第1章 研究費

第1節■研究費総額

(主要国の研究費の推移)

 研究費(注1)の数量的国際比較について、各国がOECDのフラスカティ・マニュアルに沿って測定した研究費を比較すると、米国が最も大きく、IMF為替レート換算で33.8兆円(OECD購買力平価換算では41.8兆円)、次いでEU-25がIMF為替レート換算で26.1兆円(OECD購買力平価換算では29.6兆円)、そして日本が17.8兆円(専従換算値では16.7兆円)で続いている(第2-1-3図)

  • (注1)研究費の定義:総務省統計局「科学技術研究調査」では、「研究」を「事物・機能・現象などについて新しい知識を得るために、又は、既存の知識の新しい活用の道を開くために行われる創造的な努力及び探求をいう」と定義しており、この活動に係るすべての支出(人件費、原材料費、有形固定資産購入費等)が研究費とされる。

第2-1-3図 主要国等の研究費の推移

(研究費の実質の伸び)

 主要国等について、実質研究費を算出し、その伸びについて比較する。この10年程度の動向を見ると、主要国では米国、日本、ドイツ(注2)で伸びが大きくなっているほか、中国、韓国が驚異的な伸びを見せている。我が国は、民間企業の研究開発投資の拡充等を反映し、1995年度(平成7年度)から11年連続で増加している(第2-1-4図)

  • (注2)ドイツ:第1章及び第2章におけるドイツとは、1990年度(平成2年度)までは旧西ドイツのことであり、1991年度(平成3年度)以降は統一ドイツのことである。また第3章におけるドイツは、1990年までは、西ドイツと東ドイツを足し合わせたものである。

第2-1-4図 2000年度を100とした主要国等の実質研究費の推移

(研究費の対国内総生産比)

 国全体の研究開発投資の水準を示す研究費の国内総生産(GDP)に対する比率を見ると、1990年代に入って主要国各国で比率の低下が見られたが、我が国や米国においては1995年度(平成7年度)から、ヨーロッパ諸国においてもやや遅れて増加に転じている。また、我が国は依然として主要国中で最高水準を維持しており、平成17年度における研究費の対GDP比は3.55パーセント(専従換算では3.31パーセント)となっている(第2-1-5図)

第2-1-5図 主要国等における研究費の対国内総生産(GDP)比の推移

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