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第1部   知による新時代の社会経済の創造に向けて
第2章  「知」の大競争時代において
第3節  国際的な競争と協調
(2)  政府における国際戦略


 自国の競争力を高めるには,製品技術や製造技術レベルでの競争だけではなく,研究環境,研究マネジメントなどの,いわば下部構造での競争も重要になってきている。米国における研究開発水準の高さは,開かれた研究環境のゆえに,海外から多くの優秀な人材が集まり,その貢献に支えられたものといえる。今日の高度な科学技術の研究開発は,およそ一国ですべてを賄うことは困難であることから,情報や人材を誘引するような研究環境を国として構築しなければならない。このため,国のイノベーションシステムは,我が国の独自性を生かしつつも,国際的ハーモナイゼーションに配慮したものである必要がある。

 先端的研究分野においては,特に先進諸国がその相手となることが多いが,我が国の競争力やプレゼンスを向上させるため,環境,ライフサイエンス,ナノテクノロジー・新材料,IT等,今後大きな発展が見込まれる分野への重点化を図って積極的に協力を行う必要があるが,我が国の貢献による成果については明確に権利を主張できるように配慮を行っていくことが必要である。

 一方,特にアジア諸国との研究パートナーシップを構築し得る分野については各国の特性に応じた役割分担をしながら二国間交流・協力を進めるとともに,リージョナルな協力組織の構築を行うことが重要である。

 なお,OECDにおいては,各国におけるイノベーションの促進を図り,世界経済の成長と人類の福祉の向上を図る観点から,各国のイノベーションの実態等の調査,分析等を通じて効果的なイノベーション政策の確立に資する検討を進めており,その一環として国際比較の可能なイノベーションに関する指標の整備,調査の在り方等が論議されるとともに,いくつかの国において実際に調査が進められ,活発な情報交換が行われている。

 また,研究開発の成果をイノベーションに結び付けるために特許権等の知的財産の保護と活用の方策が重要であるが,国によってその保護の範囲や程度に差があると,適切な競争が行われないことになりかねない。各国の知的財産権制度がバランスがとれたものとなるよう,国際的な協調が必要である。


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