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第1部   我が国の科学技術の創造力
第2章  我が国の科学技術システムの現状と課題
第2節  研究環境と研究資金
1.  研究環境


(若手研究者にとって魅力的な環境)

  第1-2-21表 は,米国内で1992年度(平成4年度)及び1993年度(平成5年度)に博士号を取得した外国人で,引き続き又は帰国後再度米国内に滞在している者の割合(%)を1994年(平成6年)から1997年(平成9年)まで分野別に示した表である。社会科学を除く3分野では,概ね50%を越えており外国人にとって米国の研究環境が魅力的であることがわかる。

第1-2-21表 一時ビザ(学位期間)で1992〜1993年に博士号を取得した者で,1994〜1997年に米国内に滞在した割合(%)

 この要因の一つとして,競争的資金の充実等により,外国人を含む優秀な若手研究者の自立を支援する環境が整備されていることが考えられる。若手研究者を取り巻く環境としては,以下の点が挙げられる。

○若手研究者でも研究室を主宰することが可能

 若手研究者であっても個別の研究室を構成しており,均等な機会が与えられ,能力主義が徹底されている。

○自立のための人材の雇用が可能

 研究資金さえ獲得できれば,研究者の意志に基づいてポストドクターやテクニシャン等の人材雇用が比較的容易である。ポストドクターやテクニシャンの人材は潤沢であり,比較的待遇も良い。

○自立を可能にするスペースの確保が可能

 多くの研究資金を獲得した研究者には研究機関において優先的に広いスペースが提供される。

○競争的資金が潤沢

 若手研究者の育成や自立を支援する資金が比較的潤沢で,ポストドクターが助手クラスの研究者として自立することを想定したものも多い。

 我が国においても,優秀な研究人材の確保という点から,ポストドクター等を支援することが不可欠であり,競争的資金を拡充することによって研究機会を増大させるなど,より一層の支援環境を整備していくことが必要である。また,海外の研究者をも引き付けるような,多様でかつ魅力的な環境を整備していくことも重要である。

(競争的環境)

 競争的環境とは,研究者が研究機関の外部から競争的資金を獲得することに加え,研究機関の内部でも競争的な環境を醸成するなど,各局面で競争原理が働き,個人の能力が最大限に発揮される研究環境を一般に指す。我が国の研究者に対して行ったアンケート結果では,我が国の環境は欧米,特に米国と比較すると競争的でないとの回答割合が多かった( 第1-2-22図 )。

第1-2-22図 我が国と欧米との競争的環境の比較

 次に,競争的環境の必要については,研究費やポストへの競争原理導入は必要ないが,研究成果に対する評価を行うべきとの回答が約半数を占め,前回調査と比較すると,競争的環境を導入すべきとの回答割合が若干低下している( 第1-2-23図 )。これは,競争的資金の拡充や研究課題等に対する評価制度が整備されつつあり,評価・審査の充実が不可欠になっているとの研究者の意識の表れと考えられる。

第1-2-23図 競争的環境の必要について


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