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第6章 スポーツの振興のために

Topic バンクーバーオリンピックの結果について

 2010(平成22)年2月12日から28日まで17日間にわたり,第21回オリンピック冬季競技大会(バンクーバーオリンピック)がカナダのバンクーバーで開催されました。オリンピック冬季競技大会史上最多の82カ国・地域から約5,500人の選手・役員が参加し,日本からは205人の選手団が参加しました。日本人選手が,世界の大舞台で自らの能力の限界に挑み,全力で競技に臨む姿は,日本中に感動を巻き起こしました。
 今大会で,日本人選手は合計5個のメダル(銀3個,銅2個)を獲得し,前回のトリノ大会を大きく上回る成績をおさめました。これはオリンピック冬季競技大会で過去3位の成績です。
 フィギュアスケートにおいては,髙橋大輔選手が同競技では日本人男子選手として初のメダルを,女子では,浅田真央選手が同種目で2大会連続となるメダルを獲得しました。トリノ大会においてメダルが獲得できなかったスピードスケートでは男女合わせて3個のメダル獲得と躍進しました。また,メダルに匹敵する好成績を残したフリースタイルスキーをはじめ,26の入賞を果たし,次回の2014(平成26)年ソチオリンピックに向けて期待が高まる大会となりました。

女子フィギュアスケートで銀メダルを獲得した浅田真央選手

女子フィギュアスケートで銀メダルを獲得した浅田真央選手

中京大学アイスアリーナ(「オーロラリンク」)

中京大学アイスアリーナ(「オーロラリンク」)

 文部科学省では,平成19年から,オリンピックの冬季競技種目について,トップレベル競技者が同一の活動拠点で集中的・継続的にトレーニング強化活動を行えるよう,競技別の強化拠点を指定しており,フィギュアスケートの強化拠点として指定した中京大学アイスアリーナ(「オーロラリンク」)では,浅田真央選手,小塚崇彦選手らがトレーニング拠点として日常的に練習に活用する等,バンクーバーオリンピックにおける日本人選手の活躍に大きく貢献しました。

第6章 総論

(1)子どもの体力向上と学校体育の充実

 体力は人間のあらゆる活動の源ですが,子どもの体格が向上する一方で体力が低下する傾向が続いてきています。「スポーツ振興基本計画」では,子どもの体力の低下傾向に歯止めをかけ,上昇傾向に転ずることを目標としており,最近10年間では,小学校低学年では横ばい,小学校高学年以上では緩やかな向上傾向にあります。
 文部科学省では,平成20年度から全国体力・運動能力,運動習慣等調査を実施し,きめ細やかな分析と調査結果を活用した体力向上の取組を支援しています。また,子どもの体力の重要性の普及啓発や,著名スポーツ選手を小学校へ派遣して運動やスポーツに親しむ機会の提供を行っています。さらに,学習指導要領の改訂により体育の授業時数を増やしており,小学校は23年度,中学校は24年度から完全実施予定です。

図表2‐6‐1 子どもの体力・運動能力の年次推移

図表2‐6‐1 子どもの体力・運動能力の年次推移

(出典)文部科学省「平成20年度 体力・運動能力調査」

(2)総合型地域スポーツクラブの育成

 明るく活力ある社会を形成していく上で,国民のだれもが,いつでも,どこでも,いつまでもスポーツに親しむことができる生涯スポーツ社会の実現が重要な課題です。総合型地域スポーツクラブは,地域住民が自主的・主体的に運営し,身近な学校・公共施設等で日常的に活動する地域密着型のスポーツ拠点として,生涯スポーツ社会の実現に寄与するほか,地域の子どものスポーツ活動の受け皿,家族のふれあい,世代間交流による青少年の健全育成,地域住民の健康維持・増進などの効果も期待されています。
 文部科学省では,クラブ育成マネージャーの巡回指導や設立事例の情報提供などにより総合型地域スポーツクラブの育成を支援し,全国1,165市区町村に2,905クラブが設置されるに至っています(平成21年7月現在)。

図表2‐6‐2 総合型地域スポーツクラブの育成状況

図表2‐6‐2 総合型地域スポーツクラブの育成状況

(出典)文部科学省調べ

(3)国際競技力の向上

 平成22年2月に行われたバンクーバーオリンピックをはじめとする国際競技大会での日本人選手の活躍は,多くの人々に夢と希望を与え,スポーツへの興味や関心を高めるものです。「スポーツ振興基本計画」ではオリンピックでのメダル獲得率(※1)を3.5%以上とする目標を掲げており,文部科学省では,国立スポーツ科学センターやナショナル・トレーニングセンターを整備・活用し,スポーツ医・科学的成果を活用した高度な選手サポートを行うなど,競技者の育成・強化を進めています。
 また,2018(平成30)年及び2022(平成34)年のワールドカップサッカー大会などの国際競技大会の我が国での開催を実現するため,関係省庁と協力して積極的に支援しています。

図表2‐6‐3 国民のスポーツに対する関心

国際大会での日本選手の活躍について
国際大会での日本選手の活躍について

国際大会を我が国で開催することについて
国際大会を我が国で開催することについて

(出典)内閣府「体力・スポーツに関する世論調査」(平成21年9月)


※1 メダル獲得率=当該国のメダル獲得数/全競技種目のメダル総数×100

第1節 スポーツ振興のための基本的な方策

1 スポーツ振興基本計画とスポーツ助成

(1)スポーツ振興基本計画

 スポーツは,すべての国民にとって人格形成,体力向上や健康長寿の礎であるとともに,地域活性化や観光などの観点からも高い波及効果を有しています。学校体育の充実や地域に根ざしたスポーツクラブの育成など,ライフステージに応じたスポーツを振興していくことは,極めて大きな意義があります。
 文部科学省では,「スポーツ振興法」に基づき,我が国のスポーツ振興の基本的方向を示した「スポーツ振興基本計画」を定めており,(平成12年策定,18年改訂。計画期間:平成13年度からおおむね10年間),この計画の中で,次のとおり実現すべき政策目標と具体的な施策を示しています。

  1. スポーツの振興を通じ,子どもの体力の低下傾向に歯止めをかけ,上昇傾向に転ずること。
  2. 生涯スポーツ社会実現のため,できるかぎり早期に,成人の週1回以上のスポーツ実施率が50%となること。
  3. オリンピックにおけるメダルの獲得率が,夏季・冬季合わせて3.5%となること。

(2)施策推進の予算措置

 スポーツ振興基本計画に掲げられた施策を推進するため,平成21年度においては,225億円の予算を計上しているほか,スポーツ振興基金やスポーツ振興くじを活用して,厳しい財政状況下において,国費では行き届き難いスポーツ振興活動への助成財源の確保に努めています。

1.スポーツ振興基金

 スポーツ振興基金は,政府出資金と民間からの寄附金を原資とするものであり,その運用益などにより,スポーツの競技水準の向上を図るための選手強化活動,国際的・全国的なスポーツの競技会の開催,選手・指導者のスポーツ活動などに対する助成が行われています。
 平成21年度は,約8.9億円の助成を行いました(図表2‐6‐4)。

図表2‐6‐4 平成21年度スポーツ振興基金助成額
助成活動名 件数(件) 助成額
スポーツ団体選手強化活動助成 129 2億4,598万円
スポーツ団体大会開催助成 78 2億4,855万円
選手・指導者スポーツ活動助成 433 3億9,553万円
合計 640 8億9,005万円

(出典)独立行政法人日本スポーツ振興センター調べ

2.スポーツ振興くじ

 スポーツ振興くじ(toto)は,グラウンドの芝生化や地域のスポーツ施設整備など,だれもが身近にスポーツに親しむことができる環境を整備するための財源確保を目的としています。
 スポーツ振興くじによる収益のうち,3分の2はスポーツ振興を目的とする事業の資金とし,3分の1は国庫に納付され,教育・文化の振興などに充てられます。
 スポーツ振興くじ事業の資金は,スポーツ団体と地方公共団体等に交付され,子どもから高齢者まで,だれもが様々なスポーツに親しめる生涯スポーツ社会の実現に向けた活動を中心に助成を行っています。
 この助成財源となる収益を確保するため,スポーツ振興くじの販売を行う独立行政法人日本スポーツ振興センターでは,コンビニエンスストアやインターネットでのくじ販売などの販売方法の改善に努め,スポーツ振興くじが広く国民に親しまれるための取組を行っています。
 平成21年度は,約59億円の助成を行いました(図表2‐6‐5)。

図表2‐6‐5 平成21年度スポーツ振興くじ助成額
助成区分 件数(件) 助成額
地域スポーツ施設整備助成 80 12億9,394万円
総合型地域スポーツクラブ活動助成 757 16億9,988万円
地方公共団体スポーツ活動助成 51 1億4,292万円
スポーツ団体が行う将来性を有する選手の発掘
及び育成強化助成
54 3億5,009万円
スポーツ団体スポーツ活動助成 379 17億9,519万円
国際競技大会開催助成 5 2億8,272万円
優秀な選手・指導者への個人助成に充当 3億3,943万円
合計 1,326 59億416万円

(出典)独立行政法人日本スポーツ振興センター調べ

第2節 国際競技力の向上

〈競技スポーツ振興の意義〉

 オリンピック競技大会をはじめとする国際競技大会における日本人選手の活躍など,競技者のひたむきな挑戦やその結果として生まれる記録,勝利する姿は,多くの人々に夢と感動を与え,スポーツに対する興味や関心を高めるものです。また,スポーツは世界共通のルールの下に言語の壁を超えて行われるものであり,諸外国との相互理解や友好親善にも大きな役割を果たしています。
 平成21年9月に内閣府が実施した「体力・スポーツに関する世論調査」においても,約87%の国民が日本選手の活躍に関心を示し,さらに,国際競技大会で日本選手が活躍するために公的な援助を行うことについても,約88%の国民が必要であると回答しています。

〈我が国の国際競技力の現状〉

 過去のオリンピック競技大会におけるメダル獲得状況を主要各国と比較した場合,我が国の国際競技力は長期的・相対的に低下傾向にありました(図表2‐6‐6,図表2‐6‐7)。
 このため,文部科学省では,スポーツ振興基本計画の中で「我が国の国際競技力の総合的な向上方策」を一つの柱とし,オリンピック競技大会におけるメダル獲得率(オリンピック競技大会におけるメダル獲得数/当該大会における総メダル数)を早期に3.5%とすることを目標に掲げています。これを達成するために,文部科学省では,財団法人日本オリンピック委員会及び各競技団体などと連携しながら,ナショナルトレーニングセンター(NTC)(参照:http://www.ntc.naash.go.jp)の整備・充実,国立スポーツ科学センター(JISS:Japan Institute of Sports Sciences)(参照:http://www.jiss.naash.go.jp)の活用,指導者の養成・確保,強化合宿などの選手強化事業への支援などの施策を総合的に推進しています。また,平成20年度からは,トップレベル競技者が世界の強豪に競り勝ち,確実にメダルを獲得することができるよう,情報の収集,スポーツ科学・医学・栄養学などの活用,用具・機器・トレーニング方法の開発などの多方面からの高度な支援を行う『チーム「ニッポン」マルチサポート事業』を実施しています。21年度では,我が国選手のメダル獲得が期待される水泳・柔道・レスリングなどの8競技を対象に支援を行いました。

図表2‐6‐6 オリンピック競技大会におけるメダル獲得状況(夏季)

図表2‐6‐6 オリンピック競技大会におけるメダル獲得状況(夏季)

(出典)文部科学省調べ

図表2‐6‐7 オリンピック競技大会におけるメダル獲得状況(冬季)

図表2‐6‐7 オリンピック競技大会におけるメダル獲得状況(冬季)

(出典)文部科学省調べ

1 競技力向上方策の充実

(1)国立スポーツ科学センター(JISS)の活用

 平成13年10月に開所したJISSは,我が国のトップレベル競技者の強化,優れた素質を持つジュニア競技者の発掘,一貫指導システムによるトップレベル競技者への育成など,我が国の国際競技力の向上に向けた組織的・計画的な取組をスポーツ科学・医学・情報の側面から支援することを目的とする機関です。
 JISSは,この目的の実現に向けて,科学的な分析に基づく効果的なトレーニング方法の開発やスポーツ障害などに対する医学的なサポート,スポーツに関する各種情報の収集・分析・蓄積・提供などを一体として行い,オリンピック競技大会をはじめとする国際競技大会における我が国のメダル獲得率の向上に寄与しています。

(2)ナショナルトレーニングセンター(NTC)の整備

 トップレベル競技者の強化に当たっては,競技ごとの専用練習場や宿泊施設などを備え,集中的・継続的にトレーニングを行うことができる拠点の整備が不可欠となっています。米国,ロシア,中国,オーストラリア,ドイツ,フランス,韓国など,オリンピックのメダル獲得上位国のほとんどで,既にこうした機能を持つNTCが整備されており,競技力の向上に大きく貢献しています。こうした状況を踏まえ,我が国においてもNTCの整備が強く求められてきました。
 このため,文部科学省では,JISSが所在する東京都北区西が丘地区にNTCを整備し,平成20年1月から供用を開始するとともに,NTC(西が丘)では対応できない冬季競技などについては既存の施設を競技別のNTCに指定し,NTC(西が丘)とのネットワーク化を図っていくことにしました。

1.NTC(西が丘)

 文部科学省では,平成16年度からトップレベル競技者が同一の活動拠点で集中的・継続的にトレーニングを行うためのNTCの整備を進めてきました。本施設は,屋内トレーニングセンター,陸上トレーニング場,屋内テニスコート,宿泊施設(アスリートヴィレッジ)から成り,20年1月から全面的に供用を開始しました。現在は,NTCの本格稼働に伴い,更なる利用拡大が見込まれるため,アスリートヴィレッジの増築を行っています。

2.競技別のNTC

 冬季,海洋・水辺系,屋外系のオリンピック競技,高地トレーニングについては,既存のトレーニング施設を競技別のNTCに指定し,医・科学サポートや連携機関とのネットワーク化を図るなど,強化拠点として機能させるための事業を実施しています。
 平成19年度から冬季競技など19競技等について,「NTC競技別強化拠点施設」に指定して,活用しています。

(3)トップレベル競技者の強化活動の充実

 我が国の国際競技力の向上を図るためには,トップレベル競技者の強化活動をより充実させることが重要です。このため,文部科学省では,財団法人日本オリンピック委員会が行うナショナルチームの国内外での強化合宿や専任コーチの配置などに対して国庫補助を行うとともに,メダル獲得の期待の高い競技について重点的な強化を図るなど競技力の向上を図っています。

図表2‐6‐8 我が国のナショナルトレーニングセンター(NTC)

図表2‐6‐8 我が国のナショナルトレーニングセンター(NTC)

(4)指導者の養成・確保

 トップレベルの競技者の育成・強化を行うためには,優れた素質を持つ競技者に対して適切な指導を行うことができる,高度な専門的能力を持つ指導者の養成・確保が重要です。
 このため,文部科学省では,財団法人日本体育協会や各競技団体が実施しているスポーツ指導者養成事業や,財団法人日本オリンピック委員会が競技ごとに配置しているトップレベル競技者を指導するコーチの専任化を支援しています。また,財団法人日本オリンピック委員会がNTC(西が丘)で行うナショナルコーチアカデミー事業(トップレベル競技者の指導者が国際的な競技水準での高度な専門的能力を習得するための研修制度)への支援や,オリンピックでのメダル獲得を期待される競技団体への「ナショナルコーチ」の配置などを行っています。
 さらに,トップレベルの競技者の育成・強化に当たるコーチ,スポーツ医・科学研究者や都道府県行政担当者などを対象とし,それぞれの分野における諸問題についての研究協議や情報交換を行うため,「スポーツコーチサミット」を開催し,関係者の相互理解や連携を促進する体制の強化を図っています。

(5)一貫指導システムの構築

 国際競技力の向上を図るためには,優れた素質を持つ競技者(タレント)に対し,ジュニア期から個人の特性や発達段階に応じて一貫した指導理念に基づく指導を行い,世界で活躍できるトップレベル競技者へと組織的・計画的に育成していく必要があります。
 このような観点から,「スポーツ振興基本計画」においては,各競技団体がトップレベルの競技者を育成するための指導理念や指導内容を示した競技者育成プログラムを作成し,このプログラムに基づき一貫指導を実施する体制を整備することが掲げられています。現在,オリンピック競技32団体のすべてにおいて整備がなされています。文部科学省では,引き続き,各中央競技団体をはじめ,各都道府県の自治体,体育協会,競技団体等が実施するタレント発掘・育成事業についても,さらに活発に行われるよう支援を講じていきます。

(6)企業スポーツへの支援

 我が国のトップレベル競技者には,企業のスポーツチームに所属しながら競技活動を行っている者が多く,企業はこうしたトップレベル競技者の生活を支援するとともに,安定した練習環境を与えるなど,我が国の競技力の向上について重要な役割を担ってきました。
 しかし,近年の厳しい経済状況の影響などにより,企業が所有するスポーツチームの一部が休廃部に追い込まれるケースが多くなっており,企業所属のトップレベル競技者の活動基盤に深刻な問題が生じています。
 こうした状況を受けて,文部科学省では,平成15年度から,日本スポーツ振興センターを通じ,国内トップレベルのリーグを運営する組織に対して,マネジメント(運営管理)能力のある人材を配置するなど,リーグ運営の安定化や活性化を図ることを目指したトップリーグ運営助成を実施しています。また,19年度まで実施した,多くのクラブの参考事例となるようなモデルクラブを支援する「トップレベル・スポーツクラブ活動支援事業」の成果をふまえ,スポーツクラブ間ネットワークの構築を図り,具体的な経営改善の情報や成功事例を提供する「トップアスリート活動基盤整備事業」を20年度に実施しました。さらに,21年度に「スポーツ環境の整備に関する調査研究事業」を実施し,クラブ・競技者の活動の安定化を図るための支援方策の在り方について検討しました。

(7)プロスポーツの役割

 プロスポーツは「みるスポーツ」として幅広い年齢層に親しまれ,青少年に対しては夢と感動を与え,自らがスポーツを行うきっかけとなるなど,スポーツの裾野を広げる上で重要な役割を果たしています。また近年,世界的にアマチュアスポーツとプロスポーツの垣根が低くなる傾向にあり,オリンピックなどにおける国際競技力の向上の観点からも,プロスポーツの振興が重要となってきています。
 文部科学省では,財団法人プロスポーツ協会やその加盟団体と連携・協力を図りながら,プロスポーツ関係者で特筆すべき成果を挙げた者をスポーツ功労者として顕彰するなど,プロスポーツを通じたスポーツの総合的な振興を図っています。

2 国際・国内競技大会への支援

(1)オリンピックなどの国際競技大会の開催

 我が国でのオリンピックをはじめとする国際競技大会の開催は,世界のトップアスリートの競技を目の当たりにすることにより多くの国民に夢や感動を与えるなど,スポーツの振興や国際親善などに大きく寄与することはもとより,観光立国の推進・地域活性化にも資するなど,大きな意義と波及効果を有するものです。
 文部科学省では,国際競技大会の招致・開催が円滑に行われるよう,準備運営団体や関係省庁との連絡調整を行い,必要な協力・支援を行っています。
 平成21年度においては,2016年オリンピック競技大会の日本招致への支援を行いましたが,開催地はリオデジャネイロに決定しました。また,ラグビーワールドカップの日本招致にも協力し,2019年(平成31年)には日本で開催されることが決定しています。現在は,ワールドカップサッカー大会の日本招致実現に向けて,積極的に協力しています。

(2)国民体育大会の開催

 国民体育大会(国体)は,広くスポーツを普及し国民の体力向上を図るとともに,地域のスポーツと文化の振興を図ることを目的として,文部科学省,財団法人日本体育協会,開催地都道府県が共同して主催し,都道府県対抗方式により毎年開催されている我が国最大の総合スポーツ大会です。
 平成21年の第64回大会では,冬季大会・本大会合わせて40競技が実施され,約2万4,000名の都道府県代表選手が天皇杯・皇后杯を目指し競い合いました。
 財団法人日本体育協会は,大会の充実・活性化と大会運営の簡素・効率化を図るため,平成15年3月に「新しい国民体育大会を求めて‐国体改革2003‐」を策定し,既存施設や近接県の施設の活用,トップレベル競技者の参加促進,卒業した中学校又は高等学校の所在地からの出場が可能となる「ふるさと選手制度」の導入,第61回兵庫国体から夏・秋大会の一本化を実施しました。加えて,第63回大分国体からは大会規模の適正化(参加者の15%削減)を実施するなど,国体改革を推進してきました(図表2‐6‐9)。また,冬季大会の安定した開催を図るために開催地のローテーション化の実現にも取り組んでいます。

図表2‐6‐9 第64回国民体育大会(平成21年) 競技種目及び選手・監督数

図表2‐6‐9 第64回国民体育大会(平成21年) 競技種目及び選手・監督数

(出典)文部科学省調べ

3 ドーピング防止活動の推進

〈ドーピング防止活動の必要性〉

 ドーピングとは,競技者の競技能力を向上させるため,禁止されている薬物などを使用することを言います。ドーピングは,1.競技者に重大な健康被害を及ぼす,2.フェアプレーの精神に反し,人々に夢や感動を与えるスポーツの価値を損ねる,3.優れた競技者によるドーピングが青少年に悪影響を与えるなどの問題があり,世界的規模での幅広い防止活動が求められています。

〈活動体制〉

 平成11年,ドーピングの撲滅に向けて世界ドーピング防止機構(WADA:World Anti ‐ Doping Agency)が設立され,国際的な活動の推進体制が整備されました。我が国では,13年にドーピング検査を中立的に行う国内機関として財団法人日本アンチ・ドーピング機構(JADA:Japan Anti ‐ Doping Agency)が設立されました。17年には,WADAを中心としたドーピング防止活動を強化するため,「スポーツにおけるドーピングの防止に関する国際規約」(国際規約)がユネスコ総会で採択され,我が国は18年に同規約を締結し,19年には「スポーツにおけるドーピングの防止に関するガイドライン」を策定してJADAを国内ドーピング防止機関に指定するなどの体制強化を行ってきました。

〈主な活動〉

 ドーピング検査活動については,JADAや各競技団体で行われていますが,文部科学省では,ドーピング防止活動の重要性を考慮し,ドーピング違反の未然防止を目的とした教育・啓発活動などに積極的に取り組んでいます。また国際的には,WADAのアジア地域代表の常任理事国として,各国に対し国際規約の締結を要請するとともに,人材育成への協力を行っています。

第3節 生涯スポーツ社会の実現

 明るく活力ある社会を形成していく上で,国民のだれもが,いつでも,どこでも,いつまでもスポーツに親しむことができる生涯スポーツ社会の実現は,我が国の重要な課題です。
 スポーツ振興基本計画では,生涯スポーツ社会の実現に向けた数値目標として,「できる限り早期に成人の週1回以上のスポーツ実施率が2人に1人(50%)となることを目指す」こととしています(図表2‐6‐10)。そのため,文部科学省では,次に述べるように,総合型地域スポーツクラブの育成やスポーツ指導者の養成・活用などの取組を進めています。

図表2‐6‐10 週に1回以上運動・スポーツを行った者の割合の推移

図表2‐6‐10 週に1回以上運動・スポーツを行った者の割合の推移

(出典)内閣府「体力・スポーツに関する世論調査」に基づく文部科学省推計

1 総合型地域スポーツクラブの育成

(1)地域におけるスポーツクラブの現況

 我が国においては,学校と企業,特に学校が,スポーツの普及や競技者の育成などの様々な役割を担ってきました。このため,学校を卒業するとスポーツに親しむ機会が著しく減少する傾向が見られます。地域や職場を中心としたスポーツクラブも多く存在しますが,性別・年齢・活動種目が限定されているなど,だれもが,いつでも,どこでも,いつまでも,各自の興味・目的に応じてスポーツに親しめるとは言い難い状況にあります。

(2)総合型地域スポーツクラブの全国展開

 こうした状況を改善するための方策として,「スポーツ振興基本計画」においては,総合型地域スポーツクラブ(「総合型クラブ」)の全国展開を生涯スポーツ社会を実現するための最重点施策として挙げ,平成22年までの到達目標を以下のように掲げています。

  1. 全国の各市区町村において少なくとも一つは総合型地域スポーツクラブを育成する。
  2. 各都道府県において少なくとも一つは広域スポーツセンターを育成する。

 総合型クラブは,1.子どもから大人まで(多世代),2.様々なスポーツを愛好する人々が(多種目),3.それぞれの趣向・レベルに合わせて参加できる(多志向)という特徴を持ち,地域住民により自主的・主体的に運営される地域密着型のスポーツクラブです。総合型クラブには地域住民が日常的にスポーツ活動を行う拠点として,生涯スポーツ社会の実現に寄与することはもとより,地域の子どものスポーツ活動の受け皿としての効果や,スポーツ活動を通じた家族のふれあいや世代間交流による青少年の健全育成,地域住民の健康の維持・増進,地域教育力の再生などといった役割も期待されています。
 文部科学省では,「総合型地域スポーツクラブ育成推進事業」や総合型クラブを設立する市町村の割合が低い都道府県を対象として,課題把握や課題解決に向けた取組を支援する「総合型地域スポーツクラブ特別支援事業」などを実施し,総合型クラブの全国展開を推進しています。こうした取組の成果もあって,平成21年7月現在,全国1,165市区町村において,2,905の総合型クラブが育成されています(文部科学省調べ)。
 また,これら総合型クラブが継続的・安定的に運営されるために,個々の総合型クラブだけでは解決できない課題に対応し,適切な指導・助言を行うなど,総合型クラブの活動全般について効率的に支援することができる広域スポーツセンターが必要です。
 広域スポーツセンターは,平成21年12月現在,44都道府県において設置されています(文部科学省調べ)。

総合型地域スポーツクラブの活動の様子

総合型地域スポーツクラブの活動の様子

2 スポーツ指導者の養成・活用

 スポーツ指導者には,スポーツ団体が行う指導者養成事業により認定された指導者のほか,体育指導委員,地方公共団体が養成・確保する指導者,公共スポーツ施設の専門指導委員などがいます。国民のスポーツ活動が多様化・高度化している今日,質の高い技術・技能を有するスポーツ指導者に対する需要が高まっています。しかし,そのようなスポーツ指導者の数は不足しており,今後,総合型クラブの数が増加していくことにより,その傾向が更に強まることが予想されます。このため,質の高い指導者の養成とともに,これらのスポーツ指導者のより一層の活用が必要です。文部科学省では,平成17年度より,スポーツ指導者の養成などについて,地域における実践研究をはじめとする調査研究を行っており,その成果を全国に普及させることにしています。
 なお,文部科学省では,スポーツ団体が行う指導者養成事業に対し,一定の水準に達し奨励すべきものについて文部科学大臣認定を行ってきましたが,公益法人に対する行政の関与の見直しにより,この認定制度は平成17年度末で廃止されました。今後,スポーツ指導者の養成などについては,各スポーツ団体や地方公共団体などによる一層主体的な取組が求められます。

3 生涯スポーツ振興事業の開催

 国民が各自の興味・関心に応じてスポーツに親しみ,日常生活の中にスポーツが定着することを目的として,様々な生涯スポーツの振興に向けた事業が実施されています。文部科学省でも,以下のような事業を実施しています。

(1)全国スポーツ・レクリエーション祭

 広く人々が気軽にスポーツ・レクリエーション活動を楽しみ,各世代にわたるスポーツ愛好者相互の交流を深める生涯スポーツの全国的な祭典です。第22回大会は,平成21年10月に宮崎県内各地で開催されました。

(2)生涯スポーツ全国会議

 スポーツに関係する産学官の関係者が一堂に会し,平成元年度から生涯スポーツ振興上の諸問題について研究討議・意見交換を行っています。

(3)体育の日・体力つくり国民運動

 スポーツについての国民の理解と関心を深めるために,国民の祝日である「体育の日」を中心に,体力テストや各種スポーツ行事の実施,体力・運動能力調査の結果の公表などを行っています。
 また,昭和39年のオリンピック東京大会を契機に,日常生活を通して積極的に健康・体力つくりを実践していく国民運動が提唱され,毎年10月を「体力つくり強調月間」として,広く国民に健康・体力つくりの重要性を呼び掛けるなどの運動を展開しています。

(4)生涯スポーツ功労者等の表彰

 多年にわたり地域や職場において,スポーツの振興に功績のあった人や団体に対し,その功績をたたえるため,生涯スポーツ功労者及び生涯スポーツ優良団体として文部科学大臣が表彰しています。

4 スポーツ施設の現状等

(1)スポーツ施設の現状

 全国のスポーツ施設の数は,約22万カ所あり,そのうち学校体育施設が約14万5,000カ所,公共スポーツ施設が約5万4,000カ所,民間スポーツ施設が約2万4,000カ所となっています(平成22年「体育・スポーツ施設現況調査」)。
 内閣府が実施した「体力・スポーツに関する世論調査」(平成21年10月調査)によると,公共スポーツ施設についての要望は,「身近で利用できるよう,施設数の増加」が最も多くなっており,以下,「利用時間帯の拡大(早朝,夜間など)」,「初心者向けのスポーツ教室やスポーツ行事の充実」,「利用手続き,料金の支払い方法などの簡略化」などの順となっています。また,フィットネスクラブ,スイミングクラブ,テニスクラブ,ゴルフ練習場などの都市型の民間スポーツ施設についての要望は,「利用料金が安くなること」が最も多くなっています。

(2)プールの安全確保について

 平成18年7月31日,埼玉県ふじみ野市市営プールにおいて,女児がプールの吸水口に吸い込まれて死亡する事故が起きました。この事故を受け,文部科学省や国土交通省を中心に設置された「プールにおける事故対策に関する関係省庁連絡会議」における議論を踏まえ,19年3月にプールの施設面・管理運営面で参考となる留意事項などをまとめた「プールの安全標準指針」を策定・周知しました。

第4節 子どもの体力の向上

1 子どもたちの体力の重要性と現状

 体力は,人間が発達・成長し,創造的な活動を行っていくために必要不可欠であり「人間力」の重要な要素です。人間が知性を磨き,知力を働かせて活動していく源であるとともに,生活を営む上での気力の源でもあり,体力・知力・気力が一体となって人間としての活動が行われます。このように,人間のあらゆる活動の源になる体力を,子どもの時期からしっかりと身に付けていくことは,子どもの将来にとって大変重要です。
 平成14年9月の中央教育審議会答申「子どもの体力向上のための総合的な方策について(答申)」においては,子どもの体力の低下は,国民の意識の問題,外遊びの機会や場所・仲間の減少など,子どもを取り巻く環境の問題,生活習慣の乱れなど,様々な要因によるものと指摘されています。また,18年9月に改定した「スポーツ振興基本計画」においては,スポーツの振興を通じた「子どもの体力の向上」を新たな政策課題の一つの柱として掲げ,子どもの体力の低下傾向に歯止めをかけ,上昇傾向に転ずることを目指すこととしています。さらに,20年7月に策定された「教育振興基本計画」においても,学校や地域における子どもの体力向上の取組を推進することとしています。
 これらを踏まえ,文部科学省では,子どもの体力の重要性に関する普及啓発や,運動やスポーツに親しむ機会の提供などを行っています。
 平成21年度「全国体力・運動能力,運動習慣等調査」の結果によると,50m走やソフトボール投げなどの体力・運動能力は,昭和60年ごろと比較すると依然として低い水準ですが最近10年間では,小学校低学年では横ばい,小学校高学年以上では緩やかな向上傾向であることがわかりました。文部科学省では,本調査結果を活用し,学校や地域における体力向上に向けた取組を推進することとしています。

2 子どもの体力向上のための具体的な取組

(1)子どもの体力向上推進事業

 子どもの体力を向上させるための全国的なキャンペーンを実施しています。具体的には,体力の重要性をアピールするためのポスターを広く子どもから募集するとともに,親子で運動やスポーツに親しむ機会の提供などを行っています。

(2)トップアスリート派遣指導事業

 小学校などにオリンピックなどで活躍したトップレベルの選手を派遣し,子どもたちが主体的にスポーツに親しむ意欲を喚起する取組を行っています。

子どもの体力向上キャンペーンポスター平成21年度文部科学大臣賞受賞作品

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平成21年度文部科学大臣賞受賞作品

元気アップ親子セミナー

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第5節 学校体育の充実

1 体育の授業の充実

 学校における体育は,生涯にわたって運動に親しむ基礎をつくるものであり,近年,運動をする子どもとそうでない子どもとの二極化傾向や,子どもの体力の低下傾向が続く中,学校体育の重要性は一層高まっています。
 学習指導要領においては,体育・保健体育は,心と体を一体としてとらえ,運動についての理解と合理的な実践を通して,生涯にわたって運動に親しむ資質・能力を育てることや体力の向上を図ることをねらいとしています。
 文部科学省では,平成20年1月の中央教育審議会答申「幼稚園,小学校,中学校,高等学校及び特別支援学校の学習指導要領等の改善について」を踏まえ,20年3月に小・中学校の学習指導要領を,21年3月に高等学校学習指導要領を改訂しました。あわせて,小・中学校の体育科・保健体育科の年間標準授業時数は90時間から105時間に増加することとしました。(小学校高学年を除く。)
 今回の改訂における体育科・保健体育科の改善の基本方針は次のとおりです。

  • 生涯にわたって健康を保持増進し,豊かなスポーツライフを実現することを重視する。
  • 心と体を一体としてとらえ,引き続き保健と体育を関連させて指導する。
  • 学習したことを実生活,実社会において生かすことを重視し,学校段階の接続や発達の段階に応じて指導内容を整理し,明確に示すことで体系化を図る。

 これらの基本方針に沿った各学校段階ごとの体育の分野における改訂のポイントは次のとおりです。

(小・中・高等学校共通)

  • 各運動領域について,具体的な指導内容を明示。
    (現行は,一部の領域について,運動種目などのみ規定。)
  • 「ゲーム」(小・中学年),「ボール運動」(小・高学年),「球技」(中・高等学校)については,「ゴール型」,「ネット型」,「ベースボール型」として,類型で規定。
    (現行は,バスケットボール,サッカーなどと規定。)

(小学校:体育「運動領域」)

  • 低学年・中学年においても,高学年と同様に,6領域で内容を構成。
    (現行は,低学年2領域,中学年5領域。)
  • 低学年・中学年においても,領域の1つとして「体つくり運動」を規定。

(中学校:保健体育「体育分野」)

  • 目標及び内容を「第1学年及び第2学年」と「第3学年」に分けて示す。
  • 第1学年及び第2学年を通じ,選択であった「武道」,「ダンス」を含めて,すべての領域を必修とする。
  • 「体つくり運動」に各学年7単位時間以上,「体育理論」に各学年3単位以上を配当することを規定。

(高等学校:保健体育「科目体育」)

  • 入学年次では,「器械運動」,「陸上競技」,「水泳」,「ダンス」の中から1以上を,「球技」,「武道」の中から1以上を選択,その次の年次以降では,「体つくり運動」と「体育理論」を除くすべての領域から2以上を選択。
  • 「体つくり運動」に各年次7~10単位時間程度,「体育理論」に各年次6単位時間以上を配当することを規定。

2 教員の指導力の向上

 文部科学省では,新教育課程説明会を全国2地区で開催するなど,新学習指導要領の趣旨徹底のための説明会を実施しました。また,学習指導要領の趣旨に基づき,適切に体育・保健体育の学習指導を展開するための指導資料の作成などを行っています。

3 運動部活動への支援

 運動部の活動は,スポーツに興味と関心を持つ同好の生徒が,より高い水準の技能や記録に挑戦する中で,スポーツの楽しさや喜びを味わい,豊かな学校生活を経験する活動であるとともに,体力の向上や健康の増進にも極めて効果的です。平成21年度においては,中学生の64.9%,高校生の40.7%が運動部活動に参加しています。(図表2‐6‐11)
 今回の中学校・高等学校の学習指導要領の改訂では,部活動を新たに総則に規定するとともに,その意義,教育課程との関連,運営上の工夫を行うとの配慮事項などについて,記載しました。

図表2‐6‐11 平成21年度運動部所属生徒数

図表2‐6‐11 平成21年度運動部所属生徒数

(出典)
生徒数は文部科学省「学校基本調査報告書」,
運動部所属生徒数は中学校:財団法人日本中学校体育連盟調べ,
高等学校:財団法人全国高等学校体育連盟及び財団法人日本高等学校野球連盟調べ

 しかし,近年の児童生徒数の減少などにより学校の運動部活動に参加する児童生徒数が減少していることに伴って,単独校によるチーム編成ができないなど,競技種目によっては,その活動を継続することが困難な状況が生じています(図表2‐6‐12,図表2‐6‐13)。また,指導者の高齢化や実技指導力不足などにより,児童生徒に十分な指導ができないケースも生じています。
 このため,文部科学省では,運動部活動などの指導における外部指導者の活用を促進するための事業を実施するとともに,複数の学校でチームを編成する複数校合同の運動部活動や複数の種目を実施する総合運動部活動などについて,実践地域を設け,研究を行っています。

図表2‐6‐12 中学校における主な競技別運動部数の推移

図表2‐6‐12 中学校における主な競技別運動部数の推移

(出典)財団法人日本中学校体育連盟調べ

図表2‐6‐13 高等学校における主な競技別運動部数の推移

図表2‐6‐13 高等学校における主な競技別運動部数の推移

(出典)財団法人全国高等学校体育連盟及び財団法人日本高等学校野球連盟調べ

4 学校体育大会の充実

(1)学校体育大会

 「全国中学校体育大会」や「全国高等学校総合体育大会(インターハイ)」などの学校体育大会は,学校教育活動の一環として行われているものです。これらの大会は,日ごろの運動部活動の成果の発揮,学校の異なる生徒相互の交流など大きな教育的効果があるため,文部科学省としても学校体育大会の充実に向けて支援を行っています。

5 学校体育施設の充実

(1)学校体育施設の整備・利用の促進

 文部科学省では,学校の水泳プールや武道場などの体育施設の整備を促進しています(図表2‐6‐14)。特に,平成24年度から中学校で必修となる武道を安全かつ円滑に実施できるよう,中学校武道場の整備について,重点的に取り組んでいます。
 学校体育施設は,全国に約14万5,000カ所あり,様々なスポーツ施設の約6割を占める最も身近な地域のスポーツ施設です。文部科学省では,学校体育施設が地域住民のスポーツ活動の拠点となるよう,施設開放を行う上で必要な夜間照明施設やクラブハウスの整備事業に対して補助を行うなど,学校施設の開放を積極的に推進しています。現在,屋外運動場の約78パーセント,体育館の約85パーセント,水泳プールの約23パーセントが地域住民に開放されています。
 しかしながら,施設開放は行っているものの定期的ではない,利用手続が煩雑である,利用方法などの情報が不足しているなど,地域住民のニーズに十分対応しきれていない面も見られます。このため,今後,学校体育施設はこれまでの単に場を提供するという「開放型」から,学校と地域社会の「共同利用型」へと移行し,地域住民の立場に立った積極的な利用の促進を図っていくことが重要です。

(2)運動場の芝生化の促進

 子どもが体を動かしたくなる気持ちを持つとともに,思い切って体を動かすことができるようにするためには,最も身近にある学校の運動場や校庭の芝生化が有効です。また,芝生化された運動場に地域住民が集い,地域の交流拠点となる効果も期待されます。
 しかしながら,運動場や校庭が芝生化されている学校は,まだ少ないのが現状です。この原因のひとつとして,芝生の維持管理の体制づくりなどに関する様々な課題があることが挙げられています。
 このため,文部科学省では,平成20年度より,芝生の維持管理や活用などを円滑に実施するためのシステムを構築するモデル事業を実施し,その成果を全国に普及することにしています。

図表2‐6‐14 公立の小・中・高等学校等における水泳プール・武道場の整備状況

図表2‐6‐14 公立の小・中・高等学校等における水泳プール・武道場の整備状況

(出典)文部科学省調べ(平成21年5月1日現在)

お問合せ先

生涯学習政策局政策課教育改革推進室

(生涯学習政策局政策課教育改革推進室)

-- 登録:平成22年08月 --