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2.公的研究機関から産業への技術移転の環境整備

 「知的財産立国」の実現を目指し、平成14年に「知的財産基本法」が制定され、同法に基づき策定された「知的財産推進計画」の実現に向けた種々の取組が政府全体で進められている。
 公的研究機関は、機関及び研究者がその研究内容や研究成果を社会に対して説明する責任があることを明確にするとともに、研究者の業績評価として研究論文と並んで知的財産を重視することが必要である。現在、各公的研究機関では、基本計画の提言に沿って、特許等の原則機関帰属への転換が進められている。また、国立試験研究機関と民間機関との共同研究によって得られた特許の民間機関への優先的実施権の付与件数は、年々増加している。
 文部科学省では、大学における特許等の研究成果の原則個人帰属から原則機関帰属への移行を踏まえ、大学から生まれる特許等知的財産の管理・活用を戦略的にマネジメントできる体制を整備するため、平成15年度から、大学知的財産本部整備事業(43件を選定)を開始し、支援に努めている(第3-3-7図)。また、科学技術振興機構においては、大学などの研究成果の戦略的な外国特許取得を進めるために、関連費用の支援(技術移転支援センター)を行っている。
 さらに、「大学等における技術に関する研究成果の民間事業者への移転の促進に関する法律」(平成10年法律第52号)に基づき、平成18年3月末現在で41のTLOが承認を受けており、平成17年3月までの特許実施許諾件数は1,863件となっている。(第3-3-8表、第3-3-9図)。
 経済産業省では、TLOに対する支援として、「大学等における技術に関する研究成果の民間事業者への移転の促進に関する法律」の施行を受けて、平成11年より補助金の交付を行い、TLOの活動を支えるとともに、海外出願がTLOにとって大きな負担になっている現状を踏まえ、平成15年度より同補助金を拡充し、海外出願にかかる経費に対する補助を開始した。
 また、大学が自らの判断の下、適切な範囲で営業秘密管理を行い、大学研究成果が産業界に円滑に技術移転されるよう、「大学における営業秘密管理指針作成のためのガイドライン」を策定し、大学関係者に周知を図っている。
 また、国立大学法人法(平成15年法律第112号)において、国立大学法人の業務として「研究成果の普及とその活用の促進」が位置付けられるとともに、承認TLOへ出資することが知的財産サイクルの好循環と研究成果の社会還元の一層の促進が図られるものとして可能になった。これを受け、平成18年3月、新潟大学は、承認TLO(株式会社新潟ティーエルオー)に対し行う出資が認められたところである。

第3-3-7図「大学知的財産本部整備事業」の実施機関地域別分布図

第3-3-8表承認・認定TLO(全41機関)

第3-3-9図承認TLOの特許出願件数及びロイヤリティ収入の推移

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