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第2部   海外及び我が国の科学技術活動の状況
第2章  研究人材
第1節  研究者数の状況
(2)  大学院生について


 日本の場合には,44,581人の博士課程大学院生が研究者とされている。これは,文部省「平成12年度学校基本調査」による自然科学系の博士課程の大学院学生数44,532人とほぼ等しく,ほとんどすべての博士課程大学院生が研究者とされている。

 一方,米国の場合,大学院学生のうち,研究支援業務で報酬を得ている学生数88,045人(米国国立科学財団「Science and Engineering Indicators2000」)に50%の専従換算係数をかけた約44,000人が研究者とされている。したがって,米国では博士課程のみならず修士課程も含むものの,研究支援業務に携わる学生に限定し,さらに係数をかけているため,博士課程の全学生数を研究者とする日本より少なく見積もられている可能性が高い。

 このように,日米比較を行う際には,我が国の研究者数が大学を中心に多めに計測されていることに注意が必要である。

 前述のように,研究者数の計測方法に相違があるが,大まかな傾向を見るため主要国それぞれの取りまとめ方法による研究者数を比較すると,米国(1995年:98.8万人)が最も多く,次いで日本74.0万人(2000年:専従換算では65.9万人),ドイツ(1998年:23.8万人)の順となっている( 第2-2-2図 )。

第2-2-2図 主要国の研究者数の推

 我が国の研究者数全体の推移を見ると,平成12年は前年度比0.93%(自然科学系のみに限れば0.83%)の微増となっている。昭和55年以降の年平均の伸び率は,昭和55年〜昭和60年が4.25%(同4.73%),昭和60年〜平成元年が4.59%(同4.90%),平成2年〜平成7年が3.29%(同3.47%),平成7年〜平成12年が2.34%(同2.31%)となっている。

(人口及び労働力人口1万人当たりの研究者数)

 平成12年(2000年)の我が国の人口1万人当たりの研究者数は,58.3人(専従換算値では,51.9人),労働力人口1万人当たりの研究者数は,109.3人(専従換算値では,97.4人)と,主要国中で最も多くなっている( 第2-2-3図 )。また,近年の推移をみると,人口1万人当たり及び労働力人口1万人当たりの研究者数ともに,我が国以外のほぼすべての国においては停滞傾向にあるのに対して,我が国は増加している。

第2-2-3図 主要国における人口及び労働力人口1万人当たりの研究者数の推移


(組織別研究者数)

 自然科学と人文・社会科学をあわせた研究者数の組織別構成比を見ると,我が国では産業界に43.4万人と最も多く約6割を占めており,次いで大学等25.9万人(内訳は教員17.1万人,大学院博士課程6.2万人,医局員等2.5万人:専従換算値では17.8万人),政府研究機関3.1万人の順になっている。

 米国では産業界の研究者数の割合が大きいのに対して,政府研究機関の割合は我が国と並んで低い。一方,欧州では,政府研究機関及び大学の公的部門に研究人材が集まっている度合いが高い( 第2-2-4図 )。

第2-2-4図 主要国の研究者数の組織別割合

 次に,我が国の研究者数の状況について組織別に見ることとする。

-会社等-

 会社等の研究者数は最近5年間(平成7年〜平成12年)に37.7万人から43.4万人に増加し,1.15倍(年平均の伸び率2.7%)と非常に高い伸びとなってきており,産業界では研究開発を重要なものと位置付けていることがうかがえる( 第2-2-5図 )。

第2-2-5図 我が国の組織別研究者数の推移

 研究者数を産業別に見ると,通信・電子・電気計測器工業が最も多く,以下,電気機械器具工業,医薬品以外の化学工業,機械工業,自動車工業,ソフトウェア業と続いている( 第2-2-6図 )。

第2-2-6図 会社等の研究者の産業別構成比(平成12年)

 従業員1万人当たりの研究者数を見ると,ソフトウェア業が最も多く,全産業平均の2.2倍以上,以下,通信・電子・電気計測器工業,精密機械工業,医薬品以外の化学工業,電気機械器具工業まで,従業員10人に1人以上が研究開発に従事している( 第2-2-7図 )。

第2-2-7図 会社等における従業員1万人当たりの研究者数(上位5業種)(平成12年)

 専門別に見ると,工学が最も多く,次いで理学,保健,農学の順となっている。工学の中では電気・通信,機械・船舶・航空が,理学では化学の分野が多く,この3分野で会社等全体の4分の3以上を占めている( 第2-2-8図 )。

第2-2-8図 会社等の研究者の専門別構成比(平成12年)

-政府研究機関-

 政府研究機関の研究者数は,最近5年間(平成7年〜平成12年)に全体で1.04倍とわずかな増加にとどまっている。研究者数の内訳は公営が最も多く,次いで国営,特殊法人の順となっているが,平成12年(2000年)の国営研究機関は前年と比較して減少しており,公営研究機関についても20年以上にわたって,その研究者数はほとんど増加していない結果となっている( 第2-2-9図 )。

第2-2-9図 研究機関の研究者数の推移

 専門別の構成比は,国営では理学,工学,農学,保健の全分野の研究者数に大きな違いはないのに対して,公営では農学,特殊法人では,理学・工学の研究者の割合が多い( 第2-2-10図 )。

第2-2-10図 研究機関の専門別研究者数の構成比(平成12年)

-民営研究機関-

 民営研究機関の研究者数は,ここ数年の伸びは鈍化傾向にあるものの,政府研究機関の研究者数が停滞気味であるのと対照的に大きく増加してきている( 第2-2-9図 )。

 専門別の構成比は,工学が最も多くなっており,それに続く理学と併せると9割近くを占め,民営部門の理工系への重点化が表れている( 第2-2-10図 )。

-大学等-

 大学等全体の研究者数は,最近5年間(平成7年〜平成12年)に15.6万人から16.7万人に増加し,1.07倍(年平均の伸び率1.4%)になっている。平成12年における国・公・私立別の研究者数は,国立(9.2万人),私立(6.2万人),公立(1.3万人)の順となっている( 第2-2-11図 )。

第2-2-11図 大学等の研究者数の推移

 大学等における研究者は,教員,大学院博士課程の在籍者及び医局員等からなるが,これを国・公・私立別に見ると,国立は比較的大学院博士課程の在籍者の割合が大きく,私立は教員と医局員等の割合が大きく,大学院博士課程の在籍者の割合が小さい。公立は教員,大学院博士課程の在籍者,医局員等の割合が,すべて国立大学と私立大学の中間である( 第2-2-12図 )。

第2-2-12図 大学等の研究者数の構成比(平成12年)

 専門別構成比を見ると,大学の研究者は,教員,大学院博士課程の在籍者及び医局員等のすべてについて,保健専攻者の割合が高い。それ以外の専門については,教員は工学の割合が比較的高く,大学院博士課程の在籍者は理学の割合が比較的高い( 第2-2-13図 )。

第2-2-13図 大学等の研究者数の自然科学に占める専門別割合(平成12年)

 最近5年間(平成7年〜平成12年)の専門別研究者数の推移は,年平均の伸び率で,理学(2.9%),工学(3.0%),農学(2.5%)とバランスの取れた伸びを示しており( 第2-2-14図 ),また,多くの専門別の分野でも研究者数は増加しているが,特に生物(年平均の伸び率5.3%)及び電気・通信(年平均の伸び率3.1%)などの伸びが特に著しい( 第2-2-15図 )。

第2-2-14図 大学等の専門別研究者数の推移

第2-2-15図 大学等の専門別研究者数の推移(詳細)

(女性研究者)

 人文・社会科学を含めた女性研究者は年々徐々に増加しており,平成12年には,7.8万人となり,研究者全体の約10.5%を占めている( 第2-2-16図 )。しかしながら,総務省「労働力調査」によれば,平成11年の全就業者数(6,446万人)に占める女性就業者の割合40.8%(2,629万人)であり,これと比較すると,依然として研究開発分野での女性の進出が遅れていると言える。各組織ごとに女性研究者の割合を見ると,会社等5.5%,研究機関8.7%,大学等19.2%と,大学等に女性研究者が多い。

第2-2-16図 女性研究者数と研究者総数に占める女性研究者の割合


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