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第2部 第3章 第2節 4 地域イノベーション・システムの構築と活力ある地域づくり

 地域における科学技術の振興は、地域産業の活性化や地域住民の生活の質の向上に貢献するものであり、ひいては我が国全体の科学技術の高度化・多様化やイノベーション・システムの競争力強化に資するものである。
 地域における科学技術の振興については、第1期科学技術基本計画において、重要事項として位置付けられ、平成7年12月に内閣総理大臣決定された「地域における科学技術活動の活性化に関する基本指針」に基づき、地域における産学官等の連携・交流等を促進することとされている。
 このように地域における科学技術振興の重要性が高まる中、都道府県においても科学技術振興策を審議する審議会等を設置するとともに、独自の科学技術政策大綱や指針等を策定するなど科学技術振興への積極的な取組がなされている(第2−3−11表、第2−3−12表)

第2−3−11表 地方公共団体における科学技術審議会等の設置状況

都道府県名 科学技術審議会等名称(設置時期)
北海道 北海道科学技術審議会(昭和27年9月〜)
青森県 青森県産業科学技術会議(平成9年12月〜平成11年5月)から青森県研究開発協議会(平成11年6月〜平成19年3月)
秋田県 あきた総合科学技術会議(平成14年8月〜)
岩手県 岩手県科学技術振興推進会議(平成元年4月〜)
宮城県 宮城県科学技術振興指針策定委員会(平成10年7月〜平成11年3月)
山形県 山形県科学技術会議(平成11年4月〜)
福島県 福島県科学技術推進会議(平成9年5月〜)
茨城県 茨城県科学技術振興会議(平成15年9月〜)
栃木県 栃木県科学技術振興会議(平成11年7月〜)
群馬県 群馬県科学技術振興推進本部(平成11年9月〜)
埼玉県 埼玉県科学技術会議(平成7年1月〜)
千葉県 千葉県科学会議(平成6年11月〜)
神奈川県 神奈川県科学技術会議(昭和63年6月〜)
新潟県 新潟県科学技術会議(平成10年4月〜)
富山県 富山県科学技術会議(昭和58年11月〜)
石川県 石川県産業科学技術会議(平成9年12月〜平成15年10月)から石川県産業革新戦略会議(平成15年11月〜)
福井県 福井県科学技術振興会議(平成10年4月〜平成16年3月)から福井県産力戦略本部(平成16年5月〜)
山梨県 山梨県科学技術会議(平成3年9月〜)
長野県 長野県科学技術産業振興構想検討会(平成11年10月〜平成11年12月)
岐阜県 岐阜県科学技術振興会議(平成8年7月〜)
愛知県 愛知県科学技術会議(平成12年2月〜)
三重県 みえサイエンス・アカデミー代表者会議(平成13年4月〜平成17年5月)から科学技術交流会議(平成17年6月〜平成19年3月)から科学技術振興懇話会(平成19年4月〜平成20年1月)
滋賀県 滋賀県科学技術振興会議(平成15年4月〜)
京都府 京都府科学技術審議会(昭和36年9月〜)
大阪府 大阪府科学技術懇話会(昭和61年12月〜)
兵庫県 兵庫県科学技術会議(平成12年4月〜)
奈良県 奈良県科学技術振興指針改定委員会(平成19年8月〜平成20年3月)から奈良県科学技術振興会議(平成20年度設置予定)
和歌山県 和歌山県科学技術戦略会議(平成16年9月〜)
鳥取県 鳥取県科学技術振興会議(平成11年3月〜平成14年12月)
島根県 島根県科学技術振興会議(平成10年10月〜)
広島県 広島県科学技術振興会議(平成4年5月〜平成6年3月)
香川県 香川県科学技術会議(平成9年8月〜)
愛媛県 愛媛県科学技術振興会議(平成13年7月〜)
徳島県 徳島県科学技術振興ビジョン策定懇話会(平成10年6月〜平成11年3月)から徳島県科学技術振興計画策定委員会(平成20年3月〜)
高知県 高知県科学・技術アカデミー(平成16年1月〜平成18年3月)
佐賀県 佐賀県科学技術会議(平成8年2月〜)
長崎県 長崎県科学技術振興会議(平成10年10月〜)
熊本県 熊本県科学技術会議(平成11年9月〜)
大分県 大分県科学技術振興指針検討委員会(平成14年6月〜平成15年3月)
宮崎県 宮崎県科学技術会議(平成13年8月〜)
鹿児島県 鹿児島県科学技術振興推進会議(平成15年4月〜)
沖縄県 沖縄県学術振興協議会(平成7年1月〜平成19年3月)から沖縄県科学技術会議(平成19年10月〜)
川崎市 川崎市イノベーション推進会議(平成15年8月〜平成18年3月)
横浜市 横浜市産学連携推進会議(平成11年10月〜平成15年3月)
京都市 京都市産業科学技術振興計画策定委員会(平成17年8月〜平成18年9月)から京都市産業科学技術推進委員会(平成19年7月〜)
大阪市 大阪市産業科学技術振興計画推進会議(平成12年5月〜)
広島市 広島市科学技術顧問会議(平成15年10月〜)
北九州市 北九州市科学技術振興会議(平成14年11月〜平成16年3月)
福岡市 福岡市科学技術振興ビジョンアドバイザー会議(平成13年9月〜14年6月)

第2−3−12表 地方公共団体における科学技術振興指針等の策定状況

都道府県名 科学技術振興指針等(策定時期)
北海道 北海道科学技術振興指針(平成12年3月〜)
青森県 青森県産業科学技術振興指針(平成10年12月〜平成19年3月)
秋田県 秋田県科学技術基本構想(平成12年6月〜)
岩手県 岩手県科学技術振興推進指針(平成2年5月〜平成12年10月)から新岩手県科学技術振興指針(平成12年11月〜)
宮城県 宮城県科学技術振興指針(平成11年3月〜)
山形県 山形県科学技術政策大綱(平成11年度〜平成17年度)からやまがた科学技術政策大綱(平成18年度〜平成27年度)
福島県 福島県科学技術政策大綱(平成14年3月〜)
茨城県 茨城県科学技術政策大綱(平成6年3月〜平成17年2月)から茨城県科学技術振興指針(平成17年3月〜)
栃木県 栃木県科学技術振興指針(平成10年12月〜)
群馬県 群馬県科学技術振興指針(平成11年3月〜)
埼玉県 埼玉県第1期科学技術基本計画(平成10年2月〜平成19年3月)から埼玉県第2期科学技術基本計画(平成19年4月〜平成24年3月)
千葉県 千葉県科学政策大綱(平成8年2月〜)
東京都 東京都産業科学技術振興指針(平成16年2月〜平成21年3月)から東京都産業科学技術振興指針(改訂版)(平成20年4月〜平成25年3月)
神奈川県 神奈川県科学技術政策大綱(平成2年5月〜、平成9年1月〜、平成14年3月〜、平成19年2月〜)
新潟県 新潟県科学技術大綱(平成10年3月〜)
富山県 富山県科学技術プラン(平成3年10月〜平成13年3月)から新富山県科学技術プラン(平成13年度〜平成22年度)から新富山県科学技術プラン(改訂版)(平成19年度〜平成27年度)
石川県 石川県産業科学技術振興指針(平成11年2月〜平成17年2月)から石川県産業革新戦略(平成17年3月〜)
福井県 福井県科学技術振興指針(平成10年1月〜平成17年2月)から最先端技術のメッカづくり基本指針(平成17年3月〜)
山梨県 山梨県科学技術政策大綱(平成4年3月〜)/科学技術振興やまなしプラン(平成11年3月〜平成20年2月)からやまなし科学技術基本計画(平成20年3月〜平成25年3月)
長野県 長野県科学技術産業振興指針(平成12年4月〜)
岐阜県 岐阜県科学技術基本戦略(平成9年3月〜平成14年2月、平成14年3月〜平成19年2月)からぎふ科学技術振興プラン(平成19年3月〜平成24年2月)
静岡県 静岡県科学技術振興ビジョン(平成12年2月〜平成22年3月)
愛知県 愛知県科学技術推進大綱(平成11年3月〜)
三重県 三重県科学技術振興ビジョン(平成11年7月〜)
滋賀県 滋賀県科学技術政策大綱(平成16年10月〜)
京都府 京都産業技術振興構想(平成7年2月〜)
大阪府 大阪府研究開発大綱(昭和63年3月〜平成10年2月)から大阪府産業科学技術振興指針(平成10年3月〜平成18年2月)から大阪都市圏における科学技術推進戦略(平成18年3月〜)
兵庫県 兵庫県科学技術政策大綱(平成3年3月〜平成10年2月)から新・兵庫県科学技術政策大綱(平成10年3月〜)
奈良県 奈良県科学技術振興指針(平成15年4月〜平成20年3月、平成20年4月〜)
和歌山県 和歌山県科学技術振興ビジョン(平成12年3月〜)
鳥取県 鳥取県における科学技術振興に関する検討報告(平成10年3月〜)
島根県 島根県科学技術振興指針(平成11年3月〜)
岡山県 岡山県科学技術振興指針(平成10年3月〜)
広島県 広島県における科学技術振興の基本方向(平成5年11月〜)
山口県 山口県科学技術振興指針(平成6年3月〜)
徳島県 徳島県科学技術振興ビジョン(平成11年3月〜平成19年3月、平成19年4月〜)
香川県 香川県科学技術振興ビジョン(平成9年3月〜平成13年3月、平成13年3月〜平成18年3月)
愛媛県 愛媛県科学技術振興指針(平成13年3月〜平成19年5月改定〜)
高知県 高知県科学技術振興指針(平成10年3月〜)
福岡県 科学技術立県ふくおか創造指針(平成11年3月〜)
佐賀県 佐賀県科学技術振興ビジョン(平成9年3月〜)
長崎県 長崎県科学技術振興ビジョン(平成10年6月〜)
熊本県 熊本県科学技術振興指針(平成11年5月〜平成16年2月、平成16年3月〜)
大分県 大分県科学技術振興指針(平成15年4月〜平成25年3月)
宮崎県 宮崎県産業科学技術振興指針(平成13年3月〜)
鹿児島県 鹿児島県科学技術振興指針(平成15年3月〜)
沖縄県 沖縄県科学技術振興大綱(平成12年2月〜平成17年7月)から沖縄県科学技術振興指針(平成17年〜平成23年)
札幌市 札幌市科学技術振興ビジョン(平成16年6月〜)
川崎市 川崎市科学技術振興指針(平成17年3月〜)
横浜市 横浜市科学技術振興指針(平成11年8月〜)
京都市 京都市スーパーテクノシティ構想(平成14年3月〜平成22年)/京都市産業科学技術振興計画(平成18年10月〜平成22年)
大阪市 大阪市産業科学技術振興計画(平成12年3月〜)
広島市 広島市科学技術政策大綱(平成15年6月〜)
北九州市 北九州市科学技術振興指針(平成15年8月〜)
福岡市 福岡市科学技術振興ビジョン(平成14年6月〜)

 第2期科学技術基本計画では、地域のイニシアティブの下での知的クラスター(注1)形成を効果的・効率的に実現するため、国は、共同研究を含む研究開発活動の推進、人材の育成・確保、技術移転機能等の充実を図るものとしていた。第3期科学技術基本計画では、地域イノベーション・システムの構築と活力ある地域づくりのため、地域のイニシアティブの下で行われているクラスター形成活動への競争的な支援をするとともに、地域における科学技術施策の円滑な展開のため、関係府省間の縦割りを排し、府省間連携の強化を図ることとしている。
 ここでは、国が実施している地域における科学技術振興を支援する諸施策を中心に概観する。

(1)地域クラスターの形成

(知的クラスターの形成に向けた取組)

1世界レベルのクラスターの形成に向けた取組

 文部科学省では、平成14年度から「知的クラスター創成事業(第1期)」を実施しており、平成19年度は、全国7地域において事業を実施した。具体的には、各地域の中核機関に設置した「知的クラスター本部」を司令塔として、科学技術コーディネータ等を配置し、企業ニーズを踏まえた新技術シーズを生み出す産学官共同研究や、研究成果の事業化の促進等を実施する事業である。
 平成19年度には、これまでの「知的クラスター創成事業(第1期)」の成果を踏まえ、地域の自立化を促進しつつ、「選択と集中」の視点に立ち、世界レベルのクラスター形成を強力に推進する「知的クラスター創成事業(第2期)」を開始し、6地域を新たに採択した(第2−3−13図)

第2−3−13図 知的クラスター創成事業(第1期、第2期)実施地域

2地域の特色を生かした強みを持つクラスター形成に向けた取組

 文部科学省では、地域の個性発揮を重視し、大学等の「知恵」を活用して新技術シーズを生み出し、新規事業等の創出、研究開発型の地域産業の育成等を目指す「都市エリア産学官連携促進事業」を平成14年度から実施している。「一般型」と「発展型」の2つの類型で事業を実施しており、「一般型」の事業終了地域のうち、特に優れた成果を上げた地域について「発展型」(成果重視事業)として展開している。平成19年度までに延べ69地域で実施している。

(産業クラスター(注2)の形成に向けた取組)

 経済産業省では、「産業クラスター計画」として、各地域経済産業局自らが結節点となって、世界市場を目指す地域の企業や大学等から成る産学官の広域的な人的ネットワークを形成するとともに、地域関連施策を総合的・効果的に投入することにより、世界に通用する新事業が次々と展開される産業集積の形成を目指している。具体的には、全国18のプロジェクトで、約1万700社の世界市場を目指す中堅・中小企業と、大学、公設試験研究機関、産業支援機関、金融関係機関及び商社等の約2,450の産業クラスターサポーターとが広域的な人的ネットワークを形成し、産学官の間で流通する情報の質・量を格段に高め、技術・経営情報・販路等の経営資源を補完するとともに、地域の特性を生かした技術開発の支援を実施している。産業クラスター施策は、これまでにプロジェクトごとに推進組織が立ち上がり、産学官のネットワーク形成を促進している(第2−3−14図)。また、推進組織のほか、特定の地域・分野における人的ネットワーク形成によって新事業創出を支援する機関(拠点組織)に対する助成を行うとともに、クラスター活動を総合的にコーディネートするクラスター・マネージャーの配置等を行っている。

  • (注2)産業クラスター:大学等の公的研究機関と周辺企業との間の技術革新に加え、より広域的に大学等と企業の間や企業同士の連携を図ることにより、新たな事業活動が生み出される産業集積をいう。

第2−3−14図 産業クラスター計画(第2期)18プロジェクト

(2)地域における科学技術施策の円滑な展開

(知的クラスター創成事業と産業クラスター計画をはじめとした関係府省の連携)

 文部科学省では、地域の大学等を中心とした産学官共同研究等を推進し、新技術シーズの創出を図ることとしており、経済産業省では、企業を中心とした実用化技術開発等の産学官連携事業等を推進し、新規事業分野の開拓、新規創業、新製品の創出を図ることとしている。
 両省では、協力して地域における産学官連携体制の整備の促進や、新技術シーズの提供、マーケットニーズの研究開発へのフィードバック等を行っている。
 具体的には、各地域において、両省の関係者の情報共有・意見交換の場の設置や両省の事業の合同成果発表会を実施しているほか、平成19年度は、クラスター政策の推進方策を議論するシンポジウムと全国のクラスターの成果の展示を行う「クラスタージャパン2007」を東京で開催するとともに、地域が目指すクラスター形成のための戦略等について議論する「地域クラスターセミナー」を3地域で開催した。
 また、両省のみならず関係府省間においても、総合科学技術会議の「科学技術連携施策群」や「地域科学技術に係る関係府省連絡会議」、「地域科学技術に係る地域ブロック協議会」を通じて、関係府省と密接な連携が図られている。

(様々な地域科学技術振興施策)

 地域における科学技術の振興を図るため、関係府省等で様々な施策等が講じられている(第2−3−15表)。以下、その主なものを紹介する。

第2−3−15表 地域科学技術の振興に関する主要な施策

府省名、関係機関名 事項 施策の概要
総務省 戦略的情報通信研究開発推進制度(地域ICT振興型研究開発) 地域に根ざした新規産業の創出、地場産業の振興や地域社会の活性化等に貢献する情報通信分野の研究開発を行う中小・中堅企業と大学等との共同研究を推進する。
文部科学省
科学技術・学術政策局
知的クラスター創成事業(第1期・第2期) 地方自治体の主体性を重視し、知的創造の拠点たる大学、公的研究機関等を核とし、関連研究機関、研究開発型企業等による国際的な競争力のある技術革新のための集積(知的クラスター)の創成を目指す。
都市エリア産学官連携促進事業 地域の主体性の下、大学等の「知恵」を活用して、新技術シーズを生み出し、新規事業等の創出、研究開発型の地域産業の育成等を図るとともに、自律的かつ継続的な産学官連携基盤の構築を目指す。
地域イノベーション創出総合支援事業(科学技術振興機構事業) 全国に展開しているJSTイノベーションプラザやイノベーションサテライトを拠点として、自治体、経済産業局、JSTの基礎研究や技術移転事業等との連携を図りつつ、シーズの発掘から実用化に向けた研究開発を切れ目なく行うことにより、地域におけるイノベーション創出を総合的に支援する。「重点地域研究開発推進プログラム」及び「地域結集型研究開発プログラム」から構成され、これらの有機的連携による地域イノベーションの創出を目指す。
農林水産省
農林水産技術会議
事務局
先端技術を活用した農林水産研究高度化事業 生産及びこれに関連する流通、加工等の現場に密着した農林水産分野の研究開発を提案公募により推進する。
経済産業省 地域新生コンソーシアム研究開発事業
地域新規産業創造技術開発費補助事業
地域資源活用型研究開発事業
大学等の技術シーズや知見を活用した産学官共同研究体制(コンソーシアム)による研究開発を実施する。
中堅・中小企業による新分野進出やベンチャー企業による新規創業のためのリスクの高い技術開発を支援する。
地域における産学官の共同研究体により、地域資源(産品、技術・技法等)を活用した実用化研究開発を実施する。
環境省
総合環境政策局
公害防止等試験研究費(地域密着型環境研究) 地域におけるニーズが高く、地域環境の特性に応じた検討が必要な研究課題について、国立試験研究機関及び独立行政法人試験研究機関と公設試験研究機関の共同研究を実施する。
環境技術開発等推進費(地域の独自性・特性を生かした研究開発課題枠) 地域における研究開発を重点的に推進することにより、先進的な環境技術の具体的な開発・普及や地域環境ビジネスの振興を図るため、地域の独自性・特性を活かした研究開発課題を実施する。
地域の産学官連携による環境技術開発基盤整備モデル事業 地域における産学官連携による環境技術開発の基盤整備を図るため、モデル地域において1地域における環境技術開発人材ネットワークの形成、2地域の資源を活かした産学官連携による地域環境問題の解決と地場産業を活かした環境技術開発、3成果の全国への普及、を実施する。

1総務省

 戦略的情報通信研究開発推進制度のうち地域ICT振興型研究開発において、地域に根ざした新規産業の創出、地場産業の振興や地域社会の活性化等に貢献する情報通信分野の研究開発を行う中小・中堅企業と大学等との共同研究を推進している。

2文部科学省

 科学技術振興機構の「地域イノベーション創出総合支援事業」において、全国に展開しているJSTイノベーションプラザやイノベーションサテライト(各全国8か所)を拠点として、自治体、経済産業局、科学技術振興機構の基礎研究や技術移転事業等との連携を図りつつ、シーズの発掘から実用化に向けた研究開発を切れ目なく行うことにより、地域におけるイノベーション創出を総合的に支援している。

3農林水産省

 現場に密着した農林水産分野の試験研究の迅速な推進を図るために実施している先端技術を活用した農林水産研究高度化事業において、平成18年度から、コーディネート機関による連携調整の下、地方大学をはじめとする産学官の研究機関等の関連機関がネットワークを形成し、研究成果の普及・実用化を加速化させる研究タイプを創設し、地域の産学官連携による研究開発を推進している。また、農林水産業・食品産業の発展、地域経済の活性化に寄与することを目的に、各地域で地域バイオテクノロジー懇談会が組織されており、これら懇談会と連携・協力して、地域における農林水産・食品分野の先端技術の振興を図っている。

4経済産業省

 地域において新産業・新事業の創出を図るため、大学等の技術シーズや知見を活用した産学官の強固な共同研究体制(コンソーシアム)による高度な実用化研究開発を実施しているほか、地域の中堅・中小企業やベンチャー企業によるリスクの高い技術開発の支援を実施している。また、産学官の共同研究体により、産品や技術・技法等の地域資源を活用した、新製品開発に結びつく実用化研究開発を実施している。
 産業技術総合研究所においては、地域中小企業のニーズ等を把握している公設試験研究機関の研究者を招へい(平成19年度31名)するとともに、必要に応じて中小企業技術者と連携し、共同研究事業の中で地域中小企業が抱える技術課題の解決と産業技術総合研究所の技術の製品化を図っている。

5国土交通省

 安全・安心な社会の実現、環境問題への対応、国際競争力の強化等に資する各種研究開発について産学官の連携促進と研究成果の一層の活用を図るため、地方における産学官の関係者と国土交通省及び関連の研究機関が一堂に会し、国土交通省の先進的な研究成果、知的財産等を紹介するとともに、直接対話を行う場として、第5回国土交通先端技術フォーラムを平成20年2月に高松市で開催した。また、競争的資金である「建設技術研究開発助成制度」の実用化研究開発公募において、地域のニーズ等に応じた実用化段階の技術研究開発のテーマについて、地域の産学官連携等による研究開発課題に対して補助金を交付している。

6環境省

 地域においてニーズが高く、地域環境の特性に応じた検討が必要な研究課題について、国立試験研究機関及び独立行政法人試験研究機関と公設試験研究機関との共同研究を行う地域密着型環境研究を実施している。また、地域における研究開発を重点的に推進することにより、先進的な環境技術の具体的な開発・普及や地域環境ビジネスの振興を図るため、環境技術開発等推進費の実用化研究開発のすべての技術分野について、地域の独自性・特性を生かした研究開発課題枠を設定している。さらに、モデル地域において地域の産学官連携による環境技術開発基盤整備モデル事業を実施した。

(公設試験研究機関の研究開発・技術支援機関としての活動と機能の強化)

 各府省において公設試験研究機関を対象とした施策が行われている。概要は第2−3−16表のとおりである。

第2−3−16表 公設試験研究機関の研究開発・技術支援機関としての活動と機能の強化

府省名 支援の概要
総務省 都道府県の工業技術センター、衛生研究所、農業試験場、畜産試験場、水産試験場等の公的試験研究機関における研究開発等の活動経費に対し、地方交付税措置を講じている。
農林水産省 次の事業を実施し、県等の試験研究に対する支援を行った。
都道府県の試験研究機関が国の試験研究の一環として実施する委託事業
  • 品種改良試験
  • 重要課題対応試験
環境省
  • 地方公共団体(都道府県、市)の環境研究所との共同研究の推進により地域の環境の保全、改善に貢献している。
  • 環境調査研修所において地方公共団体職員等に対し、分析関係等の技術の習得を目標に研修を実施している。

(地域間の連携や各種交流)

 国と地方公共団体、地域間の連携や各種交流を図るため、次の施策等を講じている。

1財団法人全日本地域研究交流協会における研究交流事業等

 財団法人全日本地域研究交流協会は、地方公共団体の出えん金拠出により、研究交流をはじめ、地域の科学技術振興を支援することを目的として、平成4年6月に設立されている。先端的研究や基礎的研究に地域が取り組む際の各種研究支援事業や全国規模の研究交流事業が展開されている。

2産業技術連携推進会議

 鉱工業技術に関する公設試験研究機関相互及び国立試験研究機関との協力体制を強化し、機関相互の試験研究を効果的に推進し、もって産業技術の向上を図ることを目的として、昭和29年に設置されている。本会議の組織は6技術部会、8地域部会、8地域会議であり、公設試験研究機関相互及び産業技術総合研究所との研究協力及び情報交流等を実施している。

(研究開発拠点の整備)

 現行の全国総合開発計画(注3)において、産学官の機関のネットワーク化や研究開発投資の重点的な措置により、筑波研究学園都市及び関西文化学術研究都市の整備を推進するとともに、広域国際交流圏の形成の核ともなる国際的水準の新たな研究開発拠点の整備を図ることとされている。

  • (注3)「21世紀の国土のグランドデザイン」(平成10年3月31日閣議決定)

1筑波研究学園都市

 本都市は、首都圏の均衡ある発展や高水準の試験研究・教育のための拠点を形成し、科学技術の振興と高等教育の充実を図るため、国の施策として建設されたものである。現在、国等の試験研究・教育機関等31機関のほか、多くの民間研究機関が立地しており、研究交流の推進や国際的研究交流機能の整備、新産業の創出等のための諸施策を推進している。

2関西文化学術研究都市

 本都市は、関西文化学術研究都市建設促進法(昭和62年法律第72号)に基づき、「文化、学術及び研究の中心となるべき都市を建設し、もって我が国及び世界の文化・学術・研究の発展並びに国民経済の発展に寄与すること」を目的に建設が進められている。平成19年度末現在、本都市の進出機関数は約270に達し、多様な研究活動等が展開されている。

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