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第1部 第3章 第4節 2 大学等の研究成果の社会還元の促進(多様な産学官連携の促進)

 科学技術によるイノベーション創出のためには、独創的な研究の成果として生み出されたイノベーションのシーズを、実用化に向けて産業界に確実につなげていく段階も、非常に重要な意味を持つ。大学等においてイノベーションのシーズとなるような優れた研究結果を出したとしても、その成果を、迅速かつ適切に知的財産として保護した形で民間に技術移転することができないのでは、競争に打ち勝つためのイノベーションにつながらないためである。
 これまで、大学等の努力やそれを支える制度改正、国による支援等により、各大学等の知的財産体制整備は着実に進展してきた。その結果、企業と大学等との共同研究や受託研究が着実に増加し、大学等からの特許出願件数や実施件数が増加し、その中で優れた成功事例も生み出されている(第1−3−7図)

第1−3−7図 大学等における共同研究実施件数等の推移

共同研究件数

受託研究件数

特許出願件数

特許実施件数

 一方、共同研究における1件当たりの受入額について見ると、平成13年度から約200万円で推移しており、必ずしも大規模な共同研究が増加していない(第1−3−8図)。また、平成15年度から平成18年度における特許出願件数の累計に対する特許実施件数の累計を見ると1割程度に過ぎず、特許の利用がそれほど進んでいない状況にあり、質の高い特許を出願して戦略的に権利取得することが今後の課題となっている。
 さらに、国際的な産学官連携の状況を見ると「産学連携等実施状況調査(平成18年度実績)」によれば、大学等の共同研究と受託研究のうち外国企業とのものは極めて少なく、件数、金額ともに全体に占める割合は1パーセント未満である(第1−3−9図)

第1−3−8図 国立大学等における共同研究の伸び率・1件当たりの規模

国立大学等における共同研究の伸び率

1件当たりの受入額実績

第1−3−9図 大学等における外国企業との共同研究等実績

○共同研究実績

  全体件数 うち外国企業 割合 全体金額 うち外国企業 割合
15年度 9,255件 15件 0.16パーセント 21,620,823千円 64,383千円 0.30パーセント
16年度 10,728件 32件 0.30パーセント 26,375,829千円 100,678千円 0.38パーセント
17年度 13,020件 51件 0.39パーセント 32,343,275千円 272,693千円 0.84パーセント
18年度 14,757件 83件 0.56パーセント 36,843,149千円 361,456千円 0.98パーセント

○受託研究実績

  全体件数 うち外国企業 割合 全体金額 うち外国企業 割合
15年度 13,786件 45件 0.33パーセント 85,904,359千円 748,395千円 0.87パーセント
16年度 15,236件 39件 0.26パーセント 101,227,322千円 117,412千円 0.12パーセント
17年度 16,960件 41件 0.24パーセント 126,479,747千円 181,234千円 0.14パーセント
18年度 18,045件 73件 0.40パーセント 142,035,360千円 306,127千円 0.22パーセント

 今後とも、科学技術によるイノベーションの創出のためには、大学等の知的財産を確保しつつ、国際的な産学官連携体制の強化や国公私立大学間連携等による地域の多様な知的財産活動体制を構築する必要がある。このため、大学等の活動としては実施のリスクが高く、かつ、国として政策的観点から積極的に促進すべき活動を重点的に支援することが重要である。また、産学官連携の専門知識や実務経験を有した産学官連携コーディネーターを大学等のニーズに応じて配置し、大学等から、産業界、地域社会に対し知識の移転、研究成果の社会還元を果たす取組についても重点的に支援する必要がある。さらに、ライフサイエンス分野におけるiPS細胞研究のような最先端の研究に対しては、研究段階から知的財産の活用を見据えた産学官連携活動を迅速に対応していく必要がある。

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