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第3部   科学技術の振興に関して講じた施策
第3章  研究活動の推進
第3節  組織別の研究活動
4.  日本学術会議の活動


 我が国科学者の代表機関である「日本学術会議」は,1999年(平成11年)1月,創立50周年を迎えた。現在の第17期(平成9年7月〜12年7月)においては,

 1 多数の領域を擁する学術全体を俯瞰的に見る視点の重視
 2 行動規範の根拠を提供する開いた学術の構築
 3 本会議の国内外における能動的活動の推進

の3つの基本的方向の下に,精力的な審議を行うとともに,科学の能率向上を図るための研究活動等を行っている。

(審議活動等)

 日本学術会議は,平成11年4月「地球圏-生物圏国際協同研究計画(IGBP)の促進について」を政府に勧告した。その内容は,平成2年の日本学術会議の勧告「地球圏-生物圏国際協同研究計画(IGBP)の実施について」に基づき,地球環境問題への国際的な対処の必要性から,科学的成果の統合とグローバルな変化と地域的変化の関連に関する研究の促進について,我が国が平成12年以降も引き続き積極的に参画すべきであることを述べたものである。

 また,平成11年10月,「我が国の大学等における研究環境の改善について」を政府に勧告した。その内容は,平成8年策定の科学技術基本計画で指摘されている狭隘化,老朽化の著しい大学等の計画的な整備が十分ではなく,研究活動を発展させる上での最大の阻害要因となっていることを挙げ,研究環境のこれ以上の劣悪化を防ぎ,国際水準に近づけるべく,土地の手当てを含め,思い切った先行投資が必要であることを指摘するとともに,次期基本計画において中・長期整備計画を練り,十分な予算の手当てが優先的,集中的に行われることが必要としたものである。

 さらに,同日,「日本学術会議の自己改革について(声明)」を発表した。これは,21世紀を迎えるに当たり,学術の社会に対する責任を果たすことができるよう,日本学術会議がその組織と活動について自主的な点検・評価を行い,新たな課題への機動的な対応及び審議成果の時宜を得た公表を可能とする体制等の整備について取りまとめたものである。

 併せて,「日本学術会議の位置付けに関する見解(声明)」を発表した。これは,日本学術会議が,平成13年1月から内閣府に新設される総合科学技術会議においてその在り方の検討がなされるに当たり,科学技術創造立国を標榜する我が国の科学を重視する姿勢及び当会議の基本的性格等から,その位置付けは内閣府に置かれることが不可欠であるとの見解を示したものである。

 このほか,昨今の社会的に大きな影響を与える事故等に対して,学術の分野が如何に対応すべきかを検討するため,平成11年10月,「安全に関する緊急特別委員会」を設置し,安全活動の基本的枠組み及びこれを基にした安全学の構築を提案した。審議の結果については,平成12年2月,対外報告「安全学の構築に向けて」として発表している。

 日本学術会議は,このほかその審議結果の成果として下記のような対外報告を公表している。

{1} 平成11年4月,「新たなる研究理念を求めて」(第3常置委員会報告)
{2} 平成11年9月,「科学技術の発展と新たな平和問題」(科学技術の発展と新たな平和問題特別委員会)
{3} 平成12年3月,「新千年紀における食問題の解決に向けて」(食問題特別委員会)

(国際学術交流等)

 日本学術会議は,多くの国際学術団体に我が国を代表して加入し,国際的な学術協力事業等に積極的に対応するとともに,諸外国との連携に努めている。

 日本学術会議は,国際科学会議(ICSU, The International Council for Science)に,1931年(昭和6年)の創設以来,国家アカデミー会員として加入している。ICSUは非政府,非営利の国際学術組織であり,学問分野を代表する国際学術団体と各国を代表する科学アカデミーの双方を束ねる科学者コミュニティの国際的な要である。1999年(平成11年)6月に,ブタペスト(ハンガリー)においてICSUとUNESCOの共催による世界科学会議が開催され,日本学術会議は,ICSU国家アカデミー会員の立場から積極的に参加した他,吉川弘之日本学術会議会長が基調講演を行った。また,1999年(平成11年)9月にカイロ(エジプト)において開催されたICSU総会において,吉川弘之日本学術会議会長が,日本人として初めてICSU会長に選出された。

 1999年(平成11年)10月,東京でアジア10カ国の参加を得て開催した第7回アジア学術会議では,後述する世界科学アカデミー会議(IAP2000)に向けた提言の内容を議論するとともに,Science Council of Asia(SCA)創設に向けた議論等がなされた。

 なお,IGBP(事務局:スウェーデン)は,1999年(平成11年)5月,神奈川県湘南国際村において,これまでの研究成果をまとめるための全体会議を日本学術会議の主催により開催した。

 日本学術会議は,1996年(平成8年)9月に,世界の科学アカデミーのフォーラムであるインターアカデミーパネル(IAP, Inter Academy Panel)に参加した。IAPは,助言や情報を政府や国際機関に提供し,国際問題に対し,科学者の意見を広く世界に示すことを目的としている。日本学術会議は,このIAPと共同して,21世紀において人類が実現しなければならない持続的発展への移行に向けて,人口や食料に関する問題解決のために科学は何をすべきかについて討議する「世界科学アカデミー会議(IAP2000)」を平成12年5月に開催することとしている。

 このほか,日本学術会議では,我が国で開催される重要な学術関係国際会議について,閣議の了解を得て学術研究団体と共同主催しており,平成11年度においては,8件について共同主催した。

(公開講演会,シンポジウム)

 学術の成果を国民に還元するための活動として,本会議主催の公開講演会等を開催している。また,このほか,各部や研究連絡委員会等が中心となり,学・協会との連携の下に,各種の学術上の問題を捉えて,積極的にシンポジウムなどを開催している。

 なお,平成11年度は,公開講演会2件,シンポジウム等144件を開催した。


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