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第1部   これからの科学技術と社会
 むすび

 科学技術は,人類の諸活動に大きな影響をもたらしている。

 宇宙の起源論,進化論,遺伝子の発見等科学技術の発明,発見は,人類に対し,「人間の存在」に係わる文明的,文化的視点等多くの示唆を与えている。また,我々の世界観,社会観,自然観等の形成への科学技術の影響には計り知れないものがある。

 人類が生み出した多種多様な技術や科学の発見は,その時代における文明を構築し発展させ,経済発展を促し,生活を豊かにし,文化を育み,さらに,宗教,思想等様々な人間活動に多大な影響をもたらしてきた。現代社会においては,その影響は,政治,外交,防衛,経済,医療,交通,農業,社会資本整備等広範多岐にわたるとともに,我々の日常生活の隅々までその成果があふれている。

 20世紀の百年は,「科学技術の世紀」,「戦争の世紀」,「人類繁栄の世紀」など様々な言葉で表現されている。科学技術は,これまで,人類に計り知れない恩恵をもたらしており,「知の世紀」,「知識基盤社会」と言われる21世紀においては,20世紀に営々として築き上げた科学技術の蓄積を基盤に,科学技術の持つ多様な潜在能力を地球環境問題等人類が直面する課題の解決のために活用することが求められている。さらに,科学技術は,国民の信頼と支持を原動力に,人類のかけがえのない財産として,着実に後世に継承するものであるという強い信念を持つことも重要である。

 科学技術は,人類にとって,かけがえのない存在であり続けるであろう。しかしながら,「科学技術と社会との関わり」については,時代の移り変わりとともに,様々な様相を呈してきている。社会は,米ソ冷戦構造の崩壊等による世界秩序の大きな転換,ライフサイエンス,IT等をはじめとする科学技術の加速度的な進展等を背景に,日々,複雑かつ急激に変わりつつあると言っても過言ではない。世論調査の結果における科学技術に関する国民意識の変化,社会の安全・安心に関する国民的関心の高まり等は,その表れと考えられる。

 今日,「科学技術と社会」との関係に正面から向かい合うことは,科学技術の健全な発展にとって不可欠な課題であり,今後とも,その歴史的,文明的視点等も踏まえ,時代の要請であることを深く認識しつつ取り組むことが重要である。


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