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2.第3期科学技術基本計画の目指すもの

 以下、第3期基本計画に掲げられた具体的な施策の概要を述べる。

(1)科学技術の戦略的重点化

●基礎研究の推進
 多様な知と革新をもたらす基礎研究については、一定の資源を確保して着実に進める。基礎研究には、人文・社会科学を含め、新しい知を生み続ける重厚な知的蓄積(多様性の苗床)の形成を目指して行われる研究者の自由な発想に基づく研究と、経済・社会の変革につながる革新的な知識の創出や将来の応用を目指して政策に基づき行われる研究があり、それぞれ、意義を踏まえて推進する。

●政策課題対応型研究開発における重点化
 第2期基本計画において重点的な資源配分がなされた重点4分野については、三つの基本理念への寄与度の大きさ等から第3期基本計画においても「重点推進4分野」として、各分野内での重点化の考えに基づきつつ、引き続き優先的な資源配分を行う。また、国の存立にとって基盤的であり、国として取り組むことが不可欠なエネルギー、ものづくり技術、社会基盤、フロンティア分野を「推進4分野」と位置付け、適切な資源配分を行うこととする。
 また、各分野において、政策目標の実現のために重要な研究開発課題を精査するために、新興領域・融合領域への対応や、政策目標との関係を明確にしつつ「分野別推進戦略」を策定する。分野別推進戦略の策定に当たっては、基本計画期間中に予算を重点配分する研究開発課題を更に一定の考え方に基づいて絞り込む必要がある。そこで、総合科学技術会議は、安全・安心を脅かす大規模自然災害等の社会的課題を早急に解決するもの、国際的な科学技術競争を勝ち抜くため必要とされるもの、国家的な大規模プロジェクトとして基本計画期間中に集中的に投資すべき基幹技術(「国家基幹技術」という。)の、三つの視点から、基本計画期間中に重点投資する対象を「戦略重点科学技術」として選定し、分野別推進戦略に位置付ける。

(2)科学技術システム改革

●人材の育成、確保、活躍の促進
 我が国の科学技術の将来や、国際競争力の強化を担う人材を育成するために、若手、女性、外国人や高齢研究者などの多様多才な人材が最大限意欲と能力を発揮できる環境を形成するとともに、大学院教育の抜本的強化等を通じて、大学における人材育成機能の強化、産学連携や研究開発成果の社会還元を担う人材の育成を図り、初等中等教育段階から研究者・技術者まで、一貫した総合的な人材育成施策を講じることにより、少子高齢化が進展する中で、人材の質と量を確保する。

●科学の発展と絶えざるイノベーションの創出
 研究開発の成果を、イノベーションの創出により社会的・経済的価値として発現させるとともに、科学の発展によって知的・文化的価値を創出するために、科学技術に関する資源を効果的に機能させ、社会・国民に成果を還元する科学技術を目指す。そのために、競争的環境を醸成し、大学の競争力を強化するとともに、イノベーションを生み出すシステムの強化等を推進する。また、研究開発を効果的・効率的に進めるため、研究費配分における無駄の徹底排除や、評価システムの改革に取り組むとともに、円滑な科学技術活動と成果還元に向けた制度・運用上の隘(あい)路(ろ)の解消に取り組む。

●科学技術振興のための基盤の強化
 優れた人材の育成や創造的・先端的な研究開発を推進するために、研究開発活動全般の基盤となる大学・公的研究機関等の施設・設備の整備を促進する。また、世界最高水準の成果の創出のために、先端大型共用研究設備の整備・共用の促進が求められる。さらに、独創的かつ革新的な研究開発成果を社会・国民に還元していくため、知的財産の創造、保護、活用に関する取組を推進する。

●国際活動の戦略的推進
 科学技術の国際活動を戦略的に推進するために、二国間、多国間の枠組みにおける多層的なネットワークの形成や共同開発等を推進するとともに、アジア諸国との科学技術の連携を強化する。また、国際活動強化のための環境整備を進め、優れた外国人研究者の受入れや活躍の促進を図る。

(3)社会・国民に支持される科学技術
 科学技術活動が今後とも発展を図るためには、広く社会・国民の支持を集めることが不可欠である。そのため、研究者コミュニティ、研究機関、研究者など様々なレベル・主体がそれぞれの役割を担い、社会・国民から信頼が得られるように、以下の施策を推進する。
 実験データの捏(ねつ)造のような科学技術及びこれに関わる者に対する信頼性を傷つける研究上の不正の問題や、ヒトに関するクローン技術等の生命倫理問題のように、科学技術が法や倫理を含む社会的な側面に与える影響が大きくなっていることを考慮して、科学技術を担う者が従うべきルールの策定を促進するとともに、科学技術の成果が社会に還元された際のリスク管理を合理的に行うための取組を支援する。
 また、科学技術の成果を国民へ還元するとともに、研究機関・研究者等は研究活動を出来るだけ開示し、研究内容や成果を社会に対して分かりやすく説明することをその基本的責務とする。国民のニーズを研究者等が共有するため、研究者等と国民の対話を推進する。加えて、国民の科学技術に関する関心を高めるため、初等中等教育段階における理数教育を充実するとともに、成人の科学技術に関する知識や能力の向上のために科学技術に関する知識・技術・物の見方を分かりやすく文書化したものを策定して広く普及する。また、幼少期から高齢者まで広く国民が科学技術に触れる機会を拡充するため、科学館・博物館等の充実を図る。

(4)人口減少・少子高齢化への対応
 第3期基本計画においては、人口減少・少子高齢化に伴い、経済面及び社会保障への国民負担や国民の健康面など、様々な新たな社会的課題がもたらされることに関して、安定的な経済成長を実現するために生産性の絶えざる向上が必要であること、生活面の安全性や安心感、心の豊かさが強く求められていることなどを踏まえ、少子高齢化の急速な進展により大きく変化する社会にどのように寄与していくのかが科学技術に求められているとしている。
 人口減少・少子高齢化を乗り越えて持続的な発展を可能にするには、国力の源泉としての科学技術に取り組むことが不可欠であるとし、子どもから高齢者まで国民を悩ます病を克服し、だれもが生涯元気に暮らせる社会を実現することなどを政策目標として掲げており、こうした政策目標を達成することにより科学技術が世界・社会・国民への貢献を強めるとしている。

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