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第3部   科学技術の振興に関して講じた施策
第4章  科学技術活動の国際化の推進
1.  主体的な国際協力活動の展開
(2)  メガサイエンスへの主体的取組


{1}国際宇宙ステーション計画

 国際宇宙ステーション計画は,低軌道(高度約400km)の地球周回軌道上に有人の宇宙ステーションを建設し,本格的な宇宙環境利用,有人宇宙活動の展開のための基盤の整備を目指すものである。当初,日本,米国,欧州,カナダ4極の国際協力により開始され,その後,1993年(平成5年)12月に,日本,米国,欧州,カナダ合同でロシアの本計画への招へいが行われた。1998年(平成10年)1月には,ロシアの参加にかかる新しい宇宙基地協力協定の署名が5極で行われ,我が国では同年4月に国会において承認された。同年11月には,国際宇宙ステーションの最初の構成要素「基本機能モジュール」が打ち上げられ,2006年(平成18年)からの本格的な運用・利用の開始に向けて,軌道上での建設が開始された。

 2000年(平成12年)10月には,若田光一宇宙飛行士が日本人として初めて国際宇宙ステーションの組立ミッションに参加し,同年11月からは第1次搭乗員による長期滞在が開始された。さらに,2001年(平成13年)2月には最初の実験棟が取り付けられた。我が国は,独自の実験棟(JEM;ジェム)「きぼう」をもって本計画に参加することとしており,日本人宇宙飛行士も長期間にわたり,滞在することになっている。

{2} ITER* (国際熱核融合実験炉)計画

 ITER計画は,米ソ両首脳による平和利用の核融合研究開発の国際協力による推進の提唱(1985年)を発端とし,人類の恒久的なエネルギー源の一つとして期待されている核融合エネルギーの科学的・技術的な実現可能性を実証することを目的として,国際協力によりトカマク型の核融合実験炉の開発を目指した計画である。日本,EU,ロシア及び米国の4極により,概念設計活動(1988年〜1990年)が行われ,これに引き続いて,1992年から6年間の工学設計活動(EDA)が実施され,最終設計報告書が,1998年6月にとりまとめられた。しかしながら,各極の財政的な事情等を背景として,建設段階への移行が困難であることが判明したため,各極は,現行の取極を3年間延長(1998年〜2001年)し,延長期間の活動として主にITERを低コスト化(建設コストを約50%に低減化)する設計を実施することとした。米国は,議会における承認が得られず,1999年7月をもってITER計画から撤退したものの,日本,EU及びロシアは,3極により引き続きEDAを継続・完了することとした。

 2000年度(平成12年度)は,3極によりITERの工学設計活動が更に進められた。4月からは,ITERの建設に関する国際協定のための非公式政府間協議(EX)が3極により開始され,12月には,最終報告書が取りまとめられ,終了した。また,原子力委員会ITER計画懇談会が7月より再開され,我が国にITERを誘致することについて意義があるとの内容の最終報告書案が,2001年3月にとりまとめられたところである *

なお,2001年2月には当初設計に対してコストを約50%にまで低減した詳細設計に関する最終報告書がとりまとめられた。


*ITER:

International Thermonuclear Experimental Reactor


*今後,一般の方々に対し,ご意見をうかがうパブリックコメントの手続きを経て,報告書が取りまとまった。

{3}大型ハドロン衝突型加速器(LHC)計画

 LHC計画は,欧州原子核研究機関(CERN)における陽子衝突型粒子加速器計画であり,1994年(平成6年)12月に同機関の理事会においてその建設計画が正式に決定された。

 LHCは,円周27kmにも及ぶ巨大な円形加速器であり,その円形トンネル内に超伝導磁石を並べ,陽子を逆方向に光に近い速度まで加速し,陽子同士を衝突させるものである。その衝突の際に生じる膨大なエネルギー領域において,未知の粒子を発見し,物質の内部構造を探索解明することに資するものである。

 我が国においては,文部科学省(文部省)により検討され,LHC計画は,学術的な意義に加え新しい産業創出につながるものであるとされている。

{4}統合国際深海掘削計画( IODP* )

 IODPは,深海底から7,000mを越え,マントルに到達する大深度までの掘削能力を有する我が国の地球深部探査船と,現行ODP(国際深海掘削計画)において使用されているタイプの米国掘削船との共同運用により,国際協力の下,地球深部を探査するものである。

 地球深部に及ぶ地層の研究により,過去の気候・生態系の変動を解明し,21世紀の経済発展の制約要因である地球温暖化等の地球規模の問題に貢献するとともに,地震発生域を掘削することにより地震発生メカニズムの解明に貢献すること及び海底下の生命や資源の探求が期待されている。

 1998年(平成10年)に航空・電子等技術審議会地球科学技術部会の「深海地球ドリリング計画評価委員会」において,「本計画を推進することは適当であると認める。」旨の評価がなされ,1999年度(平成11年度)から地球深部探査船の基本設計ならびに建造に着手した。

 また,日米を中心としてIODP参加予定国/機関の政策担当者により,IODP運営体制の検討などIODP開始に向けた準備が進められるとともに,2000年(平成12年)には日・米・欧州等の科学者により取りまとめられたIODPにおける初期10年間の科学計画に対して国際的な評価が行われ,高い評価を得た。


*IODP:

Integrated Ocean Drilling Program


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