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第3部   科学技術の振興に関して講じた施策
第2章 科学技術の重点化戦略
第2節 国家的・社会的課題に対応した研究開発の重点化
6.  製造技術分野


 製造技術分野は,我が国の生命線とも言うべき経済力の源泉であり,世界的にも最高水準にある。今後,これらの技術の一層の高度化を図る必要があり,革新的な技術の開発を行うことが重要である。このような認識に基づき,基本計画においても重点8分野の一つと位置付けられ,分野別推進戦略では,重点領域・項目として,「製造技術革新による競争力強化」,「製造技術の新たな領域開拓」及び「環境負荷最小化技術」の3つの事項が示されるとともに,研究開発目標を達成するための推進方策として,「人材の育成,独創性を発揮しうる環境整備」,「知識基盤,技術・ノウハウの蓄積」,「知的財産権取得のインセンティブ等の取扱」,「研究初期段階からの産学官の連携,役割分担」,「知的基盤の整備,標準化の推進」,「ベンチャービジネス化等,新製品の市場参入支援策」,「経営・ビジネスモデル・科学技術政策上の課題」が定められた。

 一方,製造業の発展を支えるものづくり基盤技術の積極的な振興を図るため,「ものづくり基盤技術振興基本法」(平成11年法律第2号)に基づき,「ものづくり基盤技術基本計画」(平成12年9月)が策定され,その振興に関する施策を総合的かつ計画的に推進を図っているところである(「 第3章第6節6. ものづくりの基盤の整備」参照)。

 基本計画では,高付加価値極限技術,環境負荷最小化技術,製造現場安全確保技術,IT・生物原理に立脚したものづくり技術等の研究開発を積極的に進めている。

 文部科学省においては,次世代の基盤技術の開発等の取組を行っており,例えば,独立行政法人科学技術振興機構では,極微小な光,近接場光を応用した新しい極微細加工技術の確立等を目指した「大津局在フォトンプロジェクト」や,次世代の半導体製造プロセスの基盤技術の確立を目指した「超精密半導体計測技術」等の研究開発が行われている。

 また,独立行政法人理化学研究所では,シミュレーション技術等の各種情報技術の統合を目的に,新たな概念であるボリュームデータ( 注1 )の利用技術に基づく「先端的ITを用いた技術情報統合化システムの構築」の開発を進めるとともに新たな検出技術による最先端の測定技術の確立を目的に,多次元量子検出器を利用した高度な計測技術の開発を行っている。

 経済産業省では,製造現場に存在する技能やノウハウをITの活用により,ソフトウェア化・データベース化等を行う「デジタルマイスタープロジェクト」,国際的な共同研究により新しい生産システムの開発に取り組む「IMS( 注2 )国際共同研究プロジェクト」,次世代ロボットの開発を促進するための取組である「ロボットの開発基盤となるソフトウェア上の基盤整備」,さらに人間の行動を計測・理解蓄積し,個々の人間の行動特性に製品等を適合させることを支援する「人間行動適合型生活環境創出システム技術プロジェクト」等の事業を推進することにより,我が国製造業の国際競争力の維持・強化を図り,我が国経済の活性化を目指すこととしている。

 農林水産省では,高品質な食品等を求める消費者ニーズに対応するため,発酵法による新規機能性成分の生産技術,発酵食品の品質・生産性向上技術の開発,加工適性の向上技術など国産農産物の利用促進に資する技術開発や食品産業における持続的な発展の基盤となる新規分離抽出技術の開発等に取り組んでいる。


■注1 ボリュームデータ:計算機上で物体の内部構造や密度,温度,弾性などの物理的性質を統一的に表現することができるデータ形式


■注2 IMS:Intelligent Manufacturing System


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