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第1部 第1章 3 原材料の高騰と技術のコモディティ化

 我が国の経済は、海外から原材料を輸入し、付加価値のある製品を輸出することで外貨を獲得し、その外貨を基に更に原材料を輸入するという加工貿易に大きく依存してきた。
 このため、近年の原油価格等の原材料の高騰やいわゆる技術の「コモディティ化」(注1)現象は、我が国が従来から維持してきた国際競争力の前提を揺るがす可能性がある。

(1)原材料の高騰

 原油価格は、2007年に過去最高の水準を更新し続け、2008年に入ってもその高騰は持続している(第1−1−13図、第1−1−14図)。また、世界の穀物価格が、国際的な指標とされているシカゴ相場をはじめとして高騰し、物価に影響が広がり始めている(第1−1−14図)。このような原材料の高騰の背景として、BRICs諸国をはじめとする世界経済の持続的成長が大きな要因として指摘されており、原材料の多くを輸入に頼る我が国経済に大きな影響を与える可能性がある。

第1−1−13図 近年の原油価格推移


図は、NYMEX(ニューヨーク・マーカンタイル取引所)で取引される米国産ウエスト・テキサス・インターミディエート(WTI)価格を示す。

  • 資料:石油天然ガス・金属鉱物資源機構

第1−1−14図 米国シカゴ市場における大豆価格の推移

  • 資料:国連食糧農業機関(FAO)「Food Outlook」

(2)技術のコモディティ化

 近年、多くの製品において、短期間で技術の汎用化が進む技術の「コモディティ化」と呼ばれる現象が進行している。このような現象は、従来我が国が得意としていた情報機器、家電等が、特にアジア諸国の企業が市場に参画してきたことにより、急速に製品が低価格化し陳腐化していることを如実に表すものである(第1−1−15図)
 例えば、かつて我が国企業が多くのシェアを獲得していた液晶テレビにおいては、韓国のサムスン(注2)のみならず、2002年には米国のベンチャー企業であるビジオ(注3)が急速にそのシェアを伸ばし、わずか数年のうちに世界的企業に成長した。このような現象は、今後、我が国企業の収益等に大きな影響を与えることが想定される。

  • (注2)サムスン:SAMSUNG
  • (注3)ビジオ:VIZIO, Inc.

第1−1−15図 DVDプレーヤーの国内出荷数量と平均出荷単価の推移

  • 注)2003年に若干の上昇が見られるのは新たに登場したDVD-HDレコーダの統計が含まれるため
  • 資料:経済産業省「情報家電産業の収益力増強に向けた道筋」(平成16年10月)

(3)知的財産権の重要性の高まり

 現在、IT産業、バイオ産業などは、例えば自動車産業のような従来型の製造業に比べて製品を構成する特許が比較的少なく、製品の製造自体が比較的容易であることから、特に知的財産権の保護がその死活を握る産業が大きく発展している。
 これらの新たな産業の登場に伴い、例えば、バイオ分野における遺伝子組換え生物やコンピュータソフトウェアなど新たな分野の特許が生じた。さらに、米国においては、医療の手法やビジネスモデルなども特許として保護されるようになっている。
 さらに、前述のような経済活動や知的労働のグローバル化に伴い、特許が生み出された国だけでなく、複数の国において申請を行うなどの知的財産権保護のグローバル化が進んでおり、国際的には、特許制度の国際調和に向けた制度改正が進展している。
 このため、新興国の台頭に対抗していく観点も含め、新たな技術を生み出すだけではなく、いかにその適切な保護を図っていくかがこれまで以上に重要となっている。

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