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第2節■我が国が取り組むべき課題と科学技術の役割

要旨
 少子高齢化の急速な進展は、我が国社会に大きくかつ幅広い影響を与え、科学技術創造立国を支える人材についても、不足が懸念される。
 少子化の流れを変え、急激な人口構造の変化を緩和する取組が重要であるが、一方、当面避けられない人口減少・少子高齢化に対応するための新たな社会システムを構築することが求められる。
 人口構造の変化に対応し、年齢や性別等にかかわらず一人一人が生活とのバランスをとりつつ、社会に参画できる社会の実現、経済の活性化、心豊かな社会の構築といったそれぞれの課題に科学技術が貢献することが期待される。
 また、科学技術と社会の関わりが深まる中で、人々の科学技術に対する関心、共感、信頼を醸成するとともに、科学技術を支える人材の確保、質の向上に向けた総合的な人材育成策と多様な人材が活躍できる環境の整備が求められる。

1.少子高齢化の進展による影響

●社会への影響
 第1節で見たとおり、我が国の人口は今後長期的に減少し、少子高齢化が急速に進むことが予測されている。こうした人口構造の変化は、我が国の社会に大きくかつ幅広い影響を与えるものと考えられる。
 まず、人口に占める高齢者人口の比率が高まり、高齢者1人当たり生産年齢人口(15〜64歳人口)は、平成16年現在3.4であるものが、2050年には1.5となり、年金・医療・介護などの社会保障負担の増大が懸念される。また、労働力人口(働く意思のある15歳以上の人口)は平成10年を境に既に減少に転じており、今後も減少し続けることが予測されている。また、目前の2007年には、これまでの我が国の経済成長を支え、社会の様々な側面に大きな影響を与えてきた団塊の世代(昭和22〜24年生まれ)が60歳に差し掛かり、以後、労働市場から徐々に退出していくことが予測されている。人口構造から見た我が国の社会は、これまでと全く変わった姿となることが予想される(第1-1-4図)。
 また、道路、空港、港湾等の社会資本ストックについては、人口減少により一人当たりの社会資本ストックが増え、ゆとりが生じるとの見方もあるが、高度経済成長期に形成された社会資本が今後十数年で更新期を迎えることなどから、維持管理・更新投資が大幅に増加すると見込まれている。
 地域社会に目を転じると、これまで高齢化は主に地方において進展してきたが、今後は都市部においても高齢化が進展するものと予測されている。既に高齢化の進んだ地方での地域社会の活力の維持、今後都市とその近郊で多くの高齢者が退職し地域社会に戻ることに伴い、都市の機能や高齢者と地域との関わり方などが変化していくことも考えられる。

●科学技術への影響
 人口構造の変化は、科学技術創造立国を支える人材の確保という観点からも大きな影響を与えることが懸念される。人口の高齢化に伴い、専門的・技術的職業従事者に占める中高年齢層の比率の上昇が進んでおり、今後もこの傾向が続くものと思われる。また、上記の2007年の問題は、特に科学技術分野における技術者・技能者の人材不足や技術・技能の継承の点で影響が大きいものと考えられている。
 我が国の科学技術の力を維持・強化していくためには、活力と創造性ある若い世代の科学技術分野への参入を確保していくことが不可欠であるにもかかわらず、今後少子化が進行する中で、若者世代の科学技術への関心の低下が続くと、科学技術関係人材について質の面でも量の面でも不足するという事態が懸念される。

第1-1-4図我が国の人口の年齢構成の変化

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