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第1部 第2章 第1節 6 知的財産権の保護と国際標準化に関する取組の強化

(1)知的財産権の保護に関する取組の強化

 現在、企業活動のグローバル化等に対応して、知的財産権保護のグローバル化が進んでいる。このため、諸外国においては、知的財産権制度の国際調和等を目的として、特許制度の改正が進められているところである。
 米国においては、現在、特許制度の国際調和の推進等を目的として、先発明主義から先願主義への移行や外国からの出願の先願権の制限規定の撤廃などを内容とする特許法改正法案が上下院に提出されている(2007年9月下院本会議を通過、上院は審議中)。
 欧州においては、すべての言語による原語出願を認める等、出願人の権利を強化することなどを内容とする改正欧州特許条約「EPC2000」が2007年12月に発効している。
 さらに、中国においては、新規性判断における世界公知公用の採用(現行法では、中国国内において公開使用されていなければ保護される)などを内容とする専利法改正の作業が進展している。

(2)国際標準化に関する取組の強化

 イノベーションの成果を市場に結び付けていくための出口戦略への観点から見ると、製品・サービス等の規格等がどのようなものとなっているかが、競争の帰趨(きすう)を決定する極めて重要なものであることは言うまでもない。
 1995年に世界貿易機関(WTO)(注1)の「貿易の技術的障害に関する協定(TBT協定)(注2)」の発効を受け、WTO加盟各国は国際規格や政府の技術基準を原則、国際標準に整合させることが求められている。
 欧州では、古くから国際標準化機構(ISO)(注3)、国際電気標準会議(IEC)(注4)等におけるデジュール標準(de jure standard)(注5)の獲得を通じて、戦略的な市場の囲い込みを行ってきた。
 また、伝統的にデファクト標準(de facto standard)(注6)重視であった米国においても、TBT協定の発効後はデジュール標準重視に方向を転換し、ISO等における国際標準の獲得を抜本的に強化している。米国は2004年3月に定めた「標準化イニシアティブ」に基づき、諸外国の基準認証政策による貿易障害への対応を主眼として、中国等の在外公館への基準認証アタッシェの配置の強化等の取組を推進している。
 さらに、中国は、2006年2月に定めた「国家中期科学技術発展規画綱要」に基づき知的財産権戦略と技術標準戦略の実施を「重要施策及び措置」として位置付け、中国標準の国際標準化の推進、並びに標準制定と科学研究・開発・設計・製造の一体化等を含む国際標準化活動の強化を図っている。これまでもISO、IECに対して無線LANに関する規格であるWAPI(注7)、情報家電ネットワーク規格であるIGRS(注8)などの提案を行っている。
 なお、2006年度においては、ISO加盟国について国際標準化活動を含む政府の標準化関係予算のGDP比率を試算すると、我が国を1とした場合、ドイツが我が国と同程度、米国が約4倍,中国が約7倍となっている(第1−2−13表)

  • (注1)World Trade Organization(世界貿易機関)
  • (注2)Agreement on Technical Barriers To Trade(貿易の技術的障害に関する協定)
  • (注3)International Organization for Standardization(国際標準化機構)
  • (注4)International Electrotechnical Commission(国際電気標準会議)
  • (注5)デジュール標準(de jure standard):`de jure`はラテン語の「法律上で正式の」を意味する。ISO、IEC等の公的な機関で明文化され公開された手続によって作成された標準。
  • (注6)デファクト標準(de facto standard):`de facto`はラテン語の「事実上の」を意味する。実質的に国際市場で採用しているいわゆる「世界標準」。法的根拠はないが市場での競争力で勝ち抜いた標準。
  • (注7)Wireless LAN Authentication and Privacy Infrastructure
  • (注8)Intelligent Grouping and Resource Sharing

第1−2−13表 諸外国における標準化予算(試算)

国名 FY2006標準化予算 各国標準化予算の各国GDP比率を日本の標準化予算の対GDP比率で除して算出したもの(倍数:日本を1とする)(注9)
韓国 4,243百万円 11.55
中国 8,118百万円 7.23
アメリカ 22,280百万円 3.82
フランス 1,974百万円 2.02
ドイツ 1,344百万円 1.03
日本 2,102百万円 1.00

  • (注9)各国GDPは、内閣府「海外経済データ(2005年)」(平成18年11月より)
  • 資料:経済産業省

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