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はじめに

 我が国においては、少子高齢化が急速に進行しており、これに伴い平成17年には、総人口が前年を下回ったと推計されている。太平洋戦争の影響による減少を除いては、明治以降ほぼ一貫して増加してきた我が国の人口は減少に転じ、今後も長期的に減少と高齢化の進行が続くと予測されている。このことは、我が国の社会経済に様々な影響を与えるものと考えられ、我が国の社会は今、大きな転換期を迎えている。
 少子高齢化の影響については従来様々な方面から指摘され、特に、その要因の一つである出生率の低下への対応については、少子化の流れを変えるための各種の対策が講じられており、子どもを生み育てにくい社会の状況を変えるという意味でも、また、余りにも急激な人口構造の変化を避けるためにも、今後一層強力な取組が求められる。
 一方で、近い将来出生率が上昇に転じたとしても、その効果が現れるには時間がかかり、当面は我が国の高齢化と人口減少は避けがたいものといわざるをえない。このため、人口減少・少子高齢化が進む社会において、いかに社会の活力を維持し、人々の豊かな生活を実現していくかという課題への対応を進める必要がある。
 世界に目を転じると、世界全体の人口は増加が予測されているものの、主要先進国やアジアの諸国を中心に、人口減少に転じる国も多いことが予測されており、我が国は、人口減少・少子高齢化という課題に世界に先んじて取り組むことになる。
 その際、同時に進行する環境問題や、食糧問題、エネルギー問題、資源問題などの地球規模の問題も視野に入れつつ、環境と経済の両立を図り人類社会の持続的発展を実現するという観点から取り組む必要がある。ここでは、資源の大量使用・大量生産・大量消費を前提とした社会の在り方を見直し、新たな豊かさを追求していくことが求められる。
 このような大きな課題について、科学技術はどう関わっていけるのであろうか。
 これまで科学技術は、原理の発見など新たな知を生み出すとともに、多種多様な技術の開発の成果により、人類に多くのものを提供してきた。高齢化の要因である平均寿命の伸長も、人類の願いをかなえることに科学技術が貢献した一つの成果でもある。
 また一方、科学技術の発展に伴い人類の活動が拡大したことにより、環境問題をはじめとする地球規模の新たな課題が生じてきたことも事実である。
 近年の科学技術の発展に伴い、その影響は一層社会の隅々に及び、人々の日常生活も科学技術との関わりなくしてはありえない。科学技術と社会との関わりは、ますます密接になっており、今後の科学技術は、社会・国民に支持され、成果を還元することを最も重視していく必要がある。
 少子高齢化という我が国社会が直面している課題について、もとより科学技術のみでできることは限られるが、解決に向けて、科学技術も重要な一翼を担いうるはずである。
 科学技術の振興に関する年次報告第1部では、毎年、科学技術活動の動向について、テーマを定めて紹介している。科学技術と社会との関係については、平成15年度において幅広く取り上げたが、今年度は、我が国の人口が減少に転じるという大きな転換期にあたり、少子高齢化の問題を通じて、科学技術が社会において果たすべき役割について分析・紹介することとした。


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