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第3部   科学技術の振興に関して講じた施策
第3章 科学技術システムの改革
第5節 科学技術活動についての社会とのチャンネルの構築
1.  科学技術に対する学習の振興


 我が国では,青少年をはじめとした国民の科学技術離れが指摘されている。このような状況を改善し,次代を担う青少年の科学技術に対する興味・関心を高めるとともに,質の高い科学技術系人材の養成につなげていくことが極めて重要である。


(1) 初等中等教育における理科教育及び産業教育の振興

 我が国のこれまでの社会経済の発展は,科学技術に支えられてきたところが大きいが,その中で理科教育及び産業教育の果たしてきた役割は極めて大きく,その一層の充実に努める必要がある。

 初等中等教育における理科教育については,観察・実験,課題学習等の主体的な探究活動,問題解決的な学習を重視,児童生徒の科学的な見方や考え方の育成が図られるよう,その充実に努めている。

 文部科学省では,平成14年度から,科学技術・理科教育に関連する施策を総合的・一体的に推進する「科学技術・理科大好きプラン」を実施している。具体的には,高等学校等において,独立行政法人科学技術振興機構と連携しつつ,理科・数学に重点を置いたカリキュラムの研究開発等を行う「スーパーサイエンスハイスクール」,大学,研究機関等と教育現場との連携等を推進し,児童生徒が科学技術に触れる機会や教員研修の充実を図る「サイエンス・パートナーシップ・プログラム」等の取組を実施している。このほか,研究機関等で開発された最新の研究成果等を活用した科学技術・理科教育用デジタル教材の開発と,それを学校等に提供するためのシステムの研究開発,学校における実験用機器をはじめとした理科教育設備の計画的な整備・充実等の取組を進めている。さらに,小・中学校において観察・実験を重視し,児童生徒の知的好奇心や探究心を高める取組を行う「科学技術・理科教育推進モデル事業(理科大好きスクール)」等の取組を推進している。

サイエンス・パートナーシップ・プログラム 連携プログラム 教育連携講座  「正12面体の対称性」(兵庫教育大学)正12面体に内接する星型の製作の様子

サイエンス・パートナーシップ・プログラム 連携プログラム 教育連携講座  「生活を支える科学技術の体験」(福岡教育大学)医薬品合成実験の様子

 一方,産業教育についても,産業社会の進展等に適切に対応する観点から,実践的・体験的な学習の一層の充実を図っており,その趣旨が実現するよう,新産業技術に関する指導者養成のための研修会等の開催や,新学習指導要領に沿った高等学校の産業教育施設・設備の計画的な整備・充実を進めている。さらに,平成15年度からは,将来のスペシャリストの育成等を図るため,先端的な技術・技能を取り入れた教育等を行っている学校を指定する「目指せスペシャリスト」を新たに実施している。

 都道府県教育委員会等においては,研究者や技術者などで教員免許状を持たないが優れた知識や経験等を有する者を特別非常勤講師として活用し,児童生徒が専門家から直接学習する機会を支援している。

 また,教科指導に,より専門的な知識・技能を有する中学校や高等学校の教員が小学校の理科などの教科を指導できるようにするなど専科指導の充実を図っている。


(2) 高等教育

 大学においては,近年の未曾有の科学技術の進歩によって,学生が取得すべき科学的な基礎知識の内容も大きく変化しており,例えば,遺伝子工学等の生命科学や地球環境問題など倫理的な判断を必要とする問題も増えている。このため,科学技術の分野を専門としていない学生にも,自然科学に関する知識とともにそれに基づく広い視野からの判断力を養うことが必要である。また,科学技術の分野を選考する学生に対しても,その専攻分野に限定されない広い科学的知識と判断力を身に付けさせることが不可欠となっている。

 このような観点から,教養教育の充実を通して,学生の幅広い視野からの判断力のかん養等に努めることが重要である。各大学においては,例えば,学際的・総合的な内容の科目や少人数セミナー形式の科目,インターンシップやボランティア活動を取り入れた授業科目の開設等の積極的な取組が行われており,文部科学省においては,これらの取組を積極的に支援している。


(3) 国民の科学技術に対する理解の増進

 大学等における科学技術に関する公開講座の実施や,科学技術に関する授業を開講している放送大学の充実・整備を図るなど,科学技術の理解増進に資する施策を実施している。また,青少年や一般社会人を対象として,最新の研究動向等を普及啓発するシンポジウムや学術講演会の開催の支援を行っている。小・中学校及び大学,専修学校等において,週末に教室や様々な施設を開放し,子どもたちを対象として,科学実験教室等の事業を実施したほか,科学系博物館の機能の充実と有効利用の促進を図るため,博物館と学校,関係機関等が連携協力して,多様な事業をモデル的に実施し,その成果を全国に普及する事業を行うとともに,学芸員等博物館職員の資質向上を図るため,自然科学系博物館等に勤務する学芸員等を対象とした専門研修を行っている。

 独立行政法人国立科学博物館では,青少年等を対象とした科学教室や実験講座など,科学技術等の理解を深める教育普及活動を行っている。また,最新の情報技術を用いた解説システムにより展示を紹介する新館II期展示の整備を進めている。

 独立行政法人科学技術振興機構は,映像や参加体験型の展示等を駆使し,難解で分かりにくいと考えられがちな最先端の科学技術を分かりやすく紹介するとともに,科学技術に関する理解等を増進するための情報発信,独創的なアイデアを発想し得る研究者の交流等のための総合拠点として,「日本科学未来館」の運営を行っている。

国立科学博物館事業:子どもの土曜教室「化石のレプリカを作ろう」

 また,科学館と地域の学校等が連携した科学技術・理科教育活動の支援や最先端の科学技術を身近に感じ体験できる新たな展示手法の開発に取り組むとともに,科学館等における展示物が青少年にとって魅力的なものになるよう,広くアイデアを募集し,試作・展示する事業を実施した。さらに,青少年が科学館や学校において,最先端の情報技術(IT)とものづくり技術の融合体であるロボットや実験を通じ,ものづくりや科学技術の楽しさ,面白さを体験し,学習できる学習メニューの開発の支援を行っている。


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