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第3部   科学技術の振興に関して講じた施策
第2章  総合的かつ計画的な施策の展開
第7節  地域における科学技術の振興
1.  地域における科学技術の振興を図るための国の施策等


 地域における科学技術の振興を図るため,関係省庁で様々な施策等が講じられている( 第3-2-42表 )。以下,その主なものを紹介する。

第3-2-42表 地域科学技術の振興に関する主要な施策


(1) 研究制度等

 地域のニーズや特性を活かした基礎的・先導的研究開発を展開するため,産学官の連携・交流を促進することが重要であることから,多様な研究制度を整備するとともに,研究開発のコーディネート機能を強化する必要がある。そのため,各省庁において,次の研究制度等を実施している。

(科学技術庁)

 平成2年度から,科学技術振興調整費を活用し,地域中核オーガナイザーの下,地域の産学官の研究機関に地域内外の優れた研究者を結集し,地域の特性を活かした,地域の活性化や住民生活の質の向上に資する研究を行う地域流動研究(平成4年度に生活・地域流動研究と改称)を実施してきた。平成7年度からは,同制度をさらに発展させ,地域社会や生活者ニーズに密接に関連した研究開発を推進するため,国・地方公共団体等の研究ポテンシャルを活かし,生活の質の向上及び地域の発展に資する目的指向的な研究開発を総合的に推進する生活・社会基盤研究制度として実施している。

 平成8年度から,地域の研究開発促進拠点において,国立及び公設試験研究機関,大学,民間の研究機関間の研究コーディネート機能の充実を図ることにより,地域における科学技術の振興を支援する地域研究開発促進拠点支援事業を実施している。地域研究開発促進拠点支援事業の拡充状況を 第3-2-43図 に示す。

第3-2-43図 地域研究開発促進拠点支援事業(RSP事業)の拡充状況

 また,同事業の実施等により研究ネットワークが整備された地域を対象に,大学等の研究成果を実用化に向けて育成することを目的とした地域研究開発促進拠点支援事業(研究成果育成型)を,平成11年度から実施している。

 さらに,平成9年度から,国として推進すべき重点研究領域に沿うとともに,地域独自の研究領域において,国と地域の共同により,科学技術セクターのポテンシャルを人的・組織的に結合させることによるネットワーク型地域COEの形成を推進する地域結集型共同研究事業を実施している。

 海洋科学技術センターでは,昭和63年度から平成9年度までの間,地域における海洋科学技術の振興や普及及び海域の利用の促進を図るため,都道府県等と共同で研究開発を実施する地域共同研究開発事業を展開してきた。平成10年度からは,沿岸環境・利用の研究開発を海洋科学技術センターが地域の協力を得ながら,実施している。

(環境庁)

 平成5年度から,地域においてニーズが高く,地域環境の特性に応じた検討が必要な研究課題について,国立試験研究機関と公設試験研究機関との共同研究を行う地域密着型環境研究を実施している。

(文部省)

 国立大学において,民間等との共同研究,受託研究を実施する場となるほか,企業等の技術者に対する高度技術研修や研究開発の技術相談を行い,産業界と連携・協力していく共同研究センターの整備を図っている。この施策は,地域産業との連携,活性化に貢献しており,これまで,44都道府県で56の国立大学に設置している。

 また,平成11年度現在,地域の産業振興の核となるような独創的な研究開発を推進するため,34大学にベンチャービジネス・ラボラトリーを設置しているところである。

(農林水産省)

 平成7年度からは,農業生産の現場に直結する技術開発を推進するため,国,都道府県,民間の研究勢力を結集して総合的な研究開発を実施している。

 また,平成8年度から,地域産業の発展に資するバイオテクノロジー等先端技術の実用化研究の一層の推進を図るため,国立及び公設試験研究機関に加え大学・民間の研究開発能力も組み入れた産学官の共同研究として,地域先端技術共同研究開発促進事業を実施している。

(通商産業省)

 昭和57年度から,地域のニーズに対応した,あるいは地域の研究開発ポテンシャルを活用した重要な研究開発課題について,工業技術院の研究所を中核とし,公設試験研究機関,民間企業等が一体となって研究開発に取り組む重要地域技術研究開発制度を実施している。

 平成9年度からは,地域において産学官が共同研究体制(コンソーシアム)を組み,国立試験研究機関,大学等が蓄積してきた技術シーズと研究能力を活用しつつ新規産業創造のための技術開発を推進する地域コンソーシアム研究開発制度を実施している。

(郵政省)

 平成9年度より,通信,放送分野における研究開発成果である基礎的な要素技術を組み合わせ,より高度な機能を持つ電気通信システムとして実現するため,地方公共団体等が整備・提供する研究フィールドで研究開発を行う「研究成果展開事業」(マルチメディア・パイロットタウン構想)を展開している。

 また,平成10年度から,地域における研究開発力の向上,地場産業の振興を図ることを目的として,地域のニーズに応じた研究開発課題を地域の産学官の研究共同体に公募し,委託研究を行う地域提案型研究開発制度を実施している。


(2) 研究施設の整備

 地域独自の科学技術の振興を図る上で,研究施設等の基盤の整備が重要であることから,次の事業によって研究施設の整備を支援している。

(科学技術庁)

 平成8年度から,地方公共団体が行う科学技術関係施設(粒子線高度がん治療促進研究施設,地震調査観測施設,先端科学技術体験センター)の整備を支援する生活・地域科学技術研究施設整備事業を実施している。平成9年度からは,地域の特性を活かした,あるいは地域の研究ポテンシャルの高度化に資する先導・基盤的研究開発施設の整備についても支援している。


(3) 公設試験研究機関の研究開発・技術支援機関としての活動と機能の強化

 地域産学の発展等につながる研究開発,技術支援等について,各省庁において公設試験研究開発を対象とした施策が行われている。概要は 第3-2-44表 のとおり。

第3-2-44表 公設試験研究機関の研究開発・技術支援機関としての活動と機能の強化のための支援の概要


(4) 地域間の連携や各種交流

 国と地方公共団体,地域間の連携や各種交流を図るため,次の施策等を講じている。

(地域科学技術振興会議)

 科学技術庁では,地域における科学技術振興施策の一環として,地域科学技術振興会議を開催しており,平成11年度は青森県で実施している。本会議は,関係機関と産業界,学界をはじめとした各界の連携の機運を醸成し,地域における科学技術振興基盤の確立に資することを目的として,関係者が一堂に会し,国と地域の意思疎通や各地域間の情報交換,当該地域等における諸課題に関する検討を行っている。

((財)全日本地域研究交流協会における研究交流事業等)

 (財)全日本地域研究交流協会は,地方公共団体の出捐金拠出により,研究交流をはじめ,地域の科学技術振興を支援することを目的として,平成4年6月に設立されている。先端的研究や基礎的研究に地域が取り組む際の各種研究支援事業や全国規模の研究交流事業が展開されている。

(工業技術連絡会議)

 鉱工業技術に関する公設試験研究機関相互及び国立試験研究機関との協力体制を強化し,機関相互の試験研究を効果的に推進し,もって工業技術の向上を図ることを目的として,昭和29年に設置されている。本会議の組織は7連合部会,8地方会議,さらに平成11年度には横断的組織の福祉技術部会が新たに設置され,公設試験研究機関間,国立試験研究機関,公設試験研究機関間の研究協力,研究調整,研究交流,情報交流等を実施している。


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