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第2部 第4章 3 科学技術に関する国民意識の醸成

 国民が科学技術を身近に感じ、強い関心を抱くような社会環境をつくり上げていくためには、科学技術に親しむ多様な機会を提供するなど、国民に分かりやすく親しみやすい形で科学技術を伝え、対話を通じて説明責任と情報発信を強化する活動及び国民の科学技術に関する基礎的な知識・能力の向上に資する取組を進めることが重要である。
 文部科学省では、以下のような取組を総合的に推進し、科学技術に関する国民意識の醸成に努めている。

(1)科学技術に関する基礎的素養(科学技術リテラシー)の向上のための取組

 成人段階で求められる科学技術に関する知識や能力を明らかにすることは、国民の科学技術に対する関心の向上、科学技術に関する国民意識の醸成、理数教育の向上に資すると考えられる。このため、平成20年3月に、文部科学省国立教育政策研究所と内閣府日本学術会議の共同プロジェクトとして、科学者・技術者などが広く参画して科学技術リテラシー像(科学技術に関する知識・技術・物の見方を分かりやすく文章化したもの)を策定した。

(2)科学技術と文化や芸術との融合

 近年、科学技術は物質的豊かさだけでなく心の豊かさにも貢献すべきであるとの声が高まっており、今後の科学技術政策は、こうした分野を強化しながら進めていくことが必要となる。そして科学技術と文化芸術の出会いは、新たな芸術作品を誕生させて心の豊かさに貢献する一方、独創的な新技術を創出するなど、科学技術の新たな知を創出する源となる可能性を秘めている。
 この新たな知の創出を実現するためには、まず、若手の研究者とクリエーターの出会いの「場」をつくり、新しいコミュニティを形成していくことが重要であると考えられる。そこで、第11回文化庁メディア芸術祭の協賛展として、技術展示「先端技術ショーケース’08」及びテーマシンポジウム「アートとテクノロジーの融合」を開催した。また、3年目の実施となった平成19年度は、美大生・デザイン系専門学校生から研究成果の利用アイデアを募集し、「クリエーター・アイデア・ショーケース」として発表することで、先端技術とクリエーターの出会いの「場」を提供した。

(3)科学館活動の充実強化

(日本科学未来館の運営)

 科学技術振興機構が運営する「日本科学未来館」では、最新の科学技術を分かりやすく紹介する展示・解説を行うとともに、講演やイベントの企画などを通じて、研究者と国民の交流を図っている。また、「科学コミュニケーター研修プログラム」などを通じ、各地域において科学技術の理解増進活動に取り組む人材の育成を行っている。さらに、得られた成果を全国の科学館などに展開し、全国的な科学技術の理解増進活動の活性化に寄与している。

(全国各地域の科学館活動の支援)

 全国各地域の科学館は、地域における科学技術理解増進活動の中核として機能するものである。科学技術振興機構では、各地域における科学技術理解増進活動を一層充実したものとするために、地域の学校と科学館とが連携することによる新たな展示物の共同開発や、科学館から学校への実験・工作出前教室の実施、展示物の巡回など、児童・生徒が科学技術・理科を体験し、学習する機会の充実に向けた取組などを支援している。

(4)国立科学博物館の活動

 国立科学博物館では、館が蓄積する研究成果や標本などの知的・物的・人的資源を生かして、青少年から成人まで幅広い世代に自然や科学の面白さを伝え、共に考える機会を提供する展示や学習支援活動を実施している。また、国内の主導的な博物館として、モデル的・先導的なプログラムの開発に取り組み、例えば学生の科学リテラシー向上等に寄与する「大学パートナーシップ」制度を設け、大学と連携した学生の無料入館や、「サイエンスコミュニケータ養成実践講座」などの博物館の資源を活用した科学技術や理解増進活動に取り組む人材の育成を図っている。同時に、学校と連携して学習プログラムを開発するとともに、成人を含めた世代やライフステージに応じた科学リテラシー涵養(かんよう)のためのモデルプログラムの開発を進めている。このほか、大学・研究機関と連携協力して研究の内容や成果を社会に対して分かりやすく発信する「上野の山発 旬の情報発信シリーズ」の開催、全国の科学系博物館と連携し各館の標本資料情報や展示情報をインターネットで横断的に検索することができるシステム「サイエンスミュージアムネット」の構築などの活動を通して、全国の科学系博物館や大学・研究機関と連携した理解増進活動の推進を行っている。

(5)大学・研究機関の活動

 宇宙航空研究開発機構では、次世代を担う青少年に対し、宇宙をはじめとする科学技術全般への興味を高めるとともに、子どもたちの科学的な観察・思考・課題解決能力を養うため、「コズミックカレッジ」や「宇宙学校」をはじめとする様々な教育活動や教育支援活動等を行っている。

(6)地域における科学技術に親しみ、学習する機会の充実

 科学技術振興機構では、各地域の科学技術理解増進活動を推進するため、「地域科学技術理解増進活動推進事業」において、科学館・大学やボランティアによる実験・工作教室等の開催、科学館の展示物開発などを支援している。
 また、国立青少年教育振興機構に設置されている「子どもゆめ基金」により、民間団体が行う子どもの科学体験活動などの体験活動等に対して助成を行っている。

(7)全国各地への科学技術情報の発信

 科学技術振興機構では、科学技術に関するトピックや興味深い科学実験など、青少年をはじめとする国民一般に科学技術を分かりやすく紹介する番組を制作している。制作した番組は、国立青少年教育振興機構により「サイエンスチャンネル」として、CS放送、ケーブルテレビなどを通じ全国に配信されており、番組の普及を図るため、インターネットでも提供している(http://sc-smn.jst.go.jp(※サイエンス チャンネルホームページへリンク))。
 また、青少年が科学技術を分かりやすく体験できる「JSTバーチャル科学館」(http://jvsc.jst.go.jp(※JSTバーチャル科学館ホームページへリンク))を、インターネットを通じて広く提供している。

(8)科学技術週間

 平成19年4月16日〜22日に、試験研究機関、地方公共団体など関連機関の協力を得て第48回「科学技術週間」を実施した。同週間中は、全国各地の関連機関において、施設の一般公開や実験工作教室、講演会の開催などの各種行事が実施された。平成19年度は、「日本橋イベント」として、東京・日本橋においてプラネタリウム「メガスター2」の上映を行うとともに、研究者と一般の方とがお茶を飲みながら科学技術について気軽に話し合う「サイエンスカフェ」などを毎日開催した。

(9)大学等における科学技術理解増進活動

 大学等における科学技術に関する公開講座の実施や、科学技術に関する授業を開講している放送大学の充実・整備を図るなど、科学技術の理解増進に資する施策を実施している。また、科学研究費補助金において、青少年や一般社会人の関心が高いと思われる分野の研究動向・研究内容を分かりやすく普及啓発しようとするシンポジウムや学術講演会の開催の支援を行っている。このほか、科学系も含めた博物館等の職員を対象とした講習を行い、資質の向上を図るとともに、学芸員等専門職員を諸外国の科学系博物館等に派遣し研修させることにより、高度で専門的な知識・技術の修得を図っている。
 日本学術会議では、学術の成果を国民に還元するための活動の一環として公開講演会を開催しており、今年度は6回実施した。テーマはそれぞれ「脱タバコ社会の実現のために−エビデンスに基づく対策の提言−」、「日本の科学研究の現状と将来−よりよい研究環境づくりを求めて」、「人口とジェンダー−少子化対策は可能か−」、「鉱物資源の持続可能性と資源問題への展望」、「生殖補助医療のいま−社会的合意を求めて−」、「宇宙と生命、そして人間を考える−人類の未来のために−」であった。
 また、小中学生をはじめ一般の人々に、科学者から直接語りかけるという交流を通して科学と向き合うことの面白さを広く理解してもらうために、様々なイベントを開催している。平成19年度は「サイエンスカフェ」をはじめ、「女子高生夏の学校」等、若い世代の科学・科学技術分野への興味・関心を高めるための体験学習活動を行っている。産業技術総合研究所では、常設展示施設として、サイエンス・スクエア つくば/臨海、地質標本館、JISパビリオン等を備えている。また平成19年度は全国8拠点で一般公開を行い、延べ約1万2,000人の来場があった。さらに、我が国最大級の公的研究機関として、科学技術について広く一般社会の理解を得られるよう、サイエンスカフェ・実験教室等のサイエンスコミュニケーション事業を積極的に実施している。

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