第10節 一人一人の人権を尊重した教育

 憲法や教育基本法の精神にのっとり,学校教育・社会教育を通じて人権尊重の意識を高める教育を推進することは重要なことです。学校教育においては,学校教育活動全体を通じて,児童生徒の発達段階に応じて人権尊重の意識を高め,一人一人を大切にする教育の推進を図っています(参照:第2部第1章第8節6)。
 人権教育をめぐる世界的な動向については,平成16年12月の「人権教育のための国連10年」の終了を受けて採択された「人権教育のための世界計画」実施決議の下,第1フェーズ(2005年〜2007年(平成17年〜19年))は,初等中等教育に焦点を当てられているところです。
 「人権教育及び人権啓発の推進に関する法律」に基づく「人権教育・啓発に関する基本計画」(平成14年3月閣議決定)においては,人権の大切さを教育する取組とあわせて,それぞれの重要な人権課題(女性,子ども,高齢者,障害者,同和問題,アイヌの人々,外国人,HIV感染者,ハンセン病患者など,刑を終えて出所した人,犯罪被害者等,インターネットによる人権侵害など)に対する取組について盛り込んでいます。
 文部科学省では,学校教育の分野において,「人権教育研究指定校事業」,「人権教育総合推進地域事業」などを実施し,人権教育の着実な推進に努めています。また,「人権教育の指導方法等に関する調査研究会議」が平成16年6月に報告した「人権教育の指導方法等の在り方について[第一次とりまとめ]」を踏まえ,同会議において18年1月に[第二次とりまとめ]を取りまとめました。この報告を踏まえ,文部科学省では,人権教育の一層の改善・充実に向けて指導に努めています。

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