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第1部   我が国の科学技術の創造力
第2章  我が国の科学技術システムの現状と課題
第3節  研究基盤
3.  知的基盤


 先端的・独創的・基礎的な研究開発を推進するためには,研究開発活動を安定的・効果的に支える研究用材料や計量標準などの知的基盤の体系的な整備が必要である。

(生物資源)

 各国で戦略的に取り組まれているライフサイエンス分野において,生物遺伝資源と関連情報の系統保存,データベースの構築及びネットワークの整備は中長期的な競争力の強化にとって不可欠であるとともに,医薬品,食品等の幅広い分野においても,新たな機能を有するタンパク質の創成等,多くのポテンシャルを有している。さらに近年,生物多様性条約が発効し,遺伝資源へのアクセスや利益配分の在り方が国際的に検討されつつある中で,欧州や米国では生物資源保存の整備について関心が高まりつつある。我が国においても,これらの生物資源については急速に整備されつつあり,特に微生物の系統保存や,タンパク質の解析に有用なcDNA技術保有で世界をリードしているが,全般的には欧米に水をあけられているのが現状である。

 このため,我が国においても理化学研究所,農業生物資源研究所,製品評価技術センターに我が国のバイオリソース事業の中核的な役割を果たす拠点を整備するなど,関係省庁の連携の下,実験動植物,作物,微生物,DNA等の生物遺伝資源の管理・提供体制の整備を図ることとしている。

(計量標準及び標準物質)

 種々の研究開発における信頼ある計測結果は,測定者の技術,計測環境の他,正確な計測機器によることとなるが,正確で信頼ある計測機器は,ばらつきや偏りが小さく,国家計量標準に対するトレーサビリティが確保されることでその信頼性が保証される。

 また標準物質は,各種化学分析等において,物質・材料の特性値を決定するための定量的な目盛りの役割を果たすものであるとともに,最終の標準物質を得るには,使用する原材料の吟味,製造工程の信頼性の確保など,長期にわたってそれらの工程を実現する高度な技術力が必要となるため,その作成が可能であることはその国の技術レベルの一面を表している。

 これまで,我が国での計量標準や標準物質の整備は欧米と比較して遅れていたが,これらの正確な使用による計測・分析・試験評価結果の客観性の確保は,研究開発活動の円滑化・促進のための重要な基盤であることから,我が国では,2010年までに米国並の水準まで整備することを目標に開発・供給体制の充実・強化が図られている。

 また,我が国では従来,計量標準の供給業務が必ずしも論文につながらないことからその人的・資金的な手当が十分でなかったが,このような研究者・技術者の評価についても再考が必要である。

 上記のほか,化学物質安全管理,人間生活・福祉関連,材料関連などについても,我が国において,知的基盤として整備が必要であり,具体的な目標,整備計画等を設定して取り組んでいる。


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