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平成21年版科学技術白書 第2部 第3章 第4節

第4節 国際活動の戦略的推進

 技術や人材など「知」の大競争時代の到来や世界的な人材流動により、科学技術の国際活動の重要性はこれまでになく大きくなっている。
 また、地球規模課題解決に向けた取組を通じた国際社会への貢献や、アジアにおける連携強化など、我が国としても、戦略的な科学技術分野の国際活動の推進が求められている。
 上記の観点から、平成18年3月に閣議決定された第3期科学技術基本計画や平成20年5月に総合科学技術会議でまとめられた「科学技術外交の強化に向けて」に基づき、国際活動に対する戦略的な考え方を明確にし、アジア諸国との連携や、国際的な研究人材の養成・確保、国際標準化活動(第2部第3章第3節4参照)、これらを支える国際活動強化のための環境整備を推進している。

1 科学技術外交の強化や国際活動強化のための環境整備と研究者交流の促進

(1) 科学技術外交の強化

 近年のグローバル化の更なる進行に伴い、単一国では解決が困難な地球規模の課題等の顕在化や国際的な知の競争の激化等の状況下で、より一層の科学技術の推進と国際的な協調下での我が国の国際的存在感の向上が求められている。その中で、科学技術と外交の連携を高度化し、相乗効果を発揮する「科学技術外交」に重点的に取り組むことが重要である。文部科学省においては、平成20年5月に総合科学技術会議でまとめられた「科学技術外交の強化に向けて」等を踏まえ、1.地球規模の課題解決に向けた開発途上国との科学技術協力の強化、2.我が国の先端的な科学技術を活用した科学技術協力の強化、3.科学技術外交を推進する基盤の強化、に資する取組を戦略的に推進している。特に平成20年度からは、日本の優れた科学技術とODAとの連携により、アジア・アフリカ等の開発途上国と環境・エネルギー、防災、感染症分野等地球規模の課題に対し、科学技術協力を推進する「地球規模課題対応国際科学技術協力」を開始し、外務省、ODA支援機関等と連携し、日本と開発途上国との共同研究を促進している。

(2) 国際的な研究活動の推進

 我が国に優秀な人材や最先端の情報を結集させ、人類が直面する課題に対応すべく、科学技術活動の国際化を推進することが必要である。
 このため、我が国はODAと我が国の優れた科学技術を連携させた「地球規模課題対応国際科学技術協力事業」(科学技術振興機構)や「科学技術研究員派遣事業」(日本学術振興会)を平成20年度に開始するとともに、「アジア・アフリカ科学技術協力の戦略的推進プログラム」(科学技術振興調整費)、「戦略的国際科学技術協力推進事業」(科学技術振興機構)などを通じ、主体的に国際共同研究や国際会議などの活動を推進している。
 また、学術研究活動のグローバルな展開への対応を通じ、我が国の学術研究の国際競争力の強化、研究者養成等に貢献するため、日本学術振興会では「先端研究拠点事業」、「アジア研究教育拠点事業」、「アジア・アフリカ学術基盤形成事業」などにより、欧米等学術先進諸国やアジア・アフリカ諸国との研究拠点間の交流を支援し、学術研究ネットワークの形成や若手研究者の育成を図っている。また、平成17年度からは、「大学国際戦略本部強化事業」を実施しており、採択大学等において、「国際戦略本部」といった全学横断的な組織体制を整備することを通じ、国際活動の戦略的推進の基盤を整備している。

(3) 研究者交流の促進

 我が国の国立大学、私立大学等、試験研究機関等における外国との研究者交流は、受入れ、派遣人数ともおおむね増加傾向を示している(第2‐3‐29図)。地域別に見ると、アジア、ヨーロッパ、北米地域で研究者交流が活発である(第2‐3‐30図)。
 科学技術・学術研究の更なる発展のためには、国内外の多くの優れた研究者を我が国に惹(ひ)き付けるとともに、我が国の研究者を国際的水準で切磋琢磨(せっさたくま)させる必要があることから、大学・研究機関間の組織や個人レベルで様々な研究者の交流が実施されている。
 このため日本学術振興会では、研究者の交流支援として、「外国人特別研究員」や「外国人招へい研究者」など様々なキャリアステージや目的に応じた招へい事業を実施し、優れた外国人研究者に対し、我が国の大学等において研究活動に従事する機会を提供している。また、優れた日本人研究者の国際研鑽(けんさん)機会の充実として、「海外特別研究員事業」並びに「若手研究者インターナショナル・トレーニング・プログラム(ITP)」等により、我が国の若手研究者を海外に派遣し、海外の優れた研究機関での研究や海外研究者との交流の拡充に努めている。

第2‐3‐29図 大学・試験研究機関等における研究者交流の推移  

(1)機関別受入れ研究者数

(1)機関別受入れ研究者数

(2)機関別派遣研究者数

(2)機関別派遣研究者数

第2‐3‐30図  地域別研究者交流(派遣・受入れ)

第2‐3‐30図  地域別研究者交流(派遣・受入れ)

(4) 国際協力プロジェクトの取組

1.ITER
 イーター(ITER:国際熱核融合実験炉)計画は、核融合実験炉の建設・運転を通して、核融合エネルギーの科学的・技術的実現可能性の実証を目指した国際協力プロジェクトであり、日本、EU、米国、ロシア、中国、韓国、インドの7つの国と地域により進めている。詳細については、第2部第2章第5節(1)参照。

2.ISS
 国際宇宙ステーション(ISS)計画は、日本・米国・欧州・カナダ・ロシアの5極が共同で地球周回軌道上に有人の宇宙施設を建設する国際協力プロジェクトで、我が国は、日本実験棟「きぼう」の開発・運用・利用や、宇宙ステーション補給機(HTV)の開発などを行っている。詳細については、第2部第2章第2節8(1)参照。

3.IODP
 統合国際深海掘削計画(IODP)は日米を主導国とし、世界21か国が参加する国際プロジェクトで、2003年(平成15年)から開始された。我が国が提供し、深海底から海底下7,000mまでの掘削能力を有する地球深部探査船「ちきゅう」と、米国が提供する掘削船を主力掘削船とし、欧州が提供する特定任務掘削船を加えた複数の掘削船を用いて深海底を掘削することにより、地球環境変動、地殻内部構造、地殻内生命圏の解明を目的としている。
 2005年(平成17年)7月に完成した「ちきゅう」は、2007年(平成19年)より、熊野灘(なだ)における東南海・南海地震の発生メカニズム解明を目的とした研究航海を実施している。

4.LHC
 LHC計画は、欧州合同原子核研究機関(CERN)において周長27kmにも及ぶ巨大な円形加速器を建設し、陽子を2方向から光に近い速度まで加速し、それらの陽子同士を衝突させる際に生じる膨大なエネルギー領域において、未知の粒子を発見し、物質の内部構造を探索解明する陽子・陽子衝突型加速器計画である。CERN加盟国と日本、米国等による国際協力の下で、2008年(平成20年)に加速器が完成し2009年(平成21年)秋からの実験開始を目指して準備が進められている。
 我が国においては、学術的な意義に加え先進技術分野の発展が期待できることから、加速器建設のための資金拠出を行うなどLHC計画の推進に貢献している。

2 アジア諸国をはじめとした諸外国との協力

(1) アジアにおける協力

1.中国、韓国との協力
 中国・韓国との間では第1回日中韓科学技術協力担当大臣会合を2007年(平成19年)1月にソウルにおいて開催し(我が国からは伊吹文部科学大臣(当時)が出席)、環境・エネルギー、防災、感染症対策など地域共通課題の解決のための科学技術分野における日中韓協力を重視するという今後の協力の基本的方向を確認した。
 また、中国とは、2007年(平成19年)12月の福田総理(当時)の訪中に併せて「日本国政府と中華人民共和国政府による気候変動問題を対象とした科学技術協力の一層の強化に関する共同声明」、「文部科学省と中国科学技術部との間の磁気核融合関連研究分野における協力に関する実施取決め」に、渡海文部科学大臣(当時)と万鋼・中国科学技術部長が署名したほか、第12回日中科学技術協力委員会(次官級)を2008年(平成20年)2月に東京で開催した。
 さらに韓国とは日韓科学技術担当局長会合を2008年(平成20年)1月にソウルで開催し、ライフサイエンス分野における協力について合意した。韓国とは、2009年(平成21年)1月の日韓首脳会談にて、「日韓科学技術協力委員会」を通じた協力を強化していくことで一致した。同年3月には野田内閣府特命担当大臣(科学技術政策)と安教育科学技術部長官との会談において、総合科学技術会議議員と韓国国家科学技術委員会との継続的な政策対話について合意をした。

2.東南アジア諸国連合(ASEAN)との協力
 2008年(平成20年)7月、岸田科学技術政策担当大臣(当時)はフィリピン・マニラで行われたアジア地域科学技術閣僚会合に参加し、ASEAN諸国等の国々と政策対話を行った。
 また、ASEAN科学技術委員会(COST)に日本・中国・韓国の3か国を加えたASEAN COST+3による協力が文部科学省を中心として行われており、2008年(平成20年)11月には、次官級による第3回ASEAN COST+3会合がマレーシア・クチンで開催され、日本とASEANとの科学技術協力の将来構想に関する意見交換が成された。加えて、同会合の開催に合わせて日ASEAN科学技術協力委員会の設置に向けた準備会合を開催し、同委員会を正式に発足させることで合意した。

3.アジア・太平洋経済協力(APEC)における協力
 科学技術分野については、APEC産業科学技術ワーキング・グループ(Industrial Science and Technology Working Group:ISTWG)の下で、各種プロジェクトの実施や各国の政策に関する情報交換を行っている。文部科学省は、ISTWGの枠組みで実施されている科学技術人材養成等に関するプロジェクトに参加している。

4.各国との協力(最近の主な活動)
 インドとの間では、2006年(平成18年)に文部科学省、外務省の共催により東京で開催した日印科学技術イニシアティブ会合の成果として、2007年度(平成19年度)よりICT分野において日印研究交流への支援を開始した。
 2009年度より、タイとの間ではバイオテクノロジー分野で、またシンガポールとの間では物理科学の機能的応用に関する分野で、それぞれ研究交流を実施することについて、政府間で合意した。

5.プロジェクトベースの協力
(アジア地域における宇宙分野の協力)
 我が国は、1993年(平成5年)以降、宇宙技術の開発と利用に関する協力を目的として、アジア太平洋地域宇宙機関会議(APRSAF)を主催しており、その下で合意された以下のようなプロジェクトをはじめ、様々な協力が行われている。
 アジア地域の大規模自然災害への対応として、地上状況に左右されない衛星を利用した災害状況把握が有効であることから、インターネットによって衛星画像等の被災地情報を提供・共有する「センチネル・アジア」プロジェクトが運用されている。我が国は、陸域観測技術衛星「だいち」(ALOS)により被災地の緊急観測を行い、画像を提供するなど、このプロジェクトを主導している。
 また、我が国のイニシアティブにより、地球環境変動を監視するSAFE(環境のための宇宙利用)プロジェクト及び人材育成を目的としてアジア・太平洋地域の途上国の衛星開発を支援するSTAR(アジア太平洋地域のための衛星技術)プロジェクトが2008年(平成20年)12月に合意され、活動の幅が広がっている。

(新興・再興感染症研究拠点形成プログラム)
 アジアを中心とした新興・再興感染症の発生国あるいは発生が想定される国に設置した海外研究拠点(タイ、ベトナム、中国、インドネシア、インド等)及び国内研究拠点において研究を推進し、知見の集積及び人材養成を行っている。

(2) 欧米諸国との協力

 欧米諸国等との協力活動は、ライフサイエンス、ナノテクノロジー・材料、環境、原子力、宇宙開発等先進国共通の問題の解決を図るため、二国間科学技術協力協定に基づく合同委員会を開催するなど、活発に展開されている。米国との間では、日米科学技術協力協定に基づき2006年(平成18年)5月に、第10回日米科学技術協力合同高級委員会を開催し、内閣府特命担当大臣(科学技術政策)、文部科学大臣が出席した。また、2007年(平成19年)7月に東京で第12回日米科学技術協力合同実務級委員会を開催した。
 その他、英国、ドイツ、フランス、イタリア、スウェーデン、フィンランド、ノルウェー、オランダ、スイス、ロシア、ポーランド、チェコ、ハンガリー等との間で科学技術協力協定等に基づく科学技術協力合同委員会及び科学技術協力協議等が設置されている(なお、全世界では、世界43か国との間で科学技術協力協定などの国際約束を結んでいる)。また、2009年(平成21年)2月、EUとの間で協議中であった日EC(1)科学技術協力協定の仮署名が行われた。


1 EC(European Community):欧州共同体。EUにおいては、欧州共同体が条約締結主体となっている。

(3) アフリカ諸国との協力

 アフリカとの間では、2008年(平成20年)10月に開催した日本アフリカ科学技術大臣会合において、科学技術はアフリカの抱える諸問題を解決するために重要であるとの認識を共有し、科学技術分野における相互理解の促進及び科学技術協力の拡大などを図ることとなった。

(4) その他の国との協力

 オーストラリア、イスラエル、南アフリカ、ブラジル等との間でも科学技術協力協定等に基づき、情報交換、研究者の交流、共同研究の実施等の協力が進められている。
 また、ニュージーランド等、科学技術協力協定等が締結されていない国についても、今後の協力可能性等について意見交換を行っている。

3  国際活動の体系的な取組

 科学技術は、人類が共有し得る知的財産を生み出すとともに、地球規模課題の解決等にも資するものである。このような科学技術活動を国際的に積極的に展開することは、我が国の国際社会における役割を主体的に果たすとともに、我が国における科学技術の一層の発展に資するために重要である。このため、OECD(経済協力開発機構)等の多国間枠組みや、相手国のニーズ及び科学技術力に応じた二国間における協力を推進している。

(1) 主要国首脳会議(サミット)

 2008年(平成20年)7月に開催された北海道洞爺湖サミットでは、「世界経済」、「環境・気候変動」、「開発・アフリカ」、「政治問題」が主要議題となった。環境・気候変動に関して、2050年までに世界全体の温室効果ガス排出量を少なくとも50%削減するという目標を世界全体で共有し、採択することを求めるという首脳宣言をまとめた。さらに、日本が提案したセクター別アプローチについては、各国の排出削減目標を達成する上で有益な方法である等との評価を得た。また、開発・アフリカの分野では、成果文書に科学技術の重要性も盛り込まれた。

(2) G8科学技術大臣会合

 北海道洞爺湖サミットに先立ち、2008年(平成20年)6月に第1回G8科学技術大臣会合が沖縄で開催された。G8の科学技術担当大臣が初めて一堂に会して、科学技術を活用して人類社会にいかに貢献していくかについて議論を行った。日本からは内閣府の科学技術担当大臣が出席した。「地球規模課題の解決に向けた国際協力による取組み(低炭素社会の実現に向けた研究開発)」「アフリカ等の開発途上国との科学技術協力」「研究開発リソースにおける協力」の3つの議題について議論が行われた。会合では、低炭素社会の実現に向けて革新的な技術開発が重要であるとし、各国がこの分野の研究開発を強化することで一致した。

(3) 国際連合

 国際連合では、科学技術分野において地球観測や防災に関する取組が行われている。特に我が国は、国連の専門機関である国連教育科学文化機関(ユネスコ)の多岐にわたる科学技術分野の事業活動に積極的に参加協力している。
 ユネスコでは、国際水文学計画(IHP)、政府間海洋学委員会(IOC)、国際生命倫理委員会(IBC)等において、地球規模課題解決のための事業や国際的なルールづくり等が行われている。我が国は、ユネスコへの信託基金の拠出を通じて、アジア・太平洋地域における科学技術分野の人材育成事業の実施や、各委員会へ専門委員を派遣し議論に参画するなどして、ユネスコの活動を推進している。

(4) 経済協力開発機構(OECD)

 OECDでは、閣僚理事会、科学技術政策委員会(CSTP)、情報・コンピュータ及び通信政策委員会(ICCP)、産業・イノベーション・起業委員会(CIIE)、農業委員会(AGR)、環境政策委員会(EPOC)、原子力機関(NEA)、国際エネルギー機関(IEA)等を通じて、加盟国間の意見・経験等及び情報の交換、人材の交流、統計資料等の作成及び共同研究の実施をはじめとした科学技術に関する活動が行われている。
 2007年(平成19年)には閣僚理事会で「イノベーション戦略」の策定が決定され、組織横断的に取り組んでいる。
 また、CSTPには、「グローバル・サイエンス・フォーラム(GSF)」、「研究機関・人材作業部会(RIHR)」、「イノベーション・技術政策ワーキンググループ(TIP)」、「バイオテクノロジーに関するワーキング・パーティー(WPB)」、「ナノテクノロジーに関するワーキング・パーティー(WPN)」及び「科学技術指標専門家会合(NESTI)」の6つのサブグループを設置しており、日本主導の代表的な活動は以下のとおりである。

1.グローバル・サイエンス・フォーラム(GSF)
 同フォーラムは、科学技術政策担当者が国際協力・協調が必要な科学技術分野の重要事項について意見交換し、提言を行うための場として設立された。世界各国における論文データ偽造問題を契機とした科学上の不正行為防止に向けた取組や、大型研究施設のロードマップ策定など、世界的に関心を集めているテーマについて議論を行っている。

2.イノベーション・技術政策ワーキンググループ(TIP)
 同ワーキンググループでは、生産性の拡大、知識の創造・活用の促進、持続的な成長の助長等を主な目的としている。
 2008年(平成20年)は、研究開発税制、公的研究の経済社会へのインパクト、グローバル化とオープンイノベーション、知的財産権制度、イノベーション政策の評価等について議論や事例研究が行われた。

3.科学技術指標専門家会合(NESTI)
 同会合は、CSTPに提供する科学技術関連統計の調整と助言を主な目的として設置され、研究開発費や科学技術人材等の科学技術関連指標について、国際比較のための枠組み、調査方法や指標の開発等に関する議論と検討を行っている。我が国は、ビューロー・メンバーとして参画し、「民間及び公的研究機関による特許の利用に関する予備調査」活動などに対する貢献を行った。また、NESTI事務局に専門家を派遣し、ナノテクノロジー特許の分析やサイエンスリンケージの測定等、新たな科学技術指標の開発に取り組んでいる。

(5) ヒューマン・フロンティア・サイエンス・プログラム(HFSP)

 HFSPは、1987年(昭和62年)6月のベネチア・サミットにおいて我が国が提唱した国際的な研究助成プログラムで、生体の持つ複雑な機能の解明のための基礎的な国際共同研究などを推進することを目的としている。2008年(平成20年)からノルウェーが加わり、日本・米国・フランス・ドイツ・EU・英国・スイス・カナダ・イタリア・オーストラリア・韓国・ニュージーランド・インド・ノルウェーの計14極で運営されている。国際共同研究チームへの研究費助成、若手研究者が国外で研究を行うための旅費、滞在費等の助成及び受賞者会合の開催等を実施している。2008年(平成20年)度までの研究費受賞者の中から、13名がノーベル賞を受賞するなど、高く評価されており、我が国は本プログラム創設以来、積極的な支援を行ってきている。

(6) 国際科学技術センター(ISTC)

 旧ソ連邦諸国における大量破壊兵器開発に従事していた研究者の平和利用を促進し、市場経済への移行を支援することを目的として、1994年3月に日本・米国・EU・ロシアの4極により設立した国際機関で、2008年12月現在、承認プロジェクトの資金支援決定総額は約8億1,460万ドル、従事する研究者の数は9万7,000人以上である。設立後15年が経過し、ISTCの役割と意義について、見直しの議論が行われている。

(7) 日本学術会議における国際活動

 日本学術会議では、国際学術会議(ICSU(1))、インターアカデミーパネル(IAP(2))をはじめ48の国際学術団体に我が国を代表して参画するとともに、地球圏‐生物圏国際協同研究計画(IGBP(3))等の国際学術協力事業に積極的に寄与する等、諸外国との連携に努めている。
 また、平成17年以降、G8各国の学術会議が毎年のG8サミットの議題に関連して、科学的立場から発出する共同声明に参画している。平成19年は、ドイツのハイリゲンダムで開催されたG8サミットにおける主要議題「エネルギー効率と気候保全」及び「イノベーション」に関連して、5月にG8各国及び関係国(中国、インド、ブラジル、南アフリカ及びメキシコ)の学術会議と共同で声明を発出し、6月に日本学術会議会長から内閣総理大臣に共同声明を手交した。平成20年は、G8サミットの日本開催に向けて、平成20年3月17~18日に日本(東京)で開催した。さらに、毎年、世界各国から幅広い分野の研究者の参加を得て、地球規模の課題解決のための国際シンポジウムを開催している。平成19年9月、日本学術会議において、「国際開発協力」をテーマに、「持続可能な社会のための科学と技術に関する国際会議2007」を開催した。
 このほか、アジア地域の各国と学術研究分野での連携・協力を図ることを目的とし、アジア11か国の学術会議等で構成されているアジア学術会議(SCA(4))は、平成19年6月に「Energy and Environment」をメインテーマとした第7回会議を日本で開催した。この会議では、2つの共同声明‐「Energy and Environment」及び「The Future of the SCA」が採択された。

(8) その他の国際活動の体系的な取組

 内閣府では、科学技術の国際活動を戦略的に進めるという観点から、2008年(平成20年)10月に計31か国の科学技術大臣等の出席を得て、科学技術関係大臣会合を開催するとともに、2国間での政策対話を積極的に実施した。


1 ICSU(International Council for Science):人類の利益のために、科学とその応用分野における国際的な活動を推進することを目的として、1931年に非政府・非営利の国際学術機関として設立

2 IAP(InterAcademy Panel on International Issues):世界の科学アカデミーのフォーラムとして、1995年に設立。日本学術会議は、2006‐2009の執行委員会委員

3 IGBP(International Geosphere‐Biosphere Programme):ICSUが主催する学際的な国際研究計画であり、1986年に設けられ、地球変動に関する科学の遂行のために、国際的かつ学際的な枠組みを提供している。

4 SCA:Science Council of Asia

お問合せ先

科学技術・学術政策局調査調整課

(科学技術・学術政策局調査調整課)

-- 登録:平成22年03月 --