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平成21年版科学技術白書 第2部 第1章 第2節

第2節 総合科学技術会議

 総合科学技術会議は、内閣総理大臣のリーダーシップの下、我が国の科学技術政策を強力に推進するため、平成13年1月の中央省庁再編の際、経済財政諮問会議とともに「重要政策に関する会議」として内閣府に設置された。我が国全体の科学技術を俯瞰(ふかん)し、総合的かつ基本的な政策の企画立案及び総合調整を行うことを任務として、議長である内閣総理大臣をはじめ、関係閣僚、有識者議員等により開催されている (第2‐1‐2表) 。
 なお、総合科学技術会議の下に、重要事項に関する専門的な事項を審議するため、平成21年3月現在、基本政策推進専門調査会等の4つの専門調査会を設けている (第2‐1‐3図) 。

第2‐1‐2表 総合科学技術会議議員名簿(平成21年4月1日現在)

閣僚 麻生 太郎 内閣総理大臣
河村 建夫 内閣官房長官
野田 聖子 科学技術政策担当大臣
鳩山 邦夫 総務大臣
与謝野 馨 財務大臣
塩谷  立 文部科学大臣
二階 俊博 経済産業大臣
有識者 相澤 益男 元東京工業大学学長
本庶  佑 京都大学客員教授
奥村 直樹 元新日本製鐵株式会社代表取締役副社長、技術開発本部長
白石  隆 政策研究大学院大学教授・副学長
榊原 定征 東レ株式会社代表取締役社長
今榮 東洋子 名古屋大学名誉教授
青木 玲子 一橋大学経済研究所教授
金澤 一郎 日本学術会議会長 

第2‐1‐3図 総合科学技術会議の組織図

総合科学技術会議の組織図

1 平成20年度の総合科学技術会議における主な取組

(1) 革新的技術戦略

 他国の追随を許さない世界トップレベルの技術であり、持続的な経済成長と豊かな社会の実現を可能とする「革新的技術」を絶え間なく生み出し、それをイノベーションの創出につなげる「革新的技術戦略」(平成20年5月決定、意見具申)を策定し、それに基づき以下の取組等を実施した。

  • 状況変化に応じて機動的に資金投入し、研究開発を加速させる「革新的技術推進費」を創設した。今後、目利きである「革新的技術推進アドバイザー」の知見を活用し、「革新的技術」の中から早急に加速させるべき技術を選定する。
  • 常識を打ち破る斬新(ざんしん)でチャレンジングな研究(いわゆる「ハイリスク・ハイリターン基礎研究」)を推進する「大挑戦研究枠」を設定し、平成21年度科学研究費補助金等に予算計上した。
(2) 環境エネルギー技術革新計画の策定

 世界的な課題である地球温暖化問題の解決に向けて、「エネルギー安全保障」、「環境と経済の両立」、「発展途上国への貢献」を実現しながら、世界全体の温室効果ガス排出量を2050年までに半減するという長期目標を達成するための技術戦略として、「環境エネルギー技術革新計画」(平成20年5月決定、意見具申)を策定した。

(3) 科学技術外交の強化

 我が国の科学技術と外交を相互に連携するとの新しい観点から、「科学技術外交の強化に向けて」(平成20年5月決定、意見具申)を策定し、我が国の科学技術と外交とを相互に発展させることとしている。

(4) 科学技術による地域活性化

 既存の地域科学技術施策の現状を踏まえ、地域のイノベーションの創出を強力に推進するため、「科学技術による地域活性化戦略」(平成20年5月決定、意見具申)を策定し、我が国に多様性のある地域科学技術拠点群及びグローバル型の科学技術拠点が形成され、これらが互いに競い合い、協調し、強靱(きょうじん)でダイナミックな「地域拠点のエコシステム」が形成されることを目指すこととしている。

2 科学技術関係施策の戦略的重点化と総合的推進

 総合科学技術会議は、PDCAサイクルによる科学技術関係施策の質の向上等を図るとともに、科学技術による我が国の競争力強化を図るための科学技術関係予算の充実に向けて取組を強化している。平成21年度は第3期科学技術基本計画の4年目に当たり、これまでの成果も踏まえ選択と集中による戦略的重点化を進め、真に重要な研究開発等が着実に実施され、その成果が社会や国民に広く還元されるよう、取組を推進した(第2‐1‐4図)。

第2‐1‐4図 科学技術予算の充実のためのPDCAサイクルの概念図

第2‐1‐4図 科学技術予算の充実のためのPDCAサイクルの概念図

(1) 平成21年度の科学技術に関する予算等の全体の姿と資源配分の方針

[平成20年6月19日決定、意見具申]

 第3期科学技術基本計画や分野別推進戦略を踏まえ、平成21年度に重点的に取り組むべき事項等を明らかにした「平成21年度の科学技術に関する予算等の全体の姿と資源配分の方針」を決定し、内閣総理大臣や関係大臣に意見具申した。
 同方針においては、平成21年度に重点的に実行すべき最重要政策課題として、革新的技術、環境エネルギー技術、科学技術外交、科学技術による地域活性化、社会還元加速プロジェクトを掲げ、戦略重点科学技術とともに、府省及び研究開発法人等組織として重点的に取り組むことを求めた。

(2) 科学技術関係施策に対する優先度判定等(平成20年10月)

 真に重要な施策に資源を重点配分するため、「平成21年度の科学技術に関する予算等の資源配分の方針」に基づき、関係府省が予算要求を行った科学技術関係施策について、ヒアリング等を通じてその内容を詳細にチェックし、外部専門家の助言を得ながら優先度判定等を実施し、「平成21年度概算要求における科学技術関係施策の重点化の推進について」を取りまとめた。
 平成21年度の科学技術関係予算の概算要求に対しては、組織ごとの重点化についての確認及び見解の提示を行うとともに、個別施策に対する優先度判定等を行い、新規施策におけるS及びA評価の74%(件数ベース)を最重要政策課題とするなど、重点化を推進した(第2‐1‐5図)。

第2‐1‐5図  平成21年度概算要求における科学技術関係政策の優先度判定の概要

第2‐1‐5図  平成21年度概算要求における科学技術関係政策の優先度判定の概要

(3) 独立行政法人、国立大学法人等の科学技術関係活動の把握・所見取りまとめ(平成20年10月)

 科学技術関係活動を行っている独立行政法人、国立大学法人等は、運営費交付金の措置を受けており、予算編成段階で、その使途の内容や業務、配分額を把握するには限界がある。このため、科学技術基本計画の的確な実施を確保する観点から、法人のアウトプットである各種指標等について調査を実施した。
 調査結果に基づき、進展が見られる事項や今後取組を充実すべきと考えられる事項について、総合科学技術会議有識者議員が所見を取りまとめた。

(4) 科学技術関係予算の編成に向けて[平成20年12月8日決定、意見具申]

 優先度判定の結果等を踏まえた科学技術関係予算が十分に確保されるよう、予算編成における重点事項や留意すべき点等を取りまとめ、総合科学技術会議において決定、内閣総理大臣や関係大臣に意見具申した。

(5) 研究開発評価の実施

1.国家的に重要な研究開発の事前評価[平成20年12月8日決定、通知]
 平成21年度から新たに実施予定の、国費総額300億円以上となる大規模研究開発「気候変動問題対策二酸化炭素削減技術実証試験」(経済産業省)について、国家的に重要な研究開発として事前評価を実施し、評価結果を本事業を実施する経済産業大臣に通知した。

2.国家的に重要な研究開発の事前評価のフォローアップ[平成20年9月]
 平成18年度に事前評価を実施した「ターゲットタンパク研究プログラム」(文部科学省)、及び「太陽エネルギーシステムフィールドテスト事業」(経済産業省)について、評価専門調査会においてその評価結果への対応状況等を確認し、改善点等についてそれぞれの事業を実施する省に通知した。

3.国家的に重要な研究開発の事後評価
 総合科学技術会議が事前評価を実施し、平成19年度に終了した「イネゲノム機能解析研究」(農林水産省)について、事後評価を実施することとし、調査検討等を行った。

3 専門調査会等における主な審議事項

(1) 基本政策推進専門調査会

 第3期科学技術基本計画の着実な推進を図るべく、平成18年4月に設置した。科学技術の諸制度の改革や競争的資金制度等について調査を行っており、平成21年3月から、第3期科学技術基本計画のフォローアップを開始した。
 平成20年度に、新たに基礎研究強化に向けた長期方策を立案するため、「基礎研究強化に向けた長期方策検討WG」を設置した。また、国際競争に勝ち抜く高度科学技術人材の育成のため、「大学院における高度科学技術人材の育成強化策検討WG」を設置した。
 本調査会の下に設置されている分野別推進戦略総合プロジェクトチーム(PT)では、以下の取組を実施した。

1.分野別推進戦略のフォローアップ
 分野別推進戦略(平成18年3月総合科学技術会議決定)の実施については、重点推進4分野(ライフサイエンス、情報通信、環境、ナノテクノロジー・材料)及び推進4分野(エネルギー、ものづくり技術、社会基盤、フロンティア)ごとの各PTにおいて、毎年度フォローアップを実施しており、平成19年度分については平成20年6月にその結果を取りまとめた。

2.  科学技術連携施策群の推進
 「科学技術連携施策群」は、各府省において実施される関連施策の重複を排除、連携を強化し、関連施策の成果の最大化を図る仕組みである。平成17年度より8つのテーマ(1.生命科学の基礎・基盤、2.新興・再興感染症、3.ユビキタスネットワーク―電子タグ技術等の展開―、4.次世代ロボット―共通プラットフォーム技術の確立―、5.バイオマス利活用、6.水素利用/燃料電池、7.バイオテクノロジー、8.地域科学技術クラスター)、平成19年度より6つのテーマ(9.臨床研究・臨床への橋渡し研究、10.食料・生物生産研究、11.情報の巨大集積化と利活用基盤技術開発、12.総合的リスク評価による化学物質の安全管理・活用のための研究開発、13.ナノテクノロジーの研究開発推進と社会受容に関する基盤開発、14.テロ対策のための研究開発―現場探知システムの実現―)を実施している。なお、終了した連携群については順次最終取りまとめを行っている。

(2) 評価専門調査会

 平成21年度に新たに実施する国家的に重要な研究開発についての事前評価案を取りまとめ、平成18年度に事前評価を実施した国家的に重要な研究開発のフォローアップを行った。また、平成19年度に終了した国家的に重要な研究開発についての事後評価案を取りまとめた。このほか、評価システムの改革を推進するため、「国の研究開発評価に関する大綱的指針」の改定について検討し、改定案を取りまとめた。

(3) 生命倫理専門調査会

 脳科学研究、ヒト胚を利用する研究など、生命科学の発展に伴う生命倫理上の課題に対応するため、生命倫理に関する調査・検討を行っている。平成20年度は、「ヒトES細胞の樹立及び使用に関する指針」の見直しを文部科学省に依頼した。また、総合科学技術会議に諮問されたクローン胚研究に関連した指針の改正についても、答申に向け検討している。

(4) 知的財産戦略専門調査会

 知的財産戦略専門調査会では、平成14年から毎年「知的財産戦略について」を大学等の知的財産活動の推進等を中心に取りまとめてきたところである。平成20年においては、知的財産と密接に関連する科学技術を巡る動向として、オープンイノベーションやiPS細胞等の革新的技術を踏まえた知的財産戦略の検討を行い、「先端医療分野における適切な知的財産保護のあり方について直ちに検討を開始し早急に結論を得る」 等の49項目からなる各種提言を盛り込んだ「知的財産戦略」を平成20年5月に決定し、関係大臣に意見具申した。また、「知的財産戦略」に盛り込まれた施策を実行するに当たり、関係府省の連携が特に必要とされる施策[例えば、ライフサイエンス分野におけるリサーチツール特許等に係る統合データベース(RTDB)の構築]については、円滑な推進が行われるよう各関連府省の連携・分担体制を整えるなどのフォローアップを実施している。

お問合せ先

科学技術・学術政策局調査調整課

(科学技術・学術政策局調査調整課)

-- 登録:平成22年03月 --