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第1部   知による新時代の社会経済の創造に向けて
第1章  社会経済発展の原動力となる「知」の創造と活用
第1節  「知」が創出するイノベーション
3.  我が国におけるイノベーション


 我が国は,高度成長時代において,欧米の先進国に経済的・技術的にキャッチアップするための製品をつくり続け,そのための技術開発に邁進してきた。明確なニーズと目標の下,欧米からの導入技術をベースとした製品の改良や,生産工程の改良を中心とした漸進的なイノベーション(生産性や品質の向上等)によって成長を続けてきた。特に設備の高度化など生産工程の改良によるイノベーションをプロセスイノベーションと呼び,我が国では自動車産業や半導体産業に代表される製造業において,この強みを発揮してきた。これまでの日本型のイノベーションを支えてきたのは,終身雇用による企業内の人材育成システム,メインバンクによる長期的な視点をもった資本参加と企業戦略,従業員の柔軟な編成による知識の企業内伝搬,均質で優秀な労働者によるものづくりの能力など,我が国独特のものであるといわれている。プロセスイノベーションは,我が国の基幹産業を支え,国際競争力を確保していくために,また,革新的な製品やサービスを競争力ある生産技術で支えるためにも,今後ともその高度化が望まれるところである。

 現在,日本経済は新たな局面を迎えている。構造的な不況の下,少子高齢化が進行し,貯蓄率の低下も予想される中で,今後,資本や労働といった生産の基本的要素の増加が見込みにくくなっている。さらに,プロセスイノベーションの分野でアジア諸国の激しい追い上げにあっている。このような状況にあって,いわゆるプロダクトイノベーションと呼ばれる,高付加価値を持った製品・サービスの創出が求められている。プロダクトイノベーションの連続的な実現により,潜在的な需要を発掘するとともに,社会的ニーズの高い成長部門へ人や資源を移動させることが重要である。

COLUMN

イノベーションの類型

 イノベーションには技術面と市場面でのインパクトの度合いにより,以下のような4つの類型があるとされている。

{1} 構築的革新

 これまでの技術・生産体系を破壊し,全く新しい市場を創造するもの(例:飛行機の開発,コンピュータの開発など)

{2} 革命的革新

 既存の技術・生産体系を破壊するが,既存の市場との結び付きを維持していくもの(例:アナログからデジタルへのオーディオの技術革新,自動車におけるマニュアルからオートマティックへの移行)

{3} 間隙創造的革新

 既存の技術・生産体系の中で,新たな市場を開拓していくもの(例:ヘッドフォンステレオ,家庭用テレビゲーム機など)

{4} 通常的革新

 技術・生産手段の改良等により,より安く高品質の製品・サービスを提供するもの

イノベーションの4つの類型


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