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第2部 第1章 科学技術政策の展開

第2部では、平成25年度に科学技術の振興に関して講じられた施策について、第4期科学技術基本計画(平成23年8月19日閣議決定)(以下、科学技術基本計画を「基本計画」という)に沿って記述する。

第1節 科学技術基本計画

 我が国の科学技術行政は、「科学技術基本法」(平成7年法律第130号)に基づき、政府が5年ごとに策定する基本計画にのっとり、総合的かつ計画的に推進されている。
 世界は今、環境、エネルギー、食料、感染症など、地球規模の様々な問題に直面している。さらに、東日本大震災は、我が国の未曾有(みぞう)の危機であるだけでなく、世界的な課題となっている。このような世界規模の多様な問題に対して、各国は協調、協力して取り組まなければならず、我が国は、科学技術の先進国として、これらの問題に先駆けて対峙(たいじ)していかなければならない。
 第4期基本計画は、こうした背景の下、科学技術政策により目指すべき国の姿を5つ掲げた上で、東日本大震災からの力強い復興、再生を対象とする「震災からの復興、再生の実現」、環境・エネルギーを対象とする「グリーンイノベーションの推進」、医療・介護・健康を対象とする「ライフイノベーションの推進」を、我が国の将来にわたる成長と社会の発展を実現するための主要な柱として位置付けるとともに、「我が国が直面する重要課題」を掲げ、これまでの分野別での重点化から、これら重要課題の達成に向けた重点化へ転換を行うこととしている。また、重要課題の達成においては、システム改革を含めて、科学技術イノベーション政策を総合的に展開していく必要があり、これらの取組も一体的に推進することとしている。さらに、重要課題への対応とともに「車の両輪」として「基礎研究及び人材育成の強化」を掲げ、長期的視野に立った基礎研究の抜本的強化、科学技術を担う若手研究者等の人材の育成を進めるとともに、国際水準の研究環境及び基盤の形成を進めることとしている。加えて、「社会とともに創り進める政策の展開」が重要という認識の下、政策への国民参画、科学技術コミュニケーション、研究開発推進体制の改革等を促進するとともに、研究開発投資の拡充について、官民合わせた研究開発投資を対GDP比の4%以上、政府研究開発投資を対GDP比の1%、第4期基本計画期間中の政府の投資総額を約25兆円とすることを目標として明示している(同期間中に政府研究開発投資の対GDP比率1%、GDPの名目成長率平均2.8%を前提に試算)(第2-1-1図)。
 以下に、第4期基本計画に沿って、その後の進捗をまとめる。

第2-1-1図/第4期科学技術基本計画(平成23~27年度)の概要

第2節 総合科学技術会議

 総合科学技術会議(※1)は、内閣総理大臣のリーダーシップの下、我が国の科学技術政策を強力に推進するため、「重要政策に関する会議」として内閣府に設置されている。我が国全体の科学技術を俯瞰(ふかん)し、総合的かつ基本的な政策の企画立案及び総合調整を行うことを任務として、議長である内閣総理大臣をはじめ、関係閣僚、有識者議員等により構成されている(第2-1-2表)。
 また、総合科学技術会議の下に、重要事項に関する専門的な事項を審議するため、平成26年3月現在、科学技術イノベーション政策推進専門調査会等の4つの専門調査会を設けている(第2-1-3図)。
 なお、総合科学技術会議の司令塔機能強化のため、総合科学技術会議及び内閣府の所掌事務の追加、総合科学技術会議を「総合科学技術・イノベーション会議」に改組すること等を規定した「内閣府設置法の一部を改正する法律案」を平成26年2月7日に閣議決定し、第186回通常国会に提出した。同法案は、平成26年4月23日に成立し、同年5月19日に施行された(第2-1-4図)。

第2-1-2表/総合科学技術会議議員名簿

第2-1-3図/総合科学技術会議の組織図

第2-1-4図/内閣府設置法の一部を改正する法律(概要)


※1 「内閣府設置法の一部を改正する法律」(平成26年法第31号)の施行により、「総合科学技術会議」は「総合科学技術・イノベーション会議」に改組された。

1 平成25年度の総合科学技術会議における主な取組

 総合科学技術会議では、第107回総合科学技術会議において、総理から、1.科学技術イノベーション政策の全体像を示す長期ビジョンや短期の行動プログラムを含む「科学技術イノベーション総合戦略」(平成25年6月7日閣議決定)の策定、2.成長戦略に盛り込むべき政策の科学技術イノベーションの観点からの検討、3.総合科学技術会議の司令塔機能の抜本的な強化策の検討の3つの指示を受け、「科学技術イノベーション総合戦略」の策定、「日本再興戦略」(平成25年6月14日閣議決定)策定への貢献、「科学技術イノベーション予算戦略会議」や「科学技術重要施策アクションプラン」(以下、「アクションプラン」という)などを通じた政府全体の科学技術関係予算の戦略的策定、「戦略的イノベーション創造プログラム(SIP(※2))」(以下、「SIP」という)及び「革新的研究開発推進プログラム(ImPACT(※3))」(以下、「ImPACT」という)の創設など、政策・予算・制度の各面でその強化を図るべく審議を進めてきた。


※2 Cross-ministerial Strategic Innovation Promotion Program
※3 the Impulsing Paradigm Change through Disruptive Technologies

2 科学技術関係予算の戦略的重点化

 政府全体の科学技術関係予算を有望な分野や政策へ重点的に配分し有効に活用するため、総合科学技術会議が科学技術イノベーション政策全体を俯瞰(ふかん)して、「科学技術に関する予算等の資源配分の方針(以下、「資源配分方針」という)」を策定し、関係府省の取組を主導している。平成26年度科学技術関係予算の編成に向けては、科学技術イノベーション総合戦略を確実に実行するため、科学技術イノベーション予算戦略会議の設置、アクションプランの策定、SIPの創設等による重点化を進めた。さらに、平成25年度補正予算で実施するImPACTを創設した。

(1)平成26年度科学技術に関する予算等の資源配分の方針(平成25年7月31日決定、意見具申)

 総合科学技術会議は、平成26年度における予算等の資源配分の方針を明らかにした資源配分方針を決定し、内閣総理大臣や関係大臣に意見具申した。同方針においては、経済再生につながる科学技術イノベーションを実現するため、アクションプランにより総合科学技術会議が関係府省の取組を政策誘導する仕組みと、新たに内閣府に予算計上し、総合科学技術会議が府省や分野の枠を超えて自ら重点配分するSIPを組み合わせて、基礎研究から出口(事業化・実用化)までを見据えた課題解決型の取組を強化すること等としている。

(2)科学技術イノベーション予算戦略会議の設置(平成25年6月20日)

 平成26年度予算編成においては、科学技術イノベーション総合戦略に基づき、科学技術政策担当大臣を議長とし、関係府省等の幹部職員を構成員とする「科学技術イノベーション予算戦略会議」を設置して、各府省の予算要求の企画段階から、政府全体の科学技術関係予算の重点化等を主導するプロセスを導入し、総合科学技術会議における資源配分方針及び科学技術関係予算の編成に向けた方針の策定に反映した。

(3)平成26年度科学技術重要施策アクションプラン対象施策の特定(平成25年9月13日決定、意見具申)

 総合科学技術会議は、関係府省が行う課題解決型の研究開発について、科学技術イノベーション総合戦略第2章に掲げた政策課題(1.クリーンで経済的なエネルギーシステムの実現、2.国際社会の先駆けとなる健康長寿社会の実現、3.世界に先駆けた次世代インフラの整備、4.地域資源を‘強み’とした地域の再生、5.東日本大震災からの早期の復興再生)ごとに重点的取組をアクションプランとして示し、これに適合する施策として、関係府省から243の施策について提案を受けた。総合科学技術会議は、府省連携による大括(くく)り化をてこに、重複事業の排除、事業間調整による実施内容の適正化を促進し、対象施策として98の施策を特定し、予算重点化の対象とした。

(4)戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)の創設

 科学技術イノベーション総合戦略に基づき、総合科学技術会議が司令塔機能を発揮し、府省・分野の枠を超えて基礎研究から実用化・事業化までを見据えた研究開発等を推進するSIPを創設した。SIPの実施に当たっては、総合科学技術会議が定める方針の下で、内閣府に計上する「科学技術イノベーション創造推進費」(平成26年度当初予算額:500億円)を重点配分する。

(5)平成26年度科学技術イノベーションに適した環境創出のための重点施策(平成25年9月13日決定、意見具申)

 関係府省が行う科学技術イノベーションに適した環境創出に向けた取組については、総合科学技術会議が、科学技術イノベーション総合戦略第3章に掲げた重点的課題(イノベーションの芽を育む、イノベーションシステムを駆動する、イノベーションを結実させる)ごとに重点的取組を定め、この重点的取組に適合する対象として、関係府省から100の施策について提案を受けた。
 総合科学技術会議は、このうち35の施策を、これまでの取組等の効果を高め、科学技術イノベーションを促進するような新しい組織や仕組みの改革を推進するための「重点施策」として取りまとめ、15の施策を予算重点化の対象とした。

(6)革新的研究開発推進プログラム(ImPACT)の創設

 科学技術イノベーション総合戦略に基づき、実現すれば産業や社会の在り方に大きな変革をもたらす革新的な科学技術イノベーションの創出を目指し、ハイリスク・ハイインパクトな挑戦的研究開発を推進するImPACTを創設した。本プログラムでは、前身である最先端研究開発支援プログラム(FIRST(※4))の特長を活(い)かし、弾力的な予算執行を可能とするための基金を設置するとともに、総合科学技術会議が選定するプログラム・マネージャーに対し、研究の企画、推進、管理等に関して大きな権限・責任を与え、その下で、必ずしも確度は高くないかもしれないが、成功すれば社会や産業に大きな変革が期待できる研究開発に取り組む。
 ImPACT創設のため、平成25年度補正予算に550億円を計上し、必要な法的措置を行った。さらに、総合科学技術会議において運用基本方針を決定し、大括(くく)り化した5つのテーマの下、プログラム・マネージャーの公募を開始した。


※4 Funding Program for World-Leading Innovative R&D on Science and Technology

(7)科学技術関係予算の編成に向けて(平成25年11月27日決定、意見具申)

 総合科学技術会議は、資源配分方針に基づく重点化等を適切に反映し、科学技術関係予算の編成・確保に向けて、予算編成における重点事項や留意すべき点等を「平成26年度科学技術関係予算の編成に向けて」として決定し、内閣総理大臣や関係大臣に意見具申した。

3 科学技術関係施策の総合的推進

(1)国家的に重要な研究開発の評価の実施

1.大規模研究開発の事前評価(平成25年12月17日決定、通知)

 平成26年度から新たに実施予定の、国費総額約300億円以上となる大規模研究開発「エクサスケール・スーパーコンピュータ開発プロジェクト(仮称)」(文部科学省)について、国家的に重要な研究開発として事前評価を実施し、事業を所管する文部科学大臣に通知した。

2.大規模研究開発の事前評価のフォローアップ(平成25年9月及び11月)

 平成23年度に総合科学技術会議が事前評価を実施した「日本海溝海底地震津波観測網の整備及び緊急津波速報(仮称)に係るシステム開発」(文部科学省)、「石炭ガス化燃料電池複合発電実証事業費補助金」、「高効率ガスタービン技術実証事業費補助金」、「超低消費電力型光エレクトロニクス実装システム技術開発」(以上、経済産業省)について、総合科学技術会議 評価専門調査会において、その評価結果への対応状況等を確認し、改善点等について事業を所管する文部科学省、経済産業省にそれぞれ通知した。

3.大規模研究開発の事後評価(平成25年7月31日 決定、通知)

 総合科学技術会議が事前評価を実施し、平成23年度及び平成24年度にその事前評価の対象範囲が終了した「ターゲットタンパク研究プログラム」及び「最先端・高性能汎用スーパーコンピュータの開発利用」(ともに文部科学省)について、総合科学技術会議は、事後評価を実施し、評価結果を事業を所管する文部科学大臣に通知した。

4.総合科学技術会議が指定する研究開発の評価のフォローアップ(平成25年9月)

 総合科学技術会議が評価の必要を認め指定した「東北メディカル・メガバンク計画」(文部科学省)について、総合科学技術会議 評価専門調査会において、その評価結果への対応状況を確認し、改善点等について事業を所管する文部科学省に通知した。

(2)社会還元加速プロジェクトの推進

 総合科学技術会議が中心となり、関係府省の融合・官民連携の下で、異分野融合した技術開発とシステム改革を一体的に進め、実証実験を通して研究成果の社会への還元(普及)を加速するプロジェクトを推進した。具体的には、平成20年度から以下の6プロジェクトを進め、平成24年度末までに終了し、平成25年7月に報告書を取りまとめた。

  • 失われた人体機能を再生する医療の実現
  • きめ細かい災害情報を国民一人ひとりに届けるとともに災害対応に役立つ情報通信システムの構築
  • 情報通信技術を用いた安全で効率的な道路交通システムの実現
  • 高齢者・有病者・障害者への先進的な在宅医療・介護の実現
  • 環境・エネルギー問題等の解決に貢献するバイオマス資源の総合利活用
  • 言語の壁を乗り越える音声コミュニケーション技術の実現

4 専門調査会等における主な審議事項

(1)科学技術イノベーション政策推進専門調査会

 科学技術イノベーション政策推進専門調査会は、中長期的な観点から、科学技術に関する基本的な政策の推進に係る事項について調査・検討を行う。平成25年度は、第4期基本計画及び科学技術イノベーション総合戦略に掲げる科学技術イノベーションに適した環境創出及び国際活動の戦略的展開、知的財産戦略等、分野横断的に取り組む事項に関する専門的な検討を行った。

(2)重要課題専門調査会

 第4期基本計画で示された課題達成型の政策を確実に推進するため、また、総合科学技術会議において特定された平成26年度アクションプランの内容をより一層進化させるため、同計画及び科学技術イノベーション総合戦略に掲げられた当面特に取り組むべき重要な課題並びに今後更に取り組むべき課題について、より高い専門的知見による調査・検討を行うことを目的に、平成25年9月新たに重要課題専門調査会を設置した。
 また、重要課題専門調査会の任務遂行に当たり、科学技術イノベーション総合戦略第2章で提示された分野を踏まえ、同専門調査会の下に「エネルギー戦略協議会」、「次世代インフラ・復興再生戦略協議会」、「地域資源戦略協議会」の3つの戦略協議会と、「環境ワーキンググループ」、「ナノテクノロジー・材料ワーキンググループ」、「ICTワーキンググループ」の3つのワーキンググループを設置し、各課題分野について詳細な調査・検討等を行った。

(3)評価専門調査会

 平成26年度から新たに実施する予定の大規模研究開発の事前評価案及び既に事前評価を実施し平成23年度及び平成24年度にその事前評価の対象範囲が終了した研究開発の事後評価案をそれぞれ取りまとめた。また、平成23年度に事前評価を実施した大規模研究開発及び平成24年度に総合科学技術会議が指定し評価を実施した研究開発のフォローアップを行った。

(4)生命倫理専門調査会

 ES細胞、iPS細胞から作成される生殖細胞を用いたヒト胚(はい)作成に関する研究など、最近の生命科学の進展に対応して、新たな生命倫理上の課題に関する調査・検討を行った。

第3節 科学技術イノベーション総合戦略

 我が国は、人口減少や少子高齢化の急速な進行、地球環境問題等の難題が山積しているが、現下の最大かつ喫緊の課題は経済再生であり、これらの課題の克服のために、科学技術イノベーションに期待される役割は増大している。科学技術イノベーション政策の全体像を含む長期のビジョンと、その実現に向けて実行していく政策を取りまとめた短期の行動プログラムを持つ科学技術イノベーション総合戦略を平成25年6月に策定した(第2-1-5図)。
 本総合戦略は、基本的な考え方として、

  • 科学技術イノベーション政策の全体像を含む長期ビジョン+短期行動プログラム
  • 課題解決型志向の科学技術イノベーション政策の包括的パッケージ
  • 産官学連携の役割分担、責任省庁を明示し、予算・税制、規制改革等の様々な政策の組合せ
  • 基礎研究から応用研究、実用化までの研究開発段階だけでなく、その川上・川下段階の範囲を拡大
  • 予算と直結した年間のPDCA(※5)プロセスにより、施策の評価・見直し

 を掲げた総合的な戦略である。
 具体的には、平成42年に実現すべき我が国の経済社会の姿として、「世界トップクラスの経済力を維持し持続的発展が可能となる経済」、「国民が豊かさと安全・安心を実感できる社会」、「世界と共生し人類の進歩に貢献する経済社会」を設定した上で、科学技術イノベーション政策が当面特に取り組むべき以下の5つの政策課題とそれらに関する重点的課題・取組を示した。
 (1)クリーンで経済的なエネルギーシステムの実現
 (2)国際社会の先駆けとなる健康長寿社会の実現
 (3)世界に先駆けた次世代インフラの整備
 (4)地域資源を「強み」とした地域の再生
 (5)東日本大震災からの早期の復興再生
 また、経済社会の課題を解決する取組をより効果的なものとし、迅速にイノベーションを創出するための基盤の整備に向け、重点的課題(「イノベーションの芽を育む」、「イノベーションシステムを駆動する」、「イノベーションを結実させる」)の取組を掲げている。
 さらに、これらを強力に実行するために、総合科学技術会議の司令塔機能強化のための取組として、「科学技術イノベーション予算戦略会議」を設置し、府省横断型のプログラムであるSIP及びハイリスク・ハイインパクトな挑戦的研究開発を推進するImPACTを創設した。

第2-1-5図/科学技術イノベーション総合戦略の概要


※5 Plan-Do-Check-Act

第4節 科学技術行政体制及び予算

1 科学技術行政体制

 国の行政組織においては、政府の重要政策に関する企画・立案及び総合調整を行う内閣府に総合科学技術会議が設置され、同会議が科学技術の振興の総合的戦略や予算・人材等の資源の配分方針について様々な答申等をまとめている。この答申等を踏まえて、関係行政機関がそれぞれの所掌に基づき、国立試験研究機関、独立行政法人、大学等における研究の実施、各種の研究制度による研究の推進や研究開発環境の整備等を行っている。
 文部科学省は、各分野の具体的な研究開発計画の作成及び関係行政機関の科学技術に関する事務の調整を行うほか、先端・重要科学技術分野の研究開発の実施、創造的・基礎的研究の充実強化等の行政を総合的に推進している。また、文部科学省では、科学技術・学術審議会を置き、そこで文部科学大臣の諮問に応じて科学技術の総合的な振興や学術の振興に関する重要事項について調査審議を行うとともに、文部科学大臣に対し意見を述べること等を行っている。
 科学技術・学術審議会は、平成23年に発生した東北地方太平洋沖地震で大きな被害がもたらされたことを踏まえ、当時、実施期間中であった観測研究計画(「地震及び火山噴火予知のための観測計画の推進について」)に対し、超巨大地震に対応した研究計画となるよう平成24年に見直しを行っている。
 この見直しに加え、平成25年には、当該計画についてのレビュー、外部評価及び「東日本大震災を踏まえた今後の科学技術・学術政策の在り方について」(平成25年1月17日 科学技術・学術審議会建議)などに基づき、「社会のための、社会の中の科学技術」という観点に立ち、災害の軽減により貢献することができるような計画となるよう審議を行い、平成25年11月8日に開催された科学技術・学術審議会(第45回)において、「災害の軽減に貢献するための地震火山観測研究計画の推進について」(建議)を取りまとめた。
 さらに、第4期基本計画において、科学技術イノベーションを促進する観点から、PDCAサイクルの実効性を確保するために研究開発評価システムの改善・充実が必要であるとされた趣旨を踏まえ、平成24年12月に「国の研究開発評価に関する大綱的指針」が内閣総理大臣決定されたことに伴い、文部科学省における研究及び開発に関する評価の在り方についての審議を重ね、平成26年3月3日に開催された科学技術・学術審議会(第46回)において、「文部科学省における研究及び開発に関する評価指針について」(建議)を取りまとめた。
 科学技術・学術審議会における建議及び主な報告等は、第2-1-6表に示すとおりである。

第2-1-6表/科学技術・学術審議会の建議及び主な報告等(平成25年度) 

 このほか、我が国の科学者コミュニティの代表機関として、210人の会員及び約2,000人の連携会員から成る日本学術会議は、内閣総理大臣の所轄の下に置かれ、政府・社会に対する提言や重要事項の審議、科学者間ネットワークの構築、国際的学術機関等との連携及び科学リテラシーの普及・啓発等の活動を行っている(第2-1-7図、第2-1-8表)。
 東日本大震災への対応については、東日本大震災復興支援委員会において、平成25年9月に原子力災害に伴う食と農の「風評」問題対策としての検査体制の体系化に関して、緊急に提言を取りまとめたほか、新たに汚染水問題対応検討分科会を設置し、審議を行っている。また、2015年(平成27年)から世界規模で実施される統合的地球環境研究プログラム「フューチャー・アース」について、日本における体制づくりを支援するため、フューチャー・アースの推進に関する委員会を設置し、持続可能な地球環境のための研究と具体的な取組に関して検討を行っている。
 なお、日本学術会議は、研究費の不正使用や論文のねつ造事案等が度々発生していること等を踏まえ、平成25年1月に日本学術会議声明「科学者の行動規範-改訂版-」を公表した。これに続き、平成25年12月には、研究不正防止に取り組み、我が国における世界最先端の科学研究の推進及びその健全化を目指して、提言「研究活動における不正の防止策と事後措置‐科学の健全性向上のために‐」を公表した。

第2-1-7図/日本学術会議の構成

第2-1-8表/日本学術会議の主な提言・報告(平成25年度)

2 科学技術関係予算

 我が国の平成25年度当初予算における科学技術関係予算は3兆6,097億円であり、そのうち一般会計分は2兆9,577億円、特別会計分は6,520億円となっている。なお、一般会計のうち、科学技術振興の中心的な経費である科学技術振興費は1兆3,007億円となっている。また、政府は、平成25年度に、「好循環実現のための経済対策」(平成25年12月5日閣議決定)に基づく補正予算を計上した。補正予算における科学技術関係予算は4,333億円であり、そのうち一般会計分は3,352億円(うち科学技術振興費は2,206億円)、特別会計分は981億円となっている。科学技術関係予算(当初予算)の推移は第2-1-9表、府省別の科学技術関係予算は第2-1-10表のとおりである。
 我が国における科学技術に関する行政は、複数の関係府省において実施されている。国全体として整合性を保ちつつ、効率的・効果的に科学技術の推進を図っていくためには、総合科学技術会議の方針に基づき、関係府省の科学技術に関する施策について、重複を排除し、連携を強化するなどの適切な調整を行いつつ展開を図っていくことが必要である。

第2-1-9表/科学技術関係予算の推移

第2-1-10表/府省別科学技術関係予算

お問合せ先

科学技術・学術政策局科学技術・学術戦略官付(制度改革・調査担当)

(科学技術・学術政策局科学技術・学術戦略官付(制度改革・調査担当))

-- 登録:平成26年07月 --