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第3部   科学技術の振興に関して講じた施策
第2章  科学技術の重点化戦略
第2節  国家的・社会的課題に対応した研究開発の重点化
5.  エネルギー分野



(1) 原子力の研究,開発及び利用について

 我が国の原子力の研究,開発及び利用は,原子力基本法にのっとり,厳に平和目的に限り行われてきた。

 今日,原子力発電は電力供給の3分の1を超える基幹電源となり,エネルギー供給の面で重要な役割を果たすとともに,加速器等原子力科学技術は,基礎科学分野における新たな知見をもたらすのみならず,ライフサイエンスや物質材料系科学技術分野等に欠かせない研究手段を提供している。また,放射線利用についても,医療,農業,工業,環境保全など広範な分野で普及しており,原子力は我が国のエネルギー供給の安定性確保と国民生活の質の向上に大いに貢献している。

 しかし,その一方で平成11年9月に発生した株式会社ジェー・シー・オーのウラン加工工場における臨界事故など一連の事故により,原子力に対する不安や,原子力に携わる関係者への不信感が高まったほか,放射性廃棄物の処分の問題等解決すべき課題も多い。

 我が国の原子力研究開発利用の基本方針及び推進方策については,原子力委員会が「原子力の研究,開発及び利用に関する長期計画」(平成12年11月。以下「原子力長期計画」という。)を策定しており,これに沿って着実に進められている。

 また,平成13年12月に閣議決定された特殊法人等整理合理化計画において,日本原子力研究所及び核燃料サイクル開発機構を統合し,新たに原子力研究開発を総合的に実施する独立行政法人を設置することとされたことを踏まえ,原子力委員会においては,統合後の新法人が,今後の我が国の原子力研究開発においても,引き続き中核的な役割を果たすことを期待する旨を表明し,両法人の統合に向けての基本的な考え方を取りまとめることとした。さらに,文部科学省では,原子力二法人統合準備会議を開催し,新法人の担うべき役割・機能等についての検討を開始した。

(安全確保・防災対策)

 原子力研究開発利用に当たっては,安全の確保が大前提であり,厳重な規制と管理の実施,安全研究の実施等を通じて,安全確保に万全を期すことが必要である。また,事故発生の可能性を100%排除することはできないとの前提に立って,事故が生じた場合の周辺住民等の生命,健康等への被害を最小限度に抑えるための災害対策が整備されていなければならない。

 このような観点から,我が国の原子力研究開発利用は,施設の設計,建設,運転の各段階において他の産業分野には見られない国による厳しい安全規制が行われてきたほか,環境放射能調査や万一の場合を考慮した防災対策等各般の安全確保対策が講じられてきている。

 さらに,平成11年9月に発生した株式会社ジェー・シー・オーのウラン加工工場における臨界事故の教訓を踏まえ,平成11年に改正された原子炉等規制法( )に基づき,保安規定の遵守状況に係る検査等を着実に実施している。

 原子力防災対策については,平成11年に制定された原子力災害対策特別措置法に基づき,原子力防災専門官の現地への配置,オフサイトセンター等の防災拠点の整備,防災計画・マニュアルの整備,訓練の実施,人材の育成といった取組を行いつつ,原子力防災対策の充実・強化を進めている。

 一方,環境放射能調査については,文部科学省を中心とした関係省庁,都道府県及び原子力事業者において,原子力施設周辺における放射能調査が引き続き実施されているほか,我が国の環境放射能水準に関する調査及び原子力軍艦寄港に伴う放射能調査等が行われている。

 平成13年9月に米国において発生した同時多発テロを受けて,放射性物質等を取り扱う事業者における放射性物質等の管理,緊急時の連絡体制の確認等の徹底を図ったところである。

 また,原子力の安全確保に当たっては,安全規制等において常に最新の科学技術的知見を反映することが重要である。このため,原子力安全委員会は,安全研究年次計画を5年ごとに策定し,安全研究の総合的・計画的な推進を図っている。

 平成13年度には,原子力施設等,環境放射能及び放射性廃棄物に係る旧安全研究年次計画(平成8〜12年度)の研究成果の取りまとめが実施されるとともに,現行年次計画(平成13〜17年度)に基づき,計画されている研究課題について分野ごとに技術的観点から検討が行われ,現行年次計画に沿って以下の安全研究が実施された。

 原子力施設等安全研究については,日本原子力研究所において,軽水炉に関する燃料の高燃焼度化,高経年化,シビアアクシデント,事故・故障の評価分析等の研究が実施されたほか,核燃料施設の臨界安全性の研究等が実施された。また,核燃料サイクル開発機構においては,高速増殖炉(FBR)の事故防止・緩和,事故評価,シビアアクシデント等の研究及び核燃料施設の臨界,遮へい,閉じ込め等の安全研究が実施された。さらに,国立試験研究機関においては各種の基礎的研究がそれぞれ実施された。

 環境放射能安全研究については,放射線医学総合研究所を中心に,日本原子力研究所,核燃料サイクル開発機構,国立試験研究機関等において,放射線の分布と特性に関する研究,放射線影響の基礎研究等が実施された。

 放射性廃棄物安全研究については,日本原子力研究所,核燃料サイクル開発機構等において,浅地中処分に関する安全研究,地層処分に関する安全研究並びに規制除外(クリアランス)検認技術に関する安全研究が実施された。


■注 平成11年の原子炉等規制法改正においては,

 {1}加工事業者に対する施設定期検査制度の追加

 {2}事業者及び従業者が守らなければならない保安規定の遵守状況に係る検査制度の創設

 {3}原子力保安検査官の設置

 {4}事業者による従業者に対する保安教育の義務の明確化

 {5}従業者の安全確保改善提案制度の創設 等

 運転管理における安全規制の強化が行われた。

(信頼確保に向けた取組と立地地域との共生)

 原子力研究開発利用の円滑な推進のためには,まず国及び原子力事業者に対する国民の信頼を得ることが極めて重要である。そのためには,第1に原子力関係者が安全運転の実績を積み重ねていくとともに,国民の理解を得るための努力が不可欠である。このため,積極的な情報公開を行うとともに,講師派遣や簡易放射線測定器の貸出し等草の根的な理解増進活動を行っている。

 また,立地地域と原子力研究施設の共生に向け,電源三法交付金等を活用し,立地地域のニーズに応じた取組を推進している。

(原子力発電と核燃料サイクル)

{1}原子力発電

 原子力発電は,我が国のエネルギー供給構造の脆弱性を克服するための主要なエネルギー源のひとつとして,また発電過程において二酸化炭素,窒素酸化物などを排出しないことから,地球環境保全の面でも優れたエネルギー源のひとつとして,安全性の確保及び平和利用を前提としてこれまで着実にその研究開発利用が進められてきた。

 現在の我が国の主流の原子炉である軽水炉については,政府,電気事業者,原子力機器メーカー等が協力して,自主技術による軽水炉の信頼性,稼働率の向上及び従業員の被ばく低減を目指し,技術開発を実施してきたところであるが,信頼性,安全性を確保しつつ経済性の向上を目指した軽水炉技術の高度化が進められている。また,原子力発電及び核燃料サイクルの安全性,経済性を向上させるため,提案公募方式により革新的,独創的な実用原子力技術開発を行っている。

{2}核燃料サイクルの技術開発等

 エネルギー資源の大部分を輸入に依存する我が国は,将来の世界のエネルギー需要を展望しながら,長期的なエネルギー安定供給の確保を図るとともに,環境への負荷の低減を図っていくため,使用済燃料を再処理し,回収されるプルトニウム等を有効利用する核燃料サイクルの確立に向けた取組を進めてきた。今後とも,核燃料サイクルの確立に向けた研究開発を進めるとともに,核燃料サイクルの円滑な推進のため六ヶ所再処理事業,プルサーマル計画,使用済核燃料中間貯蔵対策等について着実な展開を図ることが重要である。

 プルトニウム利用を進めるに当たっては,核拡散についての国際的な疑念を生じないよう,核物質管理に厳重を期すことはもとより,利用目的のない余剰のプルトニウムを持たないとの原則を一層明らかにする観点から,プルトニウム在庫に関する情報の公表を行うなどプルトニウム利用の徹底した透明化を進めている。具体的には,プルトニウム利用の透明性向上のための国際プルトニウム指針を採用し,毎年の我が国のプルトニウム管理状況をIAEAを通じて公表している。

 原子力発電の燃料である濃縮ウランについては,核燃料サイクル全体の自主性を確保する観点から,経済性を考慮しつつ,国内でのウラン濃縮の事業化を推進している。青森県六ヶ所村においては,民間濃縮工場が1,050トンSWU/年の規模で操業中であり,今後民間事業者は,これまでの経験を踏まえ,より経済性の高い遠心分離機を開発・導入し,同工場の生産能力を1,500トンSWU/年規模まで着実に増強していくこととしている。また,この開発を国内において一元的な体制で進めるため,民間事業者は平成12年11月「ウラン濃縮技術開発センター」を設置し,核燃料サイクル開発機構,メーカー等我が国のウラン濃縮技術者の集結を図ったところである。

 原子力発電所から生じる使用済燃料の再処理については,これまで,核燃料サイクル開発機構の東海再処理施設に委託された一部を除いて,英国核燃料会社(BNFL社)及び仏国核燃料会社(COGEMA)への再処理委託契約により実施してきた。今後,我が国は使用済燃料の再処理は国内で行うことを原則としていることから,青森県六ヶ所村に民間再処理施設工場(年間再処理能力800トンU)を平成17年7月の竣工を目指し建設しており,その順調な建設・運転により商業規模での再処理技術の着実な定着を目指している。さらに,本再処理施設の操業開始に向けて,平成12年12月には,使用済燃料の六ヶ所再処理工場への本格搬入が開始され,核燃料サイクルの確立に向けた着実な展開が図られている。また,平成9年3月のアスファルト固化処理施設の火災爆発事故により運転が停止していた核燃料サイクル開発機構東海再処理施設については,平成12年11月,地元の了承を得て運転を再開した。本施設においては,現在,電力事業者と契約している軽水炉使用済ウラン燃料再処理の役務契約終了後は新規契約は行わず,民間再処理工場の立ち上げのための技術的支援を重視し,さらには,高燃焼度燃料や軽水炉使用済MOX燃料等の再処理技術の実証試験等を行うこととしている。

 また,我が国のMOX燃料加工の研究開発は,核燃料サイクル開発機構を中心として実施されており,その加工実績も平成13年12月末までの累積で約169トンMOXに達している。

 使用済燃料の中間貯蔵に関しては,使用済燃料が再処理されるまでの間の時間的な調整を行うことを可能にするので,核燃料サイクル全体の運営に柔軟性を付与する手段として重要である。平成11年には,中間貯蔵に係る法整備が行われ,民間事業者は平成22年までに操業を開始するべく準備が進められているところである。

 新型転換炉は,プルトニウム,回収ウラン等を柔軟かつ効率的に利用できるという特長を持つ原子炉として自主開発が進められてきた。新型転換炉「ふげん」については,「立地地元自治体等とも協議し,適切な過渡期間をおいて運転を停止し,廃炉研究に活用する」とした動燃改革検討委員会報告書を受け,地元とも調整した結果,平成15年3月に運転を終了することとなり,今後,研究開発成果の集大成を行った後,廃止措置を円滑に行うため,「ふげん」の原子炉システム固有の廃止措置技術の研究開発を行う。また,新型転換炉開発同様,動燃改革の際に整理事業とされた,核燃料サイクル開発機構におけるウラン濃縮技術開発及び海外ウラン探鉱の業務については,適切な過渡期間をおいて廃止することとしており,遠心分離機や探鉱技術等に関する開発成果や知見,人的資源については,民間事業者等への移転を着実に進めていく。特に,ウラン濃縮については,これまでの成果を取りまとめつつ,民間事業者に技術移転し,平成13年9月30日をもって事業を終了した。今後は,施設の適切な廃止措置を行っていく予定である。

{3}放射性廃棄物の処理及び処分

 放射性廃棄物の処理,処分及び原子力施設の廃止措置は,整合性のある原子力利用の推進及び国民の理解と信頼を得る観点から最も重要な課題のひとつである。放射性廃棄物は,放射能レベルの高低,含まれる放射性物質の種類等が多種多様であることから,発生源にとらわれず処分方法に応じて区分し,具体的な対応を図ることとしている。

 高レベル放射性廃棄物の処分の技術的側面については,平成9年4月に原子力委員会原子力バックエンド対策専門部会において取りまとめられた「高レベル放射性廃棄物の地層処分研究開発等の今後の進め方について」に従い,核燃料サイクル開発機構を中核的推進機関として,日本原子力研究所,産業技術総合研究所,大学等の関係研究機関の密接な協力の下,研究開発が進められている。平成11年11月,核燃料サイクル開発機構は,地層処分の技術的信頼性を明示し,処分予定地選定及び安全基準の策定に資する技術的よりどころを提示する技術報告書「わが国における高レベル放射性廃棄物地層処分の技術的信頼性-地層処分研究開発第2次取りまとめ-」を原子力委員会へ提出し,平成12年10月に,原子力委員会バックエンド対策専門部会において本報告書の評価が取りまとめられた。また,今後の研究開発を進める上で,特に技術的・社会的に重要な施設として早期実現が望まれている深地層の研究施設については,核燃料サイクル開発機構が,岐阜県瑞浪市における超深地層研究所計画を着実に推進しており,さらに,北海道幌延町においては,平成13年4月に幌延深地層研究センターを開設したところである。今後,深部地質環境特性の把握等の研究開発を計画に沿って実施していくこととなる。

 また,高レベル放射性廃棄物の安全規制面に関しては,平成12年10月に原子力安全委員会放射性廃棄物安全規制専門部会において,「高レベル放射性廃棄物の処分に係る安全規制の基本的考え方」に関する報告書が取りまとめられた。

 原子力発電所の運転に伴い発生する低レベル放射性廃棄物については,平成4年12月から青森県六ヶ所村の日本原燃株式会社低レベル放射性廃棄物埋設センターにおいて埋設処分を安全かつ円滑に実施しており,平成13年12月末までに200リットルドラム缶約14万本が同センターに受け入れられている。このほかの低レベル放射性廃棄物については,今後,処分の実現に向けた具体的取組を進めることが必要である。RI・研究所等廃棄物については,平成10年5月,原子力委員会原子力バックエンド対策専門部会において,「RI・研究所等廃棄物処理処分の基本的考え方について」が取りまとめられた。これを受けて,処理処分事業の具体化に向け,RI・研究所廃棄物の処分場の立地等処理処分事業に関する具体的な調査等を行うため,財団法人原子力研究バックエンド推進センターが平成12年12月に既存法人の改組により設立された。文部科学省においては,当該廃棄物の処分事業の実施に関する基本的考え方,実施に係る制度の在り方等について検討を進めているところである。

 原子力施設の廃止措置に関しては,その設置者の責任において,安全確保を大前提に,地域社会の理解と支援を得つつ進めることが重要である。廃止措置については,日本原子力研究所の動力試験炉(JPDR)の解体実地試験(平成8年終了)により,解体に必要な技術等大きな成果を得ている。現在,日本原子力研究所等において,核燃料サイクル関連施設の廃止措置に関する調査及び技術開発が行われている。

(高速増殖炉及び関連する核燃料サイクル技術の研究開発)

 高速増殖炉及び関連する核燃料サイクル技術(以下,「高速増殖炉サイクル技術」という。)は,ウラン資源の利用効率を飛躍的に高めることができ,将来実用化されれば,現在知られている技術的・経済的に利用可能なウラン資源だけでも数百年にわたって原子力エネルギーを利用し続けることができる可能性や,高レベル放射性廃棄物中に長期に残留する放射能を少なくして環境負荷をさらに低減させる可能性を有するものであり,不透明な将来に備え,将来のエネルギーの有力な選択肢を確保しておく観点から着実にその開発に取り組むことが重要である。

 高速増殖炉については,発電しながら消費した以上の核燃料を生成することができる原子炉であり,軽水炉などに比べてウラン資源の利用効率を飛躍的に高めることができることから,その開発を官民協力して着実に行ってきた。実験炉「常陽」は,昭和52年4月の初臨界以来運転を続けており,現在,高速中性子照射炉として照射性能向上を目的に,高中性子束化と照射場の拡大等を図るための炉心高度化計画(MK-III)が進められている。

 平成7年12月のナトリウム漏えい事故以降運転を停止している原型炉「もんじゅ」は,高速増殖炉サイクル技術のうち最も開発が進んでいるMOX燃料とナトリウム冷却を基本とする技術を用いた原子炉で,かつ発電設備を有する我が国唯一の高速増殖炉プラントである。平成7年12月のナトリウム漏えい事故に関して,旧科学技術庁は「もんじゅナトリウム漏えい事故調査・検討タスクフォース」を設置し,事故の原因究明等を行い,平成9年2月に報告書を取りまとめた。一方,原子力安全委員会においては「もんじゅ安全性確認ワーキンググループ」を設置し,再発防止策等について調査・審議し,平成12年9月に「もんじゅ」の安全性への取組の確認について報告書が取りまとめられた。

 「もんじゅ」の扱いを含む将来の高速増殖炉開発の在り方については,平成12年11月に原子力委員会が策定した「原子力長期計画」において,発電プラントとしての信頼性の実証とその運転経験を通じたナトリウム取扱技術の確立という初期の目的を達成することは他の選択肢との比較評価のベースともなることから,同目的の達成にまず優先して取り組むことが今後の技術開発において特に重要とされ,「もんじゅ」は我が国における高速増殖炉サイクル技術の研究開発の中核として位置付けられ,早期の運転再開がうたわれたところである。

 また,現在,核燃料サイクル開発機構は電気事業者等との協力により,平成11年7月から高速増殖炉サイクル技術として適切な実用化像とそこに至るための研究開発計画を提示するため「実用化戦略調査研究」を推進しており,経済性の向上や,環境への負荷の低減,核不拡散性等に配慮した先進的な核燃料サイクル技術について,長期的な研究開発に取り組むこととしている。

(原子力科学技術の推進)

 原子力科学技術には,加速器や高出力レーザーの開発や利用により,物質の究極の構成要素や自然の法則を探究し,ライフサイエンスや物質・材料系科学技術等の様々な科学技術分野の発展を支える基礎・基盤的な研究と,核融合や革新的な原子炉の開発といった,将来のエネルギー安定供給の選択肢を与え,経済,社会や生活者のニーズに対応する研究開発という2つの側面がある。原子力科学技術を推進するに当たっては,創造性豊かな研究を育む環境を整備し,これらを支える基礎・基盤研究との均衡ある展開を図りつつ,効率的に進めることが重要である。

 加速器科学については,常に国際的競争状態に置かれており,技術主導の性質を持つことから,提案・評価後,遅滞なく評価結果を反映させることが重要である。日本原子力研究所と高エネルギー加速器研究機構が共同で,世界最高レベルのビーム強度を持った陽子加速器を建設し,生命科学,物質・材料科学,原子核・素粒子物理学等の広範な研究分野の新展開を目指す大強度陽子加速器計画については,原子力委員会及び学術審議会加速器科学部会が設置した大強度陽子加速器施設計画評価専門部会において平成12年8月に取りまとめられた評価結果を踏まえ,平成13年度から大強度陽子加速器の建設に着手しているところである。また,理化学研究所においては,水素からウランまでの全元素の放射性同位元素(RI)を世界最大の強度でビーム化する加速器施設「RIビームファクトリー」の建設を進めている。

 核融合研究開発の推進は,未来のエネルギー選択肢の幅を広げ,その実現可能性を高める観点から重要であり,核融合燃焼状態の実現,核融合炉工学技術の総合試験等が今後の主な課題である。また,核融合科学研究については,適切なバランスを考慮しつつ進めることが重要である。我が国の核融合の研究開発は,平成4年に原子力委員会が策定した「第三段階核融合研究開発基本計画」及び「原子力長期計画」に基づき,日本原子力研究所,大学等及び独立行政法人間の整合性に留意し,相互の連携・協力により進められている。

 日本原子力研究所においては,トカマク方式について実用化を目指した研究開発を進めている。特に,臨界プラズマ試験装置(JT-60)に関しては,平成10年6月にはプラズマの総合性能を表す指標であるエネルギー増倍率(外部からの加熱入力エネルギーと核融合反応により生じる出力エネルギーの比)の世界最高記録1.25を達成するとともに,平成13年11月にはプラズマの中心部分に電流の流れない領域「電流ホール」を発見し,本領域に核融合プラズマを安定に保持できることを示し運転の効率化への道を拓くなど世界に先駆けた成果を上げており,さらなるプラズマ閉じ込めの性能向上による定常運転を目指している。さらに,中規模装置JFT-2Mを用いた先駆的な実験研究,材料研究や安全性に係る試験等を実施している。

 大学共同利用機関である核融合科学研究所においては,我が国独自のアイデアに基づくヘリカル方式による世界最大の大型ヘリカル装置を建設し,新しいプラズマ領域の研究を世界に先駆けて行っている。同装置は平成13年9月には,ヘリカル方式としては世界で初めての1億度のプラズマの生成に成功している。

 また,筑波大学プラズマ研究センター,大阪大学レーザー核融合研究センター等においては,将来の核融合炉に向けて様々な課題を克服していくため,ミラー,レーザー等の各種方式の先駆的・基礎的研究を実施している。このほか,その他の大学・独立行政法人等においては,各種磁場閉じ込め方式及び慣性閉じ込め方式による基礎的研究,炉工学に係る要素技術等の研究が進められている。なお,2国間・多国間の国際協力も積極的に進められている。

 国際熱核融合実験炉(ITER( ))計画については,核融合エネルギーの科学的及び技術的可能性の実証を目指した国際プロジェクトであり,我が国は主体的かつ積極的に取り組んでいる。2001年(平成13年)7月には,日本,EU,ロシアの国際協力の下,国際設計チームである共同中央チームと日本国内の設計チームの活動との連携・協力により実施されてきた工学設計活動が終了し,ITERの設計は完了し,建設・運転等の段階に移るための科学的・技術的準備が整った。同年11月からITERの建設・運転等に関する共同実施協定の作成等を行う政府間協議が日本,EU,ロシア,カナダの4極により開始され,現在,協議が進められているところである。

 一方,ITER計画への我が国の参加・誘致については,平成13年6月に原子力委員会がITER計画に積極的に取り組みつつ,バランスのとれた総合的な核融合開発を推進していくことを決定しており,これを踏まえて総合科学技術会議において科学技術政策上の観点から審議が行われている。

 また,21世紀を展望すると次世代軽水炉とともに,高い経済性と安全性を持ち,熱利用等の多様なエネルギー供給や原子炉利用の普及に適した革新的な原子炉が期待される。日本原子力研究所では,高温工学試験研究炉(HTTR)の出力上昇試験を行い,高温熱供給など,エネルギー供給の多様化の可能性を探る高温ガス炉技術の確立,水素製造等の熱利用の研究開発等を推進しており,平成13年12月,HTTRは世界で初めて850℃の高温のヘリウムガスを原子炉から取り出すことに成功した。さらに,日本原子力研究所,理化学研究所,大学,国立試験研究機関等において,炉物理・核物理,燃料・材料等に関する研究開発を幅広く行っている。

 原子力科学技術の基礎・基礎的研究は,原子力の多様性,将来の技術革新につながるようなシーズを生み出し,原子力分野のプロジェクト研究及び他の科学技術分野の発展にも寄与するものである。日本原子力研究所においては,先端基礎研究センターにおける放射場科学等の選択基礎研究や,関西研究所(関西学術文化研究都市)において平成11年度に本格的な研究を開始したX線レーザー開発等の光量子科学研究等を中心に,原子力の新たな展開を図るための基礎研究の充実を図っている。また,平成9年10月に,日本原子力研究所と理化学研究所が兵庫県播磨科学公園都市に建設した大型放射光施設(SPring-8)が供用を開始し,国内外の研究者による利用研究を推進している。基盤技術開発としては,物質・材料,生体・環境影響,知的,防災・安全の4基盤技術分野について,日本原子力研究所,理化学研究所及び独立行政法人等において研究開発を進めている。


■注 ITER:International Thermonuclear Experimental Reactor

(放射線利用の普及)

 原子力利用の1つとして,放射線は基礎・応用研究から医療,工業,農業等の実用に至る幅広い分野で活用されており,研究開発を進めつつ放射線利用の普及を図っていくことが重要である。

 各種分野における放射線利用の状況としては,医療分野において,X線CT(X線コンピュータ断層撮影)等の放射線による診断や,X線,ガンマ線等を利用したがん治療が既に実用化されており,現在,陽子線,重粒子線等によるがん治療の研究が行われている。特に,放射線医学総合研究所においては,がんに対する高い治療効果が期待される重粒子線によるがん治療の研究に取り組んでおり,平成6年6月から,患者に照射治療を行う臨床試行が開始され,おおむね良好な成果が得られている。大学においても,筑波大学陽子線医学利用研究センター等において陽子線等によるがん診断・治療の研究を行っている。農業分野では,農作物の品種改良や,農薬を使わない害虫駆除,ジャガイモの発芽防止等に放射線が利用されている。工業分野では,工業製品の非破壊検査や工業計測,ゴム,プラスティック等の高分子材料の改質などに放射線が用いられている。研究利用では,日本原子力研究所のイオン照射研究施設等において,資源確保や環境浄化に役立つ新機能材料創製やバイオ技術,排煙中の有害物質を除去する環境保全技術などの研究が進められている。

(核不拡散対策と原子力国際協力)

 我が国の原子力研究開発利用を円滑に進めるには,我が国におけるプルトニウム利用が,国際的な核拡散につながるなどのような懸念に対して,我が国の原子力政策の考え方を国際社会に明確に伝え,国際社会の理解と信頼を得ることが必要である。また,原子力利用を進める各国共通の関心事である原子力の安全問題や放射性廃棄物処分の問題の解決に向けて,我が国がその技術と経験をもって国際社会と協力して主体的に取り組むことも,国際社会の理解と信頼を得ていく上で重要である。

{1}核不拡散対策

 原子力平和利用を円滑に実施していくためには,核不拡散体制の維持は,安全確保とともに極めて重要であり,核兵器の不拡散に関する条約(NPT( 注1 ))や,それに基づく国際原子力機関(IAEA( 注2 ))による包括的保障措置,包括的核実験禁止条約(CTBT( 注3 ))等,種々の国際的枠組みが創設されてきた。これらの枠組みに加え,我が国の持つ原子力平和利用技術と人材能力をもって,今後とも核不拡散体制の強化を目指して主体的に取り組んでいく。

 我が国では,原子力基本法にのっとり,厳に平和の目的に限り原子力開発利用を推進しているところであり,従来から,IAEAと締結した保障措置協定,核物質の防護に関する条約,米国をはじめとする各国との2国間原子力協力協定などに基づき,核物質について平和利用を担保するための「保障措置」及び「核物質防護」を実施しているほか,これに必要な技術開発を進めてきている。1999年(平成11年)12月には,IAEA保障措置の強化・効率化のための追加議定書を締結し,拡大報告の提出や補完的アクセスの実施など,その着実な実施を図っているところである。また,六ヶ所再処理施設の運転開始に向けて,六ヶ所保障措置分析所,六ヶ所保障措置センターの整備を進めるとともに,将来の査察量の増大に対応するため,平成12年1月より民間による保障措置検査の代行を開始した。

 また,NPT上要求される義務に加えて,利用目的のない余剰のプルトニウムを持たないとの原則を堅持しつつ,合理的かつ整合性のある計画の下でその透明性の確保に努めることが重要であり,核燃料サイクル計画の透明性をより高めるための国際プルトニウム指針に従って我が国のプルトニウムの管理状況についてIAEAを通じて公表するとともに,より詳細なデータを独自に公表し,可能な限り高いレベルでの透明性の確保に努めている。さらに,核不拡散関連の技術開発を積極的に進め,先進的リサイクル技術の研究開発など,核不拡散にも配慮した研究開発に取り組んでいる。

 このほか,我が国は,1997年(平成9年)7月,核兵器のない世界に向けた歴史的な一歩となる,あらゆる核爆発を禁止するCTBTの早期批准を行っており,現在,同条約の発効に備え国際監視制度の整備等に取り組んでいる。


■注1 NPT:Treaty on the Non-Proliferation of Nuclear Weapons


■注2 IAEA:International Atomic Energy Agency


■注3 CTBT:Comprehensive Nuclear-Test-Ban Treaty

{2}原子力国際協力

 原子力国際協力に当たっては,原子力の研究開発利用や核不拡散の面で,各国共通の課題や研究開発への取組を国際協力の下に進めていくとともに,開発途上国等からの期待に積極的に応えていくことが重要である。

 アジア諸国との原子力協力については,原子力委員会において,1990年(平成2年)から開催されてきたアジア地域原子力協力国際会議の下,研究炉,放射線の医学利用及び農業利用,広報,放射性廃棄物管理及び人材養成について情報・意見交換,技術交流の場を提供してきた。その後,同会議は政策対話と協力活動のリンク及び各国国内システムを強化し,「アジア原子力協力フォーラム(FNCA)」に改組され,2000年度(平成12年度)から新たな協力活動として展開するに至った。第2回FNCA本会合は,平成13年11月,東京にて開催され,各国の原子力担当大臣等により原子力協力の進め方や放射線利用等の意見交換が行われた。

 我が国はまた,1978年(昭和53年)からアジア太平洋地域のIAEA加盟国によるRCA( )(原子力科学技術に関する研究・開発及び訓練のための地域協力協定)に参加し,工業,医療,放射線防護などの分野で必要な資金を拠出するとともに,我が国専門家を派遣するなど,積極的な協力を行っている。

 他方,旧ソ連,中東欧諸国との原子力協力については,原子力施設の廃止措置に関する研究協力,研修事業による原子力関係者の資質向上等の2国間協力,IAEAへの特別拠出金事業などを通じた多国間支援を実施している。ロシアの余剰兵器プルトニウム管理・処分に関しては,核軍縮・核不拡散への貢献のひとつとして,当事国である米国,ロシアやその他関係国と緊密な連携を図りつつ,これまで我が国が培ってきた平和利用技術を活用して,余剰兵器プルトニウム処分への協力を行うことにしており,核燃料サイクル開発機構がロシアの物理エネルギー研究所や原子炉科学研究所と研究協力を実施している。

 また,欧米との原子力協力については,原子力の平和利用のための専門家や情報の交換,原子力資機材や役務の受領,供給などの協力を行っており,具体的には,日本原子力研究所及び核燃料サイクル開発機構と米国エネルギー省やフランス原子力庁との研究協力,理化学研究所と米国ブルックヘブン国立研究所やイギリスのラザフォードアップルトン研究所との研究協力等を実施している。


■注 RCA:Regional Cooperative Agreement for Research, Development&Training Related to Nuclear Science and Technology

(原子力利用の推進基盤)

 安全の確保を図りつつ原子力の研究開発利用を進めていくためには,これらを支える優秀な人材の育成・確保や技術力の維持・伝承は重要な問題である。このため,人材養成の中核的機関である大学は,国際的視点も含めながら,研究開発機関,民間事業者等の関係諸機関と連携しつつ,多様かつ有能な人材の養成に取り組むことが必要である。また,国の研究機関と民間事業者は,その間で共同研究や人材の交流等,相互の人的・技術的交流を促すような体制をつくり,我が国全体としての人材・技術力の維持・継承,発展を図るよう努力することも重要である。


(2) 自然エネルギーの研究開発

 エネルギーの安定供給の確保及び地球環境問題への対応の観点から,太陽エネルギー,地熱エネルギー,風力エネルギー,海洋エネルギー,バイオマスエネルギー等の自然エネルギーの利用の拡大を目指した研究開発を推進することが必要である。このため,経済産業省における,太陽光発電,バイオマス等の技術開発への積極的な取組をはじめ,農林水産省や国土交通省,文部科学省等で以下のような積極的な研究開発が進められている。

(太陽エネルギー)

 枯渇することのないエネルギー源であり,地球環境問題への対応においても重要な役割を果たし得るものである。一方,エネルギー密度が低く,自然条件によって出力が変動するという性質も有しており,このような太陽エネルギーの特性を考慮しつつ,研究開発を進めることが必要である。太陽エネルギーの利用用途として,太陽光発電については既に実用化されているが,一層の普及拡大を実現するためには,なお一層のコストダウン技術の開発等が不可欠である。このため,低コスト・高効率化の実現に向け,薄膜太陽電池・超高効率太陽電池やその製造技術等の開発を進めている。

(地熱エネルギー)

 資源量が豊富な純国産エネルギーであるとともに,非枯渇性であるという特徴を持っており,その利用の拡大に向けて研究開発を進めることが重要である。このため,地熱探査技術,掘削・採取技術,バイナリーサイクル発電の開発及び高温岩体発電の要素技術の開発等を進めている。

(風力エネルギー)

 環境負荷が少なく,潜在的に資源が広範に賦存するエネルギーである一方でエネルギー密度が低く,変動が大きいことなどから,その普及拡大のためには,コストの低減,長期安定運転の確保及び電力変動の安定化等を図ることが重要である。欧米においては,既に電力供給の一部を担うものとして導入・普及が進んでいる。我が国においては,集合型風力発電システム及び風力エネルギーの利用拡大の観点から重要となっている大型風力発電システムの研究開発を終了し,離島用風力発電システム等の技術開発を進めている。

(海洋エネルギー)

 エネルギー密度が低いことなどにより,現状では航路標識等による利用にとどまっていることから,経済性と信頼性の向上に向けての研究開発を進めることが重要である。このため,沖合浮体式波力装置「マイティーホエール」,海洋温度差発電システム等についての研究開発が進められている。

(バイオマスエネルギー)

 主として太陽エネルギーを固定化する生物の機能を利用して得られる再生可能エネルギーであり,エネルギーの固定,変換,利用,再生という一連のエネルギー利用システムが確立されれば,大気中の二酸化炭素を増加させることはない。このようなシステムの確立のため,家畜排せつ物,木質系廃棄物,有機汚泥,食品廃棄物などの未活用バイオマスをメタン等の気体燃料やメタノール等の液体燃料など汎用性の高い燃料形態へ効率的に転換(ガス化,液化等)する技術や効率的な利用技術等の研究開発を進めている。


(3) 化石エネルギーの研究開発

 一般に,化石燃料といわれているものは,石炭,石油,天然ガス,オイルシェール及びオイルサンドで,炭化水素系の地下資源である。産業革命以降,この化石燃料を利用することによって,人類は現在の高度な文明を築き上げてきたが,一方で,資源の有限性,地球環境問題などの課題に対応することが必要となってきている。このため,地球環境への影響に配慮しつつ,世界的なエネルギー需要の増大の見通しに対応し,エネルギーの安定供給を確保する観点から,経済産業省において,化石エネルギーの高効率な利用技術等の研究開発を推進している。

(石炭)

 石油などに比べ供給安定性に優れており,原子力と並ぶ石油代替エネルギーであるが,液体燃料と比較した場合,取扱いが不便な面があることなどから,石炭液化・ガス化技術等の研究開発が推進されている。これらの技術は,石炭の利用分野の多様化や利用の効率化を図り,石油に代替し得る燃料を製造する上での重要な技術であり,かつ,硫黄酸化物等の公害物質,粉塵等の排出の低減のためにも有効な技術である。

 また,石炭は他の化石エネルギーに比べ燃焼時の単位エネルギー当たりの二酸化炭素の排出量が多いことから,地球環境問題に対応しながら石炭利用の円滑な拡大を図るためには,二酸化炭素等の環境への負荷低減を図るための革新的な技術開発が必要である。このため,高効率石炭燃焼技術や石炭ガス化複合発電(IGCC( ))による高効率発電技術など石炭のクリーンな利用技術(クリーン・コール・テクノロジー)の開発を進めている。


■注 IGCC:Integrated coal Gasification Combined Cycle

(天然ガス等)

 他の化石エネルギーと比べて,燃焼時の単位エネルギー当たりの二酸化炭素の排出量が少ないなど,環境負荷が小さいといった特長を持っており,今後とも重要なエネルギー源として,その開発・利用促進に資する研究開発を進めることが重要である。このため,天然ガスの賦存状況の把握・採取に関する研究や,日本近海に相当量の賦存が期待されているメタンハイドレートをエネルギー資源として利用するため新たな採取技術を開発するとともに,液体燃料等への形態変換により利用範囲の拡大を図ることを目指した天然ガス等の液体燃料化など(GTL( ))等に関する研究が行われている。


■注 GTL:Gas to Liquid


(4) エネルギーの供給及び利用効率の向上のための研究開発

 地球環境問題への対応,有限なエネルギー資源の有効活用などの観点から,個々の機器,要素技術の効率の向上とともに,分散型システムの導入・活用,未利用エネルギーの活用など社会システム全体においてエネルギー供給及び利用の効率の向上等を図るための研究開発を推進することが重要となっている。また,各種製品の生産,利用,再利用,廃棄及び各種サービス等で直接・間接に消費されるすべてのエネルギー(ライフサイクルエネルギー)の低減を視点とした研究開発を推進することが必要である。このため,経済産業省等において以下の研究開発を進めている。

・高効率でクリーンな次世代エネルギーシステムとして期待されている燃料電池・水素利用について,実用化に向け性能・経済性向上のための要素技術の研究開発,水素燃料の製造・輸送・貯蔵等の水素エネルギー利用技術等周辺技術の研究開発を進めている。
・電力設備の高効率化・高安定化を目的として,超電導技術を応用した電力貯蔵装置,発電機,ケーブル,変圧器等の要素技術の開発を進めている。
・家庭等における電力負荷平準化等を目的として,高性能の分散型電池による電力貯蔵技術の開発を進めている。
・高効率のハイブリッドガスタービン(高温部に金属部品及びセラミック部品の双方を使用)を用いた産業用コージェネレーション,工場・ビル・家庭における省エネルギー化のためのエネルギー・マネージメント・システム,生産・加工プロセス及びプラント等における省エネルギー技術の開発などの産業部門・民生部門・運輸部門等での省エネルギー技術の研究開発を進めている。

(5) 基礎・基盤科学技術の推進

 エネルギー研究開発の飛躍的な進展を図るためには,独創的な基礎研究の成果によるブレークスルーに期するところが大きい。

 このため,文部科学省,経済産業省等において,超低損失電力素子,高効率光電変換素子,耐熱超合金等の新材料等研究開発を進めている。

平成13年度に実施されたエネルギー分野(原子力以外)の主な研究課題をまとめると 第3-2-8表 のとおりである。

第3-2-8表 エネルギー分野(原子力を除く)の主な研究課題(平成13年度)


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