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第3部   科学技術の振興に関して講じた施策
第2章  総合的かつ計画的な施策の展開
第8節  科学技術に関する学習の振興及び理解の増進と関心の喚起
2.  科学技術に親しむ多様な機会の提供


 創造性と主体性に富み,科学技術に対する夢と情熱を持った科学技術系人材を育成するとともに,国民が科学技術を身近に感じ,強い関心を抱くような社会環境を作り上げていくため,青少年を中心とした国民に対し,科学技術に親しむ多様な機会を提供することが重要である。

 このため,科学技術庁では,青少年の科学的創造力の育成を図るため,青少年が2泊3日の合宿を通して研究者,技術者等から直接講義を受けたり,研究現場を実体験する「サイエンスキャンプ」の実施及び科学実験やものづくりを通して,青少年に科学技術の原理・現象の面白さを実体験させるためのノウハウの各地の科学館への提供を行ったほか,地方公共団体の行う,青少年が先端的な科学技術を実際に体験する工作・実験室を持つ,地域における科学技術理解増進活動の中心的な役割を担う「先端科学技術体験センター」の整備に対する支援を行った。

 サイエンスキャンプへの参加機関及び参加者数の推移を 第3-2-45図 に示す。

第3-2-45図 サイエンスキャンプへの参加機関及び参加者数

 科学技術振興事業団(JST)においては,青少年の科学技術に対する興味・関心を高めるため,最新のコンピュータ技術によって仮想的に科学技術を体験する「バーチャル科学館」の開発やモデル科学館を定めて大型映像機器等の整備活用を支援する「科学館マルチメディア活用モデル事業」の推進を行っている。また,科学館等における展示物が青少年にとって魅力的なものになるよう,広くアイディアを募集し,試作・展示する事業や,科学技術の実験に精通した人材を「サイエンス・レンジャー」として登録し,学校や科学館等の要請を受け,科学技術実験教室に実験メニューとともに派遣する事業や,著名な科学者が青少年に最先端の科学技術を紹介する「JST科学技術講話」を実施している。さらに,国際的ロボット競技会「ロボフェスタ」に向けて小型ロボット競技会等の準備を進めているとともに,科学技術に関する話題や興味深い科学実験の番組等を作成し,国民に提供する「サイエンス・チャンネル」を推進している。また,新たな展示手法の開発及びその成果等の展示,映像等を用いた先端科学技術の紹介等の機能を有する科学技術理解増進の推進拠点について整備を進めているところである。

 また,宇宙開発事業団(NASDA)においては,青少年に対して宇宙の魅力と地球のすばらしさを理解する様々な機会を提供するため,文部省宇宙科学研究所と共催で毎年度春,夏2回ずつ開催している「コズミックカレッジ」等,様々な体験学習イベントを実施している。

 文部省は,青少年をはじめ,社会の各方面に対して理工系分野の魅力を積極的に情報発信していくため,大学・高等専門学校において体験入学事業を実施している。さらに,科学技術展等の各種事業の主催者等の依頼に応じ,青少年等を対象として,講演・実験等を行う講師等の協力者を「サイエンス・ボランティア」として登録するための名簿の作成及び提供を行っている。

 また,大学等の研究者グループが中・高校生を対象として,最新の研究動向・研究内容を実験等を通じて体験する機会を提供し,学術研究の普及・啓発を行う「ふれあいサイエンスプログラム」を日本学術振興会が実施している。また,研究施設を一般市民に公開し,研究活動の紹介や講演会などを実施する大学の研究所や大学共同利用機関が多くなっている。例えば,国立天文台においては,青少年を含む一般市民を対象に直径50cmの社会教育用望遠鏡を用いた「天体観望会」を毎月2回実施している。また,東京大学生産技術研究所では,一般公開の中で中・高校生を対象とした見学コースや産学研究交流の展示を設けるなど,一般公開や展示等に各機関が工夫を凝らして,社会に開かれた大学・研究所づくりを推進している。

 科学技術の急速な進展・高度化に伴い,人々が絶えず新しい知識・技術を習得することが必要であり,このような学習機会の増大を図ることが重要となっている。

 このため,文部省では,学校休業土曜日を中心に子どもを対象とする科学・ものづくり教室を全国的に展開するため,全国の公民館,科学博物館,科学館等において開催する科学実験・ものづくり体験教室に対して助成を行うとともに,博物館の機能を積極的に活用し,青少年が楽しく遊びながら我が国の技術等に直接触れられるように,参加体験型の展示,ハンズオン活動を振興している。さらに,科学系博物館の機能の充実と有効利用の促進を図るため,博物館と学校,関係機関等が連携協力して,多様な事業をモデル的に実施し,その成果を全国に普及する事業を行っている。また,従来から,学芸員等博物館職員の資質向上を図るため,自然科学系博物館等に勤務する学芸員等を対象とした専門研修を行っている。さらに,大学等における科学技術に関する公開講座の拡充や,科学技術に関する授業を開講している放送大学の整備充実を図り,青少年や一般社会人を対象として最新の研究動向等を普及啓発するシンポジウムや学術講演会の開催の助成を行っている。

 国立科学博物館においては,青少年や家族等を対象に科学教室や野外観察会を行うなど,科学技術等についての理解を深める教育普及活動を行っている。また,青少年の科学への興味を育てる参加体験型展示を整備し,平成11年4月に「たんけん広場発見の森」と「たんけん広場身近な森」を開設した。

 農林水産省においては,つくばリサーチギャラリーを設置して,農林水産技術の最新の成果等を展示し,普及啓発に努めるとともに,森林総合研究所に多摩森林科学園を設置して森林科学についての展示を行っている。

 また,バイオテクノロジーの定着を図る上で不可欠な国民の理解の醸成のため,農林水産省では,農林水産・食品分野のバイオテクノロジー及び遺伝子組換え農作物についての解説パンフレットを作成するとともに,平成7年度からバイオテクノロジーPA対策事業を開始しており,平成11年度には,東京都などにおいて一般市民を対象としたフォーラムを開催したほか,つくば,北海道(北海道農業試験場)及び東北(財団法人岩手生物工学研究センター)において対象別体験研修等を実施した。

 通商産業省においては,若者の産業技術に対する関心の低下や理工系離れに対処するため,平成5年度から,産業技術を評価し,保存して,次代を担う若者に継承していくための活動として,産業技術のイノベーションにかかる実態調査等を行うなど,産業技術の継承活動を展開している。また,この一環として,平成9年8月に産学官の初めての連携事業として開催された「産業技術歴史展テクノフェスタ21」を支持した。さらに,平成5年度より,21世紀を担う若い世代に化学技術を承継する活動として,大学化学実験等の「夢化学21」キャンペーン事業を支援した。


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