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第2節■総合科学技術会議

 総合科学技術会議(第3-1-2図、第3-1-3表)は、平成13年1月の設置以来、議長たる内閣総理大臣の出席の下、原則毎月1回開催(平成18年3月末までに計53回開催)している。

第3-1-2図総合科学技術会議の組織図

第3-1-3表総合科学技術会議議長及び議員(平成18年3月末時点)

(1)平成18年度科学技術関係予算の改革
 平成18年度は第3期科学技術基本計画の初年度であり、同計画に掲げられる科学技術創造立国実現のための諸目標の達成に向け、選択と集中の徹底など科学技術関係予算の改革を進め、第3期科学技術基本計画期間の初年度にふさわしい予算とすべく、取組を推進した。

●優先順位付け(SABC等)の厳格な実施と改善
 平成18年度予算編成において、科学技術政策担当大臣及び有識者議員は、外部専門家の協力を得て、関係府省が概算要求した施策についての優先順位付け(SABCの4段階)を行うとともに、科学技術関係概算要求全体の過半を占める独立行政法人等について、その科学技術関係の主たる業務に対する見解等を取りまとめた(平成17年10月18日)。優先順位付けの結果は次のとおり。

  S: 24項目(12パーセント)[特に重要な施策であり、積極的に実施すべきもの]
A: 72項目(37パーセント)[重要な施策であり、着実に実施すべきもの]
B: 78項目(40パーセント)[問題点等を解決し、効果的、効率的な実施が求められるもの]
C: 19項目(10パーセント)[研究内容、計画、推進体制等の見直しが求められるもの]

 なお、金額比率では、S:28パーセント、A:34パーセント、B:35パーセント、C:3パーセントとなっている。
 また、「平成18年度科学技術関係予算の編成に向けて」について取りまとめ、内閣総理大臣及び関係大臣に意見具申を行った(平成17年11月28日)。
 平成18年度予算においては、一般歳出全体が厳しく抑制される中、科学技術の振興は「明日への投資」であるとの認識の下、科学技術振興費については対前年度比1.1パーセント増となっている。なお、科学技術振興費以外の経費も含めた科学技術関係予算の総額は、同0.1パーセント減となっている。

●独立行政法人、国立大学法人等の科学技術関係活動の把握・所見とりまとめについて
 総合科学技術会議では、予算編成段階では内容把握に限界がある運営費交付金で主に活動している独立行政法人、国立大学法人の科学技術関係活動を把握するため、法人のアウトプットである論文数等各種指標等を調査・分析し、科学技術基本計画との整合性等について所見を述べる「独立行政法人、国立大学法人等の科学技術活動の把握・所見とりまとめ」を平成17年度より新たに実施した。

●科学技術連携施策群の推進
 国家的・社会的に重要で、府省の連携の下に推進すべき八つのテーマ(1ポストゲノム-健康科学の推進-、2新興・再興感染症、3ユビキタスネットワーク-電子タグ技術等の展開-、4次世代ロボット-共通プラットフォーム技術の確立-、5バイオマス利活用、6水素利用/燃料電池、7ナノバイオテクノロジー、8地域科学技術クラスター)について、関係府省の縦割りによる弊害の排除、連携の強化を図る新たな手法として科学技術連携施策群を推進した。

●競争的資金の改革の徹底及び重点的拡充
 創造的な研究開発活動を展開していくため、競争的な研究開発環境を整備することが必要である。このため、競争的資金の効果を最大限に発揮するための制度改革の徹底に引き続き取り組むとともに、研究開発の不合理な重複や過度の集中を避ける等、一層効果的な配分を推進しつつ、拡充を図った。この結果、平成18年度予算において、競争的資金は4,701億円(対前年度0.6パーセント増)となった。

(2)科学技術に関する予算、人材等の資源配分の方針
 総合科学技術会議は、基本計画、分野別推進戦略(後述)等を踏まえて、次年度における科学技術に関する施策のうち、特に重点的に推進すべき事項等について内閣総理大臣に意見を述べ、その上で、次年度の重要な施策、資源配分に関する考え方を明らかにし、関係大臣に示すこととされている。さらに、総合科学技術会議において示された考え方を踏まえた資源配分が行われるよう、必要に応じて予算編成過程において財政当局との連携を図ることとされている。

●平成18年度の科学技術に関する予算、人材等の資源配分の方針の決定・意見具申[平成17年6月16日]
 平成18年度においては、第3期基本計画の初年度であることから、1社会・国民に支持され、成果を還元する科学技術、2第3期科学技術基本計画の理念と政策目標、3人材育成と競争的環境の重要性-モノから人へ、機関における個人の重視-といった方向性に従い、選択と集中を徹底しつつ戦略的重点化を図ることとした。
 具体的には、1科学技術の戦略的重点化(基礎研究の推進、政策課題に対応した研究開発の重点化等)、2科学技術システム改革の推進、3社会・国民に支持される科学技術等について重視すべき方針を示した。

(3)平成17年度における総合科学技術会議の主な取組

●重点分野における推進方策の検討

 平成13年度において、基本計画が定める重点化戦略に基づき、ライフサイエンス、情報通信、環境、ナノテクノロジー・材料、エネルギー、製造技術、社会基盤及びフロンティアの8分野について「分野別推進戦略」を作成した(第3-1-4図)。この分野別推進戦略に基づき施策を推進している(第3部第2章第2節参照)。

第3-1-4図分野別推進戦略のポイント(平成13年9月21日)

●ナノテクノロジー・材料分野の推進
 ナノテクノロジー・材料分野の研究開発及び産業化推進のため、「ナノテクノロジー・材料分野の産業発掘の推進について」(平成15年7月23日意見具申)に基づき、府省「連携プロジェクト」として「革新的構造材料の建設市場への活用」のプロジェクトを実施している。また、ナノテクノロジーとバイオテクノロジーの融合技術の研究開発は、「科学技術連携施策群」ナノバイオテクノロジーに位置付けし直して推進している。

●評価
1大規模新規研究開発の評価のフォローアップ(平成17年8月4日)
 平成15年度に実施した大規模新規研究開発の評価のフォローアップ(ゲノムネットワーク研究、南極地域観測事業、アルマ計画、先端計測分析技術・機器開発事業、第3次がん10か年総合戦略に基づく研究開発)を行い、改善点等について関係省に提示した。

2研究開発の中間評価実施状況の把握(平成17年9月1日)
 平成17年度予算が10億円以上の継続中の研究開発について、科学技術政策担当大臣及び有識者議員が各府省の中間評価の実施状況を把握し、その結果、昨年度の調査結果との比較において、中間評価の実施件数の増加と長期間評価が未実施の件数の減少が見られるなど、昨年度に続き、各府省等における積極的な取組状況がうかがわれた。今後も各府省等が、研究開発課題、研究開発施策の目的、内容等に応じた中間評価を適切な時期に実施するように指摘した。

3総合科学技術会議が自ら実施する国家的に重要な研究開発の評価の枠組みの改定(平成17年10月18日)
 従来の大規模新規研究開発の事前評価に加えて、新たに中間評価・事後評価・追跡評価を行うことを決定した。

4大規模新規研究開発の評価(平成17年11月28日意見具申)
 平成18年度から新たに実施予定の大規模研究開発(国費総額約300億円以上)3件(最先端・高性能汎用スーパーコンピュータの開発利用、X線自由電子レーザーの開発・共用、戦略的基盤技術高度化支援事業)について、総合科学技術会議が事前評価を行い、評価結果を関係大臣に意見具申した。

●知的財産戦略
  「知的財産戦略について」(平成17年5月31日意見具申)
 大学等における知的財産権の積極的活用の在り方等について、関係大臣に意見具申した。また、平成17年6月に知的財産戦略本部が取りまとめた「知的財産推進計画2005」に反映された(第3部第3章第6節4参照)。

●科学技術関係人材の育成・確保
  「科学技術関係人材の育成と活用について」(平成16年7月23日意見具申)
 世界水準の研究成果とその活用を推進するため、必要な科学者・技術者及び専門家の育成・確保について調査・検討を行い、関係大臣に意見具申した。本報告においては、1国際的にリーダーシップを発揮できるような人材の育成、世界的に高水準の高等教育と多様性や創造性を伸ばしてゆける初等中等教育、3斬新な価値を創造できる研究教育の環境の実現等が必要としている(第3部第3章第4節参照)。

●生命倫理への対応
  「ヒト胚の取扱いに関する基本的考え方」(平成16年7月23日意見具申)
 「ヒトに関するクローン技術等の規制に関する法律」附則第2条に基づき、ヒト胚の取扱いに関する基本的考え方について調査・検討を行い、関係大臣に意見具申した。本報告においては、ヒト胚を損なう取扱いは原則禁止としつつ、人の健康と福祉に関する幸福追求の要請に応えるためには、ヒト胚を損なう取扱いであるとしても、例外的に認めざるをえない場合があるとのヒト胚の取扱いに関する社会規範を示した(第3部第2章第2節1(2)参照)。

●宇宙開発利用の推進
  「我が国における宇宙開発利用の基本戦略」(平成16年9月9日意見具申)
 昨今の宇宙開発利用を取り巻く国内外の状況変化を踏まえ、国家戦略技術としての重要性、総合的な安全保障への貢献、地球・人類の持続的発展等を宇宙開発利用の意義として意見具申した。また、本報告では、我が国が必要な時に独自に衛星等を打ち上げる能力を将来にわたって維持するとともに、信頼性の確保を最重視し、基盤技術を強化する基本方針の下、宇宙開発利用を推進することとしている(第3部第2章第2節8参照)。

●安全に資する科学技術の推進
 近年、大規模災害、各種テロ、凶悪犯罪、新興・再興感染症等、国民を脅かす様々な事態が多数発生しており、我が国の危機管理体制を強化し、安全な社会を構築することが喫緊の国家的課題となっている。このため、重点分野推進戦略専門調査会の下に、平成16年10月に安全に資する科学技術推進プロジェクトチームを設置し、国民が安心して生活をおくることができる安全な社会を構築するための科学技術について調査・検討を行い、平成17年4月に「安全に資する科学技術のあり方(中間報告)」及び平成17年10月に「安全に資する科学技術のあり方(第2期報告)」を取りまとめた。

●科学技術振興調整費
 科学技術振興調整費は、総合科学技術会議が定める方針に基づき、各府省の施策の先鞭(べん)となる施策に取り組むなど科学技術システム改革を推進するための競争的資金である。平成17年度には、特に科学技術振興調整費による緊急研究開発等として、「スマトラ島沖大地震及びインド洋津波被害に関する緊急調査研究」(平成17年3月23日)、「アスベストによる健康障害対策に関する緊急調査研究」(平成17年11月2日)、「新型インフルエンザ・ワクチンの生産に関する緊急調査研究」(平成17年11月24日)、「2005-06冬期豪雪による雪害対策に関する緊急調査研究」(平成18年1月31日)の4課題を指定した(第3部第3章第1節1(5)参照)。

(4)第3期科学技術基本計画の策定に向けた取組

●第2期科学技術基本計画のフォローアップ
  「科学技術基本計画(平成13年度〜17年度)に基づく科学技術政策の進捗状況」(平成16年5月26日意見具申)
 第2期科学技術基本計画に基づき、基本計画に掲げる施策の実施状況について、平成13年度から平成15年度までの3年間に実施された施策の実施状況を中心に詳細なフォローアップを行い、併せて今後取り組むべき基本的課題を取りまとめた。
 また、平成15〜16年度の科学技術振興調整費により、第1期及び第2期科学技術基本計画のフォローアップとして「基本計画の達成効果の評価のための調査」を科学技術政策研究所において実施した(平成17年3月公表)。

●第3期科学技術基本計画の策定
 総合科学技術会議は、科学技術基本計画の基となる、科学技術に関する基本政策を取りまとめることとされており、平成18年度からの5か年を対象とする第3期科学技術基本計画の策定に資するため、平成16年10月に、基本政策専門調査会を設置した。本調査会は、研究者のみならず、国際政治、安全保障、経済、財政、法律、企業経営など幅広い分野の有識者により構成されている。平成16年12月には内閣総理大臣から諮問「科学技術に関する基本政策について」を受け、科学技術に関する基本的な政策についての調査・検討を進め、翌平成17年12月27日に答申を行った。この答申を受け、平成18年3月28日に第3期科学技術基本計画が閣議決定された。また同日、基本計画が定める重点化戦略に基づき、ライフサイエンス、情報通信、環境、ナノテクノロジー・材料、エネルギー、ものづくり技術、社会基盤、フロンティアの8分野について「分野別推進戦略」を決定した。


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