第2節 暴力行為,いじめ,不登校等の解決を目指して

3.子どもの情動(注)やこころの発達等に関する科学的解明と教育等への応用について

 近年,いじめ,不登校,自殺等の問題とともに,学校生活不適応などを理由とする高等学校の中途退学,ニートやフリーターの問題などが大きな社会的問題となっています。
 これらの問題は,様々な要因が複雑に絡み合って発生するものであり,子どもの心の発達過程を踏まえた効果的な教育活動等を実施することが必要となっています。
 一方,近年,医学的な知見の蓄積や人の体外からの脳機能の計測が可能になったことなどから,子どもたちの情動やこころの発達等に関する科学的な知見が蓄積され始めてきています。
 このような状況を踏まえ,子どもたちの情動やこころの発達等に関して各学問分野でどのような研究成果があるのか明らかにし,その成果を生かして,科学的な視点から子どもたちの問題行動等の背景や原因を探るとともに,研究の成果を現場の指導に反映させるために総合的な施策を講じることが重要です。
 文部科学省においては,子どもの情動等に関して科学的に解明し,教育等へ応用させていくことを目的として,平成18年4月から「情動の科学的解明と教育等への応用に関する調査研究」を実施し,教育現場のニーズに対応した分野横断的な研究振興,こころの成長過程の追跡的な調査・分析を通じた客観的データの集積,教育と研究の連携拠点の整備などについて検討しているところです。

前のページへ

次のページへ