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3.知的探究心にこたえ、知的価値を創造する科学技術

 宇宙、地球、生命といった人類未到のフロンティアからもたらされる新たな知識、発見は、我が国のみならず世界の人々の真理を知りたいという知的探求心にこたえ、人類共有の知的資産の形成に寄与するものである。
 人類の知的探究心は飽きるところを知らない。人類の活動範囲、好奇心の対象は、他の生物に類を見ない範囲に及んでいる。地上のみならず、海を渡り、空を飛び、宇宙まで活動範囲を拡大した。それを牽(けん)引(いん)してきたのはもっと知りたいという人類の泉のごとくわき出る知的探究心である。

●宇宙の謎を探る「はやぶさ」
 「はやぶさ」の使命は、小惑星からの試料を採取し、太陽系誕生の謎を探ることである。「はやぶさ」は人類の宇宙への探求心の一つの結晶である。
 平成15年に打ち上げられた小惑星探査機「はやぶさ」は、平成17年11月に地球から約3億キロメートル離れた小惑星「イトカワ」に着陸した。小惑星は惑星が誕生するころの記録を比較的よくとどめている化石のような天体である。この小惑星から試料を持ち帰る技術が確立されれば、「惑星をつくるもとになった材料がどんなものか」「惑星が誕生するころの太陽系星雲内の様子はどうか」についての手がかりが得られると期待されている(第1-2-48図)。

第1-2-48図小惑星探査機「はやぶさ」

●地球深部探査船「ちきゅう」
 地球の内部はどうなっているのだろうか。飽くことのない人類の探求心を満たすのが、我が国の開発した地球深部探査船「ちきゅう」である。巨大地震はプレート境界面で発生するため、地震のメカニズムを知るためにはプレート境界面の構造を調べる必要がある。「ちきゅう」によって初めて、海溝型の巨大地震発生帯への調査やマントル到達などが期待できる。
 「ちきゅう」は、地球生命の始まりにも迫る。最初の生命は高温・高圧・無酸素の原始地球で誕生した。今の地球でも地下奥深くには原始地球に類似した環境が残っているからである。また、「ちきゅう」が掘った穴に地震観測装置を埋め込み、地震発生と同時にその情報をすばやく伝える地震観測ネットワークシステムを構築することにより、今後発生が予想される巨大地震による都市防災に対して大きく貢献することが期待される(第1-2-49図、50図)。

第1-2-49図「ちきゅう」

第1-2-50図「ちきゅう」とプレート境界

●衛星情報による古代エジプト遺跡の探査
 科学技術は古代文明の解明にも活用されている。現在、古代エジプトのピラミッドのすべてが見つかっているわけではなく、未発見、未解明のピラミッドがエジプトにはまだまだ数多くあるといわれている。地球数百キロメートル上空の宇宙を周回している地球観測衛星からの地球表面の情報を解析し、既に発掘済みのピラミッドの所在地の共通項を見つけ、まだ発見されていないピラミッドの場所を絞り込む活動が実施されている。また、この衛星情報により、密林や砂漠の下に埋もれた古代の都市や遺跡の検知や古い時代の環境調査が可能となってきた。
 ピラミッドの立地とナイル川の水位変動の関係を解析すると、ほとんどのピラミッドが建造時における石材運搬などが容易な氾濫汀(てい)線(せん)に面して分布しており、それは氾濫の影響を受けない海抜の土地につくられていることが分かった。未発見のピラミッドはその地域に点在している可能性が高く、発掘地域の絞り込みができ新たな発見につながっていく。これも、衛星画像測定技術の成果の一つである(第1-2-51図)。

第1-2-51図エジプト周辺の衛星写真とピラミッドの分布

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