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第13章 防災対策の充実

総論

 文部科学省では、児童生徒等の安全・安心を確保するため、防災教育の充実や学校施設の防災機能強化などの災害予防、災害応急対策、災害復旧の支援及び防災に関する研究開発の推進など防災対策の充実に取り組んでいます。

第1節 防災対策の充実

第2期教育振興基本計画における関連成果指標
成果目標7(安全・安心な教育研究環境の確保)
【成果指標】
<主として初等中等教育関係>

  • 避難所に指定されている学校の防災関係施設・設備の整備状況の向上
  • 学校管理下における事件・事故災害で負傷する児童生徒等の減少、死亡する児童生徒等のゼロ化
  • 子どもの安全対応能力の向上を図るための取組が実施されている学校の増加

計画策定後の主な取組と課題(ポイント)

  • 避難所に指定されている公立学校のうち、停電に備えた自家発電設備等の整備率は40%(平成26年5月1日現在)。引き続き、防災機能の整備充実を推進。
  • 児童生徒に対して防災に関する教育活動を行っている学校の割合は99.8%(平成26年3月31日現在)。防災教育の充実に関する成果についての周知・徹底、系統的に指導できる時間を確保するための検討、防災を含む安全教育に関する教職員の研修等の充実などが必要。

1 防災体制の確立(※1)

 地震、津波、台風、豪雨、竜巻、豪雪及び火山の噴火などの自然災害や事故災害に対し、迅速かつ適切に対処するためには、総合的かつ計画的な防災対策を進めることが重要です。
 文部科学省では、「災害対策基本法」などに基づき、防災に関し必要な事項を定めている「文部科学省防災業務計画」を策定し、防災対策の充実に努めています。さらに、「文部科学省首都直下地震対応業務継続計画」を策定し、文部科学省の所掌事務の中で、非常時においても国民生活上重要かつ停滞してはならない事務を必要最低限継続できるよう、防災体制の確立に努めています。
 また、都道府県や市町村においては、「防災基本計画」や「文部科学省防災業務計画」などを基に地域防災計画を作成し、学校などにおける防災体制の整備・充実を進めています。


  • ※1 参照:第2部 第2章 第4節

2 災害予防の推進

 文部科学省では、災害時において、児童生徒等が自ら適切な行動をとれるようにするため、防災教育のより一層の充実を図るとともに、児童生徒等の学習・生活の場であり、災害時には地域住民の避難所等としての役割を果たす学校施設について、防災機能の強化に向けた取組を推進しています。

(1)防災教育の充実(※1)

 各学校においては、子供の時期から正しい防災知識等を身に付けさせるために、学習指導要領に基づき関連教科や特別活動など学校の教育活動全体を通じて、防災教育をはじめとした安全教育を行っています。
 文部科学省では、地域や学校の抱える防災をはじめとした学校安全上の課題に対して、地域の実情に応じた教育手法を開発したり、安全管理体制及び地域住民・関係機関等との連携体制構築に取り組む地域や学校を支援したりするほか、教職員に対する研修も実施しています。

(2)防災機能強化の推進

 東日本大震災では、津波による校舎や屋内運動場の水没、浸水など甚大な被害が生じました。また、多くの学校施設が避難所等として活用される一方で、地震や津波による被害により使用できなかったり、電気や水を確保することができなかったりしたことなど、避難所に関する様々な課題も生じました。
 このため、文部科学省では、学校施設の津波対策や地域の避難所等となる学校施設の在り方について示すとともに、実態把握のための調査を行っています。これらの取組を通じて、地方公共団体などに対する指導、助言を行うなど、必要な支援を行っています。

(公立学校施設の防災機能に関する実態調査)

 平成26年10月に国立教育政策研究所が公表した「学校施設の防災機能に関する実態調査」の結果によると、公立学校の約9割が避難所に指定されており、このうち避難所として必要と考えられる代表的な機能の整備状況は以下のとおりでした。

  • 避難所に指定されている学校の防災関連施設・設備の整備状況(平成26年5月1日現在)
    • 防災倉庫/備蓄倉庫が敷地内に設置されている学校 47%
    • 屋外から利用できるトイレが設置されている学校 70%
    • 体育館にトイレが設置されている学校 81%
    • 非常用の通信装置が設置されている学校 56%
    • 停電に備えた自家発電設備等が設置されている学校 40%
    • 貯水槽、プールの浄水装置等が設置されている学校 36%
      (調査対象:全国の公立の小学校、中学校、高等学校、中等教育学校、特別支援学校)

写真 防災倉庫
 防災倉庫

(公立学校施設における津波対策状況調査)

 津波対策の全国的な概況の把握を目的として行った「公立学校施設における津波対策状況調査」の結果は以下のとおりでした(平成26年5月1日現在)。

  • 学校設置者において津波による浸水を想定している学校数 2,860校
  • 今後の施設整備による対策予定の有無
    • 従来の施設で安全性が確保されており対策の予定なし 1,290校
    • 施設整備による対策を実施済みであり対策の予定なし 306校
    • 施設整備による対策の予定あり 169校
    • 検討中 1,066校
    • その他(廃校等のため対策の予定なし) 29校
      (調査対象:全国の公立の幼稚園、小学校、中学校、高等学校、中等教育学校、特別支援学校)

写真 屋外避難階段
 屋外避難階段

(防災機能強化事業)

 地方公共団体が実施する公立学校施設の非構造部材における防災機能強化の取組に対する支援の一つとして、耐震対策、避難経路や屋外避難階段の設置、備蓄倉庫、屋外トイレ、自家発電設備の整備等について国庫補助を行っています。

3 災害応急対策の取組

 文部科学省では、自然災害が発生した場合、被害情報の収集に努めるとともに、児童生徒等の安全確保及び二次災害の防止などに当たって必要な措置を講じるよう、都道府県教育委員会等の関係機関に要請しています。
 また、地震によって文教施設が被災した場合、余震などによる建物の倒壊や落下物による二次災害から児童生徒や避難住民などの安全を確保するため、地方公共団体などからの要請に応じて、調査団を被災地に派遣し、建物の当面の使用の可否について判定(応急危険度判定)する体制を整備しています。
 さらに、心のケアの体制づくり、健康観察の進め方、児童生徒等への心のケアに関する対応方法等について研修会やシンポジウムを開催しています。

4 災害復旧の支援

 文部科学省では、被害を受けた公立学校施設において教育活動を円滑に実施できるよう、施設の災害復旧に要する経費の一部を国庫負担(補助)しています(平成26年被害件数:144件、災害復旧費:13億5,000万円)。26年7月から8月までの暴風雨及び豪雨などの災害に関しては、激甚災害(国民経済に影響を及ぼし、かつ、地方財政の負担緩和や被災者への特別の助成を行うことが特に必要な災害)に指定され、公立学校施設の災害復旧事業について、地方公共団体ごとにその財政規模に応じて国庫負担額が引き上げられました。

写真 大雪で被災した学校施設(体育館倒壊)
 大雪で被災した学校施設(体育館倒壊)

写真 豪雨で被災した学校施設(校庭浸水被害)
 豪雨で被災した学校施設(校庭浸水被害)

5 防災に関する研究開発の推進

 科学技術を生かして自然災害による被害の軽減を図るため、文部科学省では、地震調査研究推進本部の方針に基づき、地震調査研究を進めています。あわせて、防災科学技術研究所では、我が国の防災・減災研究の基盤となる地震・火山観測網等のインフラを整備するとともに、それらを活用した研究開発を推進しています(※2)。


  • ※2 参照:第2部 第7章 第4節

お問合せ先

生涯学習政策局政策課

-- 登録:平成27年09月 --