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  付属資料
2.  科学技術基本計画(平成13年3月30日閣議決定)
第1章  基本理念
4.  科学技術と社会の新しい関係の構築


 我が国が目指すべき国の姿の実現に向けて科学技術の振興を図っていくに当たり,特に,社会との関係を考えて政策を展開していく必要がある。科学技術は社会に受容されてこそ意義を持つものであり,社会が科学技術をどのように捉え,判断し,受容していくかが重要な鍵となる。自然科学や技術の関係者はもとより,人文・社会科学の関係者にも,この点に関する十分な認識と努力が求められる。


(1) 科学技術と社会のコミュニケーション

 「社会のための,社会の中の科学技術」という観点の下,科学技術と社会との間の双方向のコミュニケーションのための条件を整えることが不可欠である。

 まず,科学技術の現状と将来に対する正しい情報が提供されなければならない。その前提として,科学技術に関する学校教育・社会教育の充実により,社会の側における情報の受容と理解の下地が十分作られることが必要である。その上で,科学技術の側から,高度化・複雑化する科学技術に関する情報が,日常的に,しかも分かりやすい形で提供されなければならない。

 情報の提供については,科学技術の専門家が責任を負うことはいうまでもないが,専門的情報は,一般人の理解を越える場合も多いので,その解説者の存在が重要になる。研究者や技術者自らが,あるいは専門の解説者やジャーナリストが,最先端の科学技術の意義や内容を分かりやすい形で社会に伝え,知識や考え方の普及を行うことを責務とすべきである。また,社会から科学技術の側に意見や要望が適確に伝えられる機会や媒介機能を拡大するとともに,科学技術関係者がそれらをくみ取り真摯に対応することが必要である。

 人文・社会科学の専門家は,科学技術に関心をもち,科学技術と社会の関係について研究を行い発言するとともに,社会の側にある意見や要望を科学技術の側に的確に伝えるという双方向のコミュニケーションにおいて重要な役割を担わねばならない。我が国の人文・社会科学は,これまで科学技術と社会の関係の課題に取り組む点で十分とはいえなかった。今後は,「社会のための科学技術,社会の中の科学技術」という観点に立った人文・社会科学的研究を推進し,その成果を踏まえた媒介的活動が活発に行われるべきである。

 こうして,社会においても,科学技術のみならず社会を巡る様々な課題について,科学的・合理的・主体的な判断を行い得る基盤の形成を促す。


(2) 産業を通じた科学技術の成果の社会への還元

 科学技術と社会との関係を考える際,もう一つ重要な点は,科学技術の成果を利用可能な形で社会へ還元することである。研究開発の成果の多くは,産業技術として活用されることにより現実に利用可能な財・サービスを生み出し,国民生活・経済社会に還元される。論文発表等による知の創造と蓄積・発信に加え,知を産業技術にまで結びつけ,その活用により社会に直接の利便をもたらすことができ,社会は科学技術の恩恵を享受することができる。こうした視点を重視して,優れた成果を生み出す研究開発の仕組みの追求,一層の産学官連携の強化等を通じ,産業技術力の強化を図ることが必要である。


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