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第2部 第3章 第2節 科学の発展と絶えざるイノベーションの創出

 イノベーションとは、単なる「技術革新」という狭義の概念ではなく、広く社会のシステムや制度をも含めて新たな価値を生み出し、社会的に大きな変化を起こすことである。我が国が目指す「イノベーション立国」は個々の能力が最大限に発揮され、活力に満ち、豊かさが実感できる社会である。
 内閣府では、2025年までを視野に入れた、イノベーション創出のための長期の戦略指針「イノベーション25」に基づき、イノベーションの創出・促進に向けた社会環境を整備する社会システム改革と技術革新を一体的かつ継続的に推進していくこととしている。具体的には、1社会還元加速プロジェクト(注1)の開始、2システム改革の進捗(しんちょく)状況のフォローアップ、3国内外のイノベーションを巡る動向の把握等を通じ、イノベーション創出に向けた施策の着実な取組を推進していく(第2−3−5図)

第2−3−5図 長期戦略指針「イノベーション25」の概要

 総合科学技術会議では、イノベーション創出に向けて、政府が取り組むべきこととして、1イノベーションの源の潤沢化、2イノベーションを種から実へ育て上げる仕組みの強化、3イノベーションを結実させる政策の強化、4イノベーション創出に向けた制度改革の推進、5イノベーションを担う人材育成の強化を掲げた「イノベーション創出総合戦略」を策定し、関係大臣に意見具申した(平成18年6月14日)。これを受け文部科学省では、優れた研究環境と極めて高い研究水準を誇る「目に見える研究拠点」の形成を目指す「世界トップレベル研究拠点プログラム(WPIプログラム)」等を推進している。
 経済産業省では、「経済成長戦略大綱」(平成19年6月19日財政・経済一体改革会議)などに挙げられるような、研究開発の成果を迅速に市場化につなげる仕組みを構築する「イノベーション・スーパーハイウェイ構想」を推進している。

1 競争的環境の醸成

(1)競争的資金及び間接経費の拡充

 競争的な研究開発環境の形成に貢献する競争的資金については、平成19年度予算額4,766億円(平成18年度予算額4,701億円)と、着実に拡充が図られた。また、競争的資金を獲得した研究者の属する機関に対して研究費の一定比率が配分されることで、研究者の属する組織間の競争を促す効果を持つ間接経費についても、平成19年度においては、37制度中33制度が30パーセントの措置が可能であり、また3制度が一部のプログラムで可能としており、一層の拡充が図られた。
 各府省の競争的資金一覧を示す(第2−3−6表)

第2−3−6表 競争的資金総括表

省庁名 担当機関 制度名 制度の概要 平成18年度予算額 平成19年度予算額
内閣府 本府 沖縄産学官共同研究の推進 IT、バイオ、環境、食品工業等の分野において、沖縄が有する資源や特性等を活用した産学官連携による、新事業創出及び地場産業振興等に資する共同研究開発を支援する。 277百万円
内閣府 本府 食品健康影響評価技術研究 科学を基本とする食品健康影響評価(リスク評価)の推進のため、評価基準の開発に関する研究を推進する。 244百万円 364百万円
内閣府小計 521百万円 364百万円
総務省 本省 戦略的情報通信研究開発推進制度 情報通信技術の研究開発力の向上及び競争的な研究環境の形成による研究者のレベルアップを図り、世界をリードする知的財産を創出していくため、戦略的な重点目標に沿った独創性・新規性に富む研究開発を積極的に推進する。 3,209百万円 2,950百万円
総務省 情報通信研究機構 新たな通信・放送事業分野開拓のための先進的技術開発支援 先進的な技術の研究開発を行うベンチャー企業等民間企業を支援することによって、通信・放送分野における新規事業の創出を図る。 620百万円 550百万円
総務省 情報通信研究機構 民間基盤技術研究促進制度 通信・放送の技術であって、国民経済及び国民生活の基盤整備の強化に寄与するものに関する試験研究を促進するため、民間から幅広く試験研究課題を公募し、優れた課題について、試験研究を民間に委託する。 7,200百万円 6,500百万円
総務省 消防庁 消防防災科学技術研究推進制度 安心・安全に暮らせる社会の実現を目指し、消防防災科学技術の振興を図るため、消防防災科学技術の裾野を広げ、産学官の連携、地方公共団体での研究を積極的に促進するとともに、災害現場に密着した研究を行う必要がある。このため、消防防災科学技術に係る競争的資金制度により、1消火・救急・救助活動に関する科学技術の高度化、2災害対応策への情報化の促進、3環境保全の推進等に優れた研究課題に対して研究費を配分し、新技術を活用した実用化のための研究開発を促進する。 350百万円 311百万円
総務省小計 11,379百万円 10,311百万円
文部科学省 本省/日本学術振興会 科学研究費補助金 人文・社会科学から自然科学までのすべての分野にわたり、基礎から応用までのあらゆる「学術研究」(研究者の自由な発想に基づく研究)を格段に発展させることを目的とするものであり、ピア・レビュー(注2)により、豊かな社会発展の基盤となる、独創的・先駆的な研究に対する助成を行う。 189,500百万円 191,300百万円
文部科学省 科学技術振興機構 戦略的創造研究推進事業(社会技術研究開発事業(公募型)を含む) 今後の科学技術の発展や新産業の創出につながる新技術を産み出すことを目的とし、社会・経済ニーズを踏まえ国が設定した戦略目標の下、戦略重点科学技術を中心とした基礎研究を戦略的に推進する。 47,976百万円 48,626百万円
文部科学省 本省 科学技術振興調整費 総合科学技術会議の方針に沿って文部科学省が運用を行う政策誘導型の競争的資金。平成19年度には、第3期科学技術基本計画の本格実行に向け、科学技術システム改革関連の公募を実施し、機動的・戦略的に活用する。 39,800百万円 36,800百万円
文部科学省 本省 21世紀COEプログラム 第三者評価に基づく競争原理により、国公私立大学を通じて、世界的な研究教育拠点の形成を重点的に支援し、もって国際競争力のある世界最高水準の大学づくりを推進する。 37,800百万円 22,016百万円
文部科学省 本省 グローバルCOEプログラム 「21世紀COEプログラム」の基本的な考え方を継承しつつ、世界的な卓越した教育研究拠点形成を重点的に支援する。特に、若手研究者の育成機能と国際的な拠点形成を強化する。 15,758百万円
文部科学省 本省 世界トップレベル研究拠点プログラム(WPIプログラム) 高いレベルの研究者を中核とした拠点形成を目指す構想に対し集中的な支援を行い、システム改革等の導入を行うことにより、第一線の研究者が世界から集まってくるような、優れた研究環境と極めて高い研究水準を誇る「目に見える拠点」の形成を目指す。 3,500百万円
文部科学省 本省 キーテクノロジー研究開発の推進 経済社会の発展や安全・安心の確保など我が国の維持・発展の基盤となるキーテクノロジー研究開発の更なる進展を図るため、(1)社会のニーズを踏まえたライフサイエンス分野の研究開発、(2)次世代IT基盤構築のための研究開発、(3)ナノテクノロジー・材料を中心とした融合新興分野研究開発を競争的環境において推進する。 8,402百万円 15,967百万円
文部科学省 本省 地球観測システム構築推進プラン 地球観測サミットで謳われた地球観測システムの構築に向けて、我が国が先導的に取り組むべき研究領域について公募により技術開発・観測研究等を行う。 849百万円 573百万円
文部科学省 本省 原子力システム研究開発事業 革新的原子力システムの実現に資するため、国が推進すべきと評価した原子炉技術や燃料サイクル技術等の研究開発を行う特別推進分野及びその候補となる研究開発を行う基盤研究開発分野を競争的環境の下で実施する。また、基盤研究開発分野において若手研究者を対象とした募集も行う。 6,267百万円 5,205百万円
文部科学省 科学技術振興機構 先端計測分析技術・機器開発事業 独創的な研究活動を支える世界初のオンリーワン/ナンバーワンの計測分析技術・機器の開発を推進する。特に、JSTが行う先端計測分析技術・機器開発事業において、新たにユーザーを取り込んだ応用領域(ものづくり)の産学協働開発を推進する。 4,200百万円 4,800百万円
文部科学省 科学技術振興機構 革新技術開発研究事業 平成18年度に終了した独創的革新技術開発研究提案公募制度からこれを引き継ぎ、次代の産業の未来を切り拓くとともに、21世紀の新たな発展基盤を築く革新性の高い独創的な技術開発に関する研究を、民間等において研究活動に携わる者等から提案公募の形式により幅広く募り、優秀な課題を選定し、より革新的かつ、実用的な技術への育成を図る。 2,615百万円 1,740百万円
文部科学省 科学技術振興機構 独創的シーズ展開事業 大学・公的研究機関等の独創的な研究成果(シーズ)について、研究成果の実用化に向けて展開(大学発ベンチャーの創出や技術移転の促進)を図るため、課題の技術フェーズに応じた研究開発を競争的環境下で実施し、研究成果の社会還元を促進することにより、社会経済や科学技術の発展、国民生活の向上に寄与する。 9,479百万円 9,043百万円
文部科学省 科学技術振興機構 産学共同シーズイノベーション化事業 大学・公的研究機関等の基礎研究に潜在するシーズ候補を産業界の視点で見出す機会を設け、シーズを顕在化させることを目的とした産学共同でのFS研究(注3)を実施する。また、顕在化したシーズについて、イノベーションの創出に資する目的で、産学共同による研究(マッチングファンド形式)(注4)を実施する。 1,400百万円 1,800百万円
文部科学省 科学技術振興機構 重点地域研究開発推進プログラム 研究成果活用プラザ及びJSTサテライトを拠点として、大学等の研究成果活用のため、地域における新産業の創出に資するコーディネート活動、事業化に向けた共同研究等を展開する。 5,973百万円 8,273百万円
文部科学省 科学技術振興機構 地域結集型研究開発プログラム等 地域として企業化の必要性の高い分野の個別的研究開発課題を集中的に取り扱う産学官の共同研究事業。大学等の基礎的研究により創出された技術シーズを基にした試作品の開発等、新技術・新産業の創出に資する企業化に向けた研究開発を実施する。 4,147百万円 3,479百万円
文部科学省小計 358,408百万円 368,881百万円
厚生労働省 本省 厚生労働科学研究費補助金 厚生科学研究を行なう大学や国立・民間の試験研究機関に所属する研究者を交付対象とする補助金。研究は4分野18研究に分類されるとともに、採択された研究課題を支援するため、若手研究者育成活用事業などを公益法人において実施することにより、総合的な研究の推進に努力する。 39,789百万円 40,871百万円
厚生労働省 医薬基盤研究所 保健医療分野における基礎研究推進事業 最近の保健医療分野における科学技術の高度化に伴う基礎的研究の重要性の増大にかんがみ、大学等のシーズを基に、国民の健康の保持増進に寄与する医薬品等の研究開発を推進するため、医薬基盤研究所への運営費交付金制度により、当該技術に関する基礎的研究を推進する。 7,498百万円 7,498百万円
厚生労働省小計 47,287百万円 48,370百万円
農林水産省 農業・食品産業技術総合研究機構 新技術・新分野創出のための基礎研究推進事業 食料自給率の向上や地球規模での食料不足の解決などに向け、新しい発想に立って生物機能を高度に活用した新技術・新分野を創出するため、独立行政法人、大学、民間等からの提案公募による基礎的・独創的な研究を推進する。 4,788百万円 4,677百万円
農林水産省 農業・食品産業技術総合研究機構 生物系産業創出のための異分野融合研究支援事業 バイオ等生物系先端技術により新産業の創出、企業化を促進するため、産学官の連携により、異分野の研究者が共同して行う研究開発を通じて、画期的な技術開発を実施するとともに、独創的な着想、研究シーズを生かしてバイオベンチャー創出を目指す独法、民間企業等の研究者に対し、起業化に向けた研究開発支援を推進する。 2,337百万円 2,285百万円
農林水産省 本省 先端技術を活用した農林水産研究高度化事業 生産及びこれに関連する流通、加工等の現場に密着した農林水産分野の研究開発を提案公募により推進する。 4,872百万円 5,220百万円
農林水産省 本省 産学官連携による食料産業等活性化のための新技術開発事業 農林水産・食品産業分野における新産業・新事業の創出や、直面する諸課題や政策課題の解決に資するため、民間企業等が大学・独立行政法人等の公的研究機関の有する技術シーズを活用して、これらの機関と連携して行う研究開発を推進する。 988百万円 661百万円
農林水産省小計 12,985百万円 12,843百万円
経済産業省 新エネルギー・産業技術総合開発機構 産業技術研究助成事業 産業技術力強化の観点から、産業界のニーズや社会のニーズに応(こた)える産業技術シーズの発掘や産業技術人材の育成を図るため、技術領域・課題を提示した上で、大学、独立行政法人等の若手研究者から研究開発テーマを募集し、厳正な外部評価により独創的かつ革新的な研究テーマを選定し、研究者個人に助成金を交付する。 6,549百万円 5,892百万円
経済産業省 新エネルギー・産業技術総合開発機構 イノベーション実用化助成事業(※平成18年度 大学発事業創出実用化研究開発事業) 大学の研究成果を活用して産学が連携して実施する実用化を目指した研究開発に対し、企業側が研究資金を拠出すること、事業計画が明確であること等を要件として、必要な資金の一部をマッチング補助する。 3,383百万円 8,675百万円
経済産業省 本省 地域新生コンソーシアム研究開発事業 大学等の技術力を活用した、地域における産学官の強固な共同研究体制(地域新生コンソーシアム)を組織し、実用化を念頭においた高度な研究開発を実施する。 16,292百万円 9,918百万円
経済産業省 本省 革新的実用原子力技術開発事業 提案公募方式により、安全性・経済性を向上させる独創的・革新的な実用技術開発課題を発掘し、原子力発電及び核燃料サイクルの安全性・経済性を向上させるための技術開発を実施する。 1,900百万円 902百万円
経済産業省 石油天然ガス・金属鉱物資源機構 石油・天然ガス開発・利用促進型事業 石油・天然ガスの探鉱開発等に関する技術課題のうち、基礎〜応用段階における独創的・革新的な技術課題について研究開発を公募により実施する。 2,392百万円 1,204百万円
経済産業省小計 30,516百万円 26,592百万円
国土交通省 本省 建設技術研究開発助成制度 建設分野の技術革新を推進していくため、国土交通省の所掌する建設技術の高度化及び国際競争力の強化、国土交通省が実施する研究開発の一層の推進等に資する技術研究開発に関する提案を研究者から広く公募する。 400百万円 400百万円
国土交通省 鉄道建設・運輸施設整備支援機構 運輸分野における基礎的研究推進制度 研究者の自由な発想に基づき独創的で革新的な研究テーマを公募することにより、交通機関の安全・環境保全性や交通サービスの高度化などに寄与する全く新しい技術の確立を目的とする。 429百万円 404百万円
国土交通省小計 829百万円 804百万円
環境省 本省 地球環境研究総合推進費 地球環境問題が人類の生存基盤に深刻かつ重大な影響を及ぼすことにかんがみ、様々な分野における研究者の総力を結集して、学際的、国際的な観点から総合的に調査研究を推進し、もって地球環境の保全に資することを目的とする。 3,256百万円 2,960百万円
環境省 本省 環境技術開発等推進費 持続可能な21世紀社会の構築、環境と経済の好循環に向けて、環境分野の研究・技術開発は重要な要素の一つであり、広く産学官などの英知を活用した研究開発の提案を募り、優秀な提案に対して研究開発を支援することにより、環境研究・技術開発の推進を図る。 881百万円 881百万円
環境省 本省 廃棄物処理等科学研究費補助金 廃棄物に係る諸問題の解決を目的とし、排出の抑制・再生利用等による廃棄物の減量化と、循環型社会の構築に資する廃棄物適正処理に関する研究及び技術開発を、競争的資金の活用により推進する。 1,300百万円 1,261百万円
環境省 本省 地球温暖化対策技術開発事業 エネルギー起源のCO2(二酸化炭素)排出抑制のための省エネルギー対策・代替エネルギー対策技術を対象として、効果的な対策技術の開発・実用化を推進するため、技術開発を実施する能力と体制を備えた主体から幅広く提案を募り、CO2(二酸化炭素)排出削減を図るための基盤的な技術開発を行う。 2,716百万円 3,302百万円
環境省小計 8,153百万円 8,404百万円
合計     470,078百万円 476,569百万円

  • 各積算欄と合計欄の数字は、四捨五入の関係で一致しないことがある。
  • (注2)ピア・レビュー:専門分野の近い研究者による審査
  • (注3)FS(フィージビリティ・スタディ):実現可能性を検証するための試験及び調査
  • (注4)マッチングファンド方式:企業などから提供される資金を上限として、大学等の負担する経費を助成する仕組み

(2)組織における競争的環境の醸成

(大学における基盤的資金と競争的資金の有効な組合せ)

 我が国の大学においては、基盤的資金が教育研究の基盤となる組織の存立(人材の確保、教育研究環境の整備等)を支えることに重要な役割を果たすとともに、競争的資金が多様な優れた研究計画や教育プログラムを支援するという体制が構築されている。
 このように、基盤的資金と競争的資金はそれぞれ固有の機能を持ち、重要な役割を果たしていることを踏まえ、文部科学省では、国立大学法人運営費交付金や私学助成等の基盤的経費の確保に努めつつ、競争的資金の拡充を目指すなど、政府研究開発投資全体の拡充を図る中で、基盤的資金と競争的資金の有効な組合せを検討している。

(3)競争的資金に係る制度改革の推進

 総合科学技術会議では、平成19年6月に、基本政策推進専門調査会において、競争的資金等の研究資金の使用・分配・評価を含む更なる制度改革の推進方策を取りまとめた。具体的には、イノベーションの種となる基礎研究の多様性・継続性の確保と出口につなぐシームレスな仕組みの構築、若手・女性研究者に魅力的な研究環境づくり、ハイリスクでインパクトのある研究や独創的な研究の強化及び裾野(すその)を広げる仕組み、評価体制の強化、研究資金の効果が最大になる公正・透明で効率的な配分・使用システムの確立等を挙げており、制度改善の実施状況のフォローアップを行うこととしている。

(公正で透明性の高い審査体制の確立)

 競争的資金の配分に当たっては、申請内容と実施能力を重視した公正で透明性の高い研究課題の審査が不可欠であり、各制度においては、審査業務の合理化を図りつつ、審査員の増員、研究計画書の充実、審査基準の見直し、多様な分野からの審査員の登用等の改革を推し進めている。具体的な取組として、厚生労働省所管の厚生労働科学研究費補助金では、国立研究機関等にそれらの業務を移管する際には、評価委員会委員の選定基準の明確化等のために留意すべき事項を示すなどして、公正で透明性の高い審査体制の確立のための取組を推進している。

(審査結果のフィードバック)

 競争的資金に係る各制度において、審査結果が研究者に適切にフィードバックされるよう、その詳細な開示を推進している。具体的な取組として、審査の結果、不採択だった場合にも審査委員のコメントを連絡する取組を、平成19年度には37制度中29制度が実施するなど、引き続き審査結果の開示を推進している。

(配分機関の機能強化)

 競争的資金の資金配分機関においては、プログラムオフィサー、プログラムディレクターを配置するとともに、その活動を支援するための調査分析機能や、審査・交付・管理等に係る実務機能の充実・強化を図り、体制整備を行っている。文部科学省所管の資金配分機関である日本学術振興会においては、学術システム研究センターをおき、学術振興方策に関する調査・研究等を行うことで、同振興会の活動支援を行っている。科学技術振興機構においても、研究開発戦略センターをおき、重点的に推進すべき研究領域等の企画・立案を行っている。厚生労働省所管の厚生労働科学研究費補助金では、学術的知見等を生かした評価や研究企画、研究費配分事務等を行うために、国立研究機関等にそれらの業務の移管を進めているところである。

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