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第3部   科学技術の振興に関して講じた施策
第2章 科学技術の重点化戦略
第2節 国家的・社会的課題に対応した研究開発の重点化
3.  環境分野


 環境分野は,多様な生物種を有する生態系を含む自然環境を保全し,人の健康の維持や生活環境の保全を図るとともに,人類の将来的な生存基盤を維持していくために不可欠な分野である。現在,地球環境問題の解決に向けた,科学技術面での取組の必要性が高まってきており,我が国は以下の施策に取り組んでいる。

 また,分野別推進戦略では,環境分野における重点課題として,{1}地球温暖化研究,{2}ゴミゼロ型・資源循環型技術研究,{3}自然共生型流域圏・都市再生技術研究,{4}化学物質リスク総合管理技術研究,{5}地球規模水循環変動研究の5課題を選定し,政府全体として同じ政策目標とその解決に至る道筋を設定したシナリオ主導型の「イニシャティブ」で推進すべきであるとされた。

 さらに,「バイオマス・ニッポン総合戦略」(平成14年12月閣議決定)では,たい肥化や飼料化といった既に実用化されている技術を活用するとともに,廃棄物を含む様々なバイオマスから高付加価値な製品を生産・製造する技術の開発・実用化を支援することとされたところである。

 また,文部科学省では,科学技術・学術審議会研究計画・評価分科会の下に設置されている地球環境科学技術委員会において,平成15年5月に「地球環境科学技術に関する研究開発の推進方策について」(平成14年6月)の見直しを行った。


(1) 地球観測・変動予測をはじめとする地球環境問題解決のための研究

 近年,地球温暖化などの地球的規模での環境問題が顕在化しつつあり,国際的に協力してこれらの問題の解決を図っていくことが強く求められている。2002年(平成14年)8〜9月には,南アフリカのヨハネスブルグで持続可能な開発に関する世界首脳会議(WSSD( 注1 ))が開催され,各国の行動指針である「実施計画」が採択され,我が国は,地球観測などの科学技術の活用を含む持続可能な開発に対する日本の具体的行動を示した「小泉構想」を発表した。

 また,2003年(平成15年)6月のフランスでのG8エビアン・サミットにおける「持続可能な開発のための科学技術」行動計画での合意を踏まえて,G8諸国,中国等の34か国と欧州委員会,ユネスコ等の23の国際機関等が参加して,同年7月に米国ワシントンにおいて第1回地球観測サミットが開催された。同サミットにおいて,地球観測システムの必要性等をうたったサミット宣言が採択され,2004年(平成16年)春の東京での第2回地球観測サミットにおいて地球観測に関する今後10年間の実施計画の枠組みを策定し,その下で,同年末の欧州での第3回地球観測サミットにおいて実施計画を策定することとなった。気候変動枠組条約に関しては,1997年(平成9年)に京都で開催された気候変動枠組条約第3回締約国会議(COP3( 注2 ))において,先進国等における温室効果ガス排出量の削減約束を盛り込んだ「京都議定書」が採択され,我が国は,平成14年6月に「京都議定書」を締結した。2003年12月には,COP9がイタリアで開催され,我が国等の提案により全球気候観測システム(GCOS( 注3 ))の実施計画を今後策定することとなった。


■注1 WSSD:World Summit on Sustainable Development


■注2 COP:Conference of the Parties


■注3 GCOS:Global Climate Observing System

(地球的規模の諸現象の解明に係る研究開発等)

 地球環境問題に関わる現象は,時間的・空間的な広がりを有し,一国のみにとどまらず国境を越えた問題となっている。このため,研究開発を進めるに当たっては,地球的規模でのパートナーシップの確保が極めて重要であり,我が国の研究者が世界気候研究計画(WCRP( 注4 )),地球圏・生物圏国際協同研究計画(IGBP( 注5 ))等の国際的な研究計画に積極的に参加し,海外の研究機関等との共同研究を進めることが重要である。

 また,地球規模の諸現象を解明するためには,地球観測情報の国際的な共有を促進することが重要である。このため,我が国は,平成16年4月に第2回地球観測サミットを開催し,全世界規模の地球観測システムの構築に向けて取り組むほか,地球観測衛星委員会(CEOS( 注6 )),統合地球観測戦略パートナーシップ(IGOS-P( 注7 ))等に積極的に参加し,貢献している。気候変動に関する科学的知見を提供する気候変動に関する政府間パネル(IPCC( 注1 ))では2007年に第4次評価報告書をまとめる予定であり,文部科学省では,「人・自然・地球共生プロジェクト」において,第4次評価報告書に寄与できる精度の高い温暖化予測モデルの開発に取り組んでいる。

 文部科学省では,世界最高水準のスーパーコンピュータ「地球シミュレータ」を活用した精度の高い地球変動予測等の研究開発等を推進している。「地球シミュレータ」は平成14年3月から運用を開始し,同年11月には高性能計算技術分野で最も権威のある「ゴードン・ベル賞」を,また平成15年6月には情報技術分野での多大な貢献が認められ「21世紀の偉業賞」を受賞した。さらに,「地球シミュレータ」を活用した研究開発を推進するため,精度の高い温暖化予測を目指した「温暖化予測『日本モデル』ミッション」及び将来の水資源・水災害の予測を目指した「水循環変動予測ミッション」の2つのミッションからなる「人・自然・地球共生プロジェクト」を平成14年度から実施している。

地球シミュレータ  平成15年6月2日,ワシントンD.C.において「コンピュータワールド表彰プログラム」主催の「21世紀の偉業賞」授賞式が開催された。地球シミュレータセンターは,環境・エネルギー及び農業部門において「21世紀の偉業賞」を受賞した。

地球シミュレータを用いたシミュレーション結果

「21世紀の偉業賞」授賞式

 独立行政法人宇宙航空研究開発機構及び海洋科学技術センターの共同プロジェクト「地球フロンティア研究システム」では,気候変動予測,水循環予測,地球温暖化予測,大気組成変動予測,生態系変動予測,モデル統合化について研究を進めている。また,「地球観測フロンティア研究システム」では,気候変動観測,水循環観測について本格的な観測研究を実施しているほか,ハワイ大学の国際太平洋センター(IPRC( 注2 ))及びアラスカ大学の国際北極圏研究センター(IARC( 注3 ))において,米国との研究協力を進めている。

 独立行政法人科学技術振興機構の戦略的創造研究推進事業では,「地球変動のメカニズム」,「水の循環系モデリングと利用システム」等に関する研究開発を推進している。

 総務省の独立行政法人通信総合研究所においては,日米科学技術協力協定の枠組みの下でアラスカ大学を中心とする米国との国際共同研究として,北極域での地球大気の総合的な観測・計測技術の研究を進めている。

 昭和32年の国際地球観測年を契機に開始された我が国の南極地域観測事業は,文部科学省に「南極地域観測統合推進本部」(本部長:文部科学大臣)を設置し,関係府省の協力を得て,国立極地研究所が中心となって実施している。平成15年度は,第44次観測隊(越冬隊)及び第45次観測隊が,昭和基地を中心に,気象等の定常的な観測や,地球規模での環境変動の解明を目的とするモニタリング研究観測等を実施した。

氷海航行中の南極観測船「しらせ」


■注4 WCRP:World Climate Research Programme


■注5 IGBP:International Geosphere-Biosphere Programme


■注6 CEOS:Committee on Earth Global Observation Satellites


■注7 IGOS:Integrated Global Observing Strategy


■注1 IPCC:Intergovernmental Panel on Climate Change


■注2 IPRC:International Pacific Research Center


■注3 IARC:International Arctic Research Center

(人工衛星による観測に関する技術)

 人工衛星による地球観測は,広範囲にわたる様々な情報を繰り返し,連続的に収集することを可能とするなど,極めて有効な観測手段であり,地球環境問題の解決に向けて,国内外の関係機関と協力しつつ,総合的な推進を行っている。

 独立行政法人通信総合研究所においては,国際宇宙ステーションの日本の実験棟(JEM( 注1 )愛称「きぼう」)のばく露部に搭載される超伝導サブミリ波リム放射サウンダの開発を進めているほか,宇宙からの地球環境変動計測技術に関する検討を行っている。

 独立行政法人宇宙航空研究開発機構においては,平成9年11月に打ち上げられた米国航空宇宙局(NASA)の熱帯降雨観測衛星(TRMM( 注2 ))に搭載されている降雨レーダ(PR( 注3 )),平成14年5月に打ち上げられたNASAの地球観測衛星(Aqua)に搭載されている改良型高性能マイクロ波放射計(AMSR-E( 注1 ))及び平成14年12月に打ち上げられ平成15年10月に運用を断念した環境観測技術衛星(ADEOS-II( 注2 ))「みどりII」などからデータを取得している。これらのデータの利用を図ることが重要であることから,地球観測,災害監視・資源管理などに衛星データの活用を促進するための衛星データの情報システムの整備・運用やデータ相互利用,データ解析・利用研究を関係機関と密接に連携を取りながら推進している。さらに,広く一般に対して地球環境の現状への理解を深めるため,ホームページを利用し衛星データ等を公開している。また,陸域観測技術衛星(ALOS( 注3 ))の開発,温室効果ガス観測技術衛星(GOSAT( 注4 ))の開発研究,全球降水観測計画/二周波降水レーダ(GPM/DPR)などの研究を関係機関との協力の下に進めている。なお,平成15年10月に発生した「みどりII」の運用異常について,原因究明及びその対策に全力で取り組んでいる。

 経済産業省では,NASAの地球観測衛星(Terra)に搭載している資源探査用将来型センサ(ASTER( 注5 ))の運用及びALOSに搭載する次世代合成開口レーダ(PALSAR( 注6 ))の開発を独立行政法人宇宙航空研究開発機構と共同で進めるとともに,同センサ等により取得する観測データの地上処理・解析技術の開発を行っている。

 気象庁では,静止気象衛星(GMS-5)「ひまわり5号」の後継機である運輸多目的衛星(MTSAT( 注7 ))の整備を進めている。

 農林水産省では,NASAの地球観測衛星(Terra,Aqua)に搭載している中分解能分光放射計(MODIS( 注8 ))等から受信した画像データをデータベース化し,インターネット上に提供している。

 環境省では,「みどりII」に搭載したオゾン層等の後継監視センサ(ILAS-II( 注9 ))から取得した貴重な観測データ等を活用して,地球環境の観測,監視及び研究を推進するとともに,GOSATに搭載する温室効果ガス観測センサの開発研究を独立行政法人宇宙航空研究開発機構と共同で進めている。

 また,こうして得られた人工衛星からのデータ利用を図ることが重要であることから,独立行政法人宇宙航空研究開発機構の地球観測利用推進センター等において,地球観測,災害監視・資源管理などに衛星データの活用を促進するための衛星データの情報システムの整備・運用やデータ相互利用,データ解析・利用研究を関係機関と密接に連携を取りながら推進している。さらに,広く一般に対して地球環境の現状への理解を深めるため,ホームページを利用し衛星データ等を公開している。


■注1 JEM:Japanese Experiment Module


■注2 TRMM:Tropical Rainfall Measuring Mission


■注3 PR:Precipitation Radar


■注1 AMSR-E:Advanced Microwave Scanning Radiometer-E


■注2 ADEOS-II:Advanced Earth Observing Satellite-II


■注3 ALOS:Advanced Land Observing Satellite


■注4 GOSAT:Greenhouse Gas Observing Satellite


■注5 ASTER:Advanced Spaceborne Thermal Emission and Reflectance Radiometer


■注6 PALSAR:Phased array type L-band Synthetic Aperture Radar


■注7 MTSAT:Multi-functional Transport Satellite


■注8 MODIS:Moderate Resolution Imaging Spectroradiometer


■注9 ILAS-II:Improved Limb Atomspheric Spectrometer II

(海洋観測技術)

 海洋は,地球表面の約7割を占め,地球的規模の諸現象に大きく関わっており,その果たす役割の解明が重要な課題となっている。このため,海洋科学技術センターでは,中高度トライトンブイの実証試験や次世代型氷海用自動観測ブイ(J-CAD( 注10 ))や洋上プラットフォームなどに搭載可能な生物・化学成分自動観測システム等海洋観測技術の研究開発を推進するとともに,地球温暖化の実態の定量的評価や気候変動予測研究への寄与のため,海洋地球研究船「みらい」を用いて,南半球において高精度で水温や溶存物質の計測等を行う南半球就航航海「BEAGLE2003」を実施した。

 総務省では東シナ海を流れる黒潮の流速場の長期連続観測を行うために,石垣島,与那国島に設置予定の遠距離海洋レーダの開発を進めている。

トライトンブイと海洋地球研究船「みらい」

 文部科学省と国土交通省は,全世界の海洋の状況をリアルタイムで監視・把握するため,海面から水深約2,000mまでの水温・塩分データを観測・通報する中層フロートを国際協力の下,全世界で約3,000個を展開する高度海洋監視システムの構築(ARGO( 注1 )計画)に平成12年度から取り組んでいる。

 また,経済産業省においては太平洋における二酸化炭素の循環メカニズムの調査研究を推進している。

 環境省は,国連環境計画(UNEP( 注2 ))が推進している日本海及び黄海を対象海域とする北西太平洋地域海行動計画(NOWPAP( 注3 ))の一環として,海洋環境の特殊モニタリング手法の一つである人工衛星を利用したリモートセンシング技術の活用について研究を推進している。


■注10 J-CAD:JAMSTEC Compact Arctic Drifter


■注1 ARGO:Array for Real-time Geostrophic Oceanography の略であり,また,Jason衛星による観測と連携することから,ギリシャ神話の英雄Jasonの乗った船Argoにもなぞらえている。


■注2 UNEP:United Nations Environment Programme


■注3 NOWPAP:Northwest Pacific Action Plan

(成層圏プラットフォームの研究開発)

 文部科学省と総務省は,成層圏に滞空させ,搭載する観測センサ,無線局等を用いることにより,地球観測,通信・放送等に利用することを目的とした成層圏プラットフォームの研究開発を実施している。

 現在,関係府省において進められている主な研究課題は 第3-2-4表 のとおりである。

第3-2-4表 地球規模の諸現象の解明・地球科学技術分野の主な研究課題(平成15年度)


(2) 循環型社会構築のための研究

 将来の我が国における経済社会の持続的な発展のためには,資源の投入,廃棄物等の排出を極小化する生産システムの導入のほか,自然循環機能や生物資源の活用等により,資源の有効利用と廃棄物等の発生抑制を行いつつ,資源循環を図る循環型社会構築のための研究開発が不可欠である。

 文部科学省では平成15年度から経済活性化のための研究開発プロジェクト(リーディング・プロジェクト)の一つとして,廃棄物の無害化処理と再資源化を図るとともに,その実用化と普及を目指した影響・安全評価及び社会システム設計に関する研究開発を行う「一般・産業廃棄物・バイオマスの複合処理・再資源化プロジェクト」を産学官の連携により実施している。

 経済産業省では,廃プラスチックの容器包装リサイクル関連技術,金属スクラップの高度リサイクル技術等のリサイクル能力の拡大のための技術開発,高効率廃棄物発電,RDF(固形燃料化した廃棄物)の利用拡大等サーマルリサイクル(廃棄物の焼却熱のエネルギー利用)関連技術開発,都市ごみ焼却灰等のセメント原料としての利用技術開発,廃家電製品,廃自動車等の適正処理・リサイクル技術開発等を積極的に展開している。

 農林水産省では,家畜排せつ物等の革新的な循環・利用技術の開発を実施するとともに,地域のバイオマスを資源として効率よく循環利用していくためのシステム化技術の開発,化石燃料に代替する有機性資源を用いた新エネルギー生産技術の開発を実施している。また,食品リサイクルを進める上でネックとなる分別・運搬に必要な技術の開発に取り組むとともに,高度な利用を進めるために必要な再生・変換技術や,成分・品質評価技術の開発を行っている。

 国土交通省では,各種廃棄物を母体とした土質新材料の開発と港湾施設への適用に関する研究,住宅・社会資本の戦略的ストックマネジメント手法の開発,建設廃棄物の発生抑制・リサイクル技術の開発,資源の循環的な利用を促進する静脈物流システム形成,下水汚泥等のバイオマスエネルギー回収に関する研究等が進められている。

 環境省では,廃棄物処理に伴って発生するダイオキシンなどの有害化学物質の無害化処理技術,プラスチック等の安全なリサイクル技術,最終処分場の適正な管理技術等の研究・開発を行っているほか,廃棄物処理施設やリサイクル施設における微量汚染物質の発生機構の解明・排出制御に関する研究や微量汚染物質のリスクを長期的に制御するための研究を行っている。

 現在,関係府省において進められている主な研究課題は 第3-2-5表 のとおりである。

第3-2-5表 循環型社会構築に関する主な研究課題(平成15年度)


(3) 自然共生型社会構築のための研究・化学物質の総合管理のための研究・その他

(生物多様性に関わる研究開発)

 野生生物の種の絶滅が過去にない速度で進行しているという状況の下,地球上の多様な生物をその生息環境とともに保全し,生物資源の持続可能な利用を行うこと等を目的とした「生物の多様性に関する条約」を受けて,生物の多様性の保全と持続可能な利用を図るための施策を講ずる等,積極的な取組がなされている。また,同条約に基づき,国の施策の基本方針と各種施策を体系的に取りまとめた「生物多様性国家戦略」を,平成14年3月27日,地球環境保全に関する関係閣僚会議において見直した。この中では,自然環境の現状と時系列的変化に関する科学的かつ客観的なデータ収集・整備を目的とした基礎調査や生物の生態学的・分類学的知見の充実,生態系の構造・維持機構の解明等を目的とした基礎的研究を進めることが必要とされている。文部科学省では,生物多様性に関するデータを各国で分散的に集積し,ネットワークを通じて全世界的に利用することを目的とする国際科学協力プロジェクトである地球規模生物多様性情報機構(GBIF( ))への参画を通じて,生物標本等国内資料のデータベース化等を進めている。

 農林水産省では持続的農業推進のための環境負荷低減に関する技術開発,植物の環境ストレス耐性機構の解明,人と野生鳥獣が共存しつつ,農林業被害を軽減する技術等に関する研究開発等が進められている。

 環境省では,遺伝子地図と個体ベースモデルに基づく野生植物の保全戦略に関する研究が進められている。


■注 GBIF:Global Biodiversity Information Facility

(公害防止等に関わる研究開発)

 公害の防止等については,公害防止等試験研究費を活用した研究開発が重点的に推進されている。特に近年,ダイオキシン類,内分泌かく乱化学物質(いわゆる環境ホルモン)等化学物質の環境リスク対策に資するための研究に関心が集まってきている。それらの試験法・測定法の開発等,現在,関係府省を中心に積極的な調査・研究開発が行われている。文部科学省では,独立行政法人科学技術振興機構の戦略的創造研究推進事業において「内分泌かく乱物質」に関する研究開発を推進している。

(その他)

 総務省では,地球環境データの有効な情報流通を行う「地球環境保全国際情報ネットワーク技術」等の研究を進めている。

 農林水産省においては,農業の多面的機能と環境負荷の正負両面を総合評価する環境勘定手法を導入した評価手法の開発,自然と共生した農林水産業を展開するための流域圏における水循環,農林水産生態系の自然共生型管理技術の開発等に取り組んでいる。

 国土交通省では,流域圏全体を視野に入れた総合的な水循環管理のための流域圏の再生・修復技術の開発を行う自然共生型国土基盤整備技術の開発等が推進されている。海上保安庁では東京湾における環境モニタリングのため,人工衛星データを利用した赤潮等の発生状況の常時監視等の技術開発に取り組んでいる。

 環境省においては,地球環境研究総合推進費等により,地球温暖化に関する影響の予測・対策に関する研究等を推進している。また,環境技術開発等推進費の「自然共生型流域圏・都市再生技術課題」において,主要都市・流域圏の自然共生化に必要なシナリオの設計・提示を目指した研究が進められている。

 現在,関係府省において進められている主な研究課題は 第3-2-6表 のとおりである。

第3-2-6表 地球・自然環境の保全に関する技術の主な研究課題(平成15年度)


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