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むすび

 これまで述べてきたように、少子高齢化の進行はこれからの我が国社会の様々な側面に影響を及ぼす問題であり、国際競争が激化する中でこの問題に対応していくことは我が国にとって大きな課題であるが、一方、人口減少という大きな転換期に直面した今こそ、これを未来社会に向けた挑戦の機会ととらえ積極的に対応することにより、新たな社会を切り拓(ひら)くこともできるといえよう。
 そのためには、一方で進む地球環境問題や資源・エネルギーの制約などの状況も踏まえ、これまで人口の増加を前提に築き上げられてきた社会の様々なシステムを見直し、少子高齢社会に対応した豊かさを実現していくことが求められる。
 このような社会とは、一人一人が能力を高め、社会での活躍が可能になることで経済活力を維持し、自己実現を通じた人々の幸福を実現するとともに、みんなで働き支え合うことにより社会としての負担を可能な限り軽減する社会、また、仕事と生活のバランスをとりつつ、家庭生活や趣味、地域活動にも生涯を通じた自分の時間を振り向けることのできる、心豊かな社会である。
 このような社会の実現のためには、各種の社会制度や人々の考え方など、様々な要素が関係し、社会全体での幅広い取組が必要であるが、人口減少の中で、豊かな社会の基盤となる経済活力を維持・向上していく力の源泉は技術開発であり、科学技術の進歩による新たな知の創出とそれを源泉とするイノベーションの実現をはじめとして、科学技術の果たすべき役割は大きい。また、健康、安全・安心の実現といった社会の要請にも科学技術は応えていくことが必要である。
 また、今後は社会のあらゆる面に一層科学技術の影響が及ぶことが予想され、科学技術が社会の要請に的確に応えていけるようにするためにも、科学技術に対する幅広い人々の理解・共感・支持を得ていくことが求められる。こうした環境の中からこそ、科学技術を支える幅広い人材が生まれ、育っていくことが期待され、また、世界の優秀な人材が集まり切磋琢磨(せっさたくま)する魅力的な研究環境が醸成されることにもつながる。さらにはその中から人類共通の課題解決に向けた知見が生み出されることも期待できよう。
 今年度はまさに、「社会・国民に支持され、成果を還元する科学技術」「人材育成と競争的環境の重視」を基本姿勢とする第3期科学技術基本計画の初年度に当たる。今後我が国は、科学技術創造立国を目指し、選択と集中による研究開発投資の戦略的重点化を進めつつ同計画を着実に実行していくことはもとより、科学技術の振興を通じて、豊かで活力ある社会を築くとともに、知の創造と活用により、人類共通の課題解決に向けて世界に貢献していくことが求められる。


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