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第3部   科学技術の振興に関して講じた施策
第3章 科学技術システムの改革
第3節 地域における科学技術の振興
2.  様々な地域科学技術振興施策


 地域における科学技術の振興を図るため,関係府省で様々な施策等が講じられている( 第3-3-19表 )。以下,その主なものを紹介する。

第3-3-19表 地域科学技術の振興に関する主要な施策


(1) 研究制度等

 地域のニーズや特性を生かした基礎的・先導的研究開発を展開するため,産学官の連携・交流を促進することが重要であることから,多様な研究制度を整備するとともに,研究開発のコーディネート機能を強化する必要がある。そのため,各府省において次の研究制度等を実施している。

{1}総務省

 平成9年度から,通信,放送分野における研究開発成果である基礎的な要素技術を組み合わせ,より高度な機能を持つ電気通信システムとして実現するため,地方公共団体等が整備・提供する研究フィールドで研究開発を行う「研究成果展開事業」(マルチメディア・パイロットタウン構想)を展開している。

 また,通信・放送機構が,高齢者の自立・社会参加を支援するため,地方公共団体等の協力を得て,福祉分野において求められる高度な機能を持つ情報通信システムを実現するための研究開発を実施している。

 また,平成10年度から,地域における研究開発力の向上,地場産業の振興を図ることを目的として,地域のニーズに応じた研究開発課題を地域の産学官の研究共同体に公募し,委託研究を行う地域提案型研究開発制度を実施している。

{2}文部科学省

 平成13年度より科学技術振興調整費を活用して当該地域の特性を生かし,かつ,科学技術の複数の分野に係る境界的又は融合的な研究開発を行う必要のある領域を対象とした研究開発を「地域の特性を生かした先導的な研究開発」として「先導的研究等の推進」の中に設定しており,平成15年度には4課題を実施している。

 さらに,独立行政法人科学技術振興機構では,国が定めた重点研究領域の中から,地域が目指す特定の研究開発目標に向けて,研究ポテンシャルを有する地域の大学,国公立試験研究機関,研究開発型企業等が結集して共同研究を行うことにより,新技術・新産業の創出に資することを目指す地域結集型共同研究事業や,都道府県が地域のコーディネート活動の拠点整備するにあたり,独立行政法人科学技術振興機構が科学技術コーディネータを委嘱し,その活動を支援するもので,大学等の研究成果を育成し,新技術・新産業の創出を促進する地域研究開発促進拠点支援(RSP( ))事業を実施している。

 海洋科学技術センターでは,沿岸環境・利用の研究開発を地域の協力を得ながら,実施している。


■注 RSP:Regional Science Promotion Program

{3}農林水産省

 農業生産の現場に直結する技術開発を推進するため,現地実証ほ場を設置した大規模かつ総合的な研究を行う地域基幹農業技術体系化促進研究を実施した。

 また,産学官の連携によりバイオテクノロジー等先端技術の効率的な実用化研究を行う先端技術等地域実用化研究促進事業を実施し,平成12年度からはミレニアム・プロジェクトの一環として,生活習慣病を予防し得る機能性作物,化学農薬に代替する生物農薬等の実現を目指した新事業創出研究開発事業を実施している。さらに平成14年度からは,地域のイニシアティブの下で,現場に密着した農林水産分野の試験研究の迅速な推進を図るため,提案公募型の先端技術を活用した農林水産研究高度化事業を実施している。

{4}経済産業省

 地域のニーズに対応した,あるいは地域の研究開発ポテンシャルを活用した重要な研究開発課題について,独立行政法人産業技術総合研究所を中核とし,公設試験研究機関,民間企業等が一体となって研究開発に取り組む重要地域技術研究開発制度を実施している。

 地域において産学官が共同研究体制(コンソーシアム)を組み,国立試験研究機関,大学等が蓄積してきた技術シーズと研究能力を活用しつつ新規産業創造のための技術開発を推進する地域新生コンソーシアム研究開発事業を実施している。

{5}国土交通省

 国際競争力の強化,安全・安心な社会の実現,環境問題への対応などに資する各種研究開発を産学官の連携促進により,積極的に進めることが重要であると考え,第1回国土交通先端技術フォーラムを平成15年2月に開催し,334名が出席した。

 開催にあたっては,地方における産学官の連携促進と研究成果の一層の活用を目指し,関西地区の産学官の関係者と国土交通省及び関連の研究機関が一堂に会し,国土交通省の先進的な研究成果,知的財産等を紹介するとともに,産学官の関係者と国土交通省及び関連研究機関の直接対話を行った。

{6}環境省

 地域においてニーズが高く,地域環境の特性に応じた検討が必要な研究課題について,国立試験研究機関及び独立行政法人試験研究機関と公設試験研究機関との共同研究を行う地域密着型環境研究を実施している。


(2) 研究成果活用プラザにおける技術移転の推進等(重点地域研究開発推進事業)

 独立行政法人科学技術振興機構では,研究成果活用プラザ(全国8か所)において,地域の独創的な研究成果を活用して,産学官の交流,産学官による研究成果の育成を推進し,大学,国公立試験研究機関等の研究者と地域の連携を図り,技術革新による新規事業創出を目指している。


(3) 研究施設の整備

 地域独自の科学技術の振興を図る上で,研究施設等の基盤の整備が重要であることから,次の事業によって研究施設の整備を支援している。

 文部科学省では,地方自治体が行う,地域の特性やポテンシャルを活用した先導的研究に資する基盤施設(地域の研究ポテンシャルの高度化に資する先導・基盤的研究開発施設)の整備事業に対して支援する地域先導科学技術基盤施設の整備を推進している。


(4) 公設試験研究機関の研究開発・技術支援機関としての活動と機能の強化

 地域産学の発展等につながる研究開発,技術支援等について,各府省において公設試験研究開発を対象とした施策が行われている。概要は 第3-3-20表 のとおりである。

第3-3-20表 公設試験研究機関の研究開発・技術支援機関としての活動と機能の強化


(5) 地域間の連携や各種交流

 国と地方公共団体,地域間の連携や各種交流を図るため,次の施策等を講じている。

(財団法人全日本地域研究交流協会における研究交流事業等)

 財団法人全日本地域研究交流協会は,地方公共団体の出えん金拠出により,研究交流をはじめ,地域の科学技術振興を支援することを目的として,平成4年6月に設立されている。先端的研究や基礎的研究に地域が取り組む際の各種研究支援事業や全国規模の研究交流事業が展開されている。

(産業技術連携推進会議)

 産業技術連携推進会議は,鉱工業技術に関する公設試験研究機関相互及び国立試験研究機関との協力体制を強化し,機関相互の試験研究を効果的に推進し,もって産業技術の向上を図ることを目的として,昭和29年に設置されている。本会議の組織は7連合部会,8地域会議,さらに横断的組織の福祉技術部会であり,公設試験研究機関間,国立試験研究機関,公設試験研究機関間の研究協力,研究調整,研究交流及び情報交流等を実施している。


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