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はじめに

 昨年の白書では、「国際的大競争の嵐を越える科学技術の在り方」と題して、中国をはじめとするBRICs(1)諸国の台頭等による国際的大競争の嵐にいかに立ち向かうかを記述した。
 奇(く)しくも昨年は、米国競争力法の制定等の国際的大競争に対応した諸外国の研究開発システム改革の大きなうねりを受けて、我が国においても、研究開発力の強化に向けた議論が高まり、超党派の議員立法である研究開発力強化法(2)が6月に成立した。また、10月には、我が国から4名の研究者がノーベル賞を受賞するという快挙があり、長年にわたる科学技術の振興の成果である我が国の高い研究開発力が内外に示されることにもなった。
 一方、再び世界に目を向けると、経済危機の深刻化を受けて、世界各国で環境・エネルギー分野への投資による雇用の創出等を目指した「グリーン・ニューディール政策」が展開されており、革新的な環境・エネルギー技術の創出と実用化により、低炭素社会への移行が加速するなど、経済社会に大きな変化が起こると考えられる。加えて、イノベーションのオープン化やグローバル化等の新たな潮流や、研究人材の国際流動の増大と獲得競争の激化等が生じており、我が国はまさに世界の大転換期に直面している。
 本白書は、このような情勢を踏まえ、「世界の大転換期を乗り越える日本発の革新的科学技術を目指して」と題し、世界の経済社会の持続的な発展にとって深刻な制約条件となりつつある地球環境問題の解決、ものづくり(3)やサービスに係る国際競争力の強化、安全・安心な社会の実現等の多様な国民ニーズへの対応など、我が国に求められるこれからの科学技術について記述を行った。また、イノベーションの源泉となる基礎科学力の強化や世界に開かれた魅力的な研究環境の整備など、これらを実現するための新たな研究開発システムの在り方についても併せて記述している。すなわち、世界の大転換期を、高い研究開発力を活(い)かしたイノベーションにより乗り越えていくために必要な科学技術政策の在り方を取りまとめたものである。


1 ブラジル、ロシア、インド、中国を指す用語

2 「研究開発システムの改革の推進等による研究開発能力の強化及び研究開発等の効率的推進等に関する法律」(平成20年法律第63号)

3 本稿では、いわゆる第2次産業全般を指す。

お問合せ先

科学技術・学術政策局調査調整課

(科学技術・学術政策局調査調整課)

-- 登録:平成22年03月 --