第1章 研究費

第6節■我が国の組織別研究費

 次に、我が国の研究費の状況について、総務省により実施された平成18年「科学技術研究調査」をもとに、使用組織別(注1)に述べることとする。

(企業等(注2))

  • (注2)法人である会社(昭和49年度以前は資本金100万円以上、昭和50年度以降昭和53年度までは300万円以上、昭和54年度以降平成5年度までは500万円以上、平成6年度以降は1,000万円以上のもの)及び営業を主たる業務とする特殊法人・独立行政法人をいう。企業等に含まれる特殊法人・独立行政法人は、以下の公的機関に含まれる研究専門のものを除く。

 平成17年度に研究を実施した企業等は約1万8,000社で、産業別で見ると、製造業が75.7パーセントと大部分を占めている。製造業の中では、金属製品工業、機械工業、化学工業などの割合が大きい。
 平成17年度における企業等の研究費は、対前年度比で7.4パーセント増の12兆7,458億円で、我が国の研究費総額の71.4パーセントを占めている。
 研究費の負担源については企業等の負担が大部分を占めており、政府の負担は1.2パーセントと非常に少ない。
 また、企業等から特殊法人・独立行政法人を除いた企業の研究費を資本金階級別に見ると、資本金100億円以上の企業が71.5パーセントを占めており、研究費は大企業に集中している。前年度からの伸び率を見ると、資本金1〜10億円未満の企業が2.3パーセントとなったほかは7パーセント以上の伸び率となっている(第2-1-24表)

第2-1-24表 企業の資本金別研究費の伸び率と構成比

(非営利団体(注3))

  • (注3)財団法人、社会法人等、研究を行うことを目的とする民間の営利を目的としない法人、団体等をいう。

 非営利団体の平成17年度における研究費の負担源について見ると、政府負担と民間負担がほぼ等しくなっている。また、研究費総額は、対前年度比で3.7パーセント増の3,098億円で、我が国の研究費総額の1.7パーセントを占めている(第2-1-25図)

(公的機関(注4))

  • (注4)国営、公営の研究機関及び研究開発を主たる業務とする特殊法人・独立行政法人をいう。

 公的機関の平成17年度における研究費の負担源について見ると、政府が大部分を負担しており、民間の負担は1.0パーセントと非常に少ない。
 また、公的機関の研究費総額は、対前年度比で7.7パーセント減の1兆3,822億円で、我が国の研究費総額の7.7パーセントを占めている。機関別に見ると、前年度に比べ、非営利団体で微増したほかはすべて減少した(第2-1-25図)

第2-1-25図 非営利団体・公的機関の研究費の推移

(大学等(注5))

  • (注5)大学の学部(大学院の研究科を含む)、短期大学、高等専門学校、大学附置研究所、大学共同利用機関、独立行政法人大学評価・学位授与機構、独立行政法人国立大学財務・経営センター及び独立行政法人メディア教育開発センターをいう。

 大学等の平成17年度における研究費の負担源について見ると、政府負担が約5割となっている。また、大学等の研究費総額は、対前年度比で4.1パーセント増の3兆4,074億円で、我が国の研究費総額の19.1パーセントを占めている。
 国公私立別、自然科学部門での学問分野別に研究費の推移を見ると、国公私立別では公立大学、私立大学が前年度に比べ引き続き増加しているほか、平成15年より減少していた国立大学で増加に転じている。また、学問分野別では、前年度に比べ、平成15年度より減少していた工学及び前年度に減少に転じた理学がともに増加に転じ、すべての分野で増加となった(第2-1-26図)

第2-1-26図 大学等の研究費の推移

前のページへ

次のページへ