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第1部   知による新時代の社会経済の創造に向けて
第1章  社会経済発展の原動力となる「知」の創造と活用
第1節  「知」が創出するイノベーション
2.  イノベーションの発生と社会経済への波及


 イノベーションは,企業に利益をもたらすだけでなく,社会経済全体にも影響をもたらす。これまで,我々の生活を根幹から変えるようなイノベーションが革新的な技術から生じることが多かったことから,かつて年次経済報告において,イノベーションを「技術革新」と訳したことがある。しかしながら,本来,イノベーションは新たな製品やサービスの創出,その生産,流通等のプロセスにおける変化が経済的成果を生むことであり,革新的技術だけではなく,既存の技術の組合せや改良によっても実現するし,生産手段の改良や,経営の変革からも生まれる。例えば,携帯電話が,電子メール機能やウェブ閲覧機能を付加することにより利便性が飛躍的に向上し,普及率を格段に上昇させることになった。このように,大きなイノベーションが違った視点の工夫から生まれることもある。また,近年のIT(情報通信技術)の急激な発展は,電子株取引,電子決済,インターネットトレード等金融,商業分野への応用や,物流部門への適用による輸送の最適化など,物理的な距離や時間的制約を意識しない社会を生み出し,グローバル化,ボーダレス化の進行に一層拍車をかけている。これにより,我々の生活,ビジネススタイルは,めざましいスピードで現在も変化している。特定の分野で確立した技術を新たな分野に応用することによりイノベーションを起こした好例である。ITについては,今後とも,生産性の向上を実現するとともに,これまでにない新たな商品やサービスを生み出していく可能性があり,新産業の創出など,経済に対しても多大な効果を及ぼすことが期待される。

 このように,イノベーションはこれを起こした一企業にとどまらないインパクトを持つことがあり,国の経済成長,国際競争力強化の源泉として,各国とも,効果的にイノベーションを創出するための政策立案を競っているところである。


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