ここからサイトの主なメニューです
前(節)へ  次(節)へ
第3部   科学技術の振興に関して講じた施策
第2章  総合的かつ計画的な施策の展開
第5節  民間の研究開発の促進と国等の研究開発の成果の活用
1.  研究開発にかかる官民共同の取組


 景気を本格的な回復軌道に乗せ,我が国経済を新生させるためには,我が国の生産性の向上,新規産業の創出等を通じて経済の活力を回復していくことが不可欠である。

 このため,科学技術の振興においては,積極的に基礎的・創造的な研究開発を推進するとともに,官民がそれぞれの役割分担に応じて協力を行うことが求められている。

 近年,我が国では,経済の新生に向けた官民共同の取組が活発に行われている。平成11年1月29日,我が国の経済構造改革に一層強力に取り組むため決定された「産業再生計画」において,「官民の関係者が意見交換を行う場を早急に設ける」との指摘がなされた。これを踏まえ,平成11年3月19日,内閣総理大臣の下,関係大臣及び産業界の代表より構成される「産業競争力会議」が設置された。

 産業競争力会議では,生産性の向上による産業の競争力強化を目指した総合的な検討を行い,これまでに,事業再構築及び国の委託研究開発にかかる特許権等の受託者への帰属等(産業活力再生特別措置法制定),中小企業・ベンチャー企業支援(中小企業基本法改正),ミレニアム・プロジェクトの策定,国立大学教官等の民間企業役員兼業規制の緩和等を含む「産業技術力強化法」の制定等の施策がこの会議での議論を契機として実現されている。

 平成11年6月11日には,それまでの産業競争力会議での議論,提言等を踏まえ,政府の産業構造転換・雇用対策本部において「緊急雇用対策及び産業競争力強化対策について」が決定され,この中で,国家産業技術戦略を産学官の英知を結集して策定し,当該戦略を科学技術基本計画に反映することとされた。

 これを受け,平成11年10月に産学官の有識者からなる第1回目の「国家産業技術戦略検討会」(座長 吉川弘之 日本学術会議会長)が開催され,平成12年4月に「国家産業技術戦略」が取りまとめられた。

 国家産業技術戦略では,産業技術力強化に向けての今後の大きな方向性を「キャッチアップ型からフロンティア創造型への技術革新システムの改革」であるとし,その達成目標として,{1}技術革新を生み出す真の産学官連携の実現,{2}国際競争力のある大学を目指した改革の推進,{3}創造性豊かな研究・技術人材の育成,{4}世界の技術革新動向に適応できる柔軟な政府の制度の再構築を掲げ,そのための制度改革等,具体的な措置が提言されている。

 さらに,産業技術力強化のために,「政府研究開発投資の重点化」が不可欠とし,{1}市場の創出につながる社会的ニーズをにらんだ研究開発投資,{2}革新性・基盤性を有する萌芽的技術に対する研究開発投資,{3}産業技術の発展ベースとなり,公共財としての側面を有する知的基盤への投資を重点化領域としてあげている。

 また,16の分野別産業技術戦略では,産学官の有識者により分野毎に適切な場で,2010年頃をにらんだ目標を設定し,そのための総合的な戦略を策定している。


前(節)へ  次(節)へ

ページの先頭へ   文部科学省ホームページのトップへ