第6節 初等中等教育段階におけるキャリア教育の推進

4.高等学校における進路指導の改善

 高等学校における進路指導については,中学校における改善の内容の上に立って,生徒が自己の将来の進路を主体的に選択することを目指し,働くことや社会に奉仕することの喜び,それによって得られる達成感を体得させることに留意し,教育を実施する必要があります。そのため,学習指導要領において,学校生活への適応や現在及び将来の生き方を考え行動する態度や能力の育成に関して,ガイダンスの機能の充実を図ることや地域や学校の実態,生徒の特性,進路等を考慮し,就業体験の機会の確保に配慮することが規定されました。
 高校生の就職については,平成18年3月新規に高校を卒業した者の就職率(就職希望者に対する就職者の割合)は92.8パーセント(18年3月末現在)となり,昨年同期を1.6ポイント上回りました。このように,昨年度に引き続き就職率が90パーセントを上回り,回復の兆しが見えているところです。しかし,卒業までに就職に至らなかった者が約1万6,000人に上るなど,依然として厳しい状況であることには変わりがありません。
 このような状況を踏まえ,文部科学省では,高等学校に,進路指導主事などと連携して就職希望生徒に対する就職相談・求人企業の開拓などを行う「高等学校就職支援教員」(ジョブ・サポート・ティーチャー)を配置しています。また,各都道府県教育委員会などに対し,都道府県労働局と連携した一層の求人開拓と未就職卒業者への配慮をお願いするとともに,経済団体に対しても,新規高等学校卒業者の採用枠の維持・拡大や未就職卒業者への応募機会の確保などについて要請しています。

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