寄り添いながら,一日も早い復旧・復興を目指して,学校施設の復旧や就学支援,児童生徒の心のケア,復興を支える人材の育成や大学・研究所等を活用した地域の再生,原子力損害賠償の円滑化などに取り組んでいます。

第1節 創造的復興を実現する人材の育成

 東日本大震災からの復興のためには,教育・学びを通して,復興や持続可能な地域づくりに貢献する人材を育成することが鍵となります。こうした認識の下,東北各地では,東日本大震災を機に従来の目的や手法にとらわれることなく未来志向の教育の実践が進められています。

1 復興教育支援事業

 文部科学省では,東北発の未来型教育モデルづくりを進めるため,復興教育支援事業に取り組んでいます。本事業は,震災の教訓を踏まえ,被災地の復興とともに,我が国全体が希望を持ち未来に向かって前進していけるような教育を進めることを目的としています。被災地の復興を支え,今後の学校教育の新しいモデルともなる先進的な教育活動を展開する団体の取組を支援するとともに,その成果を全国に普及することにより,被災地以外も含めた我が国全体の新しい教育の在り方の参考にすることとしています。

2 福島県双葉郡教育復興ビジョン

 東京電力福島第一原子力発電所における原子力事故によって避難を余儀なくされた福島県双葉郡8町村(葛尾村,浪江町,双葉町,大熊町,川内村,富岡町,楢葉町,広野町)は,住民の離散による子供たちの減少や,避難先の仮設校舎での学習など,様々な困難を抱えながら教育活動を行っています。
 双葉郡8町村では,長期的な復興に向けて今こそ10年先,20年先を見据えて双葉郡の教育を立て直し,これまでの価値観にとらわれない思い切った取組を進めていくことが必要であると考え,平成25年7月31日に「双葉郡教育復興ビジョン」を取りまとめました。
 平成27年4月に広野町に開校した中高一貫校の福島県立ふたば未来学園高校においては,地域と連携した課題解決学習や,各界の第一人者が外部講師として教育に携わる優れた取組等により,将来のふるさとの復興を担う人材を育てています。原子力発電所事故に伴い双葉郡の外に避難した子供たちも,双葉郡において高校生活を送ることができるように寮を整備しており,多くの生徒が寮で生活しながら高校生活を送っています。 文部科学省としても,創造的復興教育を推進する観点からこれらの取組を技術的・財政的に支援しています。

ふたば未来学園高校入学式(平成27年4月)の様子
 ふたば未来学園高校入学式(平成27年4月)の様子

3 創造的復興教育の更なる推進に向けて

 第2期教育振興基本計画では,東北各地の実践について「今後の我が国の教育の在り方に大きな示唆を与えるものであり,こうした東北発の未来型教育モデルづくりを被災地だけでなく我が国全体で発展させていけるよう支援を行う」こととしています。
 東北各地で行われている未来志向の教育の実践には,次のような特徴が見られます。

1.地域の課題を踏まえ,困難な状況を乗り越え持続可能な地域づくりに貢献する人材の育成を目指している。

 地域全体の現実や課題を直視し,困難を乗り越えて地域の復興に取り組み,「持続可能な地域づくり」に貢献できるような人材育成を構想した事例が数多くあります。たとえ困難な状況に置かれても,状況を的確に捉えて自ら学び,考える資質・能力,人と支え合いながら,主体的に行動して困難を乗り越えていく資質・能力のように,学習指導要領の理念である「生きる力」を更に推し進めた「生き抜く力」の育成を目指しています。

2.学校外も含めた様々な機会での活動を通した実践的な学び等,能動的・創造的な学びを重視している。

 持続可能な地域づくりに貢献できる人材を育成するためのカリキュラム・指導方法が試行錯誤されています。そこでは,教室で一方的に知識を学ぶだけではなく,学校外も含め,実践的な活動を通して学ぶことを重視しています。「教授中心」から「学習者中心」へ,「受動的で静的な教育」から「能動的で創造的な学習」への転換をもたらそうとしています。

3.地域・NPO法人・大学等の多様な主体と協働し,充実した教育環境の構築を図っている。

 2.を実現するために,子供たちが主体的に学べる環境整備が不可欠です。既に,地域・NPO法人・大学等といった学外の多様な組織との協働が実現しています。イベント的な単発の講演等ではなく,それぞれの主体が学校教育と目的を共有し,パートナーとして協働しています。

4.地域復興の歩みそのものが学びの対象となり,相乗効果で地域の復興をも後押しする取組である。

 創造的復興教育では,地域社会そのものが教材です。子供たちは地域復興の歩みを学びの対象としてフィールドワーク(野外研究,実地調査)を繰り返し,自らの学びを深めています。こうした試みは,子供たちが学ぶだけでなく,地域復興そのものを後押しするという相乗効果を生んでいます。その副産物として,子供たちと地域の人々が共に学ぶ「学びのコミュニティ」が出現しています。
 文部科学省では,こうした実践を「創造的復興教育」として促進するとともに,被災地だけでなく全国に共有するための情報発信等を実施しています。

Column No.04 地方創生イノベーションスクール2030 ~地方創生のために生徒らが主体的に活躍する次世代教育モデルを創出する~

 「OECD日本イノベーション教育ネットワーク(以下,「ISN」という)」(代表:鈴木寛東京大学公共政策大学院教授)(※1)は,2030年に予想される地域社会の課題を解決するために,各地域の生徒たちが海外の同世代の生徒や企業,自治体等と対話・協働する「国際協働型プロジェクト学習」を進めています。
 この事業は,東日本大震災からの復旧・復興の過程において,震災前から地域にあった課題をも乗り越え,持続可能な地域社会を創出できる人材育成を目的とした復興支援事業「OECD東北スクール」(※2)(平成24年から26年)の成果を踏まえた後継事業として,ISNがOECDや文部科学省,企業等と協力して取り組んでいます。

OECD日本イノベーション教育ネットワーク

 この取組への参加地域は,東北から日本全国へと広がっています。東北(宮城,福島)・広島・和歌山・福井・島根の各地域の他,国立高等専門学校機構が参加し,海外パートナー国と合同でクラスター(学校・自治体・大学・企業等の集合体)を設立しています。各クラスターでは,「原発被災からの復興,環境問題,再生可能エネルギー」,「社会経済の急速なグローバル化への対応」又は「過疎・少子高齢化・地場産業の衰退対策の人材育成」等をテーマにして,生徒らが地域課題を解決する教育実践を行っています。
 ISNでは,この教育実践の調査研究を通じて,OECDが進める「The Future of Education & Skills:OECD Education 2030 project」とも連携しながら,次世代の教育モデル(21世紀型のカリキュラムやアクティブラーニングの教授法・評価法等)の開発,教育現場への普及及び政策提言を目指しています。
 なお,この取組を更に発展させるために,教育実践のノウハウや研究成果を共有する「ボランタリークラスター」(※3)を組織しており,東京学芸大学及び同附属学校,埼玉県教育委員会等が参加しています。

地域の課題解決策を検討している様子
 地域の課題解決策を検討している様子
(写真提供:広島クラスター)

生徒がOECDの研究者に取組案を説明している様子
 生徒がOECDの研究者に取組案を説明している様子
 (写真提供:和歌山クラスター)


海外パートナー国と研究内容等について議論している様子
 海外パートナー国と研究内容等について議論している様子
 (写真提供:福井クラスター)
 (執筆:OECD日本イノベーション教育ネットワーク)


  • ※1 OECD日本イノベーション教育ネットワーク(正式名称:Japan Innovative Schools Network supported by OECD):「国際協働による教育研究を推進するThink-tank活動」「教育研究と実践を連携するDo-tank活動」により,我が国における次世代の学びの開発と普及を促進するもの。取組成果を平成29年8月の国際会議(東京)等で発表する予定。
  • ※2 OECD東北スクール:福島大学がOECDの知見を活用して東北の復興をサポートするため,文部科学省や被災地の地方自治体,学校等と連携して実施した教育プログラム。平成26年8月30日,31日にパリのシャン・ド・マルス公園において,東北の復興と魅力をアピールするイベント「東北復幸祭<環WA>in Paris」を開催した。
  • ※3 ボランタリークラスター:ISNの趣旨に賛同する学校・自治体・大学・NPO法人等が集まり,ISNや各学校の中等教育における教育イノベーション実践のノウハウや研究成果を共有するために組織化されたもの。

第2節 絆(きずな)づくりと活力あるコミュニティ形成

1 学びの場を通じたコミュニティ再生

 文部科学省では,被災地の自律的な復興に向けて,住民一人一人が主体的に参画することのできる地域コミュニティ再生のための学びの場づくり,コミュニケーションの場づくりを推進するために「学びを通じた被災地の地域コミュニティ再生支援事業」を実施し,多様な課題に対応してきました。しかし,十分な成果を上げた地域もある中,仮設住宅等における生活を強いられている地域などでは学習環境が好転していない所や,コミュニティの復興促進が不十分な地域もあり,復興に向けた支援等が引き続き必要となっています。そのため,平成28年度から「仮設住宅の再編等に係る子供の学習支援によるコミュニティ復興支援事業」を実施する予定です。
 本事業では,震災の影響で学習環境が好転していない地域の子供を中心に,地域と学校の連携・協働による学習支援等を実施することにより,被災地における子供の学習環境の改善,仮設住宅とその周辺地域とを結ぶコミュニティの復興促進を行う予定です。

Column No.05 「宮城県協働教育プラットフォーム事業」~家庭・地域・学校が連携・協働して子供を育てる環境づくり~

 宮城県では,平成17年度から知事を議長とする「みやぎらしい協働教育推進会議」を設置し,家庭・地域・学校の連携の下,地域全体で子供を育てる環境づくりを推進する「みやぎらしい協働教育推進事業」に取り組んできました。23年3月の東日本大震災以降は,それまでの協働教育の取組の成果を引き継ぎ,国の委託事業「学びを通じた被災地の地域コミュニティ再生支援事業」を活用し,家庭・地域・学校が相互に連携・協働し,家庭・地域の教育力の向上を図り,地域全体で子供を育てる体制の整備を図ることを目的に「協働教育推進総合事業」に取り組んでいます。
 この事業の中の,「家庭教育支援」,「地域活動支援」,「学校教育支援」の三つの柱からなる「協働教育プラットフォーム事業」は,市町村への委託事業であり,平成27年度は政令指定都市(仙台市)を除く34市町村中32市町村で取り組んでいます。

協働教育プラットフォーム事業

 「家庭教育支援」では,家庭教育支援チームによる子育て講座等の開催や親の学ぶ機会の提供,「親の学びのプログラム」普及・啓発に向けた出前事業等を実施しています。
 「地域活動支援」では,放課後や休日,長期休業日などに,学校では体験できない,自然体験活動,世代間交流,親子交流活動,地域産業体験活動等の様々な体験活動を実施しています。
 「学校教育支援」では,学校等において,学習支援ボランティアによる学習支援,環境整備,児童生徒の登下校の見守り等の支援活動が実施されています。
 このような市町村の取組の推進を下支えするため,県では協働教育に関わる人材の育成を目的とした「協働教育基盤形成事業」,協働教育の普及・啓発を図る「協働教育普及・振興事業」,地域の人材や企業・団体等の協力を得て子供の学習・体験活動の充実を図る「教育応援団事業」の3事業を実施しています。
 震災により本県の市町では,未だに多くの児童生徒が仮設住宅等での生活を余儀なくされている状況となっていますが,家庭・地域・学校の連携・協働による子供への学び支援を通して,多くの人々が交流するようになり,地域の人間関係が構築され,地域の教育力が活性化するとともに,地域コミュニティの再生につながっています。
 震災がきっかけとなり,地域住民の参画による子供の豊かな学びを核として,人と人とがつながり,新たな地域住民のネットワークを生み出す協働教育の必要性がこれまで以上に高まっています。

家庭教育支援 子育てサロン
家庭教育支援 子育てサロン

地域活動支援 自然体験活動
地域活動支援 自然体験活動

学校教育支援 学習活動支援
学校教育支援 学習活動支援
(執筆:宮城県教育委員会)

2 大学や研究所等を活用した地域の再生

(1)復興に向けた教育研究活動の推進

 東日本大震災を経て,我が国の復興・再生に向けての貢献は,知の拠点である高等教育機関の重要な使命となりました。発災直後における災害派遣医療チーム(DMAT:Disaster Medical Assistance Team)等の派遣,宿泊施設への避難者の受入れだけでなく,中長期にわたる復旧・復興においても,高等教育機関の果たすべき役割の重要性は増しています。被災地域において,大学等における地域復興のセンター的機能の整備や復旧・復興を担う専門人材の育成支援等を行うとともに,被災地以外の高等教育機関による学生ボランティアの派遣や復興支援に資する研究の支援等を通じて被災地の復興支援を行っています。

(2)東北地方における医学部新設の特例

 震災からの復興,今後の超高齢化と東北地方における医師不足,原子力事故からの再生といった要請を踏まえ,特例として東北地方で一校に限り,医学部新設を可能とするという政府方針に基づき,一連の手続を経た上,東北薬科大学の医学部設置を文部科学大臣が平成27年8月に認可しました。同大学は28年4月に東北医科薬科大学と改称の上,医学部を開設しました。現在,100名の医学部生が学んでいます。

(3)大学における地域復興のセンター的機能の整備

 文部科学省では,地域の復旧・コミュニティの再生を支える様々なボランティアの組織的実施や医療・教育文化・産業再生・まちづくりなど,地域の暮らしや産業などを支えるため,被災地の大学等が持つ高度な知的資源を集約した地域の復興を推進する拠点の整備を支援しています(平成27年度実績:14件)。例えば,被災地にサテライトを設置し地域の産業を再生する取組,被災した児童生徒に対する学習支援活動の展開,被災地の医療機関への医師派遣などを実施しています。これらの取組によって,各地域の復興センターにおいて,被災地のニーズに真に応えた復興に貢献しています。

(4)東北マリンサイエンス拠点の形成

 東北地方太平洋沖地震とこれに伴い発生した津波により,世界有数の漁場である東北沖の海洋生態系が激変し,沿岸域の水産業が甚大な被害を受けました。このことから,被災地の水産業の復興支援を目的として,岩手県大槌町,宮城県女川町の海洋研究拠点を中心に,関係自治体・漁協等と連携・協力し,震災により激変した東北沖の海洋生態系を明らかにするとともに,東北の水産資源を活用した新たな産業創成に資する技術開発を進めるなどの調査研究を実施しています(図表2‐2-1)。平成27年度は,これまで明らかになってきた被災地の海洋生態系の変化について漁業者や地元小中学生等へ情報提供したほか,日本水産学会理事会主催特別シンポジウム(27年9月,宮城)や国際シンポジウム「International Symposium on Restoration after Great East Japan Earthquake -our knowledge on the ecosystem and fisheries-」(28年3月,東京)においてこれまでの成果を発表するとともに,より良い復興を実現するための科学技術の在り方について検討しました。また,これまでに開発した技術を実用化するための取組を推進し,三陸地域産褐藻資源の有用性解明などによる海藻資源の販売拡大,電磁波を用いた新規水産加工品製造技術の開発による技術移転,水産地域の有機性廃棄物の小型メタン発酵による処理技術の開発等を行いました。

図表2‐2‐1 東北マリンサイエンス拠点形成

(5)東北メディカル・メガバンク計画

 東日本大震災で医療機関などが大きな被害を受けた東北地方は,被災者の命と健康が守られ,安心して暮らすことができる医療体制・健康管理の仕組みづくりが必要となっています。
 文部科学省は,厚生労働省,総務省等との協力の下で,東北大学及び岩手医科大学を実施機関として,東北メディカル・メガバンク計画を推進しています。
 本計画では,被災地域を対象とした健康調査を実施し,被災地域の方々の健康不安解消に貢献するとともに,収集した健康情報や生体試料を蓄積してバイオバンク(※4)を構築します。
 さらに,このバイオバンクを活用して,病気の正確な診断や予防法の確立など,個人のゲノム情報等に応じた次世代医療の創成のための研究開発を行います。
 平成25年度以降,本格的に健康調査を開始しており,多くの人々の協力を得ながら,大規模なゲノムコホート研究(※5)を推進しているほか,収集された生体試料を用いた解析を実施しています。27年度には日本人約1,000人分の全ゲノム解析により得られた標準的なゲノム配列と,その解析で見つかった全ての変異情報を公開しました。また,試料・情報の分譲を本格的に開始するなど,次世代医療研究の基盤となる成果を創出しています。
 今後も,地元の地方公共団体や関係機関などとの緊密な連携の下,健康調査での医師の活動の報告や調査結果の提供などを通じて,被災地住民の方々の健康不安解消に貢献するとともに,東北地方で個別化予防(※6)等の基盤となるバイオバンクを形成し,最先端の解析研究を推進することで東北発の新しい医療をつくり,被災地の創造的な復興に貢献していきます。


  • ※4 バイオバンク:協力者から収集した生体試料や健康情報,臨床情報等を管理する「倉庫」のこと。
  • ※5 ゲノムコホート研究:同意を得た住民から,生体試料,健康情報,診療情報等を収集し,生体試料から得られるゲノム情報等と併せて解析することで,疾患や薬物動態等に関連する遺伝子要因,環境要因等を同定する研究。
  • ※6 個別化予防:個人のゲノム情報を調べて,その結果を基に,より効率的・効果的に疾患の予防を行うこと。

(6)産学官連携による東北発科学技術イノベーション創出プロジェクト

 文部科学省では,平成24年度から「産学官連携による東北発科学技術イノベーション創出プロジェクト」を実施しています。27年度には,引き続き,科学技術の活用による被災地自治体主導の地域の強みを生かした地域発展モデルに対する支援(27年度:4件)を行いました。また,これまでに,福島県農業総合センターと被災地企業等が連携して,生育中の牛のセシウム濃度を正確かつ迅速に測定できる装置を開発し,生産者や消費者の不安解消に役立てるなど,技術の目利きを行う人材を活用して被災地域の産業界が抱える課題を全国の大学等の革新的技術シーズを用いて解決するマッチング支援を実施しました。これらの支援を通じて,大学等の革新的技術シーズを被災地企業において実用化し,被災地復興に貢献しています。

3 地域のスポーツ活動・文化芸術の振興を通じた復興の推進

 文部科学省では「学びを通じた被災地の地域コミュニティ再生支援事業」でスポーツ・レクリエーション活動の支援を行い,地域コミュニティを再生するとともに,住民一人一人の心身の健康の確保に取り組んでいます。
 この事業は,被災3県(岩手,宮城,福島)の各地域において住民のスポーツ活動の担い手として各種スポーツ事業を実施してきた総合型地域スポーツクラブなどにクラブマネジャー,市町村体育協会やレクリエーションスポーツの指導者,そのほかスポーツに関わりを持つ住民を「地域スポーツコーディネーター」として配置し,地域の住民に対するスポーツ活動を企画・立案し,外部講師や地域ボランティア等の参画を得て,スポーツ・レクリエーション教室などのプログラムを定期的に実施するものです。

岩手県内で実施したスポーツ・レクリエーション教室

釜石市「スカットボール教室」
 釜石市「スカットボール教室」
 この事業をきっかけに人気になったスカットボールの大会を,地域対抗戦と個人戦で実施しています。平成24年より年1回,これまで計4回実施してきました。
 中学生と地域住民の交流の場として一大イベントになっています。

久慈市「親子deダンス!教室」
 久慈市「親子deダンス!教室」
 チアダンスの体験を通して親子で一緒に体を動かす教室を開催しています。
準備運動やコーディネーショントレーニングなども参加者の年代に合わせ,親子で触れ合いながらできるものを行っています。

住田町「体操教室」
 住田町「体操教室」
 雨が降ると,仮設の集会場でストレッチをし,天気の良い日は真冬でも外で体操を行っています。住民は月に2回の体操を楽しみにしています。

大船渡市「初めての水泳教室」
 大船渡市「初めての水泳教室」
 幼児が初めて水泳に挑戦し,皆楽しく一生懸命泳ぎました。

 また,行政機関・芸術家・芸術団体・文化施設・助成財団・企業・芸術系大学・文化ボラ ンティアなど様々な立場の団体や個人が連携協力する「文化芸術による復興推進コンソーシアム」が平成24年5月に創設されました。このコンソーシアムでは,文化芸術による復興推進に関し,人的・組織的ネットワークの形成や情報収集・調査研究などを実施しています。

第3節 学びのセーフティーネット

1 文教施設等の復旧

 東日本大震災(最大震度7)での文部科学省関係(幼児・児童・生徒・学生・教職員など)の人的被害は死者659名,行方不明者79名,負傷者262名となっています(図表2‐2‐2)。
 また,学校施設や社会教育施設,文化財などの物的被害は全国で1万2,000件以上発生しました(図表2‐2‐3)。

津波により被害を受けた校舎
 津波により被害を受けた校舎

平成27年度に改築が完了した校舎
 平成27年度に改築が完了した校舎

図表2‐2‐2 東日本大震災における文部科学省関係の人的被害(平成24年9月14日現在)

図表2‐2‐3 東日本大震災における文部科学省関係の物的被害(平成24年9月14日現在)

 また,東京電力福島第一原子力発電所における原子力事故により,福島県の公立学校のうち,浪江町の6の小・中学校が休校となっているほか,他校・他施設を使用して授業を行っている学校が17校,仮設校舎を使用している学校が24校存在しています(平成28年3月時点)。
 文部科学省では,東日本大震災によって被害を受けた文教施設等が早期に復旧し,できる限り速やかに教育活動等を再開することができるよう,必要な予算の確保に努めています。
 平成27年度末までに,災害復旧事業を活用する国立学校(25法人),公立学校(2,308校),私立学校(789校)については約9割が,社会教育施設・スポーツ施設・文化施設については1,249施設のうち約9割が,文化財等については修復に当たって国庫補助を必要とする被災文化財等の92件のうち約9割が,それぞれ復旧を完了しています。
 また,被災地における埋蔵文化財については,埋蔵文化財の専門職員の被災地派遣(平成27年度:59名)等により,発掘調査期間が短縮されるなど,復興事業の工期への影響の回避につながっています。

2 就学のための経済的支援

(1)就学のための経済的支援等

 東日本大震災により経済的理由から就学等が困難となった幼児児童生徒の就学支援等を実施するため,文部科学省では,「被災児童生徒就学支援等臨時特例交付金」(平成23年度から26年度までの4年間で約444億円,全額国庫負担)による基金事業として,各都道府県等において,幼稚園に通う幼児の保育料や入園料を軽減する就園奨励事業や,小・中学生に対して学用品費や通学費(市町村が実施するスクールバスの運行委託費等),学校給食費などを補助する就学援助事業,高校生等に対する奨学金事業,特別支援学校等に通う幼児児童生徒の就学に必要な経費を補助する就学奨励事業,私立学校及び専修学校・各種学校に対する授業料等減免措置事業を実施してきました。この基金事業は,26年度で終期を迎えることになりましたが,27年度からは,被災した幼児児童生徒が安心して学ぶことができる環境を引き続き確保するため,新たに全額国庫補助の単年度の交付金事業として「被災児童生徒就学支援等事業」(約80億円)を実施しています。また,28年度においても,引き続き27年度と同様の枠組みで所要額(約80億円)を確保しています。

(2)学生等に対する支援

 全国の多くの大学で,授業料減免,奨学金,宿舎支援などが実施されています。文部科学省では,東日本大震災により被災した世帯の学生等に対し,平成27年度は,高等教育段階において授業料等減免措置(21億円,約6,000人)や無利子奨学金の貸与(48億円,約7,000人)に係る経費を措置しています。また,日本学生支援機構では,東日本大震災により被災した世帯の学生等が経済的理由により進学等を断念することがないよう,家計基準を満たす学生等全員に無利子奨学金を貸与しています。さらに,24年度から家計の厳しい世帯の学生等を対象に,奨学金の貸与を受けた本人が卒業後に一定の収入を得るまでの間,返還期限を猶予する「所得連動返還型無利子奨学金制度」を適用しています。

3 学習支援・心のケア・スクールカウンセラー

(1)スクールカウンセラーの派遣等

 文部科学省では,被災した子供たちの心のケア等への対応のため,学校などにスクールカウンセラー等を派遣しています。平成27年度計画においては,被災地の要望を踏まえ,岩手県,宮城県,福島県に986名(うち県外から171名)のスクールカウンセラー等を派遣しています。
 なお,被災地での新たな課題に対応するため,高校生に対する進路指導・就職支援を行う進路指導員や特別支援学校における外部専門家,生徒指導体制を強化するための生徒指導に関する知識・経験豊富なアドバイザーなどの専門家を活用できるようにしています。

(2)公立学校における教職員体制の整備

 東日本大震災により被害を受けた地域に所在する学校及び震災後に被災した児童生徒を受け入れた学校においては,被災児童生徒に対する学習支援を行うこと,心のケアのための特別な指導を行うことなどが課題になっています。平成28年度においても,各県からの要望を踏まえ,義務教育諸学校分として,岩手県(213人),宮城県(233人),福島県(491人),山形県(5人),茨城県(24人),新潟県(9人)の6県に対し合計975人,高等学校分として,岩手県(34人),宮城県(27人),福島県(33人)の3県に対し合計94人,総計1,069人を追加して加配措置を実施しています。

(3)アスリートや芸術家によるスポーツ・芸術活動

 文部科学省では,国が行う復興事業の状況,被災地やスポーツ界などの要望を踏まえ,被災地にアスリートを派遣したり,被災地の総合型地域スポーツクラブの活動に対して,スポーツ振興くじ(toto)による助成を行ったりしています。
 また,子供たちが健やかに過ごし,安心できる環境の醸成を図るため,「文化芸術による子供の育成事業(芸術家の派遣事業)」の一環として,被災地へ芸術家などを派遣しています。平成27度は,音楽・演劇・落語・伝統芸能・美術などの文化芸術活動を行う芸術家などを554の小学校・中学校などに派遣し,講話・実技披露・実技指導を実施しました。

(4)国立青少年教育施設を活用したリフレッシュキャンプの実施

 国立青少年教育振興機構では,平成23年夏以降,被災地の子供たちなどを対象に,子供たちの心身の健全育成及びリフレッシュを図るため,外遊び,スポーツ及び自然体験活動などができる機会として,国立青少年教育施設を活用したリフレッシュキャンプを複数の民間企業からの協賛金などを得て実施しています。
 平成27年度は35回1,844人,23年7月から27年度までに285回実施され,延べ2万6,803人が参加しました。今後も継続して取組を実施する予定です。

4 学校給食の安全安心

 食品中の放射性物質については,厚生労働省の定める基準値に基づき,主に出荷前の段階でのモニタリング検査が行われています。文部科学省では,一層の安心を確保する観点から,学校給食の放射性物質検査を支援しています。
 平成27年度には,26年度に引き続き福島県など11県を対象として,学校給食一食全体の提供後の検査を行うための経費を計上しています。

第4節 震災後の社会を生き抜く力の養成

1 防災教育の充実

 東日本大震災においては,児童生徒等及び教職員の死者・行方不明者が600人を超えるなど甚大な被害が発生しました。一方,日頃の防災教育の成果を生かして,児童生徒等が率先して避難した事例が見られるなど,防災教育の重要性が改めて認識されています。文部科学省では,東北地方太平洋沖地震及びそれらに伴って発生した津波によって受けた被害状況や学校等での避難等の対応等の調査を実施するとともに,「東日本大震災を受けた防災教育・防災管理等に関する有識者会議」において今後の防災教育等の在り方について検討を進め,

  • 自然災害等の危機に際して自らの命を守り抜くため「主体的に行動する態度」を育成すること
  • 支援者となる視点から,安全で安心な社会づくりに貢献する意識を高めること
  • 被災時における安全を確保するための防災管理・組織活動の充実・徹底

が示されました。
 これらを踏まえ,文部科学省では,各学校が地震・津波等から児童生徒等を守るための防災マニュアルを作成する際の参考となるような共通する留意事項を取りまとめた「学校防災マニュアル(地震・津波)作成の手引き」や今後の学校における防災教育・防災管理等の在り方を示す学校防災のための参考資料「『生きる力』を育む防災教育の展開」を作成・配布し,学校防災の充実を図っています。

防災教育の取組事例

 ICTを活用して,宮城県と高知県の中学校を結び,東日本大震災から得られた教訓を南海トラフ地震が想定される地域に伝える交流授業を実施し,活発な意見交換が行われました。(宮城県・高知県)

宮城県
 宮城県

高知県
 高知県

 専門的知見を有する学校防災アドバイザーとの連携により,竜巻や火山噴火への対応など,各学校や地域の実情に応じた防災教育を行いました。(栃木県)

栃木県
 栃木県

小中連携した防災教育のカリキュラム作りを行うとともに,学校と地域が連携した防災に関する学習会を通して,あらゆる自然災害を想定した危機管理マニュアルの作成や合同の防災訓練を実施しました。(福岡県)

福岡県
 福岡県

2 学校での放射線等に関する教育

 学校教育において,児童生徒が,放射線等に関する科学的な知識等を学び,それに基づいて自ら考え,判断する力を身に付ける教育を進めていくことは重要です。現行の学習指導要領においては,社会科や理科等の教科の中で,エネルギーや放射線等に関する内容が充実されました。例えば,中学校の理科においては「放射線の性質と利用」を扱う内容が追加されています。
 文部科学省では,学校における放射線等に関する教育の支援として,教職員向けのセミナーや児童生徒向けの出前授業を実施しています。また,放射線に関する基礎知識や東京電力福島第一原子力発電所における原子力事故の被害状況,地域の復興再生に向けた取組等を掲載した全国の小・中・高等学校等で利用するための放射線副読本を平成26年3月に配布し,文部科学省ウェブサイトにおいても掲載しています(※7)。さらに,27年3月には,放射線副読本を効果的に活用するとともに,放射線教育の指導の参考となるDVDを作成し,全国の小・中・高等学校等に配布しました。


  • ※7 参照:http://www.mext.go.jp/b_menu/shuppan/sonota/detail/1344732.htm

3 復興を担う専門人材の育成支援

 東日本大震災により被災した地域では,復興を担う即戦力となる専門人材の育成・確保が喫緊の課題となっています。
 このため文部科学省では,東日本大震災により大きく変化した被災地の人材ニーズに対応し,復興の即戦力となる専門人材の育成と,地元への定着等を図るための取組として「東日本大震災からの復興を担う専門人材育成支援事業」を実施しています。
 本事業では,専修学校等が岩手県,宮城県,福島県の被災地において産学官の連携体制を整備し,被災地の人材ニーズが高い分野において必要となる知識・技術等を学ぶための教育プログラムの開発・実証を行っています。

Column No.06 スーパーサイエンスハイスクール(SSH)指定校 福島県立福島高等学校の取組について

 「スーパーサイエンスハイスクール(SSH)」に指定されている福島県立福島高等学校のスーパーサイエンス部放射線班が,東京大学大学院早野龍五教授と共同で「福島県内外の放射線量比較」についての論文を発表し,英国物理学会発行の論文誌に掲載されました。また,早野教授と福島高校の生徒たちが日本特派員協会で英語での記者会見を行いました。
 この共同研究においては,携帯電話よりもはるかに小さい個人用線量計「D-シャトル」を用い,国内外の高校生の個人線量を調査しました。調査には,福島・横浜・神戸の高校生に加え,フランス・ポーランド・ベラルーシなどの海外の高校からも協力を得て,200人以上の高校生が参加し,国や地域を越えて社会に貢献する取組となりました。

記者会見の模様
 記者会見の模様

図表2‐2‐4 東日本大震災からの復興人材育成支援事業の取組地域

第5節 原子力発電所事故への対応

1 学校等における線量の低減等

 文部科学省では,東京電力福島第一原子力発電所において原子力事故が発生して以降,子供たちの安全・安心を確保するため,通知・事務連絡を発出して学校における対応方針を示すとともに,財政的支援や専門家の派遣などによって学校における除染を推進してきました。これらの取組を通じ,現在では,学校の校庭等の空間線量率については,避難地域以外の全校で毎時1マイクロシーベルト未満となっています。引き続き,「放射性物質汚染対処特措法」に基づき,子供の生活環境(学校,公園等)を含めた地域全体における除染を進めています。

2 除染や廃止措置などの原子力災害を踏まえた研究開発・人材育成の取組

(1)除染技術の確立に向けた取組

 東京電力福島第一原子力発電所事故により放射性物質で汚染された環境の回復に向けて,文部科学省では,除染に資する研究開発を推進しています。
 具体的には,日本原子力研究開発機構において,福島県など地方公共団体,国内外の大学・研究機関,民間企業などと連携・協力しながら除染の技術開発・評価・実証等を実施しています。これまでに,吸着材や天然鉱物などを用いた土壌・河川・プール水の除染技術を開発するとともに,汚染土壌などの除染により空間線量率がどのように低減するかを評価できるソフトウェアを開発し,一般に公表するなどの取組を行いました。
 また,平成27年には,環境の回復・創造に取り組むための調査研究,情報発信,教育等を行う総合的な拠点施設として,福島県に「環境創造センター」が設置されました。環境創造センターでは,福島県,日本原子力研究開発機構,国立環境研究所が連携・協力し,環境の回復・創造のための取組を推進することとしています。10月には三春町の本館が,11月には南相馬市の環境放射線センターがそれぞれ開所し,日本原子力研究開発機構も環境放射線センターに入居し,放射線測定に関する技術開発等を実施しています。
 今後も関係機関との連携の上,除染技術の確立に向けた取組を実施していきます。

(2)廃止措置に関する研究開発

 文部科学省では,東京電力福島第一原子力発電所の安全な廃止措置等を推進するため,平成26年6月に公表した「東京電力株式会社福島第一原子力発電所の廃止措置等研究開発の加速プラン」に基づき,国内外の英知を結集し,安全かつ確実に廃止措置等を実施するための先端的技術研究開発と人材育成を加速するため,27年度に,日本原子力研究開発機構に「廃炉国際共同研究センター」を立ち上げました。同センターでは,東京電力福島第一原子力発電所の廃止措置等を円滑に進めるために必要となる基礎基盤研究や人材育成等を実施しています。具体的には,原子炉内部からの燃料デブリ(※8)取り出し,放射性廃棄物の処理・処分等に必要な研究開発や産学官が連携した人材育成等を実施します。
 また,多様な分野の国内外の大学,研究機関,企業等が集結する国際共同研究拠点である同センターの「国際共同研究棟」が,平成29年3月に福島県富岡町に竣工予定であり,現地福島での研究開発と人材育成に係る取組を推進していきます。


  • ※8 燃料デブリ:溶融した原子炉燃料が,冷えて固まったもの

(3)原子力災害を踏まえた原子力基礎基盤研究・人材育成の取組の推進

 原子力の基盤と安全を支えるとともに,国際的な原子力安全等への貢献のためには,幅広い原子力人材を育成することが必要であることから,文部科学省では,国際原子力人材育成イニシアティブにおける原子力分野のシミュレーション技術(※9)を活用した教育システムの構築等の活動を通じて,原子力安全・危機管理に係る人材の育成を支援しています。さらに,基礎的・基盤的研究の充実・強化を図るため,「英知を結集した原子力科学技術・人材育成推進事業」により,政策ニーズを明確にした戦略的なプログラムを設定し,競争的環境の下に大学等における研究を推進しています。平成27年度は,東京電力福島第一原子力発電所事故を踏まえ,原子力安全の一層の高度化や新たに顕在化した課題への対応に関連した基礎的・基盤的研究を実施しました。

3 原子力損害賠償への対応

 東京電力福島第一原子力発電所及び第二原子力発電所の事故(以下,「本件事故」という。)発生以降,多くの住民が,避難生活や生産及び営業を含めた事業活動の断念などを余儀なくされており,被害者が一日でも早く安心で安全な生活を取り戻せるよう,迅速・公平・適正な賠償が必要です。
 文部科学省では,「原子力損害の賠償に関する法律」に基づいて設置した原子力損害賠償紛争審査会において,賠償すべき損害として一定の類型化が可能な損害項目やその範囲等を示した指針を,地元の意見も踏まえつつ順次策定するとともに,必要に応じて見直しを行ってきました。また,平成23年8月に設置した「原子力損害賠償紛争解決センター」では,和解仲介手続を実施しています。
 さらに,政府として,東京電力の迅速かつ適切な損害賠償の実施や,経営の合理化等に関する「新・総合特別事業計画」を平成26年1月に認定(28年3月に変更認定)し,原子力損害賠償・廃炉等支援機構を通じて,東京電力による円滑な賠償の支援を行っています。
 また,平成27年6月,「原子力損害の賠償に関する法律」の規定に基づき,本件事故により生じた原子力損害の状況及びこの法律に基づいて政府の執った措置を国会に報告しました。
 なお,平成27年5月,原子力委員会に「原子力損害賠償制度専門部会」が設置され,今後発生し得る原子力事故に適切に備えるため,原子力損害賠償制度の見直しについて,専門的かつ総合的な観点から検討が行われています。


  • ※9 シミュレーション技術:ある特定のシステムの挙動を,それとほぼ同じ法則に支配される他のシステムやコンピュータなどによって模擬する技術のこと。原子力分野では,この技術を活用して,通常運転時,設計基準事故時,異常な過渡変化時における挙動等を模擬・検証することにより,施設の安全性向上に取り組んでいる。

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生涯学習政策局政策課

-- 登録:平成28年10月 --