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第2章 生涯学習社会の実現と教育施策の総合的推進

第2章 総論

 生涯学習とは、家庭教育や学校教育、社会教育、個人の自学自習など、人々が生涯にわたって取り組む学習のことを指します。文部科学省では、“誰もがいつでもどこでも”学習することができ、また、学習成果を生かすことのできる「生涯学習社会」の実現を目指し、以下のような生涯学習振興施策を進めています。

  • 「学校支援地域本部」や「放課後子ども教室」など地域ぐるみの子供たちの教育支援活動の取組の支援や、地域の学習拠点である公民館や図書館の充実など社会教育の振興。
  • 家庭教育に関する学習機会の提供や相談対応などの取組の支援、青少年の健全育成のための取組の推進。
  • 大学における公開講座の実施や、放送大学の充実・整備、専修学校の振興など、多様な学習機会の提供。
  • 高等学校卒業程度認定試験の実施や、民間教育事業の質の向上など、学習した成果の適切な評価とその活用の促進。
  • 高齢社会への対応や人権教育の推進、男女共同参画社会の形成に向けた学習活動の振興など、現代的な課題への対応。

 生涯学習振興行政は、生涯学習の理念を実現するため、社会教育行政や学校教育行政等において個別に実施される教育に関する施策について、全体を総合的に調和・統合させるための行政と言えます。教育に限らず、政策は、「論」と「証拠(エビデンス)」が共に備わってこそ、真に効果的なものとなります。特に、教育分野については、百人百様の思いがあり、ともすれば「証拠」よりも「論」が優先されるきらいがあります。そのため、教育は「証拠」の重要性が一層高い分野と言えます。国立教育政策研究所では、教育政策を企画・立案するために有意義な知見を集約・提示することを役割として、初等中等教育から高等教育、生涯学習、文教施設までの教育行政全般にわたって、様々な調査研究を行っています。
 第2章では、このような生涯学習社会の実現と教育政策の総合的推進に向けた取組について紹介します。

第1節 生涯学習の推進

1 生涯学習の意義

 「生涯学習」とは、一般には人々が生涯に行うあらゆる学習、すなわち、学校教育、家庭教育、社会教育、文化活動、スポーツ活動、レクリエーション活動、ボランティア活動、企業内教育、趣味など様々な場や機会において行う学習の意味で用いられます。また、人々が、生涯のいつでも、自由に学習機会を選択し学ぶことができ、その成果が適切に評価される社会として「生涯学習社会」という言葉も用いられます。生涯学習の理念については、教育基本法第3条で、「国民一人一人が自己の人格を磨き、豊かな人生を送ることができるよう、その生涯にわたって、あらゆる機会に、あらゆる場所において学習することができ、その成果を適切に生かすことのできる社会の実現が図られなければならない」と規定されています。
 文部科学省では、教育基本法の規定を踏まえ、“誰もがいつでもどこでも”学習することができ、また、学習成果を生かすことのできる「生涯学習社会」の実現を目指し、生涯学習の振興に取り組んでいます。

2 第6期中央教育審議会生涯学習分科会における議論の整理

 平成23年6月に発足した第6期中央教育審議会生涯学習分科会では、第2期教育振興基本計画の策定に向けた議論も踏まえ、生涯学習社会の構築に向け、その中心的な役割を担う社会教育行政の今後の推進の在り方について集中的な審議が行われました。この審議の結果が、25年1月に「第6期中央教育審議会生涯学習分科会における議論の整理」(「議論の整理」)として取りまとめられました。その内容について、以下で説明します。この「議論の整理」が、国や地方公共団体の取組の指針となり、生涯学習・社会教育の活性化に資することが期待されます。

(1)第1章 今後の社会教育行政等の推進の在り方について

 第1章では、今後の社会教育行政等の推進の方向性について整理されています。
 社会教育は、「学校の教育課程として行われる教育活動を除き、主として青少年及び成人に対して行われる組織的な教育活動(体育及びレクリエーションの活動を含む。)をいう」と定義されています。具体的には、地域住民同士が学び合い、教え合う相互学習等を通じて、人々の教養の向上、健康の増進などを図り、人と人との絆きずなを強くする役割を果たしています。これに加え、多様な学習活動を通じて、地域住民の自立に向けた意識(「自助」)を高めるとともに、学習活動の成果を協働による地域づくりの実践(「互助・共助」)に結び付けていく役割があります。
 こうした中、近年の社会教育の成果としては、1.「学校教育との連携・協働による地域コミュニティの形成」、2.「家庭教育における学習機会の提供と地域人材の育成」、3.「多様な学習機会の提供等による生涯学習社会の構築に向けての寄与」といったものが挙げられます。
 しかしながら、社会教育行政は、

  • 地域コミュニティの変質への対応(コミュニティ再生への対応が不十分)
  • 多様な主体による社会教育事業の展開への対応(様々な課題への対応が不十分)
  • 社会教育の専門的職員の役割の変化への対応(社会教育主事減少による十分な活動が困難)

といった課題を抱えています。
 こうした課題に対応し、今後、社会教育行政は、社会のあらゆる場において地域住民同士が学び合い、教え合う相互学習等が活発に行われるよう環境を醸成する役割を一層果たしていくことが求められています。このため、社会教育行政は、公民館等の社会教育施設において講座等を自ら行おうとする従来の「自前主義」から脱却し、教育行政から飛び出して、「まちづくり(コミュニティ・ソリューション、社会関係資本の形成)」、「超高齢化社会への対応」、「女性の活躍促進」、「若者支援、青少年の健全育成」といった地域の総合的な課題に対応するため、首長部局・大学等・民間団体等・企業など地域の多様な主体とも積極的かつ効果的に連携・協働を進めていく「ネットワーク型行政の一層の推進」が改めて強く必要とされています(図表2-2-1)。この「ネットワーク型行政」の推進を通じて社会教育行政の再構築を行っていくことが期待されています。

図表2-2-1 今後の社会教育行政の再構築のイメージ図

(2)第2章 今後の生涯学習・社会教育の振興の具体的方策について

 第2章では、第1章に掲げられた社会教育行政の方向性を実現するために、今後期待される生涯学習・社会教育の振興に関する国の具体的方策について取りまとめています。同時に、これらの方策の多くは、地方公共団体・大学等・民間団体・企業等においても主体的に、あるいは国と連携して取り組むことが期待されているものです。
 具体的には、図表2-2-2に掲げる五つの柱に基づく具体的方策について、第2期教育振興基本計画の実施期間である平成25年度から29年度までの中で、計画的かつ着実に実施・推進していくことが必要とされています。

図表2-2-2 「議論の整理」第2章 今後の生涯学習・社会教育の振興の具体的方策について(概要)

第2節 社会教育の振興と地域全体で子供を育む環境づくり

1 社会教育の充実・活性化

(1)これからの社会教育行政の在り方

 人々の学習に対する需要が高まり、その内容が多様化・高度化する中で、社会教育はその重要性を増しています。教育基本法の改正を受け、平成20年6月に社会教育法等の一部改正が行われ、社会教育施設の運営能力の向上や、専門職員の資質の向上を図るための規定などが定められました。
 平成25年1月、「第6期中央教育審議会生涯学習分科会における議論の整理」(「議論の整理」)が取りまとめられました。
 「議論の整理」では、社会教育行政の今後の方向性として、従来の「自前主義」から脱却し、首長部局・大学・民間団体・企業等の多様な主体に対し、自ら積極的に効果的な連携を仕掛けていき、協働して現代的・社会的課題に対応した取組を進める「ネットワーク型行政」の推進を通じて「社会教育行政の再構築」を目指していくことが示されました(参照:第2部 第2章 第1節)。
 これを踏まえ、今後、新たな社会教育行政の在り方について更なる検討を進め、生涯学習・社会教育の一層の振興を図っていきます。

(2)人々の学習活動を支援する専門的職員の充実

1.専門的職員の現状

 社会教育関係職員として、社会教育主事や、司書、学芸員といった専門的職員のほか、公民館主事、社会教育委員、社会教育指導員などが活躍しています。
 教育委員会に置かれる社会教育に関する専門的職員である社会教育主事は、地域の学習課題を把握し、社会教育事業の企画・実施や、関係者への専門的技術的な助言と指導に当たることを通して、地域住民の自発的な学習活動を援助する役割を果たしています。また、図書館及び博物館に置かれる専門的職員である司書及び学芸員は、利用者や地域住民の学習機会の充実を図り、学習活動の支援を行っています。

2.専門的職員の養成と研修など

 文部科学省では、現職の社会教育主事、司書、学芸員に対して、地域が抱える課題やニーズに対応した実践的な研修を実施することにより、専門的職員としての資質の向上を図っています。また、社会の状況に対応し、地域住民の高度化・多様化する学習ニーズに対応できる社会教育主事や司書を養成するため、大学などに委嘱し、社会教育主事講習や司書講習を実施するほか、学芸員資格認定試験による資格付与を行っています。

(3)地域の学習拠点の整備・形成・運営

1.公民館

 公民館は、地域住民にとって最も身近な学習拠点であるだけでなく、交流の場として重要な役割を果たしています。平成23年10月現在、公民館は全国に1万5,399館設置され、住民の学習ニーズや地域の実情に応じた学級・講座の開設など様々な学習機会の提供を行っています。
 「第2期教育振興基本計画」(平成25年6月14日閣議決定)では、「社会が人を育み、人が社会をつくる」好循環システムを構築するに当たって、公民館を学校と並ぶ地域コミュニティの拠点として位置付けており、多様な人々が集い、学習することなどを通じてネットワークを構築し、特色のある地域づくりを行うことにより、社会教育を活性化し、地域の絆・地域コミュニティをつくり上げていくという役割がより一層期待されています。
 文部科学省では、関係省庁と連携した講師派遣の取組や社会の要請が高い学習機会の提供の推進、公民館職員の資質向上を図るための研修の実施などに取り組むことを通じ、公民館活動の充実に努めています。

Column No.10 「自分たちでできることは自分たちでやろう!」~“地域を良くしていくこと”が公民館の存在意義~(愛媛県新居浜市泉川公民館)

 「自分たちにできることは自分たちでやろう!」これが泉川地域の合い言葉です。市からの公民館への補助金がなくなったことを契機とし、地域の企業などからの寄附により事業費を集めることとしましたが、そのことが逆に予算の有り難みを感じさせ、地域のために頑張ろうという仲間が増えています。
 地域の課題解決のため、公民館に「泉川まちづくり協議会」を設置し、五つの地域課題“安全安心・環境美化・地域福祉・健康づくり・子ども支援”ごとに部会を置き、ネットワーク型の組織とし、熟議を基本にした地域づくりを進めています。
 地域課題解決というと何か堅苦しく感じますが、まずはみんなで協力して活動を実践し、一緒に汗を流す中で、地域は徐々に変化してきました。地域の中で交わされる「ありがとう、よかったね」の小さな成功体験が積み重ねられ、徐々に地域力が育まれました。
 これまで公民館を“施設論”や“職員論”で捉えがちだったのが、郷土を興す喜びをみんなで力を合わせ生み出す“機能論”として考えるようになったのです。公民館活動の範疇はここまでといった縄張り意識を捨て、首長部局に対しても、公民館でなければできないことを提案していくべきだと思います。そうすれば、公民館の存在は不可欠になるはずです。今後も、地域の中で、同志が少しずつでも増えていく地道な活動を継続していくつもりです。全国の公民館でも地域づくりの活動が活発になればと思います。

国道11号バイパスのアダプトプログラム作業風景の写真
国道11号バイパスのアダプトプログラム作業風景

(執筆:新居浜市泉川公民館)

2.図書館

 図書館は、人々の学習に必要な図書や様々な情報を収集・整理・提供する身近な社会教育施設です。平成23年10月現在の図書館数は、公立図書館が3,249館、私立図書館が25館となっており、図書館数、図書の貸出冊数、利用者数は、近年着実な伸びを示しています。
 平成20年6月の図書館法改正を受けて、文部科学省では、司書資格取得のために大学において履修すべき図書館に関する科目について図書館法施行規則の改正を行い、24年4月に施行されました。この改正では、図書館を支える司書が、地域社会の課題や人々の情報要求に対して的確に対応し、より実践力を備えた質の高い人材として育成されるよう、大学などにおける司書養成課程及び司書講習における養成課程の改善・充実を図ることとしています。また、図書館職員の資質向上に向けて、新任の図書館長を対象とした研修や中堅の司書を対象とした研修の充実に努めています。
 さらに、図書館法改正や、社会の変化や新たな課題への対応の必要性などを受け、「公立図書館の設置及び運営上の望ましい基準」が全部改正され、平成24年12月19日に「図書館の設置及び運営上の望ましい基準」が告示されました。主な改正内容として、基準の対象として私立図書館が追加されたほか、図書館の運営状況に関する評価及び改善並びに地域住民等に対する情報提供に努めることなどが新たに盛り込まれました。
 この新たな「望ましい基準」を踏まえ、今後も図書館は各地における「地域の知の拠点」として、子供など多様な利用者や住民の多様な学習活動を支えるほか、地域が抱える様々な課題解決の支援や、地域の実情に応じた情報サービスの提供など、幅広い観点から社会貢献することが期待されます。

Column No.11 海士町発“島まるごと図書館構想”~小さな島だからこそできる図書館づくり~(海士町中央図書館)

 海士町は島根県の沖合に位置する隠岐諸島の中の2番目に小さな人口約2,300名の島です。少子高齢化・財政難により存続の危機に瀕した町は、生き残りを賭け未来を担う「人づくり」を重点施策に掲げ、図書館事業をスタートさせました。図書館も本もない中でどのように図書館サービスを提供していくかという課題に対し生まれたのが「島まるごと図書館構想」です。図書館のない島というハンディキャップを逆に生かし、島の保育園・学校(小・中・高)を中心に、地区公民館や港など人が集まる施設を図書分館とし、島全体を一つの図書館とする構想です。
 各機関と連携して効率よく図書基盤整備を進めることができ、島民の利用も増加しました。その成果を受け、平成21年には海士町中央図書館が開館。カフェコーナーやテラス席、親子でくつろげる絵本コーナー、子供が遊べるスペースを設けるなど、全世代が集い憩うことのできる空間づくりを心掛けています。また、親子向けおはなし会や参加者の交流を目的とした茶話会や工作教室等の実施、通常開館時間以外には「音楽を楽しめる図書館」、「図書館で語ろう」などのテーマで実験的にイベントを行うなど、海士らしい図書館の可能性を探っています。
 今後も、島の特徴を生かした有機的な図書館づくりを島民と共に進めていきたいと思います。

親子でくつろげる絵本コーナーの写真
親子でくつろげる絵本コーナー

(執筆:海士町教育委員会)

3.博物館

 博物館は、資料収集・保存、調査研究、展示、教育普及などの活動を一体として行う施設であり、平成23年10月現在、登録博物館が913館、博物館相当施設349館、博物館と類似の事業を行う施設が4,485館設置されています。
 文部科学省では、地域の教育力の向上や、博物館職員の資質向上を目的として、博物館長や中堅の学芸員を対象とした専門的な研修を実施するとともに、学芸員を外国の博物館に派遣し、その成果を全国に普及することなどにより、博物館振興施策の充実に取り組んでいます。
 平成20年度の博物館法改正や、博物館を取り巻く環境が大きく変化したことを受け、23年度に「博物館の設置及び運営上の望ましい基準」の改正を行いました。主な改正内容としては、基準の対象として私立博物館を追加したほか、運営の状況に関する評価を実施し、その結果の積極的な公表や、利用者や地域住民等に対し学習成果を生かすことができる活動機会の提供に努めることなどを定めています。
 また、博物館を支える学芸員が、質の高い人材として育成されるよう、大学などにおける学芸員養成課程などの改善・充実を図っています。
 博物館を支える学芸員が、人々の生涯学習の支援を含め、博物館に期待されている諸機能を強化し、国際的にも遜色ない高い専門性と実践力を備えた質の高い人材として育成されるよう、大学等における学芸員養成課程における養成科目の改善・充実を図るため、「これからの博物館の在り方に関する検討協力者会議」において学芸員の養成に関する検討を進め、平成21年2月に「学芸員養成の充実方策について(第2次報告書)」を取りまとめました。文部科学省では同報告書の提言等を考慮し、同年4月に博物館法施行規則の一部改正を行い、24年4月に施行されました。
 国立科学博物館では、自然史、科学技術史に関する調査研究、標本資料の収集・保管とその継承を進めるとともに、調査研究の成果や標本資料を生かして展示や学習支援活動を実施しています。
 平成24年度は、展示活動においては、「元素のふしぎ」「チョコレート展」等の特別展や、日本鳥学会100周年を記念した企画展「鳥類の多様性」、日本の科学者・技術者の功績を紹介するシリーズとして企画展「植物学者・牧野富太郎の足跡と今」等を実施しました。また、学習支援活動においては、高度な専門性を生かした独自性のある講座・観察会等を実施するとともに、全国各地での博物館・教育委員会と協働した「教員のための博物館の日」の実施や、学生及び博物館職員のサイエンスコミュニケーション能力の育成に努めています。

Column No.12 釧路市こども遊学館のボランティア研修について(釧路市こども遊学館)

 釧路市こども遊学館では、開館当初から市民協働・市民参加型の運営を行っています。現在活躍しているボランティアは、約220名。個々が持つ豊かな知識や技術・経験を発揮しながら、積極的に活動しています。当館では、簡単工作から電子工作、昔あそび、読み聞かせ、科学実験、天体観測など幅広い事業を実施しています。ボランティアをそれらの多様な事業へ導くためのステップとして、年間50回以上の研修を開催しています。初めは、「電子工作に興味はあるけれど、半田ごても使ったことがないし、子供たちへの指導なんてできない」とおっしゃっていた女性も、研修で事業の目的や内容、作り方の流れ、道具の使い方、指導のコツや安全管理のポイントなどを学ぶことで、活動前の不安を減らし、当日は自信を持って子供たちへ指導することができました。研修の場が他のボランティアやスタッフとの交流の場となっているため、人の輪が広がり、次の活動に参加しやすくなっています。「研修から活動」という流れが、自らの学びを個人の中だけで完結させるのではなく、その成果を自分から地域の子供たちへ還元できるという喜びを生み出し、ボランティアのやりがいにつながっています。

工作教室の研修の写真
工作教室の研修~仲間で学ぶ楽しさも~

(執筆:釧路市こども遊学館)

2 地域全体で子供を育む環境づくりに向けた取組(参照:第1部 特集2 第3節 1)

(1)学校・家庭・地域の連携協力の推進

 近年、社会がますます複雑化・多様化し、子供を取り巻く環境も大きく変化する中で、子供たちを健やかに育むためには、学校・家庭・地域が連携協力し、社会全体で教育に取り組むことが一層重要となっています。平成18年に改正された教育基本法では、「学校・家庭・地域住民等の相互の連携協力」が新たに規定されました。
 文部科学省では、「学校支援地域本部」や「放課後子ども教室」など、地域の実情に応じた学校・家庭・地域の連携協力のための様々な取組を支援しています。

(2)「学校支援地域本部」や「放課後子ども教室」の推進

 文部科学省では、平成19年度から、保護者や地域住民の協力を得て、放課後や週末などに子供たちに学習や様々な体験・交流活動等の機会を提供する「放課後子ども教室」(平成24年度1万98教室)を、厚生労働省が留守家庭児童を対象として実施している「放課後児童クラブ」と連携した総合的な放課後対策「放課後子どもプラン」として推進しています。
 また、平成20年度からは、地域住民がボランティアとして、授業や部活動、学校行事の支援、登下校の見守りなど、学校の様々な教育活動を支援する仕組みである「学校支援地域本部」の取組も推進しています(平成24年度3,036本部)。
 さらに、平成23年度からは、「学校支援地域本部」や「放課後子ども教室」「家庭教育支援」などの取組を統合した「学校・家庭・地域の連携による教育支援活動促進事業」を創設し、子供たちの教育を総合的に支援しています。
 これらの活動は、地域住民の参画・協力により実施されており、学校と地域との連絡・調整や活動の企画などを行うコーディネーター、授業や教員の補助、学校環境の整備など学校が必要とする支援を行う学校支援ボランティア、放課後などに子供たちの見守りや安全管理を行う安全管理員、宿題や学習をサポートする学習アドバイザーなどとして、保護者を含む地域住民やPTA関係者、退職教員、大学生、青少年・社会教育団体関係者、NPO、企業関係者などが連携・協働することにより、地域の実情に応じた様々な取組が進められています。
 「学校支援地域本部」や「放課後子ども教室」などの活動を通じて、授業時間や放課後、週末等に地域住民が子供たちとふれあうことは、子供たちを健やかに育むための教育活動の場を提供するだけでなく、地域住民にとっても、活動に参加することで新たに学び、これまでの知見や経験したことを活用、実践する機会にもなり、地域住民の生涯学習の場、その成果の活用の場としての効果も期待されます。
 これらの活動を継続的に実施し、地域に根付いたものとして更なる充実を図るためには、これまで以上に多くの地域住民の参画・協力が不可欠です。地域住民の更なる参画と、充実した教育支援活動体制の構築により、地域ぐるみの子供たちの教育支援活動の取組が広く全国で実施されるよう、これからも支援を行っていきます。

(3)PTA及び青少年教育団体の実施する共済事業

 PTAや青少年教育団体等は、従来、その主催する活動中や学校管理下におけるけがなどについて見舞金を支給する事業を行っていましたが、平成17年に保険業法が改正され、従来の事業の実施方法ではその継続が困難となっていました。このような状況を踏まえ、22年、PTA・青少年教育団体共済法が成立し、23年1月1日にPTA・青少年教育団体共済法施行令及びPTA・青少年教育団体共済法施行規則等とともに施行されました。
 これにより、PTAや青少年教育団体等が、国または都道府県教育委員会の認可を受け、本法に基づいて共済事業を行うことができるようになりました。平成24年度末までに全国で21団体が本法に基づく共済事業の認可を受けています。
 文部科学省では、共済事業が円滑に実施されるよう、都道府県教育委員会や団体に対する研修会の実施や情報提供などの支援に努めています。

第3節 家庭教育支援の推進と青少年の健やかな成長

1 豊かなつながりの中での家庭教育支援の充実(参照:第1部 特集2 第3節 2)

(1)家庭教育の現状と課題

 家庭教育は、全ての教育の出発点であり、子供が基本的な生活習慣・生活能力、人に対する信頼感、豊かな情操、他人に対する思いやりや善悪の判断などの基本的倫理観、自立心や自制心、社会的なマナーなどを身に付ける上で重要な役割を果たすものです。家庭教育の重要性に鑑み、平成18年に改正された「教育基本法」において、新たに家庭教育に関する規定(第10条)が設けられました。
 現在、多くの家庭が家庭教育に努力している一方で、家庭環境の多様化や地域社会の変化により、親子の育ちを支える人間関係が弱まり、子育てについての悩みや不安を多くの家庭が抱え、子供の社会性や自立心などの育ちをめぐる課題等が生じています(図表2-2-3)。文部科学省が開催した家庭教育支援の推進に関する検討委員会の報告書「つながりが創る豊かな家庭教育」(平成24年3月)においては、こうした現代の社会を「家庭教育が困難になっている社会」と分析し、家庭教育の担い手である親の育ちを応援することや、子育て家庭のネットワークと支援のネットワークを広げる地域の取組の活性化を提言しています。

図表2-2-3 子育てについての悩みや不安

 第2期教育振興基本計画(平成25年6月14日閣議決定)においては、家庭教育に関する学習機会の確保や家庭教育支援チームによる相談対応などの家庭教育支援の充実を目指し、コミュニティの協働による家庭教育支援の推進等が盛り込まれました。

(2)家庭教育を支援するための取組

 文部科学省では、「学校・家庭・地域の連携による教育支援活動促進事業」により、身近な地域において、保護者が家庭教育に関する学習や相談ができる体制が整うよう、自治体の取組を支援しています。平成24年度は、就学時健康診断や保護者会など多くの親が集まる機会を活用した学習機会の提供、家庭教育支援チーム等による様々な家庭の状況に応じたアウトリーチも含む情報提供や相談対応のほか、親の学びのための学習プログラムの作成や、講座の進行役となるファシリテーター等地域人材の養成などの様々な家庭教育支援の活動が実施されました(24年度実施箇所数:2,771か所)。
 また、地域住民、学校、行政、NPO、企業などの協働による社会全体での家庭教育支援の活性化を図るため、効果的な取組事例などを活用した全国的な研究協議を行っています。平成24年度は、埼玉県と鳥取県において、報告書の提言を踏まえ、今後の家庭教育支援の充実に向けた実践のための課題や取組等について協議を行いました。
 このほか、親子のコミュニケーションなどによって育まれる家族の絆きずなや、家庭でのルールづくり、「早寝早起き朝ごはん」といった子供たちの基本的な生活習慣づくりなどについて、親子で話し合ったり、一緒に取り組んだりすることの大切さを社会全体で呼びかけていくため、文部科学省と日本PTA全国協議会との共催により、「親子で話そう!家族のきずな・我が家のルール」三行詩募集を実施しました。平成24年度は、全国から7万6,725作品の応募があり、選定された優秀作品12作品及び佳作18作品について表彰を行いました。

Column No.13 第5回全国家庭教育支援研究協議会の開催

 家庭教育支援の推進に関する検討委員会報告書「つながりが創る豊かな家庭教育」の提言を踏まえた今後の家庭教育支援の充実に向けて、実践のための課題や取組について協議する機会として、平成24年11月20、21日の二日間、埼玉県の国立女性教育会館において、第5回全国家庭教育支援研究協議会を開催しました。基調講演「豊かなつながりの中での家庭教育支援の充実」に始まり、四つの分科会と全体を総括するシンポジウムが行われました。分科会は「家庭教育支援チームの組織化と活動の充実」「これからの被災地コミュニティの現状と課題」「親の育ちを応援する学びの機会の充実」「親の孤立化や児童虐待防止への効果的な取組方策」の四つのテーマで事例報告やパネルディスカッション形式で行われました。
 児童虐待防止への取組について協議した分科会では、地域における親支援プログラムの実践事例や家庭教育支援チームによるアウトリーチ活動の報告を基に、これらの取組の意義等について議論が行われました。児童相談所に勤務経験のある有識者からは、親支援のプログラムが親同士の仲間づくりや子供の発達を知り子供に対する認識を変えていくといった児童虐待要素に対する軽減効果があるとの指摘がありました。シンポジウムでは、学校という場を活用した支援の充実や、子供と家庭に関わる支援者のネットワークづくりなど、今後の方策について会場の参加者も交えてまとめの議論が行われました。
 また、全国の家庭教育支援チームによる実践交流会では、日頃の活動についてパネルや資料を使って、活発な情報交換が行われました。

シンポジウム「家庭と支援のネットワークを広げる」の写真
シンポジウム「家庭と支援のネットワークを広げる」

実践交流会の様子の写真
実践交流会の様子

(3)子供の基本的な生活習慣の育成に向けた取組

1.子供の基本的な生活習慣の現状

 子供たちが健やかに成長していくためには、適切な運動、調和の取れた食事、十分な休養・睡眠が大切です。しかしながら、最近の子供たちを見ると、「よく体を動かし、よく食べ、よく眠る」という成長期の子供にとって当たり前で必要不可欠である基本的な生活習慣が大きく乱れています。こうした今日の子供の基本的な生活習慣の乱れが、学習意欲や体力、気力の低下の要因の一つとして指摘されています。
 また、子供の基本的な生活習慣は家庭だけでなく、親の長時間労働といった社会環境の影響を受けやすいことから、家庭における食事や睡眠などの乱れを個々の家庭や子供の問題として見過ごすことなく、社会全体の問題として地域が一丸となり、子供の健やかな成長を期して学習意欲や体力の向上を図るための取組を推進することが必要です。

(ア)子供の就寝時間
 平日23時以降に就寝する小学生の割合は約15%、平日24時以降に就寝する中学生の割合は約27%となっています(図表2-2-4)。

図表2-2-4 小・中学生における平日の就寝時刻

(イ)子供の朝食摂取
 最近の調査によれば、朝食を食べないことがある小・中学生の割合は、小学生で約11%、中学生で約16%となっています(図表2-2-5)。また、毎日朝食を食べる子供の方が、平成24年度「全国学力・学習状況調査」の平均正答率が高い傾向にあることが分かっています(図表2-2-6)。

図表2-2-5 朝ごはんを食べないことがある小・中学生の割合

図表2-2-6 朝食の摂取と学力調査の平均正答率との関係

2.「早寝早起き朝ごはん」国民運動の推進

(ア)「早寝早起き朝ごはん」全国協議会による運動の推進
 平成18年4月に、「早寝早起き朝ごはん」全国協議会が発足しました。これは、PTAをはじめ、経済界、メディア、有識者、市民活動団体、教育・スポーツ・文化関係団体、読書・食育推進団体、行政など、幅広い関係団体の参加を得て、「早寝早起き朝ごはん」運動を民間主導の国民運動として推進することを目的としています。
 設立以来、本運動に賛同する方々や、本全国協議会に参加する様々な団体などと共に、子供の基本的な生活習慣の確立や生活リズムの向上につながる運動、コミュニティサイトによる情報提供などを展開しています(※1)。

(イ)子供の生活習慣づくり支援
 生活習慣の夜型化といった社会の影響を受けやすい子供たちの睡眠(就寝)時間の改善を中心に、子供の基本的な生活習慣の定着に向けて、平成24年度は、企業や働く親向けの啓発資料を作成し、各教育委員会及び公民館や労働基準監督署等へ配布したほか、「生活習慣づくりと企業・地域の力」をテーマに、全国的な研究協議会を開催しました。また、取組の一層の推進を図ることを目的に、「早寝早起き朝ごはん」運動などの子供の生活習慣づくりに関する活動のうち、その活動内容が特に優れていると認められる活動に対して、文部科学大臣表彰を行いました。


 ※1 早寝早起き朝ごはんコミュニティサイトについてhttp://www.hayanehayaoki.jp

Column No.14 優れた「早寝早起き朝ごはん」運動の推進に係る文部科学大臣表彰

 平成25年3月7日(木曜日)東京都渋谷区の国立オリンピック記念青少年総合センターにおいて、優れた「早寝早起き朝ごはん」運動の推進に係る文部科学大臣表彰式が開催されました。
 この文部科学大臣表彰は、今年度新たに創設したもので、学校とPTAの連携による生活習慣チェックカードを活用した取組や、ラジオ体操を活用して地域ぐるみで早起きの習慣づくりを行う活動など、北海道から沖縄県まで全国50の活動に対して授与されました。

優れた「早寝早起き朝ごはん」運動の推進に係る文部科学大臣表彰の集合写真

2 青少年の健全育成の推進

(1)青少年の体験活動の推進

1.体験活動の推進

 現在、「大きな木に登ったことがない」、「キャンプをしたことがない」という青少年が5割を超えるなど、自然体験活動を行う青少年が年々減少しています。さらには、地域における体験活動の中心的な場である公立青少年教育施設数も、近年大幅に減少しています。一方で、国立青少年教育振興機構の調査により、子供の頃に「自然体験」などの体験活動を豊富に行った人ほど、「規範意識」や「意欲・関心」が高い傾向にあることが明らかになっています。このような状況を踏まえ、平成25年1月、中央教育審議会が「今後の青少年の体験活動の推進について」を答申しました。
 本答申では、体験活動は人づくりの「原点」であるという認識の下、青少年の体験活動の意義や効果を整理するとともに、体験活動の機会を意図的・計画的に創出していく必要性が提言されています。本答申を踏まえ、社会総ぐるみで青少年の体験活動の推進を更に図っていく必要があります。
 そこで、文部科学省では、児童の豊かな人間性や社会性を育むため、「豊かな体験活動推進事業」において、自然の中における宿泊体験活動等の推進を図るとともに、平成20年度から農林水産省・総務省と連携して「子ども農山漁村交流プロジェクト」を実施し、小学生の農山漁村での民泊を取り入れた自然体験活動などを推進しています。
 また、「体験活動推進プロジェクト」において、家庭や企業などへ体験活動に対する理解を求める普及啓発を実施するとともに、自然体験活動の教育効果を高め、青少年が安全・安心に自然体験活動を行えるよう、その指導者の養成を推進しています。加えて、各地域の特性に応じた体験的な防災教育を推進するため、学校等を避難所と想定した生活体験等の防災教育プログラムを地域住民や保護者の協力を得て実践する「防災キャンプ推進事業」を行っています。

2.青少年の国際交流の推進

 文部科学省では、国内外の様々な人々との交流を通じて青少年の国際的視野の醸成などを図るため、諸外国の青少年との相互交流や様々な体験活動等を通じた国際交流を推進しています(参照:第2部 第9章 第1節 2)。

(2)国立青少年教育振興機構を中心とした体験活動の振興

1.青少年教育施設における体験活動の振興

 国立青少年教育振興機構は、全国に28施設ある国立青少年教育施設を通じて、その立地条件と特性を活かし、青少年の現代的課題に対応した先導的・モデル的プログラムの企画・実施のほか、学校や青少年団体等が教育施設を利用して行う活動に対して、目的達成のために必要な指導・助言等の支援を行っており、平成24年度は約500万人に利用されています。また、社会全体で体験活動を推進する機運を高めるため、「体験の風をおこそう」運動として、青少年団体などと連携し、体験活動の重要性を広く家庭や社会に伝えていくための活動を進めています(※2)。

2.「子どもゆめ基金」事業

 同機構では、未来を担う夢を持った子供の健全育成を進めるため、民間団体が実施する様々な体験活動や読書活動などに対して「子どもゆめ基金」事業による助成を行うことで、民間団体による草の根レベルでの活動を支援しています。平成24年度は4,665件の応募に対し、3,433件の活動を採択し助成を行いました(※3)。

水辺での自然体験活動の写真
水辺での自然体験活動(国立山口徳地青少年自然の家)


※2 http://www.niye.go.jp/
※3 http://yumekikin.niye.go.jp/

(3)青少年を有害環境から守るための取組の推進

 近年、子供たちが携帯電話やスマートフォン、パソコンなどを利用する機会が増加する中、インターネット依存による生活習慣の乱れや、インターネット上の違法・有害情報サイトに起因する犯罪やトラブルに子供たちが巻き込まれるケースが多発するなど、様々な問題が深刻化しています。
 そこで、文部科学省では、関係省庁と連携し、インターネットの適切な利用に関する普及啓発活動など、青少年をインターネット上の有害環境から守るための取組を実施しています(参照:第2部 第10章 第1節 4)。

(4)子供の読書活動の推進

 読書は、子供にとって、言葉を学び、感性を磨き、表現力を高め、創造力を豊かなものにし、人生をより深く生きる力を身に付ける上で欠かせないものです。しかし、小学校、中学校、高校と学校段階が進むにつれ読書離れが進む傾向にあることが指摘されているところです。
 文部科学省では、子供が自主的に読書活動を行うことができるよう、環境の整備を図るとともに、総合的かつ計画的に施策を推進しています(参照:第2部 第2章 6節 8)。

第4節 国民一人一人の生涯を通じた学習の支援

 近年、人々の学習需要が高まり、またその内容が多様化・高度化するのに伴い、生涯学習社会実現への期待は、ますます高まっているといえます。文部科学省では、国民一人一人が生涯を通して学ぶことのできる環境の整備、多様な学習機会の提供、学習した成果が適切に評価されるための仕組みづくりなど、「生涯学習社会」の実現のための取組を進めています。

1 多様な学習機会の提供

(1)放送大学の充実・整備

 放送大学は、大学教育の機会を幅広く国民に提供することを目的として昭和58年に創設された通信制の大学です。テレビ・ラジオの放送を利用して、いつでも誰でも学ぶことができます。また全都道府県に「学習センター」等を設置し、学生の学習を支援するとともに、公開講演会の開催などを通じて地域の生涯学習の振興にも寄与しています。
 平成24年度第2学期現在で約8万9,000人が学んでおり、これまでに130万人以上の学生が学び、7万人を超える卒業生を送り出しています。放送大学の学生は、職業・年齢・地域を問わず多様であり、学生の有職率は約7割、身体に障害を有する人も644名在籍しています。このように、我が国の生涯学習の中核的機関として大きな役割を果たしています。
 放送大学では、豊かな教養を培うとともに実生活に即した専門的学習を深められるよう、学部・大学院を合わせて341科目が開設されています。既存の学問分野にとらわれず、学習者の目的に合わせて自由に選択することが可能となっています。また、教員の専修免許をはじめとした各種資格の取得や、特定分野の授業科目群を設定して学位以外の履修証明を与える「放送大学エキスパート(科目群履修認証制度)」などの実施により、国民の多様化・高度化する学習需要に応えています。
 また、平成24年4月には、新たな試みである都市型学習センターの東京渋谷学習センターを設置し、早朝・深夜の面接授業や、ビジネスパーソン向けの科目を開講するなど、新たな入学者層の開拓や学生数の増加に努めています。

(2)大学における生涯学習機会の提供

 生涯学習社会の実現に向け、各大学(短期大学を含む)においては、地域・社会における「知の拠点」として、社会人入試、夜間・昼夜開講制、科目等履修生、通信教育、履修証明制度、公開講座などを実施しています。このうち、公開講座は多くの大学で開講され、大学における教育・研究の成果を直接、地域住民などに学習機会として提供する役割を担っています(平成23年度は、少なくとも973大学で3万6,696講座が開講され、139万9,868人が受講)。

(3)専修学校教育の振興

 専修学校は、学校教育法において「職業若しくは実際生活に必要な能力を育成し、又は教養の向上を図る」ことを目的とする学校であるとされ、実践的な職業教育、専門的な技術教育などを行う教育機関として、大きな役割を果たしています(平成24年5月現在、学校数3,249校、生徒数65万501人)。専修学校は、入学資格の違いにより、高等学校卒業程度を入学資格とする「専門課程」(専門学校)、中学校卒業程度を入学資格とする「高等課程」(高等専修学校)、入学資格を問わない「一般課程」の三つの課程に分かれています。なお、高等課程については、高等学校等における教育費負担の軽減を目的とした高等学校等就学支援金の支給対象とされており、専門課程については日本学生支援機構による奨学金が貸与されています。
 文部科学省では、専修学校教育の振興方策として、働きながら学ぶ社会人などの多様な学習ニーズに対応し、ライフスタイルに即した学習機会の提供を可能とする単位制・通信制の導入を行いました。
 また、専修学校教育の質の保証・向上を図るため「専修学校の質保証・向上に関する調査研究協力者会議」において、平成25年3月に「専修学校における学校評価ガイドライン」を策定しました。
 さらに、我が国の経済社会を支える厚みのある中間層として、産業構造の変化やグローバル化などに対応した新たな知識・技術・技能を備え中核的な役割を果たす専門人材を質的・量的に確保するため、専修学校などを中心とした産学官コンソーシアムを整備し、1.産業界などのニーズを踏まえた人材養成策の策定、2.社会人などが実践的な職業能力を向上するための新たな学習システムの開発(モデル・カリキュラム基準や達成度評価の実証など)、3.各分野における専門的・実践的な教育の質の保証・向上のための仕組みづくりなどを実施しています。

(4)文部科学省認定社会通信教育

 文部科学省では、学校法人や公益法人の行う通信教育のうち、社会教育上奨励すべきものについて認定を行い、その普及・奨励を図っています。平成25年2月末現在、文部科学省認定社会通信教育は、27団体111課程であり、23年における1年間の延べ受講者数は約5万3,000人となっています。

(5)民間教育事業者、NPOとの連携等

 民間教育事業者や教育分野で活動を行うNPOなどの民間団体は、新しい社会づくり・地域づくりの担い手として、国民の多様な活動を支える上で大きな役割を果たしており、今後その役割はますます重要なものになると考えられます。
 文部科学省では、民間団体と行政の協働による取組の充実を図るため、民間のノウハウを生かした各種のモデル事業や調査研究などを実施しているほか、教育関係NPO法人の先進的な取組を紹介するなど、民間団体の取組の活性化や官民のネットワーク形成を支援しています。

2 学習成果の評価・活用

(1)高等学校卒業程度認定試験

 高等学校卒業程度認定試験は、高等学校を卒業していないなどの者に対し、高等学校卒業者と同程度以上の学力があることを認定する試験です。この試験の合格者には、大学などへの入学資格が付与されます。
 平成24年度における延べ出願者数は2万8,445人、受験者数は2万5,201人、合格者数は8,569人となっています(図表2-2-7)。また、出願者のうち約半数となる48.9%を高等学校中途退学者が占めていることから、この試験が、中途退学者などの再チャレンジの場となっていることが分かります。

 試験合格者のおよそ半数は大学などへ進学していますが、この試験は、就職などの機会に学力を証明する手段としても活用されています。文部科学省では、就職などの際にこの試験を活用した場合に、採用試験や採用後の処遇において高等学校の卒業者と同等に扱われるように、パンフレットやポスターの配布などにより、制度が広く知られるよう努めています。

図表2-2-7 高等学校卒業程度認定試験の出願者・受験者・合格者数

(2)学校における単位認定

 高等学校においては、生徒の能力・適性、興味・関心などが多様化している実態を考慮し、選択の幅を広げるという観点から、生徒の在学する高等学校での学習の成果に加えて、1.大学、高等専門学校、専修学校などにおける学修、2.知識・技能審査の成果に関する学修、3.ボランティア活動、就業体験活動(インターンシップ)、4.高等学校卒業程度認定試験の合格科目に関する学修など、在学する高等学校以外の場における学修の成果について、各高等学校の判断により、学校の単位として認定することが可能になっています。
 大学などにおいては、教育内容の充実に資するため、専門学校における大学教育相当の学修など大学以外の教育施設などにおける学修について、当該大学などにおける単位として認定できることとしており、299大学(全体の40.9%(平成21年度))において活用されています。

(3)大学評価・学位授与機構による学位授与

 大学・大学院の正規の課程を修了してはいないものの、大学・大学院を卒業又は修了した者と同等以上の学力を有すると認められる者に対して、高等教育段階の様々な学習成果を評価し、学位を授与しています。平成24年度においては、1.短期大学、高等専門学校卒業者などが大学・専攻科において更に一定の学習を行った場合に当たる者として2,726人に、2.同機構の認定する教育施設の課程の修了者に当たる者として1,123人に同機構から学位が授与されています。

(4)準学士・短期大学士・専門士・高度専門士の称号の付与等

 高等専門学校卒業者には「準学士」の称号が付与されています。また、現在、短期大学卒業者には、「短期大学士」の学位が授与されています。
 専門学校修了者のうち、修業年限2年以上、総授業時数1,700時間以上などの要件を満たすと文部科学大臣が認めた課程の修了者に対しては、「専門士」の称号が付与されます。平成23年度では、7,089学科の修了者に対し、専門士の称号が付与されています。
 また、修業年限4年以上で、総授業時数3,400時間以上などの要件を満たすと文部科学大臣が認めた課程の修了者に対しては、「高度専門士」の称号が付与されます。平成23年度では、503学科の修了者に対し、高度専門士の称号が付与されています。「高度専門士」の称号を付与できる課程の修了者には、同時に大学院への入学資格も与えられることになっています。

(5)民間教育事業の質の向上

 現在、民間の検定試験には、全国規模で実施され年間の受検者数が100万人を超える検定や、専門的な知識・技能を測るために特定の受検者を対象に実施される検定、各地域における文化活動や観光産業などの活性化を目的とした検定など、その実施主体や目的、内容などにおいて多種多様なものが存在しています。こうした検定試験によって測られる学習成果が適切に評価され、学校や職場、地域社会などで生かされるためには、検定試験の質の向上と信頼性の確保が必要です。
 文部科学省では、民間事業者などが行う検定試験の評価に向けた主体的な取組を支援する方策について検討するため、「検定試験の評価の在り方に関する有識者会議」を開催し、平成22年6月に「『検定試験の評価ガイドライン(試案)』について(検討のまとめ)」を取りまとめ、検定試験の評価手法、評価の視点や内容、情報公開が望まれる項目などを公表するとともに、民間事業者などが行う検定試験の評価や情報公開の取組を促進することにより、検定試験の質の確保や向上を図っています。
 また、民間教育事業者における情報公開等の在り方に関する調査研究を実施するなど、民間教育事業者における学習の質の保証・向上の取組も進めています。

Column No.15 学習サービスの質の向上などに向けた国際標準化について民間団体の取組~ISO29990の発行~

 日本国内には、学校教育以外の教育・訓練サービス(例えば、民間事業者による学習塾や語学教室、大学などが行う一般市民を対象にした講座など)が多くありますが、その質を国際レベルで横断的に比較・評価する仕組みがこれまでありませんでした。そうした中、「国際標準化機構(International Organization for Standardization:ISO)」において、平成22年に「非公式教育・訓練のための学習サービス」に関する国際規格として、ISO29990が発行され、23年には、日本国内の民間事業者がこの規格の認証を取得しています。こうした国際的な動きが、日本国内の非公式の教育・訓練サービスの質を保証する仕組みづくりのきっかけとなり、学習者が安心して学習できる環境づくりが進むことが期待されます。

~ISO29990について~
 この規格では、非公式教育・訓練のための学習サービスを提供する事業者が、良質なサービス提供を行うために備えるべき事項を定めています。具体的には、学習サービスの提供プロセスに関して、学習サービスの計画や学習者の習熟状況のモニタリングを適切に行うことなど、学習サービス事業者のマネジメントに関しては、財務管理やリスク管理、内部監査を適切に行うことなどが求められています。

(6)地域や大学における人材認証制度の状況

 一定の学習や活動を経た人材の能力・経験などを客観的に認証する仕組み(いわゆる人材認証制度)は、自治体や大学、NPOなどにより、様々な分野で実施されています。平成22年度に実施した調査では、学習成果の活用を意識して、座学と実践を組み合わせたプログラムを編成する制度が多く見られた一方、認証後の活躍の場とのマッチングに課題があることも分かりました。学習した成果が地域や社会で生かされるためには、今後もこうした人材認証制度の一層の普及・発展が望まれます。

3 国際成人力調査の実施

 国際成人力調査(PIAAC=ピアック)は、経済協力開発機構(OECD)が進める新しい国際比較調査で、欧米諸国や日本を含む24か国が参加しています(平成25年3月現在)。この調査は、16歳から65歳までの男女個人を対象に、「各国の成人が日常生活や職場で必要とされる技能(成人力)」をどの程度持っているかを調べることを目的としています。23年度に国内調査を実施しており、2013(平成25)年10月にはOECDから国際報告書が公表されます。この調査結果は、我が国の生涯学習や学校教育に関する施策立案に活用されることが期待されます。

4 生涯学習に関する普及・啓発から学習成果の活用へ

 生涯学習の振興を図るためには、人々の学習機会を広く提供するとともに、学習の成果が地域の活性化に生かされることが重要です。「全国生涯学習ネットワークフォーラム」は、生涯学習活動の成果を生かして社会的な課題の解決を図る取組を全国的に推進するため、行政、大学などの教育機関、NPO、企業などの様々な関係者が一堂に集い、生涯学習を通じた新しい地域づくり・社会づくりについて研究協議などを行い、その成果を情報発信するとともに、今後の中長期的な取組を推進するため、様々な分野にまたがる関係者間のネットワークづくりを推進するものです。
 平成24年度は、東日本大震災の復興に向けた取組から見えてきた成果や課題を踏まえて「学びを通じた絆きずなづくりと活力あるコミュニティの形成」を開催テーマとして「ICTを活用した21世紀にふさわしい学びの創造」、「つながりを持った教育復興、復興教育と地域創造」、「若者達が活躍する『持続可能なまち・地域・社会』」、「まちづくりと人材養成」を課題とした4分科会を各二日間、10月26日から11月18日に掛けて宮城県、福島県、岩手県の東北3県で開催し、講演、事例発表、ポスターセッション、熟議などを実施しました。本事業は、アンケートにおいて88%余りの人が「地域や社会的な課題を解決するための活動に参加したいと思った」と答えるなど、大きな成果を上げています。

第5節 現代的・社会的課題に対応した教育の推進

1 少子化対策

 近年、我が国では少子化が急速に進行しています。厚生労働省の平成24年人口動態統計月報年計(概数)によると、出生数は約103万7,000人で前年より減少していますが、合計特殊出生率は1.41で前年の1.39を上回っています。各種の調査によれば、多くの若者が将来家庭を持つことを望み、希望する子供の数は平均二人以上となっており、家庭を築き、子供を産み育てるという個々人の選択が尊重され、それが実現される社会を築くことが大切です。
 これまで政府においては、平成15年に制定された「少子化社会対策基本法」や「次世代育成支援対策推進法」、「子ども・子育てビジョン」(平成22年決定)などに基づいて少子化対策を推進してきました。
 日本の将来を担う子供たちは、国の一番の宝であり、子育て家庭への支援を積極的に行っていくことが重要です。文部科学省では、子ども・子育て支援法に基づく新たな制度の構築により、質の高い幼児教育・保育の総合的な提供を一層促進するほか、

  1. 幼稚園の保育料等の軽減や高等学校段階に係る教育費負担の軽減、大学等の奨学金事業や授業料減免など教育に係る保護者の経済的負担の軽減
  2. 認定こども園の設置促進や幼稚園における預かり保育・子育て支援の充実
  3. 地域住民等の参画による、学校支援や放課後等における子供たちへの学習や様々な体験・交流の機会の提供、親への学習機会の提供や相談対応などの家庭教育支援など、地域の実情に応じた教育支援活動の推進などに取り組んでいます。

2 高齢社会への対応

 急速な高齢化により、社会保障給付の増大、地域社会の活力の低下、単身老人世帯の増加等の問題が顕在化しつつあります。
 他方で、65歳以降の平均寿命は非常に長くなり、退職後の人生を自ら設計し、生きがいを持って主体的に生きるとともに、地域における様々な活動において、重要な担い手として活躍していくことは、本人のみならず、地域社会の活性化という観点からも重要です。
 このため、多様な学習の機会を提供するとともに、学習の成果を適切に活用し、社会参画につながる仕組みづくりが求められています。
 このような背景を踏まえ、平成23年度に文部科学省で開催された「超高齢社会における生涯学習の在り方に関する検討会」において、高齢者の生涯学習に関する現状と課題の整理や今後の在り方等に関する検討が行われ、24年3月に、報告書「長寿社会における生涯学習の在り方について~人生100年いくつになっても学ぶ幸せ『幸齢社会』~」が取りまとめられました。また、この報告に基づき、24年度から、高齢者の社会参加による生きがいづくりを促進するため、高齢者の生涯学習に関する研究成果や各地域の先進的な取組事例等を活用した研究協議を行う「長寿社会における生涯学習政策フォーラム」を開催しています。

3 人権教育の推進

 文部科学省では、憲法及び教育基本法の精神にのっとり、学校教育及び社会教育を通じて、人権尊重の意識を高める教育の推進に努めています。平成12年12月に施行された「人権教育及び人権啓発の推進に関する法律」に基づき、人権教育及び人権啓発に関する施策を総合的かつ計画的に進めるため、14年3月に「人権教育・啓発に関する基本計画」が策定されました。基本計画においては、人権の大切さを教育する取組や、重要な人権課題(女性、子供、障害者、高齢者、同和問題、アイヌの人々、外国人、HIV感染者等、犯罪被害者等、インターネットによる人権侵害など)に対する教育の取組について盛り込んでいます。なお、23年4月1日に同基本計画の一部変更の閣議決定がなされ、「第4章の2 各人権課題」に「北朝鮮当局による拉致問題等」が加えられました。また、これを受け、同年5月に、拉致問題担当、総務、法務、文部科学の4大臣連名で、都道府県知事、都道府県教育委員会教育長に対して、拉致問題に関する理解促進及び人権教育・啓発の推進について協力依頼を通知しました。
 また、拉致問題対策本部が行っている、映画「めぐみ」及びアニメ「めぐみ」の上映会の学校における開催等について、文部科学省としてもこれらの機会の活用を促す通知を発出し、学校現場への周知に必要な協力を行いました。
 社会教育分野では、「社会教育による地域の教育力強化プロジェクト」の中で、人権教育など、行政だけではなく、市民やNPOなどの民間が主体となって課題に取り組むことが期待されるテーマを具体的に指定して、地域の課題解決に役立つ仕組みづくりのための実証的共同研究などを行い、地域が課題を解決する力の強化を図りました。

4 男女共同参画社会の形成に向けた取組

(1)男女共同参画社会の形成

 男女共同参画社会の実現は、21世紀の我が国の最重要課題であり、「男女共同参画社会基本法(平成11年6月公布・施行)」や同法に基づき策定された「男女共同参画基本計画」により、各府省において総合的かつ計画的な取組が進められています。
 平成22年12月17日には「第3次男女共同参画基本計画」が閣議決定され、本計画では32年までを見通した長期的な施策の方向性と、今後5年間に男女共同参画社会の実現に向けて政府一体に取り組む課題や具体的施策が記述されています。特に、第11分野では、「男女平等を推進する教育・学習」、「多様な選択を可能にする教育・能力開発・学習機会の充実」、「学校教育の分野における政策・方針決定過程への女性の参画の拡大」において取組を一層充実させることとされています。
 文部科学省では、本計画により、引き続き男女平等を推進する教育・学習の充実などを図っていきます。

(2)男女共同参画を推進し多様な選択を可能にする教育・学習の充実

 文部科学省では、男女共同参画社会の形成に向けて、学校・家庭・地域などあらゆる分野において男女平等を推進する教育・学習の充実などを図っています。
 学校教育においては、児童生徒の発達段階に応じて、男女の平等や相互の理解・協力について適切に指導するとともに、男女が共に各人の生き方、能力、適性を考え、主体的に進路を選択する能力・態度を身に付けられるよう、進路指導に努めています。
 また、社会教育においては、男女が各人の個性と能力を十分に発揮し、社会のあらゆる分野に参画していくための学習機会の充実を図っています。平成24年度は「男女共同参画社会の実現の加速に向けた学習機会充実事業」において、男女共同参画の視点を持ち地域づくりに参画できる女性人材の育成を支援するため学習プログラムの収集・発信を行うとともに、男性の働き方の見直しや子育てへの参画など、多様な選択を学ぶ機会となるよう男子学生を対象としたワークショップを実施しました(※4)。


※4 男女共同参画社会の推進のためにhttp://danjogaku.mext.go.jp/

(3)国立女性教育会館における活動

 我が国唯一の女性教育のナショナルセンターである国立女性教育会館(NWEC(ヌエック))は、「教育・学習支援」、「研修」、「情報」、「調査研究」、「国際連携」の五つを有機的に連携させながら我が国の男女共同参画を推進するための事業を展開しています。
 その内容は、男女共同参画・女性教育・家庭教育に関する、1.基幹的な指導者などの資質・能力の向上、2.喫緊の課題に関する学習プログラムなどの開発・普及、3.調査研究の成果や資料・情報の提供など、4.国内の関係機関・団体などとの連携協力の推進、5.国際貢献、連携協力の推進、6.多様な利用者への理解の促進、の六つの柱で構成されています。
 平成24年度は、これまで対象としていた女性団体・女性/男女共同参画センター職員、地方公共団体の行政担当者、大学職員に、企業を加えた事業展開を図りました。具体的には、企業における人材活用の推進者、管理職、チームリーダーなどを対象に、企業内の男女共同参画及び女性の活躍を推進するための実践的なセミナーを開始し、女性施設・地方公共団体・大学職員・女性団体のリーダーなどを対象とした研修や、大学・短期大学・高等専門学校における意思決定組織に所属する教職員、男女共同参画推進部局の責任者などを対象としたセミナーと併せて、各分野のリーダーが男女共同参画を学習する機会の提供を充実させました。一方、ナショナルセンターとして、女性に対する暴力をテーマとした「NWEC国際シンポジウム」を実施しました。

5 児童虐待の防止

 近年、児童虐待の防止については、様々な施策の推進が図られていますが、痛ましい児童虐待は後を絶たず、児童相談所の相談対応件数も平成23年度には5万9,919件となるなど、児童虐待は依然として、早急に取り組むべき社会全体の課題となっています。
 このような状況の中、児童虐待の定義の拡大・明確化や早期発見を図るための通告義務の範囲の拡大などを内容として、平成16年に「児童虐待の防止等に関する法律」が改正されました。さらに、19年5月には、児童の安全確認などのための立入り調査などの強化、保護者に対する面会、通信の制限の強化などを内容とした改正が行われました。
 児童虐待は、その未然防止、早期発見・早期対応や虐待を受けた児童生徒の支援について、家庭・学校・地域社会・関係機関が密接に連携する必要があります。そのため、文部科学省では、以前から都道府県などを通じて、学校教育関係者や社会教育関係者に対して児童相談所への通告義務などについて周知するほか、家庭教育支援チームの組織化などによる相談対応、保護者への学習機会の提供などの家庭教育支援などを行っています。
 平成17年度から18年度にかけては、「学校等における児童虐待防止に向けた取組に関する調査研究」を実施し、成果を取りまとめました*5。この調査研究の成果を考慮し、教職員向けの研修モデル・プログラムの検討を行い、虐待を受けた子供への支援などについて教職員の対応スキルの向上を図るよう、研修教材を作成し、21年1月に配布しました。この研修教材については、学校現場においてより幅広い活用が図られるよう同年5月にCD-ROM化し、教育委員会に配布しています。
 また、養護教諭の児童虐待への対応の充実を図る一助とするため作成した「養護教諭のための児童虐待対応の手引」を平成19年12月に配布し、学校現場で活用されています。
 さらに、平成22年3月から、学校・教育委員会などに対し、学校から児童相談所等に情報提供する際の指針や、教職員に対する研修の充実などを含めた児童虐待の早期発見・早期対応、通告後の関係機関との連携等を図る上での留意点について周知を図っており、24年3月には、児童虐待の速やかな通告を一層推進するための留意事項を、都道府県等を通じて、学校教育関係者に周知しました。
 このほかにも、児童虐待の防止などのために必要な体制の整備に資するものとして、スクールソーシャルワーカーやスクールカウンセラーなどの外部の専門家を活用した学校の教育相談体制の充実に努めています。


※5 http://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/seitoshidou/06060513.htm

6 消費者教育の推進

 食の安全・安心を揺るがす事件や高齢者を狙った悪質商法、インターネット等を通じた消費者トラブルなど、消費者をめぐる問題の内容は複雑化・高度化しています。このような中、消費者被害の現状にどのように対処するかという観点による教育のみならず、様々な情報の中から必要なものを取捨選択し、適切な意思決定や消費行動を選択し、意見を表明し行動できる、自立した消費者を育成する教育が求められています。
 文部科学省では、「消費者基本計画」(平成22年3月閣議決定)を基本として、学校教育や社会教育の分野における消費者教育を推進しています。さらに、24年、消費者教育を総合的かつ一体的に推進し、国民の消費生活の安定及び向上に寄与することを目的として、消費者教育の基本理念や国・地方公共団体等の責務等を規定した「消費者教育の推進に関する法律」(「消費者教育推進法」)が成立し、施行されました。この法律では、学校・地域・家庭・職域その他の様々な場における消費者教育の推進や、多様な主体の連携の確保について規定されるなど、より一層の消費者教育の推進が求められています。
 学校教育の分野においては、平成20年3月に小・中学校学習指導要領、21年3月に高等学校学習指導要領を改訂し、例えば、中学校の技術・家庭科において、消費者の基本的な権利と責任について指導することとするなど、消費者教育に関する内容の充実を図りました。改訂された学習指導要領は、小学校では23年度から、中学校では24年度から全面実施されており、高等学校においても25年度から年次進行で実施されることとなっております。また、24年度は、児童生徒が消費生活に関する知識を習得し、適切な行動に結びつけることができる実践的な能力を育むための具体的な方策について、都道府県教育委員会などに委託をして調査研究を実施しました。
 また、文部科学省の消費者教育に関する取組の成果を広く還元するとともに、消費者教育を実践する多様な主体の連携・協働を促進する場として、平成25年1月に神戸、2月に東京において「消費者教育フェスタ」を開催しました。本フェスタでは、企業・団体等の協力によるデモンストレーション授業や、教育委員会、消費者行政部局、消費者団体や企業等の多様な関係者による意見交換、ワークショップ等を実施し、様々な視点から消費者教育を考える機会となりました。
 地域において消費者教育を進めるには、多様な主体が連携しながら、それぞれの強みを活かした教育が行われることが重要です。そのため、消費者教育フェスタの成果を踏まえ、地域において連携・協働による消費者教育を進める際のヒントとなる事項を取りまとめ、普及を図ることとしています。
 今後とも、このような取組を通じて、消費者教育推進法等を踏まえた教育が展開されるよう、消費者教育の推進を図っていきます。

7 環境教育・環境学習の推進

(1)環境教育の意義

 現在、温暖化や自然破壊など地球環境の悪化が深刻化し、環境問題への対応が人類の生存と繁栄にとって緊急かつ重要な課題となっています。豊かな自然環境を守り、私たちの子孫に引き継いでいくためには、エネルギーの効率的な利用など環境への負荷が少なく持続可能な社会を構築することが大切です。そのためには、国民が様々な機会を通じて環境問題について学習し、自主的・積極的に環境保全活動に取り組んでいくことが重要であり、特に、21世紀を担う子供たちへの環境教育は極めて重要な意義を有しています。
 平成18年12月に改正した「教育基本法」では、教育の目標として、「生命を尊び、自然を大切にし、環境の保全に寄与する態度を養うこと」(第2条第4号)が新たに規定されています。文部科学省では、国民がその発達段階に応じて、あらゆる機会に環境の保全についての理解と関心を深めることができるよう、学校教育や社会教育において環境教育の推進のために必要な施策に取り組んでいます。
 また、近年、環境保全活動や行政・企業・民間団体等の協働がますます重要になっていること、平成26年に最終年を迎える「国連持続可能な開発のための教育の10年(UNDESD)」の動きなどを踏まえ、23年6月に法改正が行われ、「環境教育等による環境保全の取組の促進に関する法律」が成立するとともに、24年6月に同法に基づく基本方針の変更が行われており、文部科学省ではこれらを踏まえた環境教育を推進していきます。

(2)環境教育・環境学習推進のための施策

 「教育基本法」の改正などを受けて、平成20年3月に小・中学校、21年3月に高等学校の学習指導要領を改訂し、社会科や理科、技術・家庭科など関連の深い教科を中心に環境教育に関する内容の充実を図りました。例えば、小学校の社会科では「節水や節電などの資源の有効な利用」(3・4学年)、中学校の理科では、「自然環境の保全と科学技術の利用の在り方について科学的に考察」(第1分野、第2分野)、また、高等学校の家庭科では、「環境負荷の少ない生活、持続可能な社会を目指したライフスタイルを工夫し、主体的に行動する」(家庭基礎)と記述されています。
 また、文部科学省では、環境教育を一層推進するための施策を実施しています。まず、アメリカ合衆国の提唱による「環境のための地球規模の学習及び観測(GLOBE)計画」に参加する協力校の指定、環境教育の実践発表大会(全国環境学習フェア)の開催、環境省と連携・協力し、教員などを対象とした研修(環境教育リーダー研修)などを実施しています。
 さらに、「豊かな体験活動推進事業」において、児童生徒の豊かな人間性や社会性を育むため、体験活動を推進しています。特に、平成20年度からは全国の小学校において、農山漁村における宿泊体験活動を推進するため、農林水産省・総務省と連携して「子ども農山漁村交流プロジェクト」を実施し、農山漁村での民泊を取り入れた自然体験活動などを支援しています(参照:第2部 第2章 第1節 2(2))。
 学校施設においても、環境への負荷の低減を図るとともに、施設を教材として環境教育に活用して太陽光発電をはじめとする新エネルギー設備や断熱化の仕組み・効果を学習するなど、学校を地域への環境教育の発信拠点とするため、関係省庁と連携して、エコスクール(環境を考慮した学校施設)の整備を推進しています(参照:第2部 第11章 第2節 3(1))。
 社会教育においては、公民館などの社会教育施設を中心として、地域における社会教育関係団体などが連携し、環境保全などの地域の課題を解決していくための取組を支援し、地域の教育力の向上を図っています。
また、次代を担う青少年の自然体験活動などを一層推進するため、関係団体の連携の下、その必要性・重要性を広く家庭や社会に発信するとともに、自然体験活動の指導者養成や「防災キャンプ」の推進に取り組んでいます。さらに、国立青少年教育振興機構では、全国各地に所在する国立青少年教育施設の立地条件や特色を活かした自然体験活動などの機会と場を年間約500万人に提供しているほか、民間団体が実施する自然体験活動などに対して「子どもゆめ基金」による助成を行い、青少年に対する環境教育を推進しています(参照:第2部 第2章 第3節 2)。

8 読書活動の推進

 読書は、我々の人生をより豊かなものにするだけでなく、特に子供にとっては、言葉を学び、感性を磨き、表現力を高め、創造力を豊かなものにし、人生をより深く生きる力を身に付けていく上で欠くことができないものです。
 文部科学省では、国民の間に広く読書活動についての関心と理解を深めるため、様々な各施策を実施しています。

(1)地域における読書活動の推進

 「子どもの読書活動の推進に関する法律」(「子ども読書活動推進法」)に基づき、平成20年に閣議決定された「子どもの読書活動の推進に関する基本的な計画(第2次)」(「基本計画」)では、国は、基本計画期間中(策定からおおむね5年間)に50%以上の市町村において「子ども読書活動推進計画」(「推進計画」)が策定されるよう、取組を促していくこととされています。文部科学省の調べでは、24年度末時点で、全都道府県と1,041市町村(全市町村の約59.8%)において推進計画が策定されており、基本計画の目標は達成されています。
 文部科学省では、より一層子供の読書活動を推進していくため、引き続き、ウェブサイトによる情報提供を行うとともに、子供の読書活動を推進する諸施策や財政措置に関する情報提供を行うフォーラムなどを通じて、学校、図書館、ボランティア活動団体等による読書コミュニティの構築を促進しています。また、「子ども読書活動推進法」に基づき、子ども読書の日(4月23日)に「子どもの読書活動推進フォーラム」を開催し、優れた読書活動を行っている学校・図書館・ボランティア団体に文部科学大臣表彰の授与などを行っています。

4月23日は「子ども読書の日」の画像

 さらに、「地域の知の拠点」としての図書館が、住民にとってより利用しやすく、身近な施設となるための環境の整備を進めるほか、読書活動をはじめとする図書館の機能やサービスをより一層充実させるため、平成24年12月に全部改正した「図書館の設置及び運営上の望ましい基準」(参照:第2部 第1章 第3節 3(3))において、子供のための施設・設備や読み聞かせ等のサービスの充実について規定し、読書環境の整備に努めています。

(2)学校における読書活動の推進

1.学校における読書活動の推進

 子供の読書習慣を形成していく上で、学校は掛け替えのない大きな役割を担っています。学校教育法(昭和22年法律第26号)においても、義務教育として行われる普通教育の目標の一つとして、「読書に親しませ、生活に必要な国語を正しく理解し、使用する基礎的な能力を養うこと」(第21条第5号)が規定されています。
 平成20年及び21年に公示された新学習指導要領においては、各教科等の学習を通じ、記録、説明、評判、論述、討論等の言語活動を充実することとされています。小学校、中学校、高等学校の各学校段階において、児童生徒が生涯にわたる読書習慣を身に付け、読書の幅を広げるため、読書の機会の拡充や図書の紹介、読書経験の共有により、様々な図書に触れる機会を確保することが重要です。
 文部科学省の調べでは、平成24年5月現在、全校一斉の読書活動(いわゆる朝読を含む)を実施している公立学校の割合は、小学校で96.4%(22年96.2%)、中学校で88.2%(22年87.5%)、高等学校で40.8%(22年41.1%)となっているほか、図書の読み聞かせやブックトークなど、全校一斉の読書活動以外の取組を実施している公立学校の割合は、小学校で97.9%(22年97.9%)、中学校で73.9%(22年72.1%)、高等学校70.0%(22年69.2)となっています。また、ボランティアなどの協力を得ている学校や公立図書館との連携を実施している学校も増加しており、各学校において積極的な取組がなされています。

2.学校図書館資料の整備・充実

 学校図書館は、児童生徒の想像力を培い、学習に対する興味・関心等を呼び起こし、豊かな心を育む自由な読書活動や読書指導の場である「読書センター」としての機能と、児童生徒の自発的、主体的な学習活動を支援し、教育課程の展開に寄与する「学習・情報センター」としての機能を果たし、学校教育の中核的な役割を担うとともに、自由な読書活動の場である学校図書館について「心の居場所」としての機能を更に充実させていくことが期待されています。
 公立義務教育諸学校における学校図書館の図書については、学校の規模に応じて整備するべき蔵書数の目標を定めた「学校図書館図書標準」の達成に向けた図書整備の経費として、平成24年度から28年度までを期間とする「学校図書館図書整備5か年計画」が策定されています。公立義務教育諸学校の学校図書館資料について、新たな図書等の購入に加え、情報が古くなった図書等の更新を行うこととして、単年度約200億円、5か年総額約1,000億円の地方財政措置がされています。「学校図書館図書標準」の達成が十分でない状況(23年度末:小学校56.8%、中学校47.5%)を踏まえ、各教育委員会や学校において「学校図書館図書標準」の達成に向けた蔵書の計画的な整備が引き続き求められます。
 また、「学校図書館図書整備5か年計画」においては、学校図書館への新聞配備のため、単年度約15億円、総額約75億円の地方財政措置が新たに講じられました。学校図書館に新聞を配備している学校は、平成24年5月現在、小学校で約24.5%、中学校で約19.0%であり、新聞を活用した学習を行うための環境が十分に整備されていないことを踏まえ、学校図書館への新聞配備を促しています。
 さらに、「確かな学力の育成に係る実践的調査研究」のメニューの一つとして、児童生徒の自発的・主体的な学習活動の促進、教員のサポート機能の強化等を図るため、学校図書館の有効な活用方法に関する調査研究を実施しました。事業の成果は、文部科学省ウェブサイトにて公開し、学校図書館の一層の充実を促しています。

3.学校図書館の活用を推進していくための人的配置の推進

 子供の読書活動の推進に当たっては、読書の楽しさや本のすばらしさ、本を使って調べ、学ぶことを教える大人の存在が極めて重要です。司書教諭は学校図書館資料の選択・収集・提供や子供の読書活動に対する指導を行うなど、学校図書館を活用した教育活動や読書活動の中心的な役割を担うことから、学校図書館法上、12学級以上の学校には必ず置かなければならないこととされています。文部科学省では、引き続き司書教諭の養成のための講習会を実施し、有資格者の養成に努めるとともに、司書教諭の配置が促進されるよう周知を図っていきます。
 また、学校図書館活動の充実を図るためには、専ら学校図書館に関する業務を担当する職員である学校図書館担当職員(いわゆる学校司書)を配置して、司書教諭と連携しながら、多様な読書活動を計画・実施したり、学校図書館サービスの改善・充実を図ることが有効です。学校図書館担当職員を配置する公立小中学校は近年一貫して増加しており(平成24年5月現在:小学校47.8%、中学校48.2%)、児童生徒と本をつなぐ役割を果たす学校図書館担当職員の必要性が強く認識されていることがうかがえます。こうした状況を踏まえ、公立小中学校に学校図書館担当職員を配置するための経費として、24年度から新たに単年度約150億円の地方財政措置が講じられており、その配置充実を促しています。

第6節 国立教育政策研究所における研究・事業活動

 国立教育政策研究所は、教育政策に関する総合的な国立の研究機関として、初等中等教育から高等教育、生涯学習、文教施設までの教育行政全般にわたって、政策に関する基礎的事項の調査研究を進めています。また、国際的な共同研究への我が国の代表としての参画、児童生徒の学力の全国的な実態把握、教育委員会や学校と連携した調査研究、国内の教育関係者への情報提供など、幅広い活動を展開しています。

1 国立教育政策研究所における研究・事業活動の内容

 本研究所は、調査研究活動から得た成果を教育政策の企画・立案に有意義な知見として集約・提示することを主要な役割としています。そのため、広く所内外の研究者が参画するプロジェクトチームを組織し、学級規模が児童生徒の学力の発達的変化に与える影響や、教師の授業構成や指導方法等に与える影響について検討する「学級規模の及ぼす教育効果に関する研究」、教員養成の実態把握や好事例についての調査研究を行う「教員養成等の在り方に関する調査研究」など様々な調査研究を行っています。
 また、経済協力開発機構(OECD)が実施している「生徒の学習到達度調査(PISA)」や「国際成人力調査(PIAAC)」、国際教育到達度評価学会(IEA)が進めている「国際数学・理科教育動向調査(TIMSS)」などの国際的な比較研究に我が国を代表して参画し、問題作成、調査実施、結果の分析などを担当しています。平成24年12月には23年に実施した「TIMSS2011」の調査結果を公表しました(参照:第2部 第3章 第1節 1(2))。
 さらに、児童生徒の学力の実態などを把握するための「全国学力・学習状況調査」(参照:第2部 第3章 第1節 1(2))において調査問題の作成や結果の分析、解説資料の作成を行うとともに、過去4年間(平成19から22年度)の全国学力・学習状況調査の結果から明らかになった課題とその指導改善のポイント等をまとめました※6。なお、25年度の調査においても、この調査結果から明らかになった課題の改善状況を把握するための問題を出題しています。
 また、学習指導要領改訂に必要な資料を得るとともに各学校における教育課程編成及び指導方法等の改善充実を図るため、特に重要な課題について研究テーマを示し、指定校や指定地域で実践的な研究を推進する研究指定校事業を行っています。このほか各種の指導資料を作成・配布しています。


※6 http://www.nier.go.jp/4nenmatome/index.htm

2 研究活動等の成果の公表など

 本研究所は、研究所の研究・事業活動に関する報告書や指導資料、事例集などについては、研究所のウェブサイトや研究所内の教育図書館で広く公開しています。
 また、シンポジウムや全国の教育研究所からなる全国教育研究所連盟の大会などを通じ、広く教育関係者に対する研究活動などの成果の普及に努めています。平成24年度は、学校におけるいじめが社会的な問題となっているという状況の下、いじめの未然防止等をテーマとしたシンポジウムを東京と京都で開催するなどの活動を行いました。

平成24年度教育研究公開シンポジウムの写真
平成24年度教育研究公開シンポジウムの様子

お問合せ先

生涯学習政策局政策課

-- 登録:平成25年10月 --